12月

1日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

しはすになった。今年も後ひと月。忙しいのと、うさぎの怪我の容態が気になって、なにかとてもバタついた日々である。しかし、世にはもっと深刻な「業」を抱え、なをかつ進むのを止めぬ人もゐる。ワシとて、と思ふ。

けふもTip稽古。音響スタッフも入り、通し稽古も始まる。少しばかりの台詞にも、要求される課題はあって、演るごとにチャレンヂしてはゐるつもりなのだが、あまり効果なし(泣)。残念ながら今のワシの「演技力」はここが限界のやうだな。ヌー、難しい。

日々、家とスタヂヲの往復で、忙しいが変化に乏しい。

2日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは本番と同じセットが組まれる。大道具さん達の見事な手腕によって、ステージが「舞台」となる。その空間で、またまた壱日集中稽古。広い空間を目一杯使い、本番衣装もつけた本格的な通し稽古だ。

ワシの衣装は、タイの方のお坊さん、の地味ヴァージョン、といったかんぢで、正直自分でも恐ろしいほど似合うと思ふ。他の出演者がみんな拝んで行く(笑)。壌さんをして「托鉢ができるんぢゃないの?」と云はしめるハマり具合。演奏も意外にし易く、マジで個人的に壱枚欲しいかんぢ。安芸楽団の頃にやりゃ良かったな。

が、稽古はシビアそのもの。通しリハ後、なんとなく「演り切った」感でゐた出演者の心情を奈落の底にたたき落とす、壌さんからの容赦ないダメ出しの嵐。たった壱回の舞台を「成功させる」とは、まぁさういふ事なんだらうな。

パフォーマンスチームでミーティングの後、日付け変わって帰宅。女房が所用で博多へ行ってゐるので、うさぎと二人。疲れて酒飲む気にもならず就寝。

3日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

久々、てかんぢの稽古のない日。専門学校3コマ。晩飯の買い物して帰宅。風が強い。

このたび、若いコらと新ユニットを組んだ。のの壱回目のリハに行く。バラフォンのふじたよーこ、マイコンジャーのみかりん、Jama-zのザキ君、にワシ、といった布陣。なんか無国籍風なロックなやうな事が出来れば、と思ひ。よーこちゃんが先導するマリのポップスと、ワシが先導するインド・ロックを演る。オモロい。みんな楽しさうに演ってゐて良い。興が乗れば、明後日のござしきなげせんライヴにお目見えする予定。

久しぶりのバンドぽくて楽しかったが、さすがにリハ終了後の飲みには加わらず、ひとり先に帰って飯&晩酌。これがまた一興。寒いのでホット・ヰスキィ・トデーを作って飲む。胃はまだ本調子でなく、ちょっと飲んだだけで、酔いが廻る。


2週目

4日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

博多にレ−シック(視力矯正術)を受けに行ってる女房から「成功」の報せ。彼女にとって30年ぶりに裸眼で見る景色だ。そは素晴らしい事だらう。第弐の人生、と云っても過言ではないのではないか。おめでとう。本当に良かった。

広島に帰って来る女房と入れ違いに、ワシは藤井政美デュオへ。マサミはダブルヘッダーにて、本番ギリの入りになると云ふ。が、確かに開演時間をちょいと過ぎてやって来たマサミよりも、さらに客足の方が遅く、結局とても寂しいライヴとなってしまった。演奏はまぁ粗いなりに悪くは無かったのだが。

終演後、友人と軽く飲みに行く。するとロケンロー三宅さんがゐたので合流して3人でわーわー云ひながら飲む。三宅さん、ランブラーズでの活動が、割と波に乗ってるらしくイイかんぢ。ひと回り若い世代と組んでロッケンロールする。素晴らしい人生だと思ふ。ワシもかくありたい。

5日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

今年最後の千田わっしょい祭りに参加。いちをうFar east 〜での出演、て事を聞いてゐたが、昼頃行くとカシラがまだ来ておらず、ステージがぽっこり空いてゐる。ので、しーシュを30分ぐらい演る。クリスマスライヴの番宣(?)兼ねて・・・。ワシのソロ「月の路」をTip hotelで使ふ為に、しーなさん唄ヴァージョンを作ったのだが、それを演ると良いかんぢ。これから「使える」レパートリィとなるな。

演奏中にガキに電源を引っこ抜かれる、といふアクシデントはあったが、まぁ良いライヴ。クリスマスライヴのチラシを、何人かの人が持って帰ってくれた。

その後カシラが合流してFar eastに。けふはいつにもましてグダグダ(苦笑)。最近ライヴのテンポが悪いぞカシラよ。だがまぁ小春日和で気持ち良い空の下、たっぷり演奏して終演。夜は夜でなげせんライヴなので、一旦帰宅して少し休み、バスで出直す。

半年ぶりに復活した「ござしきなげせんライヴの会」。主催のMちゃんは遅刻だったが、開演時間にはなんか日頃PICOでは見慣れぬかんぢの御婦人の団体が揃い、「これは!」と思ひ、独断でワシのソロでライヴをスタートさせる。そのまま引き継ぎでしーシュ。この流れが効を奏し、全体的にサクサク進む良いライヴとなった。この会にしーシュとして出たのも初めてだが、「楽器交換」なども演って(しーなさんがフレットレスを弾き、唄う!)みて、なかなか好評。また演りませう。

あとワシは、例の新ユニットでも出る。なかなかオモロかった。インド風ロックに乗せてアフリカのバラフォンがソロを取り、女性ふたりのコーラスにワシのえせニック歌唱。ん〜〜〜割とワシが目指す所にハマったかんぢ。まだレパートリィは弐曲しかないが、長い目で見てユルく続けてみませうかね。バンド名つけなアカンな。

けふも、アフリカン、沖縄、レゲエ、アイリッシュ、etcとまぁ、銘打った訳でも無いのに見事に無国籍な・・・。やはり良いイベントだな、この会は。

6日(月)----------------------------------------------------------------------------------

最近、割と良くあるのだが、強いストレスを感ずるとフっと睡魔に襲われる。目の前の事象に無力感を抱いたりすると顕著だ。目を開けてゐるのがしんどい程の睡魔。これはナルコレプシーといふ奴ではないのか?。さういや昔の友人にひとりゐたなぁ・・・。

突然パタっと倒れて動かなくなる(目は開いてゐる)から、周りは「?」だった。当時は全然そんな病気の知識もなく、本人もそれに気付いてゐたかどーか怪しい所だったな。あとで調べるに付け典型的なナルコレプシーの症状と分かり、嗚呼!といふ思ひだった。もっと理解してやれたら良かったのに・・・・。アイツどーしてんだらう?。元気で暮らしてンかな?。

てゆーか大丈夫なのかな?ワシ。

遅ればせながらジョニ・ミッチェルの「逃避行」を聴く。素晴らしいな。ジョニの奔放な唄のバックで、さらにジャコのベースが歌いまくる。うーむ、ワシはやはりジャコはソロやインストより、かういふ事演ってる時の方が好きだな。むしろワシの目指す唄ものベースの完成型モデル。もうひとりのベーシストMax Bennettもシムプルで良いな。改めて聴くと、やはり素晴らしいアルバムだ。

良いアラがあったので、ブリ大根を作った。

7日(火)----------------------------------------------------------------------------------

けふで、当サイトが、開設まる10年を迎えた。おぉー!。

パソコンを入手して半年くらいかな。タダのソフトとプロバイダ使って、あーでもないこーでもないと電話で訊いたり友達に来てもらったりして、なんとか立ち上げてから10年!。当初はオルカ団のオフィシァルサイトとして、馴れぬメンバーに個人ページを持たせたりしてゐた。が、基本的にはひとりで、まーぁ愚鈍な程のマメさで、毎週土曜日の更新を10年!。三歳児が中学生になるまで続けて来た訳だ。我ながらよぅやるわ、と思ふ。

立ち上げたからには継続し、更新し続けるが責任、と思ってゐるのも確かだが、まぁ基本的にはかういふ事が好きなのだ。今となっては、このサイトにも少なからずファンがゐてくれる、といふのが、とても嬉しい。皆さん、ありがとう。これからもよろしく。

2001年頃のサイトの表紙

8日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

多分、産まれて初めて「絵」を買った。まぁ、たぁ云ふてもポスター(アートポスターといふやつ)なのだが。ルソーの「眠るジプシー女」。昔から、ダリの「記憶の固執」と並んでこの絵が好きだった。何処に飾らうか迷ふ。玄関か。居間か。寝室か。結局は自分の仕事机の前にデーンと貼った。素晴らしい。

「ブルーノートと調性」で知られる超理論派ベーシスト、濱瀬元彦氏が20年ぶりにライヴシーンに戻って来た、といふキャッチの「The end of legal fiction」が届いた。ライヴ盤。『100%手弾きによるテクノ・ジャズ』との事だが、相変わらずすごい世界観。これを人力で演奏出来るメンバーを見つけるのに20年かかった、のださう。「消えたベーシスト」とまで云はれてゐたが、この水を得た魚のやうな強靱なプレイはどうよ。

ハッキリ云って、この人が展開してゐる理論や演奏システムって、ワシには全く理解出来ない。100%即興で紡ぎ出されてゐるメロディも、ワシの世界観にはあり得ないものばかりだ。だが、自分が没頭する研究に、惜しみなく時間(20年!)を費やし、そしてこれからも進化して行くだらう濱瀬氏のあり方には、心から敬意を表する。同じ次元で語り合える人だとは全く思へないのだが(笑)、一度お会いしてみたい気もする。

体重が58Kgまで落ちてゐる。20歳以降では最軽ではないか?。こは明らかに筋肉が落ちてゐるせいだらう。あまりよろしくない。

9日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

クリスマス・ライヴまでにあまりできないしーシュのリハ。新曲やカヴァーなどあるが、恐らく二人とも、忙しすぎて本番までにメモリーする事は不可能。今回は歌詞カードを見ながら演る事を許して頂こう。ハー、久しぶりにこんなバタついた年末を迎えるなぁ。

ウチに帰って少しリラックス。80年代の日本のシンガーソングライター達の唄をサーフィンする。この時代の人達って、ホンマにえぇ唄を作り唄ってたんだなぁ、と思ふ。バックの演奏も、味があって良い。いつから唄モノのバック演奏に個性がなくなったのだらうか?。みよ!この生き生きとしたアンサンブルを。シンセの功罪深し。

10日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校3コマ。16ビートのノリが出せない生徒を、180分リズムトレーニングでシゴきぬく。タッピングなんぞ憶えるヒマがあったら、これをやれぃ。

その後フレットレス・ベースの個人レッスン1コマ。一旦帰宅してチャリで出直し、Tip hotelの稽古へ。場面場面の役者が集まり、芝居のキャラクターで日常会話をす、といふ稽古をする。これ、役柄の個性を確立する為に、役者の間でプライヴェートでやる事が多いのださうな。これがなかなかオモロい。楽器演奏の出番はなかったが、色んな意味で勉強になる稽古だった。

その後、こないだの「現・弦・幻」の打ち上げをやってゐるのに、遅れて出席。反省会、みたいなのではなく、オモロかったねお疲れさま、みたいな。かういふのが良いね。メンバー皆が、ワシの顔を見るなり『シュウさん大丈夫?』と云ふ。なんか、ひと月前と比べても、パっと見て分かるぐらい痩せてゐるらしひ。そぉなのかぁ?。


2週目

11日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

朝イチで車を出し、東広島は西条の21世紀動物病院までうさぎを連れて行く。後部座席(畳敷き)で女房に抱かれてぢっとしてゐる。本来ならば家から連れ出さうとしただけで大暴れ、なのだ。この状況でこんなに大人しくしてゐるとは・・・。

初めて訪ねる動物病院だが、待ち合い室にでっかい亀が弐匹と、アゴヒゲトカゲが壱匹ゐたので、少し安心。爬虫類飼育と治療に前向きな獣医さんのやうだ。レントゲンを撮り、骨折と、それを原因とする便秘の状況を確認。整腸剤を処方してもらひ、流動食のレクチュアを受ける。電話の応対はやや無骨な印象だったが、実際にお会いしてみると、うさぎに対しても優しく話しかけ、丁寧に触診し、それほど高額な請求もなく、たいへん良いお医者さんだった。

まだ予断を許さない状況には違いないが、やや安心して広島に帰る。

夜はBobby's、今年最後の「うどんとジャズ」。相変わらず満員盛況だが、けふはいつもワシに熱い声援を送ってくれる御婦人の団体が居らず。恒例のソロコーナーでは「蘇州夜曲」を演って好評。うん、これちゃんとしたレパートリィにしやう。他の曲もけふはまぁまぁ良いプレイが出来たかな?。車で行ってたので、酒飲まず帰る。

12日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

女房がレ−シック術の壱週間検診で博多へ。ワシはうさぎの介護。流動食を作りながらフと、ワシは子供を持った事も、老人の介護をした事もないが、かういふかんぢなのか、と考へる。天気も良く、ベランダで太陽を浴びながら、イグアナに流動食を食べさせる。壱句詠みたくなるやうな、まったりとした日曜日。悪くない。

知人が出る舞台を見に行く予定だったが、介護に時間がかかり、断念する。が、午後参時にはうさぎが落ち着いたので、散歩に出る。電車でふた駅くらいの距離を、てれてれと散策。暑くなく寒くなく、大いに気分転換になった散歩であった。よし、と思ふ。

女房から術後経過は良好、との連絡。ささやかな祝いとして鶏腿を焼く。我が梶山家では、なにか祝い事があると、かうやって鶏腿が食卓に上ってゐたな。

13日(月)----------------------------------------------------------------------------------

一転して大雨。専門学校ひとコマ。

夜はTip hotelの自主稽古。こないだの通し稽古を観ての感想から、展開を計ろうとする。向学意識に燃える学生の集団のやうな。自分の演技に関しては、Vを観てますます分からんやうになってしまった。ホンマにこんなんで台詞喋って良いのだらうか?。

14日(火)----------------------------------------------------------------------------------

実家にTip hotelのチケットを届けに行く。今回、初めて両親を仕事に「招待」する事にした。ライヴハウスに来い、とは流石に云へぬが、かういふのなら大丈夫だらう。「花は要らんか?」と訊くので「要らん」と云ふ。少し話す。親父オフクロ共に元気さうだが、それぞれ悩みは多いやうで。

今年の火曜日の個人レッスンは、けふで最後。まだ月半分にもなってないが、後半は音楽監督&ミュージシャンとして年末までを生くる。

15日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

寒い日。

けふは今年最後のFar east loungeワンマンである。会場は、こないだ出来たばかりのハコ、広島市内を一望す地上19階のスカイラウンヂ風ライヴカフェ「JUKE」。割と良い噂ばかりが耳に入ってゐたので、楽しみにしてゐた。実際に会場入りしてみると、流石にそのロケーションの良さに感動。スタッフも細かい気遣いに充ち、これは確かに良い評判が立つだらう、といふかんぢ。

音も良い。ウクレレ、電気ベース、生ピアノ、パーカス、といふ、ある意味特殊な編成のウチらであるが、とても演りやすい。ここん処そんなモノがある事すら忘れてゐた、といふかんぢだが「控え室」まである。気持ち良いので、リハ終えた段階で、ついビール飲んぢった。

本番。けふは恒例の「バンド内前座」構成はナシ。曲のバラエティは相変わらずの無節操(笑)だが、終始カシラを中心に据えて、といふスタイル。これが効を奏し、Far eastでは近年いちばん良いライヴとなった。カシラがリゾネーターギターで弾き語るソロも良かったし、旧バンド時代の名曲「テレフォン」2010ヴァージョンもオモロかった。ワシも久々に「影のバンマス」としてバンドワークに徹する事も出来た。平日にも関わらずお客さんの入りも上々で、今年最後のFae eastたいへんよろしぅございました、のライヴだった。

JUKE、良いハコだな。しーシュでも出てみたいな。

個人的なハナシでは、けふはベースの「トレブル」をカットして弾いてみた。濱瀬元彦氏のライヴ盤の影響。悪くないが、タッチを矯正する必要があるな。ソロではかうは行かぬだらうが・・・。しかしまぁ、太いラウンド弦から細いフラット弦へ、更にミドルのアップからハイのカットへ、と、ベースサウンドの時流の真逆を往くワシ。

16日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

ベース教室に久しぶりの大学生が入会。ネットでワシの動画などを観て、習いたい、と思ってくれたらしひ。さういふ事もあるのだな。嬉しいね。

久しく肉、しかも牛肉、を喰ってない気がす。ので、焼肉をす。大学時代、バイト先の近くにあった、恐ろしくこ汚いホルモン屋のレシピで焼く。

カルビ肉に塩&こせうをたっぷりの下ごしらへ。韮をひと束ざく切り。カンカンに熱したフライパンで肉を盛大に焙る。ほぼ同時に韮を投入。肉の油を韮が吸った頃(10秒〜20秒)、七味唐辛子を投入。良い肉ならば、まだうっすら赤みが残るぐらいでもOK。けふのはアメリカ肉だったので、過熱は充分に。

肉の旨味を吸った韮が最高に美味なのだ。学生時代はこれでご飯3杯はイってたなぁ。

17日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校3コマ。その後、急遽Bobby'sの進藤センセイに誘われて、医療関係の忘年会のアトラクションとして唄う事になった。

まぁ予想はしてゐたが、宴会の余興、といふかんぢで、あまり真剣に聴かれては居らぬ様子。それでも、折角進藤センセイが用意してくれた場なので、ちゃんと演った。しかしまァ、ステージ上で自分の音をモニターするのが難しい程の大声で喋られると、さすがに気も萎える。聴き手を引き込めないのが、こちらの実力、と云へばそれまでだが。

空き時間に、広島の年末の風物詩、とされてゐるらしひ『どりみねーしょん』といふのを観た。まぁ要するに電飾だ。節操も脈略もない色とりどりの電飾が、100m通りを埋め尽くしてゐる。予想通りの阿呆らしさ。これを有り難がって見に来てゐる人の多さに、また唖然。ホンマに世間のヒトは、ぺかぺか光るものが好きなのだなぁ。

KOBAに寄って年末の挨拶をしておく。今年もよく飲み喰ひさせて頂きました。


3週目

18日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュのリハ。クリスマス・ライヴまでに出来る、最後のリハ。新曲を中心に。シルクロードの旅で出来た「砂に泣き」が、我ながら秀逸。他にこの日お披露目の新曲が幾つかある。しかし、ドンピシャクリスマスの、しかも週末、と云ふ事で、集客の予測が全くつかぬ。他所のイベントとも重なっとるしなぁ〜。

ウチはゲストにバラフォンのふじたよーこチャンを迎えて贈ります。みんな来てね。

リハ後しーなさんは仕事へ、ワシはもうひとつのリハへ。これもクリスマス絡み、RCCのラヂヲ生中継用のバッキ−守岡&リコズトリオ。こないだ、やはりラヂヲ用に一緒に演ったユニットの出来が、思ひの他良かったハナシなど出る。呑み屋経営にラヂヲパーソナリティに、と忙しい男だが、来年はもっとバッキーと絡んでみたいね。

19日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

やすみ。昼間は女房と散歩したり買い物行ったり。夜は新年の仕事の資料をチェックしたり。明日からTip hotelの追い込みだ。

20日(月)----------------------------------------------------------------------------------

朝、専門学校ひとコマ。帰りの足でアステールプラザ練習室へ。最終仕上げの段階に入ったTip hotel。21時まで缶詰めで稽古&稽古。

21日(火)----------------------------------------------------------------------------------

昼イチでアステールへ。けふも缶詰め。稽古&稽古&稽古。夜は舞台様に髪をブリーチ。なんせ髪の絶対数が少ないので沁みる沁みる。出来上がりはキンシコウ。

22日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

朝イチでアステールへ。缶詰め三日目。けふは大ホールで、稽古&稽古&稽古&場当たり&稽古。楽器を前に待機してゐる時間が長い、といふ苦行のやうな・・・。しかし演奏ブースは、しーなさん、カオリちゃん、坂田くん(役者)、ワシの4人による「結界」として、そこにゐる限りはライヴのやうに安らいでゐられる。

さぁ、明日はいよいよ、たった壱回の本番だ。

23日(木/祝)-----------------------------------------------------------------------------------

そしてTip hotel本番。

思へば、昨年末にミミから話を持ちかけられ、色々と紆余曲折あり、初夏の頃から動き始めた一大プロジェクト。関わる誰もが、大なり小なり「広島も捨てたもんではない」といふ思ひを持ちながら、真剣に作り上げて来た大舞台。演出、役者、ダンサー、ミュージシャンが、だれひとり妥協せず、強くひとつの思ひで結びついた。そこに「音楽監督」としてハマらせてもらひ、このハレの日を迎えたのだ。

素晴らしい舞台だったと思ふ。けふ壱日だけの公開、とするには、あまりに勿体ない、豪華なエンターテーメントショウだった。

これに関れた事を、強く誇りに思ひながら、総括の姫石ミミに、心からお疲れさま。ありがとう。一緒にあの舞台を作り、演った全ての仲間に、感謝。みんな最高だ。

@@@@@@

そして、この日を待ってゐたかのやうに、うさぎが旅立った

11時3分。ちょうどワシがゲネプロをしてゐる時間、お気に入りのクッションの上で、陽を浴びながら、女房に見守られて静かに息を引き取ったらしひ。女房は舞台が終わるまでワシには黙ってゐてくれた。夜中に帰宅して顔を拝んだが、本当に、寝てゐるとしか思へない安らかな表情だった。ワシが立ち合ってやれなかった事は残念だが、部屋にゐてひとり寂しく・・・ではなく、ちゃんと女房に看取られて逝った、といふ事が、せめてもの救いだ。

鬱病のひどかった女房を、不在がちのワシに代わって支え、和ませてくれてゐた、15歳のイグアナ。ギターや箏の音に興味を示すおかしな癖を持ってゐた、緑色の大きなとかげ。

ありがとうな。バイバイ。

24日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

ゆんべはうさぎの横でづっと泣いてゐたが、日々は流るる。前に進まねば、ね。

ペット霊園に電話して、明日の朝イチでの火葬を予約。ツイデなので、葬儀場まで下見に行っておく。車で1時間くらい。線香を買いにホームセンターに寄ったのだが、値段の勘定ができないくらい、頭がぼーっとしてゐる。事情を知る各所の友人から「気を落とさないで」等の連絡が随時入って来る。みんなありがとう。さうだね。元気出さんとね。

夕方、リコズトリオのトラとして、RCCラヂヲの公開生放送に出演。4曲程演奏する。ベース背負ってチャリで行き、出番が終わるとすぐに帰らせてもらふ。全部で1時間も局にゐなかったな(笑)。

空気冷たく、夜気が冷え込む。

燃え尽きた愛するもの達の生命に。

メリークリスマス。少しだけの勇気で、赦しあおう。


4週目

25日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

朝、うさぎの葬儀へ。ペット霊園、なるものを利用したのは今回が初めてで、なんとなくただ遺体を焼いてお骨を持たせてくれるだけ、のやうに考へてゐた。が、会場に着くと恭しく出迎えがあり、テープではあったがお経まで上げてくれ、見送りから、火葬、返骨までの、ちゃんとした「葬式」を挙げてくれた事に驚いた。

大好きだったみかんと花を添えて最後のお別れ。さようなら、うさぎ。ありがとうな。

それにしても「やすらぎペットセレモニー」。スタッフの応対もたいへん丁寧で優しく慈愛に充ち、なをかつあまり深刻になり過ぎる事もなく、笑いもあり、素晴らしい霊園でした。ありがとう。

さぁ。

もういつまでも泣いてはおれぬぞ。

てことで、しーシュ今年最後のライヴ「しーなとシュウのクリスマス」へ。

オープニングアクトをやってくれる「ブレーメンの音楽隊」のリハを聴きながら料理を作り、会場の準備。ドアオープン前からお客さんが来て、とりあへず食事で待ってもらひながら・・・といふかんぢ。開演時間にはもう椅子が足らんくらいの超満員で、珍しくワシらの御挨拶からブレーメン〜を紹介し、ライヴスタート。

ワシらは、此所に来てこの怒濤の年末スケヂュールの疲れが出たのか、後半にかけて結構へろへろに息が上がったりしてゐた(笑)が、まぁワシらのライヴらしいアットホームなかんぢに演れて良かった。新曲「砂に泣き」や「おかえり」も初披露。色々と演って来たしーシュの今年のシメにふさはしい良いライヴだったのでは?と思ふ。「広島でライヴを演る時は和装で行こう」と決め、まぁ1年、実行して来た。来年もこの調子で行きませう。御来場頂いた皆さん、本当にありがとう。また来年もよろしく。

寒いので・・・と思ひ、作ったクラムチャウダーは大正解で、たいへん評判良かった。用意した料理は全部「出て」安堵。打ち上げはそのままPICOに残ってお客さんと一緒に。ファンの方から「うさぎ君に」、と花を戴いたりもした。感謝。

にしても、ライヴでこんなに疲れたのは久しぶりだなぁ(苦笑)。いかんなぁ、もっと体力上げとかねば。

26日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

全国各所から「うさぎ君へ」と花が贈られてくる。急誂えで作った祭壇が花で埋もれる。メールやツイートでも色んな人から弔辞が・・。中でも特にガタムのまっは君の「会った事ないイグアナの死を想う」といふ、句とも取れるツィートに、思ひが込み上げる。みんなありがとう。こんなに愛されたとかげだったのだな・・・。幸せなヤツよ。

そんな中、ワシは友人の奥方の葬式に出席。かの人も、癌と戦いながら、相方の仕事の成功を見届けたやうに逝ってしまわれたのださう。棺に取り付いて慟哭する友人の姿が涙で霞む。ワシらのやうな仕事の、ある種の「罪深さ」を思ふ。しかし、家族を想ふその愛には、なんら変わりはないのだ。それに応えた奥方の愛も、また本物だと思ふ。どうか、安らかに。お疲れ様でした。

共通の友人知人多数出席してゐて、此所数日の事もあってかなり涙もろくなってゐるワシは、あまり泣き顔を見られたくないので、出棺を見送ったらすぐ帰った。二日続けて葬式に関わったのは、初めてだ。こんな事がしばらくない事を祈ろう。

27日(月)----------------------------------------------------------------------------------

専門学校の忘年会に出席。色々な話し。

「何故ベースを弾くのか」「なにが好きか」「何を目指すか」などあれこれ語るうちに、此所数日の様々な「死」がワシに「何をすべきか」と云ふ事を語らせた。間違いないのは、ひとつ処に居座って自分や他者の動静をあれこれ吟じてゐる事に全く意味はない、といふ事だ。それぞれの足で立て。それぞれの方向に歩け。そして手にしたもの、目で見たもの、心で感じたこと、それだけが真実だ。進め、友よ。ワシも進む。

珍しくパイグが「もう壱軒行きませうよぅ〜」と云ふので、近場の店に河岸を移し、終電の時間まで更に語る。

28日(火)----------------------------------------------------------------------------------

それほどの二日酔いではないが、家に着いた頃の記憶がない。女房にパイグの話など聞かせ、例によって裸で踊って、寝たらしひ。

タマにあるこの記述を見て、何人かの友に『お前は酔うと裸踊りをするのか?』と問はれたことがある。家にゐる時に限って、やるらしひ。これはメレディス・モンクといふ前衛パフォーマ−の踊りを模したもので、踊りと云ふよりはコミカルなパントマイム、のやうなかんぢ。風呂に入る前に服を脱ぐとやる。誰が見てる訳でもないのに延々とやってる事があるらしひ。

夜はBobby'sの忘年会に。ファンの人も参加してゐて、リクエストに応えてピアノの弾き語りをす。さういやこないだワシのピアノの技術について云々され、ややムカついた事があったが、まぁ年に数回も触らぬ事を考えれば、度胸だけで弾いてる割には上々なのではないか?。

29日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

Tip! hotel 2の感想などがぼちぼち届き、演出や脚本などは当然の事として、『音楽が良かった』といふ意見が少なからずあり、安堵す。音楽監督、オモロい仕事だった。先日、中野チカラさんに「そっちの方の仕事に進出するのか?」のやうな事を問はれたが、まぁこれは依頼が有るか無いかの話なので、ワシの一存では・・・。あったら良いけどね。

あまりに寒いので灯油スト−ヴを買った。てゆーのも、今のアパートは契約上スト−ヴは禁止、て事になってゐるのだ。まぁ多分火事の防止や建物の保全の問題から(エアコンは有る)なのだらうが、此所数日のあまりの寒さに『殺す気か!』と。エアコンだのハロゲンだのも所詮ほのほの力には適わぬ。嗚呼温しや。お湯も沸かせるし・・・。

夜は高校時代の友人と忘年会。統合失調症を患うJ、以前に比ぶれば格段に調子が良ささうなだが、時折テンカンのやうな発作が起こるのが気になるな。

30日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

昨夜、友人家族の訃報が入り、女房と共にお通夜に出席。こないだあんな風に思ったばかりなのに、壱週間の間に三度も葬祭に関わる事になるとは・・・。ただただ御冥福を祈るしかない。

帰り道、大型低気圧の到来で、冬本番。雪が舞う中、家路を急ぐ。

お日さまが西へ 西の空へと 帰りの支度して
君は時計を見て 名残惜しそうに おだやかに笑って 
ぼくもうなづいて
うちへ帰ろう うちへ帰ろう みんな無事で うちへ帰ろう

茜の空から 鳥達も帰るよ 何処かの山へ
楽しかったね 今日の出来事を 暖炉にくべて 
ステュウを暖めて
うちへ帰ろう うちへ帰ろう みんな無事で うちへ帰ろう
                                     「おかえり」梶山シュウ

31日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

大晦日。大掃除など、やるべき事はやった(と思ふ)。ので、けふは夜の年越しライヴまではダラダラしてゐやうと決めた。此所数日なにか眠りが浅くて、けふも3時くらいに目が覚めて、その後朝まで本を読んでゐたが、昼間は眠くならぬ。ヌ〜〜〜。

夜は市内へ。まづPICOに顔を出し、年末の挨拶。これから夜中にかけて餅突きなどするらしひが、ワシはカミンへ。「カミン・オールスターズ」といふ名の元にジャズの若手が集まり、夜通しセッションするのださうな。それのホストとしてベース弾く。マスターの杉くんがサックス吹きなので、自然と常連もサックス吹き。何人ものサックス吹きが、入れ替わり立ち替わりスタンダードを演奏。リズム隊のワシと森川くん(Dr)はづーっと弾きっぱなしの演りっぱなし。最近わりとマメに4ビートを練習してゐたから、アレでもまだ対処できたが・・・。

終わらぬ!。結局31日の20:30ぐらいから始めて元旦の2:00まで!。その間、少々の休憩を挟みつつではあったが、これは想像以上の激務だったな。けっこうヘロヘロになっちまった。しまい頃には腰も痛くなって来た。やれやれ。昔はタフな男として知られてゐたが・・・。

が、馴れぬジャズをここまで必死に弾き込んだのは、たいへん良い刺激であった。タマにはかういふ試練も潜らねばならん。ミュージシャンとして、たいへん良い年明けではなかったか、と思ふ。みんな今年もよろしく。

3時頃、森川くんの車で送ってもらふが、流石に誰も歩いておらぬな。

かうして2011年を迎えたのだな。


あーかいぶすに戻る

2011年