7月

7月1日(火)---------------------------------------------------------------------

久しぶりに空を飛ぶ夢を見た。正確に云へば「空を飛べるやつの肩を借りて」飛ぶ夢。

ものすごい勢いでものすごい高度を飛行しており、高速&高所恐怖症のワシにはかなり怖い速さ&高さなのだが、眼下に拡がる美しい田園風景(アジアっぽかったな)の素晴らしさの方が勝り、「ほぇ〜〜!」とか感動しながら飛んでゐた。ワシの場合、飛ぶ夢はたいてい「落ちる」か「制御が効かなくなる」処まで行って目が覚めるのだが、今回は目的地に着くまで飛んでゐたな。

空を飛ぶ夢は、新しい仕事や縁への予兆、とされ、縁起が良い。

新しい仕事かァ〜・・・、と考へる48歳。

2日(水)---------------------------------------------------------------------

なんかえらい事身体がダルくて、ダレてゐたいのだが、「そんな事ではイカン」と久々に早朝ヲーキング。

その後もダルくて、ダラダラしてたいのだが、「こんな事ではイカン」と無理矢理ソロのリハに入る。

4月に北海道でお会いした方からの導きで、9月に東北(東日本大震災被災地)でのライヴを組んでいただける事になった。しーシュ、永らく東北への足掛かりを探ってゐて、よぅやく良い形でルートを開拓する時が来たやうだ。まづは「足跡」を。その第一歩としたい。

フと思ふに、昨日夢で見た『空を飛ぶ=新たな縁や仕事』といふはこれの事か?と(笑)。実際、そんな訳ぁないんだが、吉兆、と前向きに捉える事は良きことだ。ここん処ややココロが「負」の方へ傾きつつあるので・・・。自分でダハせねばね。

3日(木)--------------------------------------------------------------------

孤独な営業「吟」@オリエンタルホテル。

けふはその前にレッスンが入ってたので、その合間を縫って声だしをしておく。前回のオリエンタルホテルからまだ10日くらいしか経ってないので、選曲も結構悩みました。まぁ、なんとか。

こたびの新曲は、井上陽水の「海へ来なさい」で、その楽曲の素晴らしさに思はず唸る。かういふ唄が人生で壱曲でも書けたら、残りが全部ダメダメでも良いんぢゃないか?とすら思へる。それほどまでに、この唄は良い。

4日(金)--------------------------------------------------------------------

専門学校。なんかの折にフと脇道にそれ、ひとコマ丸まる雑談で終わってしまった。高校時代にかういふセンセイゐたなぁ。

Shu'sのリハを。なんとか継続させて行きたいトリオの、初ライヴ後初のリハだ。編成が3人になるだけで、例えば昨日のソロ営業ともまた全然違う声の出し方が必要なのだねぇ。唄うたいとしては避けては通れない試練。しーシュでもソロでも出来ぬオリジナルを演るユニット、として磨いておきたいトリオである。パイグが積極的にハモろうとしてゐるのが良い。

いづれは、例えばオリエンタルのやうな営業も、かういふ編成で受けれたらな、と思ふ。だが、自分ひとりのギャラを確保するのも仲々たいへんなのが現状。ヌ〜、いづれは彼らにも充分なギャラを払えるやうな、さういふユニットにして行かんといかんねぇ。


2週目

5日(土)--------------------------------------------------------------------

しーシュリハ。けふは最近のライヴであまり演らぬ曲を中心に。こないだ数えてみたら、しーシュのオリジナルは現在60曲。そのうち、ライヴとかでスグ出来るのは、まぁ半分くらいかねぇ・・・。まぁ演りゃあ思ひ出すンだけどね。

その後、我らがpercussion house PICO 8周年記念パーティー、に参加す。

8年!。店主のツンちゃん自身が『まぁ半年持ちゃ上等よ』と云ってた、あのオープンから8年!。そのオープニングパーティーの、最初の出し物がワシのソロ「こきりこ節」であり、そは「しーシュの片割れ」としてしーなさんが初めて「この世界」に足を踏み入れた日、でもあった。

まぁ顔ぶれも変わりゃ変わるもんで、半分以上知らんヒトばかり。賑わうのはえぇ事だ。だが、ちょいと気になったのは、参加者のほとんどが、所謂「会場の設営」に協力せなんだこと。ワシが知ってるPICOのかういふイベントでは、出演者もお客さんも一緒になって、椅子を運び出したり、要らぬ機材を外に出したり、と、さういふコラボレートの元にライヴが運営されてゐた。

けふも、自分らの出番が終わったらさっさと会場から居なくなるヒトが多く、結局最終的に会場を片付けて帰ったのは、ワシらを含む、開店当時からの常連だけであった。まぁ『さういふ店』といふ訳ではなく、ただなんとなく皆が手伝った方が速いし気持ち良い、て事でさうなってゐただけで、誰しも強要すべき事ではない。今のPICOに関わってゐるヒトは、さういふ人達ではない、といふだけの話だ。でもねぇ・・・・。けふの場合は特に「パーティー」だからねぇ。

かなりの量ワインなど呑んだはずなのだが、あんまり酔わなんだな。

6日(日)--------------------------------------------------------------------

雨の日曜。買い物、読書、映画。

ここんところ左手がづっと腱鞘炎らしき痛みに苛まれてゐて、これはまぁ楽器弾きである以上、避けられぬことだと思ふ。外科的手術以外で治癒せしめるには、しばし休息をとる、しかないのだらうが、こちとらこれが商売なのだから、休む訳にはいかん。

今の処、痛いは痛いのだが、演奏に支障のある痛み、と云ふより、休息時に痛みが残る、と云ふかんぢ。むしろ演奏に没頭してゐる時は痛みを感じぬ(まぁこれが良くないのだらうが)。ので、練習は壱日に壱時間のみ、と決め、それ以上は楽器に触らぬやうにする。その時間内で柔軟性と操作性を維持出来るエクササイズを集中してやるのだ。

まぁ他人と演るリハや本番はさうも行かぬが。

7日(月)--------------------------------------------------------------------

台風が近付いておるやうだ。近代稀に見る巨大なヤツらしひ。

その前線に刺激されて朝から大雨。JRもぐじゃぐじゃになってるやうなので、「こらぁ生徒は来ぬな」と思ったが、ちゃんと来た。その後も雷が鳴ったり光ったり、雨足が強くなったり弱くなったりしたが、夜半過ぎには収束。だがまだ台風の本体は、発達しながら北上中とかで、備えておかねばね。

1991年の台風19号「ミレーレ」を思ひ出す。

あの日は、夕方まで肉体労働をして帰宅。「台風が近付いてゐる」といふ意識はあったが、まぁやや風が強い程度、なかんぢだった。その日、ワシは新しく組んだバンドの壱回目のリハの為にスタヂヲを予約してゐた。だが夕闇と共にどんどん状況が悪化。で、20時頃だったか「バーン」て音と共に一帯が停電。生半可な停電ではなく、ホンマに広島の街ひとつが、完全に「機能停止」した夜でもあった。当然、スタヂヲはキャンセル。

典型的な「風台風」だったミレーレは、『塩害』といふのをもたらした。強風に巻き上げられた海水が市街地に届き、あちこちで電線をショートさせたのだ。これによって、当時ワシが住んでゐた地域は、それ以降なんと壱週間近くに渡って停電が続き、ライフラインのストップした廃虚のやうなアパート(ほとんどの住人が避難して居なくなってゐた)で、ワシは蝋燭の光を頼りに数日間を過ごした。風呂は日雇いの事務所でシャワーを貸してもらえたし、呑み水も近所の公園に汲みに行けばなんとかなったが、困ったのはトイレだった。あぁいふアパートは停電になると水も停まるのだよね。

毎日、日雇いから帰って、明かりの灯いてないアパートを見るたびに、『嗚呼、今夜もか』と思った。「けふダメなら流石に実家に帰ろう」と思ってゐた日、窓に明かりが戻って来てゐたあの光景を、今もよーく憶えてゐる。

あの教訓を活かさねば、ね。

8日(火)---------------------------------------------------------------------

けふは台風も雨もないのに、生徒が休みやがった。分からんやつらだ。

カメラに凝ってゐた頃(30代)に撮影した「紙焼き」の写真が、本棚壱コぶんくらいある。女房と「いつか整理せねば」と云ひながら、何も手付かずのままだ。けふたはむれに取り出してみると、初めてお江戸に行った時の写真とか出て来た。若い。太ってもゐる。写真見る限り、よぅ遊び歩いてゐたやうだね。旅した街、行った処、見た景色、住んだ家、遊んだ人々、変わったヤツ変わらぬヤツ、今はもぅ居ないヤツ・・・。この全てが、今のワシを作った、のだ。

紙焼き写真は、このやうに「フと手に取って」見れる、と云ふ点が、やはりイイ。

9日(水)---------------------------------------------------------------------

巨大タイフーン、さらに接近の兆し。

なにか携帯食料なぞ買っておいた方が良いか?と思ひもしたが、よぅ考へたらウチはもぅ長い間「直火釜」で飯を炊いており、つまり水と火があらば米が喰へる暮らしなのだ。カセットコンロもボンベもあり、米も水も確保してあり、缶詰めも豊富に揃ってゐる。少なくとも食料に関しては、なにも心配は要らぬのだった、と。

沖縄や九州で、突風で軽自動車がひっくり返った写真などアップされてゐる。やはりかなり強力なタイフーンのやうだ。が、広島は雨こそ降ってゐるが、さほど強い風も吹かず、いまだ小康状態。まぁ油断せずに参ろう。

10日(木)--------------------------------------------------------------------

巨大タイフーン、けふ広島に最接近、との事だが、そよ風も吹いておらぬ。これはまたしても『広島を避けて通る』タイプのやつか?。

昼過ぎにはむしろ晴れ間が拡がって、暑い。レッスンに行く途中アイスなぞ買う。また「壱日壱アイス」の季節がやって来る。Come on チョコミント。

台風を懸念して、昨日早々にレッスンの欠席を連絡して来たやつもゐたが、このかんぢでは休み損やな。注意をするは大切なことだが、何事も結論を急がぬやうに、と云ふのも肝要か、と。映画「ミスト」がさうだったではないか。

とまれ、またしても広島を避けるやうにして通り過ぎて行った巨大台風。被害がなかったのは何よりだが、いつかこのツケが回って来そうで、それなりに怖い。

11日(金)--------------------------------------------------------------------

富安秀行&しーシュ=唄声一座。夏ツアー前半戦の初日。

今年の5月に中部地方を一緒に回ってゐるので、久しぶり、のかんぢは全然ない富安さん。けふを皮切りに、8月後半までの(飛び飛びではあるが)夏のツアーを色々ご一緒する、けふがその最初。けふはしーシュ、としてではなく、椎名まさ子、梶山シュウ、それぞれソロの演り手として、富安さんを迎え撃つ企画。

富安さんは、しーシュとしての初対面でイキナリ、ワシらがソロの集合体であることを見抜き、それぞれのソロの部分に関心を持っておられた。『ライヴでもさういふコーナー、作ればいいのに』とよく仰ってゐた。まぁワシら的には、さういふ局面も色々こなした上でのデュオ、のつもりなので・・・、と思ってゐた。

が、富安さんとの付き合いも、既に4年超。今あえてさういふ部分で一緒に演らせてもらふ、てのも一興かな、と、けふに至った。

まづはワシのソロから。もぅしばらく封印してゐた「カリンバ&ベースの同時演奏」を含めた、かなりコアなソロのパフォーマンス。あまりに久しぶりで、流石にちょいと勘が掴めなんだが、そこそこの事は・・・。久しぶりにソロのCDが結構売れたな(笑)。

全曲、コアなオリジナルで攻めたワシに、あえて全曲カヴァーで応えたしーなさんのソロ。終わってみれば、お互いの持ち場を良く理解した、良い出し物であった。日頃しーシュを見慣れてゐるヒトには、かなり新鮮だらう、と思ってゐたが、けふは思ひの他初めてのお客さんが多く、『かういふ事なら壱曲くらいしーシュとして演っても良かったね』などと後で話す。

後半、富安さんと合体しての「唄声一座」。もぅすっかり定着したハーモニィに、客席も大盛り上がりで、大団円まで。夏ツアー、滑り出しとしては上々の初日であった。

さぁ、夏も本格的に始まる。今月この後12本。そしてほとんど広島に居ない8月、を迎える。力強い夏の到来だ。


3週目

12日(土)週末遠征:唄声一座宇部公演/Big hip--------------

富安秀行広島公演に引き続き、唄声一座として近隣をめぐる週末遠征。けふはしーなさんの故郷、宇部市はBig Hipへ。

しーシュとしてここで演るのは、去年の12月以来。だが、ワシ的にはこないだ「華麗衆ナイト」にソロで出に来たばかりなので、「またまた」といふかんぢ。けふの対バンも華麗衆たちだし、むしろしーなさんより地元民のやうなカオして鎮座するワシであった(笑)。

さてけふは地元のアシッドジャズ・バンド「ゼンゼンマン」のOAから。メンバー全員、なんかえらくお堅い仕事に就いてる人達らしひが、一癖あるバンドサウンドで熱演。まだ組んで日が浅いらしく、なるほど細かい部分はまだまだシビアなかったが、是非続けてってほしいバンドだった。続いてお馴染み「華麗衆」。けふはファンクナンバーを中心としたラインナップで、この場合バンド名も「ハイパー・ダンク」に変わるのださう。弟分「よぅねん」のチョッパー・ベース(あえてスラップではなくチョッパーと云ひたい)冴え渡る熱演で、会場もヒートアップ。

続いてワシら。けふはソロ×2、といふのではなく、しーシュとして。これがウチにしては珍しく、機材のトラブルに泣かされたライヴ、となってしまった。かういふライヴの場合、「電気ピヤノ」は他のどの楽器より自分で制御出来る部分が少ない。ようは『(PAに)繋がってなかったらタダの箱』であり、そこを自分以外の手に委ねねばならぬ、といふジレンマ。だからまぁ「ピヤノがある会場でしか演りません」と宣言するヒトも多いのも分かる。

まぁ、仕方ないやね。

引き続きの富安秀行、と唄声一座。富安さんがステージに立つと空気が変わる。グっと聴き手を引き込む手腕は、毎度ながらお見事。これはまぁしーシュに一番欠けてゐる部分で、しかし真似して出来るものでもないので、ワシらは半ば諦めてはゐるのだが・・・・。

昨日、皆と別れた後でしーシュで軽い打ち上げをやり、そこでも語ったのだが、「自分達にないもの」「自分達にしかないもの」それらを羅列してゆくと、やはりミュージシャンそれぞれにバランスがあり、無いものを無理に持とうとしてもバランスが崩れるだけだ。既に持ってゐるもので、無いものを補える工夫。これこそが「向上」といふもの。そして、それが「誰に支持されるか」。

ライヴを演るごとにその答えがあり、それはまたライヴごとに違う答え、でもある。ん〜〜〜〜〜〜、難しい。

13日(日)週末遠征:唄声一座萩公演/陽だまりガーデン--------------------------------------------------------------------

けふも、それほど「お久しぶり〜」なかんぢでもない(笑)、萩市は陽だまりガーデン。ここは今年の4月に来たばっかりやので、ホンマに最近だ。

ここは富安さん、我ら、それぞれ独自にコネクションがあり、その「共通する」コネクションとして、けふのライヴを企画。予約で既に満席、ださうで、ホンマにありがたいです。けふはまたピン芸人にもどり、梶山シュウ、としてソロを演る。陽だまりでソロ演るのは当然初めて。金曜日のソロとも鑑みて、けふもカリンバを使ふかどーかを熟考。の末、潔く全曲唄もので勝負す。

萩のお客さんは、ワシがソリストであることを知らぬヒトばかり。あえて勝負曲である「らのえてぃあ」や「こきりこ節」等を排し、えせニック色を全面に押し出したラインナップで構成。これが効を奏し、良いソロになった。最後はフとそんな気になってしーなさんを呼び、しかししーシュではなく「梶山シュウと家政婦サンデー」として(笑)「此岸之朱」を唄った。終演後、お客さんに『ベース壱本であそこまで演れるんだねぇ』と云ってもらへたので、良いパフォーマンスだったのだらう。

しーシュとしても壱曲「Dance」を。お客さんが踊る踊る(笑)。

けふの唄声一座も素晴らしく。お客さんから『このトリオでのアルバムはないのか?』との声。嬉しいですねぇ。いや、さういふ機会があらば是非作品として残しておきたい気はします。楽器持った3人が、こんなに自在にハモれるチームなんて、さぅさぅ滅多に無いからねぇ。

予想した通り、この3人---唄声一座、としての陽だまりガーデン・ライヴは大好評だったやうで、ワシらも嬉しい。けふは運転手、と云ふ立場上、打ち上げで飲めなんだのがアレだが、まぁ・・・。秋口へのイベントの参加も求められ、やはり旅は旅を拡大する、のであった。満場のお客さんに感謝。

14日(月)--------------------------------------------------------------------

「にっち」を走らせ、昼までには帰広。そのまま専門学校の授業へ。

夕方、帰宅して、DVDで映画なぞ流し見しながら、やはりつらつらしーシュの「先」を考へる。さぅ、結成10年めを迎え、ワシはいま切実に、しーシュで「売れたい」のだ。今までの人生で、かつてないほど「売れる」事への欲求が高まってゐる。いや・・・「売れる」てーのとも違うやうな気もして、それは「より広い拡散」への欲求、のやうにも思ふが、そげな違いなどどーでも良いくらい、「売れたい」と思ってゐる。

まぁその為の事をアレコレやってゐるのが今の日々、と云へぬでもないのだが・・・。

15日(火)---------------------------------------------------------------------

専門学校→しーシュリハ→レッスン→執事フライデー、と良く動く壱日。

けふの椎名&フライデー@オリエンタルホテルは、ちょっとどーか?と思ふくらい騒がしい一団が来店しており、そはライヴの邪魔云々よりもまづ、ホテルの品格をも問われるレヴェルの下品さ。よく書いてるやうに、ホテルのラウンヂバァなのだから、基本的にどんなお客さんもウェルカム、なのは分かる。だが、毎日質の高いミュージシャンの生演奏を入れてゐる、と云ふのを売りにしてゐて、このテの客に注意のひとつも促せない、てのは、そは「店」としてどぅなんだらうか?。

それにいつも思ふが、聴いとらんでもチャーヂ取られるんだから、聴かずに騒ぎたけりゃかういふ処に来ぬでもえぇぢゃないか、と。

16日(水)---------------------------------------------------------------------

「シャークネード」といふ映画を見る。

こ・れ・が、なんてーか、恐ろしいほどザツな映画で、中学校の映画研究会でも、もちっとマシなの作るンぢゃないの?てかんぢ。まづ、竜巻に鮫が吸い上げられて空から降って来る、てのはまぁ千歩譲って許す、としても、落ちて来た鮫が潰れもせずに、元気にヒトを襲う、てのは・・・。で、洪水で浸水した街に鮫が上がって来て、てのも五千歩譲って許したとして、空、晴れてるぢゃん。んで、用水路通って鮫が高台まで上がって来る、てのも壱万歩譲って許したとして、まづ、鮫って鳴かんし。

で、最後にいきなり桁外れにデカい鮫が、急降下しながら主人公を襲って来て、なんでそこだけ噛みもせずに丸のみするんか?。まぁさうせんと、主人公がハラ割いて復活!てラストもあり得ぬ訳だが・・・。よぅこんなザツな映画作って、またそれを臆面も無く配給するよ。

まぁさういふ色々で、「面白い、と云へないこともない」映画、といふ意味では、オモロかったのかもしれぬが。

17日(木)--------------------------------------------------------------------

居酒屋椎修:文月の巻。

夏メニュゥ、といふ事で、鶏の肝煮を作った。いつもなら保存用に固めに煮込むのだが、けふのはあえてさっくりと柔らかく。それとこないだから改良を加えた塩そーめん。けふは悲鳴あげるやうな大入り満員!ではないが、まづまづのお客さん入り。最近、皆さん慣れたのか遅い出足で、開店後30分くらい誰も来ぬことが増えた。まぁ20時前くらいからとんとんと来店があり、ライヴ時にはえぇかんぢにはなるのだが、あの『ぬぅ?けふはもしや!?』といふ、あのかんぢを、飲食業のヒトは毎日噛み締めておられるのだな。

ライヴは、なんだかどーにもオカシかったな。素人のやうな失態もあったが、原因はさういふ事では無く、なんか「上手く廻ってない」かんぢが強かった。久しぶりにデュオで演ってるのに、ソロで演ってるやうな気がした。しーなさんもさぅ感じたンぢゃないかな?。演りながらづっと違和感が拭えなかった。上手く流れてない証拠に、アクビをしてるお客さんが結構ゐた。

ん"〜〜〜〜〜〜〜、6月のバラ売り以降、なんかしーシュのライヴがチグハグしてる。けふから4連チャンなのだが、ちゃんと軌道修正して行かぬと恥かくぞ。

18日(金)--------------------------------------------------------------------

連チャン二日め。けふはしーシュではなく、即興集団「乱葛」の豪華版、てことで。

ストリッパー、舞踏、電気ベース、のトリオによる超即興、といふ事で始まった「乱葛」も、もぅこれで何度めか・・・。この3人でのパフォーマンスは、もぅ阿吽の呼吸、といふか、どーいふ方向に行ってもナニも心配要らぬのだが、「豪華版」はそこに別の要素を加え、あえて緊張を高める働き。

かういふパフォーマンスはまづ、演者としての自分と、それを第三者の目で見るもぅひとりの自分、が必要になる。「我」を出してイき過ぎても駄目だし、見合ってゐてばかりでも何も始まらぬ。とくに乱葛のやうに「見せる」タイプの即興は、より客観的に『いまステージで何が起こってゐるか』を知る必要がある。そこはまぁ上手くなったモンだ、と自分で思ふ。

即興、に真剣に取り組み始めた20代後半、『キミの即興は云々・・』と語る諸先輩がたに、なんとなく辟易するものを感じてゐたが、自分がさういふ事を云はぬやうにはしたい、と思ってゐる。だがやはりこれはこれで、熟練を要するジャンルには違いない。自分より若い世代の即興を聴く機会も増え、あの頃諸先輩がたに云はれた事も、なんとなく分かる気がして来た。

すぐに出せる答えなぞ、たかが知れてゐるのだな。

けふもなかなか良い即興だった。2年前のこのイベント以来の、しーなさんと茜さんのカラミ(!)が見れた。豪華版、ではない、トリオの乱葛での九州遠征計画が進行中で、ぜひ実現させたい。


4週目

19日(土)-------------------------------------------------------------------

昨年9月以来の、湯来町は「白い森」にて、しーシュワンマン。

前回のは「ティータイム・コンサート」と銘打たれ、お昼〜夕方の時間帯にかけてのライヴだったが、今回は「イブニング・コンサート」。割と早めの時間に会場入りして、相変わらず元気な2匹のデカいレトリバーと4匹の様々なガラの猫達に迎えられ、あれこれ準備。リハの時、一番でっかい縞猫が「爪研ぎうた」に合わせてみゃーみゃー鳴いてたのは、最高だった。

他にも、蜩のカナカナ、蟆蛙のグッグッ、鷸のケェ〜、烏のカァ、など、色んな音が・・・。素晴らしい環境だな〜。蚊が多いのがちょいとナンだが。

定刻にはいっぱいのお客さん。遠く大阪からわざわざ来て頂いた方もゐて、感謝。心して「月の道」からスタート。以下、オリジナルを中心に前後半に分けてだだッと2時間。良いライヴを完遂できました。演奏中にも犬がしーなさんの脚の間を潜って行ったり、ワシのえへくた周りを猫がちょろちょろしたりして、たいへんナゴんだライヴとなった。

終演後、『本当に旅をされる方が作った音楽ですね』と云はれ、嬉しい。まだまだ旅を続けます。

ところでけふ、会場へ向かう道の途中で、「にっち」が壊れた。走行中、明らかな「異音」を発しはじめ、タマタマ懇意のカーファクトリィが近くて助かったが、そこに走り込んだ際にはもぅエンジン停止寸前。やれやれだったが、代車を出してもらひ、それでなんとか乗り切った。

まぁ車でツアーしてゐる連中からは、車がトラブった話など珍しくもなく良く聞くが、高速道路上とかでなかった事を、幸運に思おう。思へばにっちももぅ8年乗ってゐて、次の車検にはオーヴァーホール、といふ言葉も出て来る頃かな、と考へてはゐた。やれやれ。

20日(日)------------------------------------------------------------------

けふは神辺はハイダウェイ。地元ミュージシャンアカギさん主催の月イチ企画「Akagi's Night」のゲストとして参加。

アカギさんは共通する複数の旅ミュージシャンの繋がりでご縁を頂き、今回に至る。話を伺ったのは今年の1月だったが、その時点でワシらとアカギさんの都合が合う日程が、けふまでなかった、といふ。半年越しの企画、やね。

代車を転がして神辺まで。何度も行ってる場所だけど、自分の運転で行くのは初めて。面白みの少ない2号線ルートは避け、旧道やら使う情緒あるルートで行く。3時間。

さて、Akagi's nightである。毎月の第三日曜日で、もぅ59回も続いてるイベントなのださう。59回!。こないだの宇部の華麗衆ナイトもさうだけど、地元に足をつけた活動、てのはかういふのを云ふのだね。それを継続する力と情熱。居酒屋椎修も見習わねばならぬ処だ。心して演る。

アカギさんの先行から始まり、まづワシらがゲストとして呼ばれ、数曲セッション。その後、ワシらだけになってしーシュで40分。その後はメンバー入れ替わり立ち代わりでセッション、てな流れ。オリジナルも良く出来たが、後半、ワシらが先導しながらのセッションコーナーも楽しかった。店主トクさんもハモニカや唄で参戦。これが最高に良くて、考へてみれば長く見知ってはゐるけど、トクさんとなにか演ったのって初めてだな〜。嬉しいねぇ。

お客さんからも、共演者からも絶賛いただき、嬉しいしーシュ。思った以上に楽しいイベントだった。アカギさんありがとうざいました。

終演後はハイダウェイ名物「雑魚寝打ち上げ」。みんなでテーブルを囲み、布団を敷き、持ち寄った酒飲みながら延々語る、といふ。ここでも改めてけふのライヴを絶賛頂き、ワシらもけふのこの組み合わせ大いに気に入り、ごく近いうちに同じ面子で、また何かイベントを組もう、といふ話に発展。嬉しいねぇ。今までに此所に来たどのバンドでも出来なかった事が、いましーシュで出来てゐる。

3時くらいに誰ともなく寝始め、おヒラキ。

21日(月)--------------------------------------------------------------------

8時くらいから誰ともなく起き始め、おはやう〜と。

アカギさんはまた呑み始めたが(笑)、ワシらは広島への帰途へ。途中、温泉に寄ったりしながら、昨日とはまた違う旧道ルートなど選びながら、ホンマにのんびり帰った。

昨日けふと、代車で走った。代車は軽のワゴンRと云ふやつで、かう云ってはナンだが、良く走る。すぃすぃ走る。軽バンである「にっち」と比ぶべきもないが、一般の車はこんなに走るのか?と思ふほど。しかし、いわゆるひとつの「オートマ」で、思はぬ処で回転数が上がったり、エンジンブレーキが使えぬ所など、やはりワシには使い難い車だ。燃費も良くないし・・・。

おそらく結構値の嵩む修理になり、にっちの年齢を鑑みると、恐らくディーラーは「買い換え」を勧めて来るだらう。だがまぁ、ここまで一緒に歳とって来たのだから、ツイデにもぅ少し付き合うよ。ホンマに乗り潰すまで乗る。それがワシの車の愛し方だ。

22日(火)---------------------------------------------------------------------

専門学校、夏休み前最後の授業。いちをう課題を出したが、さーてコヤツらが夏休み明け、これをどんだけ憶えておるかよねぇ〜。

けふはその後、しーシュの遠征用のリハ。2時間ほど音合わせ。正直、この4連チャンの疲れが抜けず、ワシもしーなさんもくたびれてゐる。しーシュも10年目。ワシらも10年歳をとった訳で、ライヴが続くとなかなか身体がツラいお年ごろになって来た。まぁそれでも、基本的にリハは楽しい。

その後、レッスンへ。ぢつはこの、火曜日にいつも使ってゐた教室が、この7月いっぱいで閉鎖となる。別な会場に移っての稼動となるので、仕事が減る訳ではないのだが、ここはワシが一番古くから教室を構えて来た会場でもあるのだ。そのワシの此所での最後のレッスン。

ここで最初にレッスンしたは26歳くらいの時だった。平均的な生徒との年齢差が、まだ10もなかった頃だ。ここで練習もした。ここで多くの曲を書いた。何度もここに泊まった。宴会もした(通報されたけど)。生徒が減り、増え、また減り・・・・、さうやって22年が過ぎた。感慨深い。

置いてゐた私物を全部車に積み、その22年間を思った。また、時代が変わって行くのだ。

23日(水)---------------------------------------------------------------------

かう云ってはナンだが、友人知人の中に、悪人ではないのだが、直感的に「どこか信頼できない」といふタイプがゐて、残念ながら多くの場合、その直感は外れてゐない。だからと云ってそぃつを嫌いになる、と云ふ訳ではなく、ただ、友人ではあっても大事を頼めない、と云ふ不幸な関係を築き上げてしまふ。

けふ、残念ながらその懸念が現実となり、ワシの直感が最悪の形で立証されてしまった。

ワシ自身が、友人にそのやうな不幸な印象を与えぬやう、ホンマに心せねばならぬ、と強く思った壱日であった。

24日(木)--------------------------------------------------------------------

たいへん日記的な壱日(笑)。

朝、WADAバンドのリハ。しばらくギター弾いてなかったので懸念せしも、問題なし。/メンバーと一緒に昼飯。/その後、湯荷黒にて旅の下着を購入。一時期、安さの代名詞のやうだった此所も、今はそんなにお徳感がない。/湯荷黒のとなりの百円ショップに寄り、「カラス」用の9V電池を2コ購入。/散歩がてら本通りを歩き、古本屋にて旅の合間に読む文庫本壱冊を購入。/メディアプラザにて、旅先へのお土産を購入。/けふ出がけにチャリのタイヤがヘタってゐたのを思ひだし、当級半頭に寄り、圧縮空気入れ(緊急時にたいへん便利です)を購入。

この時点でけふのギャラを出費の方が越えた(苦笑)。

そぃからスタヂヲに入ってピヤノの練習。/その後、ギターと唄とベースのレッスンを4人。/その後、姫石ミミとゴトウイズミが演ってゐるミュージカル・ライヴをヲルガン座に観に行く。近所でデカいイベントが重なったらしく、この面子のライヴにしては、会場が寂しい。/全部見終わったあと、圧縮空気を随時入れながらチャリを漕いで帰宅。どーやら暑さでムシ(これ知らんヒトがゐたな)がイカレた様子。

たいへん日記的な壱日であった。

25日(金)--------------------------------------------------------------------

暑い。旅の仕度。

昼前、ちょいとした仕事の件でザヴザが来訪。現在のバンドの事や、近々一緒に演りたいライヴの事など話す。ハラ減った、と云ふので飯でも作ってやらんとしたが、暑いのでその気になれず、近所の食堂に行く。現在の家に住み始めて初めて行く店。割と悪くない。

今からバイトに行く、といふザヴザを見送り、ワシは郵便局めぐりなぞ。暑い。旅荷物の最終チェック。

今回、『快適な眠りの為の移動』といふのを謳った「ドリーム・スリーパァ」といふ夜行バスを初めて利用する。通常の夜行バスより割高なぶん、さてその謳い文句の真偽や如何に?、て処ですが、ツアー終了後にでもレポートアップします。

では、まづは夫婦デュオ「しんごとひでこ」の待つ、町田へ!。


遠征週

26日(土)相模原市cafe dacota-------------------------------------------------------------------

「快適な眠りを」を謳うドリームスリーパァだったが、割と残念だった。確かに車内の装備-----パーテーションで仕切られ、自分の部屋のやうに広々した独立シートによる個室感は素晴らしかった。だが、肝心のバス本体の振動がスゴいのだ。てゆーか、これより狭い夜行バスで熟睡できた事があったが、あれはやはりバス本体の耐震性に負う処が大きかったのだな、と。

まぁそれでもなんとか眠れ、起きた時には町田バスセンター。夫婦デュオ「しんごとひでこ」のお宅に押しかけ、早速朝飯を御馳走になる我ら。けふはかれらしんひで主催によるイベント「夏の夜が冷める前の音楽」。昨年9月にも訪れた相模原のカフェ・ダコタには、新しくライヴ機材も導入され(前はしんごの持ち込みだった)、身軽に会場入り。マスター御夫婦は相変わらずニコやかで良いかんぢ。

時間には会場も一杯になり、まづはひと組め「メロディオン鈴木とカルボーン佐藤」。若いのになんか「こなれて」ゐてオモロい。ボタン・アコーディヲンとギター、の組み合わせだが、ギターの佐藤君がけっこうロックしてゐて、このテのユニットにありがちな「お勉強臭さ」がないのがイイ。元気一杯の熱演でトップバッターを務める。

弐番手がワシら。勝負パタンで淡々と。最近4〜5曲をMCなしでタンタンッと進めて行く事が増え、ライヴが速い速い。英国のバンド「ソフトマシーン」が全12〜3曲を全てメドレーで演る事が多かったらしひのだが、それは『音楽が斬新すぎて観客の反応を見るのが恐ろしかった』から、だといふ。まぁワシらもそんなかんぢ、なのかね・・・?。

けふの演目:月の路/亀の庭/苔の記憶/此岸之朱/夢見るアンコウ/砂に泣き/Dance

トリはしんごとひでこ。この編成になってからのライヴを何度も観てゐるが、けふが今まで観た中でいちばん完成度が高かった。アルバムを作成中だとかで、やはりその行程はバンドのスキルを底上げするのだな、と納得。なにより「デュオ」としての必然性がより浮き上がって来てゐて、たいへん素晴らしいライヴだった。最後にはワシらも加わって、お馴染み「風と共にうたえ」。・・・・が、興奮したしんごが異常に速いテンポでイントロを弾き始め、ワシは着いて行くのがやっと(笑)。

終わってみると大好評。店内の冷房が追い付かず、ビールの在庫もほとんど完売!状態に大入りだったカフェ・ダコタ。ウチらのCDもいっぱい売れて、夏のツアー第壱段初日の滑り出しとしては、なかなかな壱日でありました。

しんひでと一緒に電車で帰宅。持ち寄った酒とつまみで、「家呑み」の打ち上げ、である。

27日(日)下北沢Blue moon------------------------------------------------------------------

ツアー二日め。朝から暑い。

下北沢まで行かんとするが、外気温の異常な高さに、しんごが送迎を申し出てくれ、ありがたく受ける。昨今、夏の暑さが「危険を感ずるほど」になってきた感がある。昔は『寒いのは凍死するけど、ニンゲンは暑さで死ぬ事はない』とか云ってたが、そは通用せぬ時代になって来た。都会ではなをさら強くそれを感ずる。

しんごの好意により、危機を免れた中年デュオは下北に到着。もぅお江戸ではお馴染みのブルー・ムーン。けふのライヴはここの小店長にして友人シンガー角辻順子ちゃんの歌手デヴー10周年を記念するライヴ。その晴れがましい席のゲストに、遠方の我らを選んでくれた順子ちゃん。夏風邪をこじらせ、先週まで声が出なくなってゐた、といふ事だったが、しっかりワシらがサポートするけぇ、と本番。

ワシ自身、東京に頻繁に来るやうになって10年あまり。初めての上京ライヴの打ち上げで、順子ちゃんと出会って10年あまり。数えてみたら、東京では一番共演歴の多い友人となった。ハー、お互い色々あったし、演ったねぇ、とか、そんな思ひを噛み締めながらリハ。

時間には予約のお客さんでいっぱいのブルームーン。まだ声が本調子でない順子ちゃんのギターソロ(!)から幕を明けるライヴ。上述、初めて会った頃は『まだギター始めて数週間』とか云ふ話だった。それがここまで・・・とお節介なオヤゴコロにむせぶ。喋るのも辛さうなかったが、唄い出すとどんどん声が出るやうになる様は、順子ちゃん、キミは紛れもないシンガーだと云ふ事だ。

その後、順子&ワシのデュオ→しーシュ→しーな&順子デュオ(ワシ:ピヤノ)→順子+しーシュ、と進み、最後はなんとワシらの曲「京子と行った最後のナタリー」を3人で演って大団円。親密さと友愛に満ちた良いライヴだった。お客さんも大満足。惜しむらくは、順子ちゃんの母上「チャボちゃん」が、体調を崩して参加できなかった事。

ワシらの演目:月の路/ごっとりさん/ハイギョ/ジェラシィ/羽の記憶/砂に泣き/Dance。二日連続で足を運んでくれたファンに、昨日とラインナップを変えてお送りしました。

終演後、お客さんも交えながら、例によって遅くまで宴会。昨日しんごとひでことも話したのだが、何度来ても演りやすく唄いやすいブルームーン。そは雰囲気が、とかもあるけど、やはりなんつってもこちらがナニを演っても大丈夫な、平石正樹店長のPA手腕にある。もぅ我らにとって「お江戸に無くてはならぬ店」である。

28日(月)柏市 bar Animalia--------------------------------------------------------------------

さて、本日はしーシュ初めての千葉県、初めての柏。石間秀機師匠の「景音楽」でVJを担当するナルさんこと成沢ヒデトモ氏にブッキングしたもらった。

正直、どんなところか全く知らず、ただ成沢ヒデトモといふ興味深いパーソンの地元でライヴが演りたい、といふ気持ちだけで実現したけふのライヴ。意外にもしーシュ、北海道を除けば、東京より東(てゆーか北とゆーか)、に行くのも初めてなんである。割とわくわくしながら北上。柏駅近辺をやや迷いながらウロつき、会場のAnimaliaを発見。早入りしてギターを練習中のナルさんに再会。

ナルさん本人も興味深い人物だが、けふの対バンである「パンカナリッコラ」といふユニットがさらに興味深く、興味津々のワシら。スティールパン、フリュート、コラ、ドラムス、ギターシンセ、といふ編成で、架空の劇中曲、と云ふか、存在しない物語のBGM、といふか・・・、さういふのを演る集団。メンバーそれぞれのスキルも高く、へ〜こんなオモロいバンドあるんかぁ、と思ってゐたが、残念ながらけふがラストライヴなんだって。

さういふ興味深いバンドのファン、と云ふはもぅ音楽に対して完全に「拓かれて」ゐる訳で、満場のお客さんが、ウチらの演奏にも、のっけから凄い反応。おそらく会場のほぼ全員がしーシュを初めて見たにも関わらず、後半には一緒に唄ってるヒトがけっこうゐた、といふ。その会場の熱にアオられ、しーシュ、わりとベストに近い演奏。ラストら辺はベースがイキオイで弾き過ぎて、ピヤノをかき消してしまってゐたやうだが、場内大ウケの大団円。

演目:月の路/亀の庭/苔の記憶/Dance/夢見るアンコウ/砂に泣き/らくだ/歳をとった鰐/ぎやまん

終演後もお客さんが帰らず、誰彼なくづーっと音楽の話に盛り上がる。時折フイにセッションが始まり、呑んではまた語り、思ひついてはまた演る、といふナンとも好ましい夜。いや〜楽しいなぁ。1時を過ぎる頃よぅやく終わりの兆し見え始め、「テキーラ」を演奏しながら全員がテキーラをイッキ飲みする、と云ふ男気あふるるシメ(笑)。ワシらが帰る時には、全員が店の外まで出て「お見送り」してくれる。けふ壱日で、柏が大好きになった。

パンカナリッコラ、は主要人物フリュートのカナちゃんの海外留学を受けて、の活動休止ださうで、でも是非また活動再開してほしいと切に願う。なんと爽やかに精力的で、技術も申し分ない魅力的な人達であることか!。宿に帰る途中で、すでにまたけふの皆で集いたい気持ちで一杯だった。こんな事あんまりないんだけどねぇ。

29日(火)名古屋りとるびれっじ---------------------------------------------------------------------

18切符を使い名古屋までケチケチ移動。さうする為には柏を8時台には立たねばならず、昨日は3時くらいまで皆で遊んでゐて、完全に寝不足な中年デュオ。7時間かけて名古屋まで。静岡、長げぇ〜〜〜。

けふの名古屋は、今年春ツアー中に、御父上逝去の為やむなく壱日穴を開けたしーなさんのリマッチに当たるライヴ。あの時びれっじに足を運び、はからずもワシのソロとなったライヴを見てくれたお客さんへの、恩返しのやうな・・・。あの時のお客さんはだいたい来てくれてゐた様子。よかったね、しーなさん。

ちょいと気負い過ぎたか、なんか今一つ噛み合わない前半を終え、急遽ワシの無茶振りでしーなさんにソロをやってもらひ、それで流れが変わった。後半、尻上がりに調子を上げ、なんとダブル・アンコールまで来る、全19曲のライヴだった。

演目:月の路/亀の庭/苔の記憶/Dance/ごっとりさん/此岸之朱/ハイギョ(前半)。サイドカーに犬を乗せて/ジェラシィ/水母の夢/遥かなる影/バスストップ/夢見るアンコウ/砂に泣き/らくだ/歳をとった鰐(後半)。ぎやまん/ひつぢは意外と気が洗い(アンコール)。風早(ダブルアンコール)。シメて19曲。

最後はベースの弦が切れ、やむなくピヤノ弾くワシ。順子ちゃんのアニバーサリィでも弾いたが、今回ピヤノに縁があるツアーだ。

月末の平日で、前回の事もあり『4〜5人でも仕方ないな』と思ってゐたお客さんも、終いには満席。良いライヴだった。だが、ちょいと音作りが難しく、ウケた割にはワシらの達成感があまり無かったのが残念。

30日(水)帰広への路---------------------------------------------------------------------

しーなさんは急ぎの仕事の為、新幹線で。ワシはのんびりと18切符で、広島へ向かふ。

たぁ云ふても今回、地元4連チャンからわりと引き続いたさらなる4連チャンの旅、と云ふ事もあり、自覚する明確な「疲れ」をエライ感じており、途中から新幹線に乗り換えるベ、と思ってゐた。だが、結局なんやかんやしてるうちにそれもめんどくさくなり、結局ウチまでそのまま在来線で。

東京〜名古屋 約7時間。名古屋〜広島 約8時間半。久しぶりのながい電車での移動。かういふのを「鉄分補給」って云ふンだって(笑)。

31日(木)--------------------------------------------------------------------

けふは名古屋のオジキ、びれっじの谷口幸至朗さんを、10年以上ぶりに広島に招聘するライヴ。いつもホンマにお世話になってる分の、恩返しが出来たら・・・。

ワシらも旅から帰って来たばっかしで、宣伝もあまり出来ず、どーか、と思ってゐたが、まぁなんとか満員のかんぢには。けふ新しいベースを買って来たばかり、と云ふ前座、川村ZAVZA泰幸のアツい演奏にも後押しされ、ウチらは逆にチカラ抜いて演る事が出来た。

ツアー中に弦が切れた「カラス」から、名器「ヴァネッサ」に持ち替えてのけふ。流石に弾きやすく、演奏はキレキレのかんぢだった。だが、終演後複数の方から「喉の調子が悪さう」と云はれ、自分的にはよぅ声が出てた、と思ってゐただけにややショック。どーしたのか?

後半は幸至朗さんのソロをフィーチャーして、WetBack広島版。ソロにコーラスに、と器用にディレクションする職人デュオ。力強い歌声に、ワシらが何故この人を慕うか、を分かってもらふに充分な、お客さんの反応。流石の62歳!。幸至朗さん、お疲れ様でした。

思へば10年以上前、ひとりでベース抱え、ほとんどアテのないままにビレッジを訪ねて行った時、が全ての始まりなのだな、と。あそこにてらしましんごもゐたのだ。あれがあったから、後にMAXAに行くやうになり、富安さんやエージさんに会い、「音もダチ」に加わり、さらに広がり、と云ふ、現在に繋がる最初の一歩が、この人とのファースト・コンタクトだったのだ。

まさに敬愛する「オジキ」なのである。


翌月へ