6月


1週目

1日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

仕事に行く途中の路に、いつも閉ってゐるパン屋さんがある。売り場面積がひと坪もないやうな極めてちーさな店構えで、朝昼夜いつ通りがかっても開いてるのを見た事がない。が、どーもツブれてゐるやうにも見受けられない。これはなんなのか?と思ってゐた。

したら、どーもぢつは有名な無添加パンの人気店で、今は月に二日ぐらいしか営業せぬのださうだ。なるほど。パン喰ひとしては、是非一度試してみたい処ではある。

フと、パン屋に弟子入りしやうかな、とか思った。

2日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

「うつせみ商会」の演目に必要な曲を、いちをうすべて書き上げた。歌詞もわりとすんなり書ける。台本と、吉本&ミミのキャラ、リハでの動向などから、なんとなく「絵」が見える気がして、作りやすかったな。さういふ意味では、既にこの時点でコラボは完了してゐる、訳なのだが、観てる人に「コラボ」を感じさせる為には、やはり音楽家が舞台でもうひと頑張りせねばね。

生徒がみんな暗いなぁ。生徒だけでなく、友人知人みな暗い。世情がこんなだし、陰鬱な天候が続いてるから無理もないが。こんな時こそ、せめて元気なやつは元気でゐやう。落ちてるひとに「元気出せ」とは云ふまい。だが、みんな、挫けるまい、負けるまい、ぞ。

May the Force be with You. 理力があなたと共にあらん事を。

3日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

なんか早く目が覚めたので、3Kmぐらい走った。そいから朝ご飯喰って専門学校に行く。昼を挟んで3コマ授業。弁当はサンドヰッチ。夕方、バスで中心街に行き、前衛琴の榊さんと7月のコラボライヴの打ち合わせを1時間程度。中心街は夏越し祭り「とうかさん」の初日で、頽廃ムード一色。女物の浴衣来てそぞろ歩いてゐる、ちょいとアタマのオカシイ男の集団がゐた。その後、スタヂヲ入りしてしーシュのリハ2時間。

ん”〜〜〜〜〜〜疲れた。

それぞれの密度は濃いが、けふはまぁなんとも壱日じゅう眠かった。日程を考慮せずに走ったりするモンではないな。

しーシュリハでは、『ベースラインをループさせた上に、テンションを含むハモを唄いながら、別のハーモニィをベースで弾く』といふ離れ業をやる。どーや!(笑)。ダレか出来るやつが居ったら演ってみそ。


2週目

4日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

東広島は黒瀬町、三嶋神社で行なわれる野外フェス「ゴロゴロ祭」に出演。以前より噂を聞き「出てみたいな」と思ってゐた祭りだ。念願叶って嬉しい。ソロで出る事も考えたが、やはりまァ団体様の方が楽しからう、と、しーシュにふじたよーこチャンを加えた「変則・トリオ・だ・しーシュ」で出る事に。

黒瀬までは車で1時間チョイ、とのこと。しーなさん所用につき後発参加と云ふ事で、まづよーこちゃんと二人で出発。海田→矢野→熊野→黒瀬とのんびり走る。熊野、と云へば朋友カズイの出身地で、高校時代には練習のためにバスで通ってゐた。あの頃は『なんちゅう遠い所だ』と思ってゐたが、自ら車を運転する今となっては、あっと云ふ間。そこらの話をよーこちゃんに聞かせながら、まぁスムーズに会場到着。

このテの野外フェスでしか会わない怪しい友人達と、色々再会。既にライヴは始まってゐるが、まぁ観たり観なかったりしながら自由行動。アコギ弾き語りやジャズ、ロケンロール、ブルーズ、パンク、なんでもありのごった煮イベント。会場が神社、といふ事もあってか、このテのフェスにしてはヒッピー色が薄く、ユルいかんぢがなんともイイ。

そのうちしーなさんもやって来て、日も暮れはじめ、ワシらの出演時間。

結構ウケたやうな気もするが、どーなんだらう?。ワシらの前があの風太郎さんで、好きなアーティストの次、と云ふ事で個人的にちょいと気負ってしまったかな、と。もっとユルく演れたら良かったなぁ。申し込みギリギリまでどんな形態で出るか迷ってゐたので、『梶山シュウと仲間達』といふ名でのエントリーだったのも、気負ってしまった原因か。甘いのぅ。

まぁ良い。後はのんびり寛ぎながら後続の出演者を観て楽しむ。ギターパンダこと山川のりを、が最高に楽しかった。まーぁ魅せるわ乗せるわ煽るわ泣かせるわ、の見事なエンターテイメント・ショウ。今まで、フェス系でかういふタイプのミュージシャンって、居なかったよなぁ、と。すごいヒトもゐるもんである。

いや〜〜〜〜〜、噂以上、予想以上の楽しいイベントだった。主催のスミヨシくん、ありがとう。泊まって飲み食い出来ればなを楽しかったらうが、明日も早くから野外フェス。顔見知りに挨拶して、来た路を広島まで引き返す。来年は泊まりで!。

5日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは「千田わっしょい祭」に、引き続き「変則・トリオ・だ・しーシュ」で出演。雨が心配されてゐたが、やや曇天ながらなんとか持ってゐる。わっしょい祭では久々の通常天候での、といふ気がする。此所数回、ものすご暑いかものすごい寒いか、雨か、といふ記憶しかない(苦笑)ので。

ライヴ二日めで、しかも暑くも寒くもない、演奏にはたいへん良い条件だったが、残念ながらけふはたいへん音が悪く、たいへん演りにくかった。最後の曲で、歪みまくるのをヤケクソでベースソロ弾いたのだが、客席で観てゐた友人曰く『アフリカのバンドみたいなチープな音で良かった』といふ感想。なるほどね、さう考えたら良かったのか。まぁでも折角だから、良い音で演りたいよね。

ちょいとほろ苦い野外2ディズの〆だった。

終演後、観に来てくれた友人達と、屋台のやきそばなぞ食べつつ寛ぐ。会場の撤収も終わり『もぅゲート閉めますよ』と云はれるまで、地べたに座ってなんやかんや喋りあってゐた。

アー、やっぱり野外フェスって気持ち良いなぁ。しーシュをもぅ少し大所帯にして、車連ねて日本中のフェスを廻って演ってみたり出来たら良いなぁ。

6日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

ちょいとお疲れモードの月曜。頑張って専門学校へ行く。1コマ授業の後、帰宅して昼飯。決めたやうに午後はソロリハに当て、2時間ほどスタヂヲに篭る。気分的に落ち込んでも、かうやって音楽に向き合い、腹の底から唄えばスッキリする。音楽で他人を救う事は出来ぬかもしれんが、自分自身は確実に救われてゐる。

週末の疲れが出たのか、強烈に眠く、20時には寝る。

7日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

6時に目が覚めたので、本を読む。こないだ亡くなった『アタックチャンス〜!』の児玉清氏は、たいへんな読書家であったらしく、『人生の苦難を乗り越えさせてくれたのは読書だ』と公言してゐたほどらしひ。そこまでには到れぬかもしれぬが、苦難を感じたら、ワシも本を読もう。

な訳で、出勤直前までづっと読んでゐた。専門学校で昼挟んで2コマ授業。その後、スタヂヲに入ってカワちゃんとリハ。7/9の「カワムラ+しーシュ」ライヴの為の。2時間リハの後、移動して、今度は「うつせみ商会」のリハ、といふか稽古。23時過ぎまで。

自分で台本を読んで、と、実際役者がしゃべる台詞を聞いて、では、やはり印象が全然違うな。ちょいと曲の作り直し要。しかしけふは朝からづーっとベース弾いてるなぁ。仕事だからまァ当然っちゃ当然か・・・。半日、しーなさんとタッグを組み続けた、といふかんぢの壱日だった。

8日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

レッスンを休みにしたので、休日。が、デスクワークはあり。

演らねばならぬ某曲をコピーす。これが長くて展開が多い割にオモロない、といふ典型的な「忍耐型」で。譜面1枚を使い切ったところでやーめた。飯喰って昼過ぎから再開、と思ってゐたが、結局その意欲も湧かず。そもそもジャケ写真やアルバムタイトルのセンスの無さに、既にやる気が抜けるのだ。ワシがいちばん「ダサい」と思ふところにいらっさる。御贔屓筋ばかり相手に仕事してると、こんなセンスになるんだらうか?。

9日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

「うつせみ商会」の稽古を進めるうち、この演目の為に作った曲などを録音して発表してみちゃどーか、といふ話になり。舞台の音楽は基本的に舞台の回数に応じるしかなく、その演目が終われば役目も終わる。まぁ勿体ないっちゃ勿体ない。売り物にするかどーかはさておき、録音して形に残しておく、といふのも確かに一理ある。

ので、しーなさんとスタヂヲ入りして、その辺の作業を。ワシがもう少し録音技術に長けたミュージシャンなら良かったのだが・・・。時間もあまりないので、結局壱発録りで録音する事にした。昨今、生録用の機器の発展めざましく、出音さえ良ければほぼ聞いたまんまが録音されるんな。ん”〜〜〜〜。

奇しくもこないだカズイとばったり会って、「そろそろ次回作を作らんか?」と打診されたばかり。ん”〜〜〜〜、ナニカが繋がってゐる。

10日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

女房が高熱を出してダウン。気の毒である。まぁ病人の介護をするのは嫌いではないので、あれこれ。

気圧が下がり雨が近付くと、やはり右膝が痛む、と云ふか違和感が出る。関節になにかが挟まってゐるやうな不快。歩いてても急に膝にロックがかかったりす。まぁなんちゅーても一度はバラバラになった骨だからねぇ・・・。ん”〜〜将来的にやはり歩行に支障をきたしたりするやうになるのかな?。それはイヤだなぁ。

長年居酒屋を経営してゐた知人の訃報。昨今の不況の影響で、どうやら借金を苦にして自ら命を絶ってしまったやうだ。ん”〜〜、若くはないけど、独身で、あまり身寄りも無い身だったのだから、自分独りなんとかやり直さうと思へば出来たんぢゃないか、と思ってしまふ・・・。どんな苦悩を抱えてゐたかは知る由もないのだが。

ただただ、無念である。合掌。


3週目

11日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

ひっさしぶりに何の用事もない週末。昨日の夕方くらいからしーなさんの業務連絡メールが立続けに入ってゐたのに気付かず、7時間以上無視ってゐた事が判明。しかも彼女はけふの朝タイに旅立って行った。ので、今さら連絡つけれず。あちゃ〜!ごめんねぇ。

せめてもの、のアレで「うつせみ商会」の曲『冷たい指の君の孤独』と『亀の庭』のベースパートをMTRで録る。ライヴ録音する事に決めはしたが、アレでもスタヂヲ録音もやってみて、どちらが良いか比べてみるも良し。しーなさん帰国後のリハで、ピアノと唄を入れればOKてところまで。

夜は、あさり、蛍イカ、ししゃも、を使ってのシーフードパスタ。

12日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

女房の病状は一進一退。熱が上がったり下がったり。

けふのワシはホンマに用事のない壱日。雨もよぅ降ってゐる。ので、晴耕雨読。ホンマにまる壱日、読書。珍しくパソコンの電源も入れず、寝てゐる女房のそばで、ひたすら藤原伊織を読みふける。気付けば夕方。ん〜〜〜、かういふ日も良い。夜は山芋を使ったお好み焼き。

13日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

月曜日はソロ練習の日。久しぶりにつつ井食堂で昼飯喰ってから・・・と思ってゐたら、あらら臨時休業!。したら、なんかそれに引きずられるやうに全ての事がグダグダと流れてしまひ、結局ソロ練習もせぬまま夕方。大層中途半端な壱日となってしまった。

さういやこの商店街にあった卵屋さん(珍しい)が閉店してゐたな。またひとつ商店が無くなった。古い看板とかから察するに、一時はこの駅前通りのほとんどがナニカの商店だったやうだ。さぞかし賑やかで良いかんぢの通りだった事だらう。ワシらがここに越して来て2年。その間に、知ってるだけで7軒の店がクローズした。どーにもならんのかねぇ、この流れは・・・。

14日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

シルクロードで買って来た干しぶどうを、ついに食べ切った。500g入りで¥350、といふのが安いのか高いのか分からんが、まぁ半年の間お茶ウケに出来たんなら良しであらう。喰ふたびに、あの敦厚の夜の街やトルファンの山並みを思ひ出してゐた。また行きたいなぁ。

ギターのザキ君が、3ヶ月ぐらいかけてヨーロッパ〜アジア横断の旅に出るらしひ。ん?もう出たんだっけ?(笑)。憧れ(ワシ個人的に)のシベリア鉄道に乗り、モンゴルを抜け、西から東へ日本に向かって帰って来る旅なのださう。良いなぁ。みんな良い旅を。

15日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

もう注文した事すら忘れてゐた、3ムスタファズ3のライヴアルバムがようやく届いた。いつや?発注したのは?。

キャメルのベーシストコリン・ベースが、サバ・ハバス・ムスタファといふ偽名でやってる究極のえせニックプロジェクトだ。自分達がムスタファ一族といふ「失われた放浪の民」だとして、妙にユルいしかし仲々の架空民族音楽を演ってのける。ライヴといふ事もあって、スタヂヲ盤とはまた違った勢いがあってGOOD。しかし、曲間にいちいちフェイクの演出を入れてたりすのがウザいっちゃウザい(笑)。まぁそこを含めた「えせ」とするならそれもまた・・・。

このコリン氏

西ジャワの諸々の大衆音楽に影響され、Sabah Habas Mustapha名義で"Denpasar Moon"を書くが、これをMaribethというフィリピン出身の女性シンガーが歌ったところ、インドネシアで大ヒット曲となり、以後50ほどのカヴァー・ヴァージョンが作られているそうだ。その結果1994年にBASF Indonesian Music Awardsで"Denpasar Moon"はBest Pop-Dangdut Song部門とBest Regional Folk Song部門で受賞した。また、これがきっかけとなって現地の音楽関係者との親交が深まり、Colin自身もSabah Habas Mustaphaとして、インドネシアで現地のミュージシャンを交えてアルバムを制作。インドネシアやヨーロッパでライヴを行なった。

といふ経歴を持つ。The Boomがあの「島唄」を沖縄にもたらした、のの、もっとスケールのデカい話、やね。かういふのって、自分が「えせニック」である事を自覚してゐる音楽家にとっちゃあ、これ以上ない至福なのではなからうか?。

16日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

即興仲間、北九州の谷本仰さん(ヴィヲロン)の本格的タンゴ・プロジェクト、トリオ・ロス・ファンダンゴスを観に行く。

色んなプロジェクトで弾いてる姿は知ってるが、ここまでモロにトラディショナルを弾く谷本さんを見るのは初めて。これが、かなりスゴい。ピアノ、アコルディヲン、ヴィヲロンといふ編成の、リズムのキレがハンパではない。「パネぇ」てやつか?(笑)。ビートの決め手はピアノの秋元多恵子さんとお見受けしたが、3ツの楽器が絶妙に絡まりあい、疾走、揺らぎ、展開、また疾走、をくり返す有機体のやうなアンサンブル。特にアコのいわつなおこさん(かなりの美形!)の指裁きの素晴らしいこと!。

いやぁ、ナメてゐた訳ではないが、お見それしやした!。想像10倍増しぐらいの素晴らしさ。聞けば3人での活動歴は、もう12年になる、といふ。なるほど。さらに脱帽!でございます。ホンマに凄かった。

帰り、バスのタイミングが合わんので、仕方なく途中まで歩いて帰る。雨模様の上に下駄履いてたので、思いっくそ靴擦れ起こしてしまっていてててt。

17日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

フと思ひつき、朝飯に温麺(にゅうめん:素麺のあったかいやつ)を喰ふ。悪くないね。専門学校3コマ。昼飯は胡瓜の糠漬けとチーズをはさんだサンドヰッチを弁当に。最近、サンドヰッチに過剰なマヨネズを使ふのを避け、バターを塗るやうにしてゐる。この方が素材の味が引き立つのだ。

さて学校の後は、帰国したしーなさんとスタヂヲ入りしてしーシュのリハ。夏に向けてのレパートリィ構成を練る。

2時間ほどリハした後は、今度はうつせみ商会の稽古へ。軽く打ち合わせだけしたら、台本に沿って、止めずに最後まで通してみる。音楽と芝居のタイミングが合わぬ処が何点か発覚。チェック入れて、最初からもう一回全通しを。台本をふた回し演った事になる。終了は23時。ご〜〜〜〜・・・・、疲れたぜよ。

金曜日は朝から学校に出てゐるので、けふのやうにリハなどが入ると、丸一日中ベースを弾いてゐる壱日、となるケースが多い。けふは特に2件リハがあったので、なをさら。それはそれで充実してゐる、とは思ふが、マジで疲れる。帰る前にビールの一杯ぐらい呑んでも、バチは当たらぬだらう。

気がつけば6月も半分過ぎた。怒濤の7月まであと少し。今年のワシはなんと7月だけで17本のライヴ、8本のリハをこなさねばならぬのだ。はひゃぁ〜!。いやまぁ望むところよ。やれるところまでやりますよぅ。


4週目

18日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

こないだ独りで録った「うつせみ商会」の曲、『冷たい指の君の孤独』と『亀の庭』を、しーなさんのピアノと唄入れをす。なんテイクか録り、さらに「せーの」でもう壱曲『くちなわは語った』を。おや?「亀」と「蛇」、爬虫類シリーズですな。ツイデだからもうひとつも爬虫類ネタにすれば良かったかな?。さういふ問題ぢゃないか。

一旦機材を置きにウチへ帰り、改めて、けふはFar east loungeのライヴへ。

JUKEを使ったワンマンもこれで3回目。割と馴染みのラインナップの中に、今回はなにやらティンホイッスルを使った本格的なインストがある。「ベースは要らん」と判断し、しーなさんと並んでシンセでストリングスを担当す。これが狙い通りの効果。その他の曲においても、バックの3人はいつにも増して自由度を上げ、様々な即興でカシラの唄に絡む。ここが普通の唄ものバンドとウチの違いだ。PAを水木ようた(ツンちゃんのセガレ)に依頼したのも効を奏し、これまでで一番演り易く伸び伸びと演奏に集中できた。

今回、オーナーN氏が初めて全部を観てくれたらしひのだが、「フォークとジャズの融合みたいでたいへんオモロイ」と評価してくれた。「ジャム・バンド」と呼んで下さい。

打ち上げは鉄板焼の修竜。前回は反省会みたいな暗ぁい打ち上げだったが、けふはみんな良く喰ひ良く呑む楽しい宴会。ぅん〜〜オモロいバンドなのになぁFar east 〜。もちっと人気が出てもオカシクないハズなんだが・・・。

19日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

昨日録ったMTRを整理し、ミックスダウンしてCDに焼く。

ん〜〜、まぁ音のクゥオリティは望むべくもないが、これくらいなら割と使えるんだなぁMTR。もともとは簡単なデモ音源やチョイ売りCDぐらいのモノならば自分で録らう、と思って買ったMTRなのだ。だが、云ふまでもないが、これだって「技術」なのである。ハードをいくら充実させても、それをうまく使いこなすには「腕」が要るのだ。

今回のやうな機会があれば、ちゃんと勉強してみるかなぁ、といふ気が起きないでもない。だがまぁ、今どき「MTR」てのが、ね・・・。こないだ観た映画でも、穴の開いたギター使ってるやうなみすぼらしいフォークシンガーでさえ、ノートパソコン使って録音してるシーンがあったな。は〜〜〜。

あとは半日、映画観て過ごす。DVDで「譜めくりの女」、主演のデボラ・フランソワが超エロい。ムニムニのプリプリ(笑)。しかし、怖い映画。TV録画ヴィデヲで「バック・ドラフト」、1996年の放送を録画したもの。合間に入ってるCMがオモロい。15年違えばまるで違う時代の印象があるなぁ。実際さうなのかもなぁ。15年前て云やぁまだパソコンもケータイも持ってないし。

20日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

また、上の階から苦情があった、と大家さんから電話。

しかし、これでコレが単なる云ひがかりである事は判明した。何故なら、前回のアレからワシらは、家で音楽の類いを一切鳴らさぬやうにしたからだ。アコベもアコギも昼間ですら封印。オーディヲに繋いでゐたちーさな・・・ホンマにちーさなスピーカーも外した。全ての出音を100%ヘッドフォンに。これで聴こえる、といふならズバリ「幻聴」だ。苦情より医者に行け。そもそも「一晩中聴こえる」なんぞデタラメもいいところ。好んで事を荒立てるつもりはないが、あまり図に乗るやうではこちらも法的手段に訴えるぞ。大家さんにもその旨伝える。

しかしやはりかういふ事があるとコタえる。その後なにもやる気がせぬやうになって、壱日ぢっとしてゐる。ワシの呑気な半ドンを返せ。

21日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

久しぶりに晴れたと思ったら、なんかえれぇ暑いな。日なたにゐると肌が「ぢりぢり」云ってるやうな気がす。あ"〜〜、また今年も暑いのかねぇ?。

さういへば、うさぎが居なくなって初めての夏、を迎える事になる。イグアナは寒いのもアレだが、あんまり暑すぎるのも苦手(てゆーか生死に関わる)なので、此所数年の酷暑の夏は、氷枕を吊るしたり水浴びをさせたり、とケアが大変だった。めんどくさいもんだったが、水を張った風呂にぷかぷか浮かんでゐた姿、あれはあれで可愛らしくて楽しかったな。もうすぐヤツが死んで半年が経つ。

日を浴びて 染まる緑の まるい目に
君のあくびが 音もなく
鱗に午後の光り射し 
この星の ながい黄昏れが 続いてゐる

作りかけの唄である。

22日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

「冷たい指のアリス」の稽古が最終段階に入った。

たぁ云へ、発案からまだ半年も経ってない「うつせみ商会」は、役者演り手がカブってるとは云へ、構想にまる壱年を費やしたTip hotel2と比ぶれば、さすがにやや突貫工事の感は否めない。まぁそこを「ライヴ感覚」でオモロくするのが、この企画の醍醐味でもあるし・・・。ネタばらしになるので書かんが、台詞の為に役者がとった「苦肉の策」が、意外な効果を出してゐて、斬新。

もう壱回だけリハ演ったら、次はもう本番だ。良い舞台にしたいものだね。

23日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

以前から構想にあった「シェルブールの雨傘」の意訳詞(てゆーよりは作詞だな)に、ちょいと本気で取り組む。既に幾つかある訳詞はどれも、女性の哀しさ、寂しさ、切なさを唄ったものばかり。ワシはそこを敢えて、女性の「しなやかな強さ」に着眼してみた。我ながらなかなかグッと来るのが出来ました。悪くないですよ。

夜、7/7に初コラボする、海月ひかりチャンとリハ。何度かライヴを見聞きして、彼女の実力は知ってゐる。ので、「バックサポート」なんぞするつもりはない。ソロもの同士のバトルのつもりで絡む。まったく手加減なしで弾きまくり、歌いまくって2時間。結構はーはー云ふくらい騒いだ(笑)。

一緒に音を出して再認識したが、なんとまぁオモロい感性を持った娘である。どの曲も固有の色とにほひがある。ちゃんと「イメェヂ」が見えてるんだらうな。ますます本番が楽しみだ。終バスの時間が迫ってゐるらしく、ハイヒールで猛ダッシュして帰ってったが(笑)、コケるなよ〜。

24日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

ハードな金曜日。

まづ専門学校で昼挟んで3コマ授業。なんか人生相談のやうなレッスンだった。そぃからしーなさんに拾ってもらひ、スタヂヲ入り。明日の「カッポレ」とのライヴの為の選曲と再考。新曲が3ツもあるのに、圧倒的にリハが足りてない。ははーっ、大丈夫かな?。昨日歌詞を作った「シェルブール〜」も演る。これはひとまづは営業用に。しーなさんには好評。『よくこんなの思ひつくね』と誉められる。

その後、機材と着替えを取りに戻り、オリエンタルホテルへ。椎名まさ子&フライデー、月イチ・ラウンヂ演奏の5回目。けふは宴会の流れのお客さんが多いやうで、ものすごく騒がしい。あっちこっちで「乾杯」の声が上がり、隣で弾いてるピアノの音が聴こえぬくらい賑やかなのだが、演奏を聴いてない訳でも無ささうで、曲が終わると拍手は大きい。人づてに聞いた話だと、欧州のライヴスポットがこんなかんぢらしいね。

ワシらも気にせずに、結構ガンガン演る。えへくたーで色々遊んだし、ソロもいっぱい取った。ぢつは此所数日のリハ続きで、手指が結構痛くなってゐるのだが、弾いてる時は大丈夫。終わると痛い。が、ひとりの紳士が『あなたのベースが素晴らしいので、もう1ステージ聴いて行きます』と云ふてくださった。ありがとうざいます。

ま"〜〜〜〜〜〜〜疲れた。40分ステージを3回。11曲を3ステージで33曲。けっこうな仕事だ。ふたりとも、いつも本番前に結構ガッツリ喰ふのだが、終わる頃には空腹を感じる。ライヴと云ふは、やはりそれなりのエネルギー消費量なんだらうな。唄うしーなさんはもっと疲れてゐるだらう。お疲れ様でした。

さういやけふ一旦帰宅した時に、ウチのアパートの玄関に車を突っ込んで停めてる莫迦がゐた。完全に通路を塞いでやがったので、A4サイズの紙に墨で『此所に停めるな莫迦者、次は通報する』と書いてリアウィンドゥに貼ってやった。くそ莫迦が。

さういやぁ上の階の人よ、かういふのは苦情は云わんのか?。どいつもこいつも困ったモンだ。


5週目

25日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュとカッポレによるライヴ「和装で昭和な歌謡ショー」。

昨日の疲労いまだ色濃く残れば、ヲーキングもヨガも辞退すが賢明なり。といふ事で入り時間まで昼寝でもしやう、と思ってゐたが、近所が素晴らしく騒々しくて断念。なんかほとんど真夏のやうな陽気の中、会場のPICOへ。カッポレのメンバー、しーなさん、三々五々集まって来て、サウンドチェック&リハ。

タイトル通り、全員和装に着替え、定刻にはスタート。まづはカッポレから。彼らのやうに純粋なアクースティック編成のバンドには、PICOのやうに音響設備の整ったハコは逆にやや演り辛さうだったが、そこは持ち前の明るさと大衆性で聴かせ切る。バランスの取れた演奏。後で知ったのだが、メンバーは20代から40代まで散らばってるんださう。それでゐてあのバランス感。はぁー!そら凄いわ。やはり大したヤツらである。

ウチはいつものやうにのらりくらりと。あからさまなミスも在ったが、まぁまぁの演奏。この日お披露目の「ぎやまん」「しゃばだバ」「時つむぐ舟」は仲々良かったのではないかな?。けふは演奏は勿論、和装の着こなし、と云ふ面でも、ヴェテランの余裕を見せた・・・てかんぢかな(笑)。

最後は全員でセッション。カッポレとウチには、音楽的な合致点などほぼ無い、と云ってもいいのだが、その無理矢理なミクスチャー感が楽しい。特に「ひつぢは意外と気が荒い」とかをカッポレのバンジョー、ハモニカ、アコルディヲン、パーカス、ジャグなどが彩ってくれると、そらぁ盛り上がるわな。なるほどしーシュの形態としてもこれはこれでアリだな、と思ふ。いやー楽しかった。

おおいに盛り上がって大団円。お客さんにも和装で来てゐた方が多く、良いかんぢ。良いイベントに誘ってくれてありがとねカッポレ。

打ち上げには、他所でライヴを演って来た、共通の友人「なにわのてつ」も合流。酒の酔いよりも疲労感がにぢみ出て、しーシュやや大人しめ。考へてみたら音楽の話が一切出て来ぬ打ち上げだったな(笑)。ハモニカのしげたろうとパーカスのアヤカちゃん、とワシが、なんと3世代に渡る「巳年」である事(アヤカ22、しげ34、ワシ46)が判明。はひゃぁ〜!!。経年劣化も起るハズである。彼らから云はせると、ワシは「充分に元気な46歳」なのださうだが・・・。

いやしかしまぁかういふ時に「アンチエイジング」を持ち出す事は逆に年寄り臭いからね。呵々と笑って衰えやう(笑)。

26日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

けふはカワちゃんとのリハ。歌詞にコードが書いてあるだけの「譜面」を、読みやすいコード譜に纏めておこうと思ってゐたのに、間に合わず。聴いて憶えたほうが良いのは理解してゐるが、如何せん近々憶えねばならぬ曲が多過ぎて・・・。曲のメモリーには自信がある方なのだが、さすがに・・・・ね。

沖縄のベーシスト坂元健吾氏からコンタクトがあった。あのコウサカワタルくんとの「グンデル・サンシン・トリオ」や、「高円寺百景」の超絶ベーシストとして有名だが、最近はベース壱本によるアンビエントなソロにも力を注いでおられるらしひ。ちょいとVを拝見したが、たいへん美しい。即興だが、雰囲気や混沌に逃げないソロ。

どーやら秋口に広島のライヴをお世話する事になりさうだ。自分も旅先で友人のお世話になるやうに、友人のちからになりたいと思ふ。さうすれば、訳の分からんメヂャーの世界なんぞに属さずとも、世界はもっと身近にならう。その日まで、演り続けるのだ。

Being on the road。

27日(月)-----------------------------------------------------------------------------------

休学してゐた生徒が復学するってーんで、進路相談のやうなものをしに、早めに学校へ。挫折しかけたものをまたやり直す、といふその心意気は買うが、そは本当に大変な試練だぞ。本気で頑張れや。

琴の榊 記彌栄さんと7/15にやるライヴのリハに行く。榊さん、自分の事務所を教室兼ライヴスペースにする、といふ大胆な改装をしてゐる。既に何人かの友人音楽家が演ってるやうだ。で、お互いの曲を持ち寄る訳だが、榊さん、ワシの曲の変拍子に苦しんでゐる。往々にして、変拍子慣れしてゐる人間が「こんな風に(拍を)取るのだ」といふアドヴァイスは、演り慣れない人には何の役にも立たぬ事が多い。

まぁ自分で頑張って取って下さい。

28日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

此所数年は、即興系のフリー以外でえへくたーを使ふ事はなくなってゐたが(ループはワシにとってはえへくたではない)、最近ちょいとまた興味が湧き始めた。レッスンスタヂヲに、づいぶん前から放っぽってあったワーミー・ペダルを出してみる。うむ、ちゃんと作動します。ピッチシフタはここ10年ぐらいで、コンパクトなサイズで良いやつがいっぱい出たが、やはりワーミーはペダルで『クゥゥイィ〜〜〜ン』と上げれるのがイイ。よし、まづはひかりチャンとのライヴでこれ使おう。

ウチの裏、可部線の線路沿いに(多分)自生してゐたおーきな枇杷の木が、JRの職員さんらによって撤去されたやうだ。風が吹くたびに葉っぱやら実やら訳の分からんものが落ちて、ウチのベランダにゴミが溜まって大変だったが、これで少しはキレイになる。一気に日当たりも風通しも良くなったが、裏口を開けてると、電車から丸見えだらうな、これでは。ので、古い布を切って、カーテンを作る。

29日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

こないだ「うつせみ商会」の録音を、古いMTRで割とスムースにやれた事に調子を良くして、完全自作のちょっとしたソロの新作を作ってみる気になる。して、ハタと思ひつくに、全部インストのアルバムって今まで作った事ないな、と。

よぅし、インスト4ツぐらい入れたCD-Rにしてジャケもコピーで作り、ワンコイン¥500ぐらいで出せば、誰か買ってくれるだらうではないか?。

な訳でシコシコと録音。まづは書き下ろしの新作をひとつ。色んなベースを弾き分ける事も考へたが、全部の音をヴァネッサ壱本で出した、て方がワシらしひかな、と思ひ、さうする。お得意の「偽タブラ」や「偽ジェンベ」など。割と良いかんぢに録れた。「月詠(つくよみ)」と命名。アルバムタイトルもこれで行く事にして、ジャケ制作も進める。ホンマは全部書き下ろしで行きたいが、流石にそれは時間がないな〜。

30日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

昨日に引き続きRec。けふは再録となる「マコンドに降る雨を見たイサベルの独白」を。

これはワシの初めてのソロ・パフォーマンス(1993年)から演ってゐる曲。音色や音階に囚われず、電気ベースのサウンドと曲調だけで「インドっぽさ」を出すことに成功した最初の曲でもある。その分思ひ入れは強くて、2005年に作った「きねつき」に収録したのだが、音がハイファイ過ぎてイマイチ自分が思った通りにはならなんだ。自分の持ってるロウファイ機材で、再チャレンヂ。

どーいふルーピングで録るか、を試してるうちに時間切れ(苦笑)。レッスンに行き、その後は海月ひかりチャンとのリハ。こないだのリハからしっかり予習をしたおかげでバッチシ。だが、えへくたの操作で足元が凄い事に・・・。久しぶりに、こんなダンスのステップのやうな程えへくたを使ふ。これも練習しとかねば、ね。


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