11月

11月1日(火)-----------------------------------------------------------------

11月になった。

「よなかのとうふ」のリハ。12月にヲルガン座でライヴが決まり、あの場で演るならばやはりコレか、と、ゴトウイズミの「サーカス」を譜面にして行く。この曲、数年前にイズミちゃんの誕生日を祝って、20人ぐらいのミュージシャンがひとり壱曲づつイズミちゃんの唄をカヴァーす、といふ企画ライヴがあった。その時にベース壱本でこれをカヴァーし、そのあまりの違和感NASAに、イズミちゃんから『シュウさんにあげるわ』と云はれたもの。

テンポがクルクル変わるし、構成も複雑(にアレンジしてゐる)な曲。ソロでは何度かライヴでも演ってるが、トリオでは如何に!?。

譜面を渡し、まづ唄って聞かせてみたら、パイグが眉根にシワを寄せながら『これ3人で演るんスか?』と云ふ。あぁさうだよ。

こっからスゴいのがこの二人。なんと2回めでは完全に合わせて来よった。ホンマに素晴らしいミュージシャン達である。上手いヤツらだ。その後も何度か演りながらワシは、「Good !」「excellent !」「Magnificent !」を連発。よき若手と一緒に演れてゐる幸運を思ひつつ、自分もガンバらねば、と思ふのであった。

2日(水)-----------------------------------------------------------------

生徒の都合でレッスンが別日に移り、よって休み(仕事ナシ)の日となった。

足掻いても仕方ないのである。ので、買い物したり、練習したり、ヂョギングしたり、パソコン作業したりす。

パソコン作業を進めながら、昨年10月17日の「50歳50曲:やれるとこまでやってみやう」ライヴの音源を聴く。遅ればせながら・・・。ベース弾き語りソロから始め、よなかのとうふ、ギター「吟」、ピヤノによる「シャンソニエ・シュウ」、しーシュ、でまたソロと。まぁよぅ演った、と思ふが、よぅこれにお客さんが付き合ってくれたな、と思ふ。

あん時はバリエーションを持たせた気でゐたが、結局ワシが唄えばみな同じやうなかんぢだし、朗読を入れる訳でも、劇仕立てにするでもなし、ただの、唄と演奏でひたすら5時間。しかもいま聴けばけっこう随所にアラが目立ち、歌詞も何ケ所か飛んでゐる。悪いパフォーマンスだったとも思はぬが、もっとキチっと演る事も出来たハズだ、といふ思ひも抱く。最初から最後まで付き合ってくれたお客さんも多い。壱年越しに、改めて心からの感謝を。

本当にありがとう(MCでも『ありがとう』しか云ふてないね(笑)

3日(木/祝)-----------------------------------------------------------------

今年はナイ、と聞いてゐた、F楽器店音楽教室発表会。が、五日市のライヴハウス「オクトパス」であった。

ワシん処からは生徒の出演はナシ。2曲ほどヘルプで生徒に混じって弾くのと、最後の講師演奏で、何故か「唄う」と云ふのを除けば、割とヒマに待機してゐる壱日、となった。これまでづっと大ホールでやってきた発表会。ライヴハウスでの開催は初めての試みだったが、生徒さんらは楽しさうで、まぁ良かったんではないかな?。久しぶりに大音量のサウンドをバックに、ロックを熱唱したんも、楽しかった。

さて、ワシは打ち上げをパスして、市内「トコナツ屋」へ。朋友バンジョー弾き、吉崎ひろしの来広ライヴ。

すでに店内は超満員で、みな吉崎さんの超絶技に引き込まれてゐる。ワシらも、日頃はイヴェントの参加者、としての吉崎さんに接する機会が多く、本人の看板の元にまるまる「吉崎ひろし」といふステージを見るのは初めてだった。けふのやうなワンマンで見せる楽曲のバリエーション、技術、話芸など、やはり一流の音楽家である事を再認識した次第であった。途中ワシら(しーシュ)も参加して、より過激にバトルった。いやー面白かった。

吉崎さん、ありがとうざいました。

ライヴ前、ライヴ中、ライヴ後、と呑み続けており、だいぶ酔っ払い、最後「これでオシマイ」てところで、マスターが『もぅ一杯呑んでくれ』と追加(笑)。結構ぐでんぐでんに酔っ払って帰った。さういふ時によくやるやうに、駐車場のライトとか、点滅してる信号機とか、電信柱とか、さういふ意味不明のモノを写真に撮りながら帰ったやうだ。

4日(金)-----------------------------------------------------------------

急に寒ぅなって来よったな。

先週の日誌に書いた、ベーシスト岡沢章さんのソロ・アルバム「ギリシャについて書かれた本」を聴く。ロックでポップでソウルフルで、ちょいプログレ。オルカ団で目指した境地に似てないでもない。ワシは元々かういふロックが演りたかったんよなぁ。ヴォーカル(岡沢氏本人)が過剰にソウルフルなのは御愛嬌。

同じく、唄うベース弾きであり、作曲家でプロデューサーの、もとNAZCA、坂井紀雄氏の唄声に似てゐるのがオモロい。ナスカもカッコ良かったねぇ。あぁいふ「良質なロック」がほとんど話題にならず、時代の闇に葬り去られてしまった現実。と同時に、やっぱりバンドといふ共同体は、維持するだけで莫大なエネルギーを要するものなのだ。それが若ければ若いほどに・・・。

今さらのやうに、「シュウさん、S.Y.U.K.(ワシが20代後半に所属したジャズロック・トリオ)みたいなんは、もぅ演らんのですか?」と問われる事がある。当時、あれだけ頑張って活動し、あれだけ黙殺されて来た、といふのに・・・。そは、今週でクローズする、と云ふ店に、お客が殺到する現象に似てゐる。協力しやうと名乗り出た時には、既に手遅れ、といふヤツだ。毎月のライヴの動員を維持する為に、当時ワシらは音楽以上の労力を強いられたのだ。

いつまでも あると思ふな 店と腕 


2週目

5日(土)-----------------------------------------------------------------

朝飯→休憩→練習→ヂョギング→休憩、といふ生活リズムが安定する日々。よーするに「仕事がない」のだ。

けふはその後にしーシュのリハ。曲間に朗読を取り入れる試みをしてゐて、まぁ自分がさういふのくそ下手だと認識してはゐるが、チャレンヂとしては面白い。しーなさん曰く『子供が作文を読んでゐるやう』なワシの朗読はそれなりに味があり、悪くない、と。さうですか・・・。

こないだYou Tubeを漁ってゐて、「昆虫食」といふテーマで、なんや色んな「虫」がトッピングされたピッツァの動画を観た。グロい反面なかなか美味さうで、ピッツァが喰ひたくなった。普通のピッツァ。あれは宅配業者に注文するとえらいこと高いが、スーパーなどでは一枚¥300そこらで売られてゐる。あれを買って帰り、好みのモノを載せればよい。さすがに「虫」は載せぬが・・・。

て事でピッツァ・パーテーを女房と。「虫」は載せぬが「追加チーズ」をふんだんに載せる。

6日(日)----------------------------------------------------------------

趣味のアルバイト。

先の週末(昨日まで)に緋鯉野球団の優勝パレードが行なわれたやうで、その色々な設備を撤去するバイトらしひ。「人数が多ければ多いほど」といふ事で狩り出されたが、集合場所に行くと50人近くゐる。大半が学生と思しき若者。知り合いもチラホラ。交通規制に使われた鉄柵をバラし、トラックに積み上げる、といふ仕事だ。久々のガテン系仕事にカラダが踊る。

過去数回やったこの趣味バイトの「キツさNo1」を更新する、キツい肉体労働だった。まぁ汗かいてカラダ動かしてギャラもらえるとは気分爽快!。筋肉痛は必至だらうが、まぁそれも楽しもう。

よく動く数人でチームを組んで動いたが、ま〜〜〜〜〜〜ぁ若いのに愚鈍なのが多いことよ!。「先を読んで動く」「機転を利かせる」といふ事がまったく出来ない若造どもに呆れ果てるのみ。仲間内でダラダラ喋りながら監督の後をぞろぞろ付いて歩き、云はれた事以上のことはなにもせぬ。たれかが手数欲しさうな場面でも、見てるだけで動かない。さういふ無能はまだ百歩譲って許せるものを、ちゃんと働いてゐる者に対して『アイツなに必死になってんの?』などと陰口を叩き、挙げ句に『居ても仕事がないので』早上がりする、といふ、もはや意味不明(昼休みで5〜6人ホンマに帰ってった。唖然・・・)

全てがあんなのとは思はぬが(事実、ワシらと一緒にチャッチャと働く者もゐた)、本気で呆れたね。けふは。

♪ワシが旅した〜若い頃には よぅく聞け、若いの〜♪ ・・・まーぁ良いけどよ・・・。づーっとあぁいふヤカラのあずかり知らぬところで生き、働いて、あーいふヤカラと交わることなく生き、働いて、死にたい、と切に願いますね。

7日(月)-----------------------------------------------------------------

予想通りの筋肉痛。が、まぁ想定内の。むしろこの程度で済んだのなら、ワシもまだ大丈夫か、と思へるほど。

けふ休むと、逆に筋肉が疲労することを、経験上知ってゐる。ので、いつものやうにヂョギングし、たっぷりストレッチ。股関節の筋肉が痛いのは、づっとスクワットの姿勢でネジを緩める作業をしてゐたせいだらう。♪なつかし〜い〜 痛みだ〜わ〜♪。

いま、黒瀬町のリペアハウス「串小屋」に、アクースティック・ベースの本格的な改造を依頼してゐて、これが出来上がりつつある。もぅ「箱鳴り」は完全に度外視し、これに巨大な電磁式のピクアプを付けてもらふのだ。完成すれば「見た目はアコベのやうなエレベ」となる。思ひがけず本格的なものになりさうで、楽しみである。

8日(火)-----------------------------------------------------------------

急激に寒さが迫って来よったな。

寒くなること自体は、別にイヤではない。むしろ夏より冬のんが好きだ。冬はやっぱり「鍋」が良い。てー事で、けふは鍋をした。

9日(水)-----------------------------------------------------------------

けふで20日連続『ライヴなし』。よろしくない。けふはレッスンもなく、よーするに「オフ日」となってしまった。

練習→けふは遠方への買い物を徒歩で行ない、ヲーキングの代替とす。→「吟」の練習のスタヂヲへはチャリで。夕方以降はDVD「ボヴァリー婦人とパン屋」。最近御贔屓の女優 ジェマ・アータートンがカワイイ&エロい。でもこの人って、実際に会うとすげーデカいんだらうなぁ。

10日(木)-----------------------------------------------------------------

一転して移動多き壱日。

まづは向原へ出張レッスン。帰りの足で、週末に飛騨古川で開く「居酒屋ライヴ」の食材を買い出しに。ク〜ル宅急便で送りつけるのだ。んで、冬の飛騨古川に備えての防寒対策。釣り人が着るやうな、非ファッショナボーなゴツいジャケットを購入。ちなみにヴィヴィッドなオレンヂ色=レスキュー・カラーだ。んで、ベースのレッスンをひとり。

その後、久しぶりに思へる、オリエンタルホテル「吟」のステージへ。けふはウィークデイ、といふ事もあってか、久々の閑古鳥。常連Hさん御夫妻と、キャメラマン・チョッケンさんに向けて唄った、といふかんぢ。割と「変わりネタ」を多めに演奏した。けふのギターはまづまづ及第点。練習はピックで演り、「よぅし」といふ手応えを得るのだが、いざステージに立つと、やはり指で弾く方がしっくり来る。

しかしその指で弾くギターが「スゴく上手い」訳ではない、といふのがナンとも悲哀。

11日(金)-----------------------------------------------------------------

11/11。ちょいと前、この日は『ポッキーの日』と呼ばれてゐたやうに思ふ。今年は「ベースの日」なんぢゃげな。まぁ4本縦線があるから、といふ事らしいのだが・・・。まー次から次へと、よく色んなことを考へんさることよ、としか・・・。

ちょいと理由ありて、朝から遠方の地の巨大病院へ赴く。ロビィに入るなり怒濤留珈琲なんぞあって驚く。病棟にも、個人のロッカー、冷蔵庫、まであり、昨今 病院はここまで進化したか、と・・・・。ワシが入院してゐたところは、これに比ぶれば「出張所」の赴きさへあったな。

この昼を過ぎたあたりから、なぜか無性に「ソーセージ」が喰ひたくなり、結局その衝動と闘った壱日、となった。レッスン終えて帰宅途中、どっかで買って帰る、もしくは喰って帰る、といふテがないでもなかったが、結局家に帰って豆腐を喰った。まぁ別に喰っても良かったんだけどよ。

さぁ、明日から飛騨の奥の奥の飛騨だ。


3週目

12日(土)しーシュ飛騨古川遠征-----------------------------------------------------------------

飛騨の奥の奥の飛騨、飛騨古川へ出発。

飛騨と云へば飛騨高山、が有名だが、ワシらが往くは古川。こは何処かと云ふと、飛騨高山からさらに北へ、もぅあとちょっとで富山県、と云ったところ。山に囲まれた盆地にあり、勇壮な古川太鼓祭りと、逆に静謐な三寺参り、といふ両極端な祭りが有名。酒どころ、蕎麦どころ。

まぁたいへん遠いっちゃ遠い地で、けふも出発は朝の6:30。これでも新幹線とバスと在来線を乗り継ぎ、古川に着いたのは15時過ぎ。正味9時間かかるのだ。ライヴは明日だが、料理の仕込みもあり、今回は前入りである。

この地の名物ライヴハウス「リトルビレッジ Jr」。今年の夏に来たばかりなので、3ヶ月ぶり。今回はここで「居酒屋椎修」をやる事になった。こは、ここの大将カツカツさんこと川端克彦さんが、『まづはお前らを知ってもらわにゃアカン』ので、『飯で釣れ』と(笑)。思いっきり口は悪いが、たいへんな人情家のカツカツさんらしひ提案。我らも「そはオモロい」と乗り、広島産の牡蠣や他のB級品などを宅急便で送りつけ、本格的な「自作ディナーショウ」に挑むのだ。

ワシは早速、付け合わせの鶏肉の仕込みに。ク〜ル宅急便で送りつけた冷凍鶏腿は、上手い具合に解凍が進んでおる。これに調合済みのスパイスを揉み込み、ヨーグルトを加えてぐっちゃぐっちゃかき混ぜ・・・。これを明日の本番前、オヴンで焼き「タンドリーチキン風チキン」としてお出しするのです。

しかしまぁ、たぁ云ふても、けふの仕事はこれだけ。あとは呑んで喰って呑んで、といふ・・・。「前入りしたミュージシャンが、明日自分らが出る店に呑みに行く」といふ、ちーさな夢が叶った。しかし何故かカウンターの中に入ってオーダー聞いたり、カツカツさんに「お前やれ」と云はれてスパゲティ作ったり(笑)、たいへん楽しく過ごした前入りの壱日。

13日(日)居酒屋椎修:飛騨古川編@リトルビレッジJr----------------------------------------------------------------

居酒屋椎修:古川編 本番の日。

だがその前にけふは、カツカツさんの本業であるお蕎麦屋を手伝うことに。昨日の話しの流れで、日曜日は蕎麦屋がたいへん忙しい→人手は幾らでも欲しい→前に鈴木亜紀ちゃんが手伝ってくれた事がある→お前らもやる?、みたいな話しになり、ワシらは喜んで引き受けた。旅の途中でバイトする中年デュオ!。

しーなさんはフロア係、ワシは洗い物係として、けっこう本気で働いた。まーぁホンマに忙しくて、仕事を始めて30分から先、一度も腰を上げることもないくらい、づ〜〜〜っと洗ってゐたな。気付けば2時間半が経っており、150食出たんださうな。まぁ少しは役に立てたなら、幸いである。

そして今度はワシらが居酒屋椎修 大将&女将として調理係に。予約だけで20人以上入っており、本業であるところの音楽家として、リハとサウンドチェックを済ませたら、すぐ厨房へ。けふは給仕はカツカツさんや、その息子のケータや仲間たちが引き受けてくれるので、ワシらは調理に専念できる。しかし20人以上のお客さん(結果的に26人入った様子)はみな本気で「喰ひに」来られてゐるので、まぁ厨房はちょっとした戦争だった。1kgのパスタをいっぺんに作ったのは、ワシも初めてだ。

んで、エプロンを取り、本業のミュージシャンとして、ライヴ。登場と共に暖かく大きな拍手が起こり、皆さん「美味しかったよ〜」と云ってくれる。嬉しい。しかし、まぁ本業はここから、ね。

い〜ぃライヴだった。聴き慣れない不条理音楽に、最初は『難しいわ』やら『わからん〜』などといふ声(決してヤジではなく、さういふ事を歯に衣着せず口に出す風土なのである)も上がってゐたが、ある瞬間からフっと「掴んだ」感触があり、最後らへんはガッツリ聞き入ってくれてゐた。PAをやってくれた地元のR君も『あの瞬間、掴みましたね。俺も感動しましたよ』と云ってくれた。熱烈なアンコールも受け、全14曲、めでたく「居酒屋椎修:飛騨古川編」大成功、となりました。

満場のお客さん、本当にありがとうざいました。いやまぁしかしクタビレタ。昨日とうって変わって、働き続けた壱日だった。

14日(月)京都へ-----------------------------------------------------------------

京都へ移動。

その前にカツカツさんの息子(次男)であり、ドラマーのヨースケに車を出してもらひ、「しぶきの湯」といふスーパー銭湯へ。飛騨古川に来るミュージシャンの間で、此所に来ることは『しぶく』といふ動詞になっており、ワシらもけふ遂に「しぶけ」た訳だ。ヨースケ、ありがとう。

ヨースケの上にケータ(長男)がおり、この二人が「Dance」をたいへん気に入ってくれてゐる。ので、昨日はライヴに遅れて来たヨースケの為に、打ち上げでエキストラステージを演り、ギターでDanceを唄ったのだ。二人とも聴きながらくるくる踊ってたな(笑)。ありがとうね。

ヨースケに飛騨高山駅まで送ってもらひ、そこから京都まではバス。けふは京都の朋友 中村コーイチ&あらいなおこ夫妻の処に「前入り」させてもらふ。夜遅くの来訪にも関わらず、手料理でもてなしてくれるコーちゃん&なおちゃん。毎回、本当に感謝。

15日(火)しーシュプチ遠征:京都エル・ラティーノ-----------------------------------------------------------------

さて、けふは久しぶりの共演。京都のマルチ弾き語りスト よっしーさんこと末松よしみつさんとのカップリング。

よっしーさん曰く、ワシらと会うのは壱年三ヶ月ぶり、なのださうで、ホンマに御無沙汰しております、といふかんぢ。会場は前回の企画時と同じく、メキシカン料理の名店エル・ラティーノ。前回ここで見知りになり、以後しーシュをフォローしてくれるやうになったお客さんも多く、今回も楽しみにしてくれてゐる方が多いと聞く。頑張らねば、ね。

開演時間には席が全部埋まるくらいのかんぢに。初っ端をまづ3人で演り、よっしーさんのソロ。その最後にワシらが加わり、しばし休憩の後ワシら。んで途中よっしーさん入れてコラボ。アンコールで壱曲演ったのち、オーラスでまたコラボ、といふかんぢで進んだ。

けふのワシらも、昨日に引き続きよぅウケて、しかもけふは何かMCがえらいこと冴え、何度も爆笑を呼び込むワシ。あとでふぇーすブックなどにも『MCがめちゃオモロい』などと書かれてゐるのをみて、は〜〜、MCがウケぬので有名なデュオなのに・・・とフクザツな思ひ。調子に乗ってよっしーさんをえらくいぢってしまひ、少しく反省。まぁウケれば当然楽しく、演奏にも熱が入り、最後まで力強く唄い切れたと思ふ。

終演後、お客さんからの反響も嬉しく、久しぶりに「あなた達、プロになれば良いのに」といふお言葉も(笑)。「メジャーでもイケるんぢゃない?」との意見に、日本のショウ・ビジネスの仕組み、なんぞを説いたりした。かういふ時に、年上の御仁などに対し、本当の「意見」を云ってしまふのが、ワシの出世出来ない部分だとも思ふ。

16日(水)広島へ-----------------------------------------------------------------

広島へ。

今回は4日行程の2ライヴ、と云ふ わりとゆったりした日程だったが、内容は濃く、充実したツアーだった。各地とも好評を得たが、自分ら的には二人でのライヴそのものが久しぶりだった事もあり、なかなかピントが合わない、といふ感は否めなんだままの二日間ではあった。「ライヴ勘」が鈍ってる、てかんぢ。まだまだ精進、ですな。

さて広島。女房が今夜から、恒例の九州巡業にワシと入れ替わりで旅立って行った。

ので、買って帰ったハイボールを呑りながら、久しぶりの独身の夜を楽しむ。小雪が主演のハイボールのCMをyoutubeで見ながら・・・。特にこの女優が好き、と云ふ訳ではないが、このCMのシリーズは好きだった。まだウチにTVがあった時代の話しだ。♪ウィスキィ〜がぁ お好き でしょ?♪

17日(木)-----------------------------------------------------------------

独身の朝。あえていつものやうに飯を炊き、味噌汁を拵え、キャベツも刻み、いつも女房と喰ふやうな朝飯を作って、ひとりが喰ふ。良きかな。

独身の昼。いつものやうに練習した後、いつものやうにヂョギングに出る。天気良く、風ぬるく、気持ち良い。

独身の夜。いつものやうにレッスンし、いつものやうに帰り、いつものやうに鍋を(一人前)拵え、ひとりで喰ふ。良きかな。嗚呼良きかな。

独身の深夜。酒を呑みながら35年ぶりに「2001年宇宙の旅」を観賞せんとすが、あまりの展開のNASAに40分で寝てしまった。

18日(金)-----------------------------------------------------------------

朝起きて、ゆんベ寝落ちしてしまった「2001年〜」を見る。

初めて観てから四半世紀以上。あれから四桁に迫る数の映画を観て来て、ワシ梶山シュウもいわゆる「映画眼」を養えて来たハズだ。しかし、その長き「研修」期間を経ても、これは困った映画だった。

初公開は1968年とかそこららしひ。ワシが3歳のとき!。それを思へば、CGもなかった時代にこの特撮はスゴいと思ふ。ただ、あまりにワンカットが長い上に、BGMがクラシック、なのもよくない。どーやっても眠くなるだらうが。

難解、といふよりは、理解不可能なストーリィ。しかしこれを「分からん」と云ってしまったら負け、みたいなかんぢがあり、そこもなんだかネ・・・。まぁしかし多くの友人知人が「う〜む」といふ感想を持ってゐるやうなので、だいたい皆ワシと同じなんだらう。

映画と云へば、デヴィッド・リンチの「イレイザーヘッド」と「ブルーベルベット」。これを 以前はどちらもヴィデヲで完全版を持ってゐたのだが、新たにDVDで買い直すべきか悩んでゐる。「気取ったオカマ」役のディーン・ストックウェルが、ロイ・オービソンの「お菓子のピエロ/In dreams」を唄うシーンが最高に気持ち悪くて(笑)、まさにリンチの悪趣味炸裂!的なかんぢがなんとも・・・。

あと、「シン・ゴジラ」を観た友人知人の評価が、みなたいへん高い、てのと、来春に公開されるらしい、新しい「キングコング」がオモロさうだ、てなかんぢ。

いや〜〜〜〜映画って、ホントに良いもんですね!。


4週目

19日(土)-----------------------------------------------------------------

朝目が醒めた時、天井が回ってゐた。あれ?ゆんべはそんなに呑んでないのに・・、と思ひ、しばらく目を瞑って安静にしておった。数刻のち、ヤレ、と立ち上がった途端、ぶっ倒れた。凄まじい目眩が襲って来る。久しぶりの「発作」だ。しかも、かなりデカい。

ワシの目眩は、ハッキリと発症を自覚したのが16歳んとき。だが思ひ返してみると、もっと幼き頃に目眩で吐いたりした事もあったやうな気がす。よぅするに「持病」なのだ。何度も医者にかかってゐるが、「これ」と云った処方はなく、ただ過ぎるのを待て、と云はれて来た。今回もさうなのだらうが、ちょっと今までにないくらい酷い。遠方に出向かねばならぬ事情があったが、ちょいと「気にしないでゐる」レベルではなかった。

ので、カネはかかるがタクシーを呼び、目眩の専門医に行くことにす。タクシーも座ってるのがツラくて、何度か停めてもらって吐いたりした。なんとか病院に到着。這うやうに受付に行き、症状を説明。内耳、外耳、脳波、1時間以上かけてアレコレ調べて『脳はどぅもないので安心せよ』との事。はー、まづは一安心。しかし、となると原因は・・・。

「耳だらう」との事。ストレス性の目眩(人によっては難聴も伴う)、といふ云ひ方をされてゐたが、う〜む、こんなワシにストレスがあるなどと云っては、バチが当たるやうなかんぢなのだがね。点滴と経口薬で様子を見よ、と。やれやれ。

割の良いギャランティの仕事壱回ぶん、くらいのカネが、けふ壱日でフっ飛んで行った。

20日(日)----------------------------------------------------------------

さすがに病院の処方は効くもので、昨日の「立っておれぬ」ほどの目眩は収束し、「やや船酔い」程度の気持ち悪さに収まった。なんとかメシも喰へる。幸いなことに(けふも)オフだったので、一日中寝てゐた。

ところで、このサイトの大幅な見直しを検討中。

このサイト、ものすごく古いツールで作られており、これのたびにいちいち旧式のパソコン(今のPCでは動かせぬので)を立ち上げ、古いソフトを起動して、といふ手順で更新し続けてゐる。それはまぁ苦ではないんだが、もぅ既にサイト更新専用になってゐる旧式のパソコンが、どーやら不具合なのだ。スウィッチを入れても電源が入らぬことがしばしば。旧式ゆえにいづれは使えなくなる覚悟はしてゐたのだが・・・・。

そして旅も増えた身としては、家にゐる時にしか更新出来ない、といふ不備も鑑みて、今後は出先からでも更新できるやう、内容を整理してゆくべきか、とも思ってゐる。

ただまぁ、2001年からづっと続けてゐる此所を、このままクローズするんは勿体ない。SNSが主流のいま、あえてこのやうな旧式のサイトを管理し続ける、といふ野暮もワシに合ってゐると思ふ。ので、日々更新を続けてゐるこの日誌と、スケヂュールを外部のリンクに登録し、このサイトは「窓口」として残す方向で検討してみやう。

21日(月)-----------------------------------------------------------------

目眩、6割がた収束。脳やその他の健康被害がない以上、仕事を休む訳にもゆかぬ。ので、けふは隔週で通う向原の出張レッスン。「車の運転は危ないのでは?」と云はれるかもしれんが、ずっと車酔いしてるかんぢなので同じであらう?。むしろ運転してる時のほうが楽なのだ。

この地方、そろそろ市内より一足先に寒くなって来る頃。去年は雪の為に何度かレッスンが中止になった。今年(今シーズン)はどーだらうかねぇ?。道が凍ってさえなけりゃ、通うのは別に良いんだけどね。毎回1時間のドライヴは、程よい気分転換にもなるのだ。

夜は孤独な営業「吟」。此所ん処づっと月2で入れて頂いてゐて、そは仕事としてはありがたい。以前はなにも喋らずに30分で8曲×3回、駆け抜けるやうに演ってゐたが、最近はノってくると結構MCを挿んだり、蘊蓄を垂れたりもするやうになった。お客さんも『今の唄は誰のだっけ?』とか問はれる人もゐて、会話したりもす。まぁよーやく、あまり気負わずに演れるやうになってきたかな、と。

22日(火)-----------------------------------------------------------------

リハ三昧の壱日。

まづは1ヶ月半ぶりにWADAバンドの朝練。新曲てんこ盛り。焦るへっぽこギタリスト。以前、リード・ギタリストがゐた頃の曲を掘り返すと、あぁさうか今度はワシがギターソロも弾かにゃいかんのか、と気付く。それもまた習練。練習後の昼飯会は、相変わらず下ネタの応酬で、まぁよぅ笑うバンドである。

サックスのアッコ(岡本亜季子)を送って行き、その後「よなかのとうふ」リハ。こちらはクールに、若手を引っ張るフロントマン。12月のライヴに向けて、ラインナップも出揃ったかんぢ。ここでのギターは「弾き語り&時々ソロ」みたいな・・。WADAバンドとはまた違ったモノが要る。これもまた習練。

その後レッスンをして、帰りの足で今度はしーシュのリハ。此所でよーやくベース弾く。此所数カ月、家ではアップライトばかり弾いてゐて、「横ベース」を練習するのは生徒と一緒に弾くくらいになってゐる。しかし、ギターを弾くことが、ベースの良いブラッシュアップになってゐると思ふ。事実、前は苦手だったフレィズが、練習もしてないのに弾けるやうになってたりして、我ながら驚いてゐたりす。それもまた習練。

けふWADAバンドのリハん時、ベースのジュンゾーさん(前田順三)に『このバンドぢゃ当然ぢゃけど、最近シュウちゃんのベース弾きよる姿を見んやうな気がする』と云はれて笑った。さう、まさに さういふモノになりたいのだよワシは。

しかしまー、壱日に三つのリハを演ると、流石にくたびれた。目眩のアレで酒が飲めんので、かういふ時でもシラフのまま寝る。

23日(水/祝)-----------------------------------------------------------------

よぅ寝た。

昨日がちょいとハードだったせいか、目眩がややぶり返してゐる。ん〜〜〜〜、忌々しいね。まぁけふは祝日で、女房もづっと家にゐるので、ワシもづっと家にゐて、パソコン作業や練習やら。明日からまた忙しくなるし、週末からはまた旅だし、けふはさういふ壱日にした。

目眩が完全に収束するまで、酒を摂取せぬやうにしてゐる。以前、絶賛目眩中に『もともと目が回ってンなら呑んでも一緒!』とばかりに呑んで、ホンマにえらい目に遭った事がある。あれはさすがに弐度は経験したくないのでね。

24日(木)-----------------------------------------------------------------

昼の早い時間に、けふ独りだけレッスンが入ってゐた生徒から「体調不良につき欠席」の連絡があり、期せずして「仕事ナシ」となってしまった。まぁ仕方ない。ちょうどDVDが届いてゐたので、「10 クローバーフィールド・レーン」を見る。

あの、傑作の後編!?かと思ひきやさうではなく、別の話し。オモロいっちゃオモロいが、なんかあっさり終わってしまいよって、アレ?てかんぢ。主演の女優がえらいこと好みのタイプでGood。「遊星からの物体X:ファースト・コンタクト」に出てた女優だ。メアリー・エリザベス・ウィンステッド。

夜はぱんぱかトリオのリハ。縦べぇとヴィヲ子を使ふ。しーなさんの息子が使ってゐたらしい、コントラバスの弓があり、これで縦べぇを弾くと、なんとまーたいへん良い音でボゥが鳴る。これまでセロの弓を使ってゐたのだが、やはりそは無理があったやうだね。次回からはこの弓を使わせて頂きませう。

カワちゃん、病み上がり、と云ふ事だったが、見たところ「上がって」はおらぬかんぢで、狭い密室(スタヂヲ)において、えらい事ゲンゲン咳いておった。ワシら明後日からツアーぢゃに(笑)。

25日(金)-----------------------------------------------------------------

明日からのツアーに必要な物資を取り揃え、先方に送れるものは送っておく、といふ作業。

配付用のお土産購入→食材(居酒屋用)の買い出し→梱包→発送、とけっこう帆走す。その後レッスン。昨日一昨日のツケを払うやうに、忙しく立ち動いた壱日、となった。

ベースはまだしも、ヴォイストレーニングのレッスンをしてゐて、我ながらよく研究してゐる、と思ふ事がある。そは「持論を展開する」のではなく、「生徒の質問に全て答えられる」といふ処だ。

ニンゲンたれしもが固有に持ってゐる楽器が声だけに、それぞれの悩み、癖、特徴、限界、可能性、色々ある。そもそも、他の楽器と違って、「さぁ明日から唄を始めるぞ」といふ処から唄を習いに来るヤツなど居らぬ。唄を習いに来る者は、ほぼ例外なく『今までなんとなく唄って来た事への疑問』から門を叩くのだ。その疑問に答えられずして、なにがヴォイストレーナーか?、と思ふ。

だが実際は、現役のミュージシャンとしても「ハァ?」と思ふやうな者が、唄のセンセイの看板を掲げてゐたりもす。キミが何を教えられるといふのか?と思ふやうな唄のセンセイにも、何人も出会ってゐる。まぁ別にどーでもいいけどょ。

さて、明日から今年最後の長旅。6日間で6ライヴ、と云ふけっこうハードな旅だ。


晩春ツアー
12月へ