9月

ラストサマーツアー

5日(月)-----------------------------------------------------------------

旅の間に、新しいスーツケース(ネットで注文)が届いてゐた。タフな移動に嬉しい二輪のケースだ。全体がイカれたまっ黄色で、とても派手。これなら間違える事はあるまい(間違えた事ないけど)し、駅や空港でしーなさんとはぐれても、すぐ見つけられるだらう。

旅帰りスグだが、久しぶりに「よなかのとうふ」のリハ。咽の調子を悪くして以来、現場を最優先してゐたので、ほぼ2ヶ月ぶりに会うメンバー。エノちゃん(per)など、ワシが髪を切った事すら知らん。はぁ・・、時間なんぞあっと云ふ間だねぇ・・・。どっかでライヴ組まんといかんねぇ。

その後レッスンして、歩いて帰る。夜風はもぅだいぶ涼しい。秋は好きな季節だ。

6日(火)-----------------------------------------------------------------

こないだお江戸で演った「風味絶佳」のライヴ・・・特にコラボ・ステージの模様を、高満のヨーコがUSBにダビングしてくれてゐたのを見る。

こ・れ・が・・・・。

素晴らしい!の一言に尽きるコラボで、ホンマに素晴らしい。特に、先述した、男女4人が唄いあうバラード「Bar Time」なぞホンマに珠玉の出来栄えで、かう云ってはナンだが、まるでこの為に書かれた曲のやうな!(笑)。それほど見事なハマり具合だった。咽が完全に復調したワシの唄は、我ながらペキカンで(笑)、なんでこれでワシが・・・・、まぁクロい事も含めて色々と思った訳ですよ。

まだまだ頑張んなきゃ、ね。

7日(水)-----------------------------------------------------------------

午前中、来週から発売となる、しーシュの3thマキシ・シングル「小鉢 其之参」を作る。シコシコと手焼きす。

午後から臨時でしーシュの企画会議。その「手焼き」を効率化する為に、増刷を外注するのはどうか?と協議。壱個づつ手焼きでいちいち絵も書いてタイトルも書いて、といふドメスティック的な作品、てのも確かに小さなセールスのポイントではある。だが、この小鉢シリーズが割とコンスタントに売れる事も分かり、今後これを手焼きで増刷し続ける事の苦労を考へてみると・・・。

今までのアルバムの制作をお願いしてゐた会社と、デザインの担当に連絡を入れ、たれもが損をせず、利潤の上がるやうに議事は進行。

このやうに「企業」としても、真面目で誠実なしーシュ。100万枚売れなくても、活動は円滑に廻ってゐる。物凄い大当たりをしてゐる訳ではないが、立派な「優良企業」だと思ひますよ。

8日(木)-----------------------------------------------------------------

WADAバンドの朝練。

ゆんべ寝際に頸をヒネってしまひ、どぅいふ姿勢を取っても痛くて、あんまり良く眠れなんだ。そのせいもあって、ギターに集中出来ず、メンバーに迷惑をかけました。が、けふは不調なのはワシだけでなく、みんな風邪気味や夏バテや寝不足で、やや荒いリハだった。

その後ひとりスタヂヲ入りして、オリエンタルホテルなどでの、ソロの営業で使えるギターのバック・トラックを制作す。上手く行くかどーかは、演ってみぬと分からん。だがまぁ、どぅせ体制が変わるならば、色々試してみるのも悪くなからうよ。ホンマにピヤノのたらし弾きも視野に入れて、演りにくくなった仕事をどぅ楽しめるか、考へ続けて行かむ。

さうかうしてゐると、さはやかなギター・インストの曲が出来た。まるでゴンチチやデバペペのやうな・・・。これ、何処で誰と演ればいぃのかね?。

9日(金)-----------------------------------------------------------------

朝からしーシュ業務=デスクワークに、割と忙殺される。フライヤを作り、各種伝達し、譜面を書き、保存す。そぃからスタヂヲ入りし、個人練習。けふはレッスン以外ではベースは弾かず、ギターばかり練習してゐた。デスクワーク→練習→レッスン、といふ、まぁなんつーか普通過ぎる壱日。こもまた日常なり。

「国会図書館」といふのがあると聞く。そは、かつて日本国内で出版されたすべての書籍、ほぼすべての音源が保管されてゐると云ふ。ほェー!、なんといふ甘美な響き!。ワシの目には、薄暗く広い空間に、目の届く限りの書棚が並び、ぎっしり詰まった書籍たちが、もの云はず静かに時を経てゐる・・・、そんな光景が浮かぶ。そこには、もしかしたら「ネクロノミコン」や「ナコト写本」、「螺旋論考」とかも置いてあるのかもしれん・・・(嘘)。ウ〜ム、是非一度訪れてみたい。

とある歌手が、古い昭和の唄を蒐集するのに、この国会図書館の音源ライブラリィを活用してゐるのださうな。なんか・・・すごい所のやうだな。ぬ〜〜む。

次回、上京の際には、時間を作って行ってみたいと思ふのだが、「国会図書館」て云ふくらいだから、やはり国会議事堂にあるんやろか?。


2週目

10日(土)-----------------------------------------------------------------

久しぶりにナンも予定のナイ土曜日。堕落して過ごしたいが、明日はオリエンタルにて「吟」。ゆえに真面目にスタヂヲ入り練習なんぞ。

2時間くらい演った後、フと思ひ立ち、広島県立図書館に行ってみる。先日、国会図書館につひて書いたのだが、おぉ我らの街にもあるではないか、と。土曜日の夕刻、といふ事もあり、まったり落ち着いた雰囲気が流れており、良い。これは活用せぬテはないだらう。

な訳で、会員登録し、早速壱冊借りて帰る。ナニか特殊な袋のやうなものに入れてくれるかと思ひきや、「はい」と本を手渡され、剥き身で持って帰った。奇しくも尼存で注文したハードカヴァーも届いており、なをかつこないだ古本屋で文庫を買って来てゐた。未読の書が家に3册もある贅沢!。

さういやウチの親父は、会社の図書館をよく活用してゐたな、と思ひ出す。親父とはよく文庫を貸し借りしており、ワシのを図書館で借りたヤツと間違えて「返却」してたりしてた事があった(笑)。かういふモノを利用すれば良いのだ。

夜、広島カープが25年ぶりのリーグ優勝を遂げる。

11日(日)----------------------------------------------------------------

ゆんべの市内はスゴい事になってたらしひ。まぁ長年Bクラスに甘んじてゐた地元球団が、四半世紀ぶりに優勝したのだ。ファンでなくとも盛り上がるだらう。聞けば、たしかに物凄い人の群れだったさうだが、ワールドカップやらのやうな莫迦な乱痴気騒ぎもなく、極めてジェントルにピースフルな盛り上がりだった、といふ。よかったよかった。

あらためて、緋鯉の球団に祝福と感謝を。

夜はオリエンタルホテル「吟」。カフェからビュフェとなり、ライヴからBGMになったこの仕事。だが常連Hさん御夫妻は、相変わらず足を運んで下さるし、それにこのざわめきの中で音楽をいかに聞かせれるか、を鍛える場だとも思ひ、演りぬこうと思ふ。けふは唄ものの合間にギター・インストを挿んでみたりした。色々試してみる。今月もぅ壱回あるので、その時はガットギターも使ってみやうかな?。

12日(月)-----------------------------------------------------------------

大型ゴミを処理施設に捨てに行く。施設は市内の真反対側にあり、ちょっとした「遠出」となる。

軽バンの荷台に満載の大型ゴミ。主に、春頃撤去した仕事机の残骸や、使わなくなった家具の端材だが、なかに古いギターケースと、こないだの旅で崩御したスーツケースがあった。ギターケースはもぅ随分長い間ベランダに放置されてゐたものだが、スーツケースはツイ先週まで現役だったもの。10年近く使って来て、なんかまだ捨てるに忍びない気持ちだったが、グと堪えて処分す。色んな場所に連れてったな、と。

長く借りてゐて観れなかってゐたDVD、007の新しいシリーズの2本を見る。役者が変わり、近年の007シリーズにあったコミカルさは影を潜め、結構シリアスな内容。最近お気に入りの女優、ジェマ・アータートンが出てゐる、と云ふので期待してゐたが、チョイ役もチョイ役、出て来て30分で殺されてしまった。

日に日に日が落ちるのが早くなり、朝夜がぐっと冷え込むやうになった。秋が深まってゐる。

13日(火)-----------------------------------------------------------------

もと[オルカ団]で苦楽を共にしたバンド仲間 MIやんが、なんと喫茶店を始めた、といふ風の噂を聞き、顔を出しに行ってみた。彼女は今『ココナッツ』といふ、熟女アイドルトリオで活動しており、今回そのメンバーと共同経営する形で、店を立ち上げたのだ、といふ。だから店の名前もズバリ「ココナッツ」である。

もと伊太利レストランだったハコを居抜きで譲り受け、メニューもある程度引き継ぎ、これから軌道に乗せて行く所らしひ。厨房スタッフを募集してゐて、「シュウさん、やりませんか?」と云はれた。ん〜〜〜〜、たいへん前向きに考へてみたいね。

けふはヲルガン座にて、しーなさんが生誕祭ライヴをしなさっとられる。レッスンが休めぬので欠席したのだが、おそらく盛況であった事だらう。去年はたしか居酒屋椎修の日で、本人の希望により、特になんの告知も特例もなく、通常に仕事をこなした。壱年なんぞホンマにあっと云ふ間だねぇ。

頑張る相方に心でエールを送りつつ、仕事した。

14日(水)-----------------------------------------------------------------

新規開拓せんとしたライヴ会場と、ちょいとひと悶着あり、気分が萎える。どのやうな意図があるのか、いや意図などないのかもしれぬが、こちらのメール(『返信乞う』と何度も書いた)に何の反応もなく5日間、といふのは、オトナの対応としてやはりちょっとどーか?と思ふ。「辛抱が足らん」と云はれればそれまでだが、こちらも50を過ぎたオトナである。ワシは間違ってないと思ふ。

NYアンダーグランド・シーンの総大将、ビル・ラズウェルが、久々にソロ名義で発表したアルバムを聴く。これが全編アクースティック・ベースによるソロ!。意外も意外な作品に驚く。この人って、ベースの腕前はぢつはそれほどでもなく、名前がバーンと前に出てゐても、割とひっそり人の後ろで地味なベース弾いてたりする。だからかういふ作品てホンマに珍しい。プレイそのものはやはり地味であり、同じアコベのソロでも、ワシの好きなジョナス・エルボーグなんかとは、比ぶるべくもない不器用なソロ。だが、これが悪くない。

当たり外れがデカいのもラズウェル作品の特徴だが、今回のは「アタリ」だね。

15日(木)-----------------------------------------------------------------

昨日のラズウェルの音源で、「くむぅ、やはりアコベも悪くない」と思った矢先、リペアショップ串小屋のオクボさんから、預けてゐるアコベのリペアにつひて確認があった。正直、預けてゐる事すらうろ覚えだったのだが、このタイミングで連絡があった、て事はナニカがさう流れてゐるのであらう。

夕方、ツアー直前のしーシュ・リハ。

自分で作っておきながら、ど〜〜〜〜しても歌詞が憶えられなんだ『かげろう』、といふ唄を、よぅやく憶えたやうだ。不思議なもんで、曲によってすぐ憶えられるものと、さうでないものがあり、その差は激しい。長い歌詞だから憶えれぬ、とかさういふモノではなく、憶えにくいものは何故かただ、憶えにくいのだ。

ワシは、日頃あまり物覚えの良い方ではないが、音楽に関してはナニか特殊な回路が働くやうで、何年ぶりかに演る、といふ曲を細部まで憶えてゐたりする。しかし、それを「もぅ一度演らう」となった時、ツイさっきあれだけ淀みなく演れたのに、今度は最初の歌詞すら出て来ぬ、といふ事態が、割とある。

『歌詞を書いてくれ』と云はれて、えーと、と考へ込んでしまふ事や、『あの曲のあの拍子は』と問はれて、「?」と思ったりする事が、ままある。

多分ワシは、「憶えてゐる」訳ではないのだらうと思ふ。歌詞にしろ楽曲にしろ、おぉまかなビジョンのやうなものが見えてゐて、楽器を手にし、唄うと、ナニかその「道筋」のやうなモノを捉える事ができるのだ。

自慢する事でもないけど・・・。


ツアー週間

16日(金)-----------------------------------------------------------------

秋のツアーに出発。

けふのところは「前入り」。岐阜県は関市で活動する幻想的なトリオ、ボスコ・エ・マーレの招待を受け、明日明後日とこちらで一緒に演る。そのリハの為の前入りであって、決して宴会だけの為に行ったりした訳ではない。よ。

ボスコのフロントマンである所のメイちゃん宅は、築100年超の古民家、てゆーか、お屋敷やな。その壱室を使って、ボスコとのリハ。事前にしっかり楽曲をアナライズし、譜面にしてゐるので、壱発目からもぅ完璧。ボスコのスタッフからも『想像以上の融合!』との御墨付きを頂く。

明日のライヴが楽しみだね。

17日(土)岐阜県関市 三浦勝治美術館-----------------------------------------------------------------

けふのライヴは、シルクロード美術館としても知られる、個人経営の美術館を使ってのライヴ。当然、機材その他すべて持ち込みで、出演者スタッフ一同、朝から仕込みだのチェックだのに奔走。もともと音楽を演るやうには作られてないのだが、このテの場所に良くあるやうに、残響がとても美しく、これはまぁボスコにはふさはしい場所だらうな、と思ふ。

電気を使うしーシュには、やや不利な音場ではあったが、そこは技術でカヴァーする。当初用意してもらってゐたベースアンプの機能が会場に合わず、急遽大型のアンプを借りて来て頂いたりした。スタッフの尽力に感謝。開演時間には、もぅ立ち見も出さうなほど満員のお客さんが集まって来た。「みんなしーシュを楽しみにしてるのです」と云はれ、キアイが入る。

して、本番。ボスコの先攻にも乗せられ、良いライヴが出来た。なんとこの日だけで、持ってったCDの3/4が売り切れてしまった事からも、その高評価が計り知れる。決して演り易い場所、と云ふ訳ではなかったが、やはりぐるりを囲んだ絵画から良い「波動」を頂けたやうに思ふ。アンコールでは、思ひ切って生ギター生声で演ったのだが、これが最高に気持ち良かった。満場のお客さん、ありがとうざいました。

富安秀行さんとの度重なる遠征で、この地にもしーシュのファンが根付いてくれて来てゐる、といふ思ひがある。その懇意に応えられるやう、磨いて行かねばね。

18日(日)郡上市和良 和良おこし公民館----------------------------------------------------------------

ボスコとの二日目。

ワシは5月に富安さんとのデュオで来たが、しーなさんは初めての和良。先のツアー中、タマタマ此処にゐる時に友人から電話があり、「今何処に居るか?」と問うので「和良だ」と答えると「何処やそれは?」といふ話しになった。それくらい、未知の土地ではある。まぁ有り体に云ふと、すごい田舎だ。

前回の富安デュオん時と同じく、お客さんは近隣の住民。座布団を敷きつめた場内で、思ひ思ひに見て頂く。かういふ場所なので、レパートリィも厳選。お得意の昭和歌謡やスタンダードも織りまぜ、雨の午後を楽しむやうに演り、聴いて頂いた。楽しいひとときを提供できたのなら、嬉しい。三重県の友人がフラと訪ねて来てくれたりして、ワシらも楽しく過ごした。

雨は台風接近による前線の活性化、のせいらしく、その後も断続的に降り続いた。打ち上げでは、和良名産品である「鮎」を頂き、これがまーぁとてつもなく美味いシロモノで、今まで喰ったことのある鮎はなんだったのか?といふほどの・・・。『良い鮎は西瓜の薫りがする』と云ふが、あれは事実だったのだ。

ライヴ会場が、そのまま打ち上げ会場になり、さらにそこが宿泊所になる、といふ好ましい事態で、雨の音を聴きながらの雑魚寝。

19日(月)京都パーカー・ハウスロール-----------------------------------------------------------------

京都へ。

今回のツアーで唯一のライヴハウスへの出演。対バンはなんと広島の面子で、此所で出会うたァねぇ、などと和気あいあい。少々段取りが悪く、昼飯を喰ひ損なったりしたが、時間には満場となり、ライヴスタート。

ワシらは弐番手だったのだが、音の作りがデカすぎて、ちょっとしんどかった。生ピヤノを使ったのが裏目に出てしまったのか、ベースばかりが前に出てしまひ、唄もデカ過ぎて、ウチらの良さが全然出せてなかった、とのちにお客さんから聞く。まぁねぇ。演っててもなんかカラ回りしてる気がしてやれんかったね。頑張れば頑張るほどポイントが遠ざかるかんぢで、近年稀に演りにくかったな。「けふはライヴハウスだから、ちゃんとした音像で演れる」と思ってゐたのに、残念。以前、ここで演った時は、内容、実益ともに、たいへんスムースな良いライヴが演れたのに、なんでこーなったかね?といふ思ひ。

イベント自体もえらく長くなってしまひ、途中で帰らねばならなくなったお客さんも多数ゐた模様。

雨は降ったり止んだりで、明日の京都は本格的な雨の壱日となりさう、とのこと。上手い具合に明日はオフだ。

20日(火)オフ-----------------------------------------------------------------

京都の定宿、中村コーイチ&あらいなおこ夫妻のお宅に連泊し、オフを過ごす壱日とす。

いつも本当にお世話になってゐるので、けふだけはワシらが飯を作り、家主に休んで頂く、と云ふ日にさせてもらった。コーちゃんには昼飯を振舞い、一緒に昼寝をして、なおちゃんは仕事で朝から出かけてゐたので、その帰りを待ち、居酒屋椎修の大将女将として、腕を振るう。

チゲ鍋と鮭のムニエル。郡上で貰って来た日本酒も開け、4人で鍋が空になるまで喰ひ尽した。良いオフだった。コーちゃん、なおちゃん、ありがとう。

21日(水)大阪豊中 徳田邸ホームコンサート-----------------------------------------------------------------

大阪へ。

浪速のカーネルサンダースこと徳田建さん。「料理好き」といふ共通項で気の合う我ら。以前から『一緒に料理付きのライヴやりたいネ』と話しており、こたび建さんの地元で開催する運びとなり、二転三転した末、結局ケンさんちで演ることになった(笑)。そはオモロい。

ので、けふはミュージシャンと料理人のポテンシャルが半分づつ、てかんぢの。3人で買い出しに行き、メニューを決め、ケンさんちの台所を使ってシコシコと料理す。ケンさんちも古民家で、奥さんの趣味らしひセンスの良い調度品でコーディネートされており、また広々してゐて、ハンパなライヴカフェよりも良いかんぢ。音も、ハナから小さめ、と云ふ観念で演るので、それは却って全然演り易く、結果としてこの日のライヴが、いちばんストレスなく演れたんぢゃないか?といふ気がする。

お客さんはケンさんの御近所さん(笑)。「こちらは弐軒隣の◎さん、これが角の▽さん、お向かいの□さんはギターも弾いて・・・」と紹介しあうのが楽しい。みなさん音楽を楽しむのにも馴れておられ、いや〜〜意外にもたいへん楽しいライヴとなった。明日はこの様式で神戸に出店(?)するのだ。

片付けがなかなか大変で、なにしろライヴ会場を完全に撤収せんと、ワシらの寝場所がない、といふ(笑)。

22日(木)神戸元町 プラネットEartH-----------------------------------------------------------------

ケンさんの車で神戸へ。

昨日の「音楽&食事」といふイベントを、けふは関目のMiyoGonも仲間に迎え、神戸で開催す、といふ企画。「元町音楽食堂」といふタイトルで宣伝が出回っており、既に予約で満員、なんぢゃげな。昨日に引き続き、準備に追われる我ら。

会場でMiyoGonと合流。面子の中では唯一の「プロの飲食業者」であるふたりの参戦は心強い。事実、お世辞にも段取り良く進んだとは云へず、MiyoGonとしーシュの連繋がなければ、食事の供給が間に合わなんだことだらう。そのMiyoGonは、関目からごっそりお客さんを連れて来てくれており、けふはホンマにこの二人に功労賞だ。

ライヴはMiyoGonにもケンさんにも参加するワシらは、づっとステージに出っぱなしで、それはそれで楽しくて良い。「料理と演奏」何度やっても厭きないのは、この二つのことだけだな、ホンマに。最後まで楽しく演奏し、唄った。

貸してもらへる厨房があれば、何処ででも「出張居酒屋」がやれる事は分かった。これをライヴの基軸にして行く事は、不可能ではない。大変だけどね(笑)。

それを確認できた意味では、たいへん意義深いけふのイベントであった。楽しかった。またやりませう皆さん。

23日(金)-----------------------------------------------------------------

帰る。

とは云へ、明日明後日と県北への遠征があり、けふも帰ったらすぐ、それぞれの仕事(レッスン)に従事する身であり、旅が終わった訳ではない。昼過ぎに一旦帰宅。売り切れてしまった新作を、明日明後日の遠征に間に合わせる為、レッスンに行く合間を狙って焼きまくる。

そして、レッスン。ワシのスケヂュールを知ってゐる生徒が、「さっき帰って来たンでしょ?」と云ふ。

24日(土)安芸高田市吉田 文化創造センター-----------------------------------------------------------------

安芸高田市吉田町 文化創造センター ヤング・インへ。

年に一度、呼んで頂けるやうになって何年目だらうか・・・?。スタッフの有志一同の尽力には、ただただ感謝の気持ちのみ。良きライヴを演って応えねば。けふはPAを、前回対バンしてくれた夫婦デュオ、「ことりんチェルシー」のとものりッチこと小田とものりが担当してくれた。趣味人らしい最新音響器機をふんだんに持ち込んで奮闘してくれたが、これがなかなか大した腕前だった。

しかし演者の手元にタブレット端末があるやうなライヴを、自分がする事になるたぁね(本番時は気が散るので撤去してもらったが)。こないだピーター・ゲィブリエルの最新ライヴ映像を見た時、ピーターの演奏するピヤノの上にタブレットがあり、づっと歌詞を映してゐた。昨今アコギの弾き語りストにも、そのやうにタブレットを使うものが多いと聞く。その是非云々より、歌い手が歌詞見るなや、とは思ふが・・・。

さて、ライヴ。

正直、ここ数回の此所のライヴは、集客に難ありが否めぬ所であり、主催者サイドに申し訳ないな、との思ひが拭えなんだ。けふは久しぶりに満員の会場。とは云へ、此所は、会場にも、集うお客さんにも、ライヴハウスやホールと違う独特な雰囲気があり、その雰囲気に呑まれてしまふとえらい事スベってしまふ傾向がある。満員だからといって、気を付けねば。

粛々と進め、ワシのトボけたMCに、「笑って良いのだ」といふ雰囲気が伝わると、もぅオッケー。とものりッチの作る音も演り易く、けふも良いライヴを完遂する事が出来た。けふはたっぷり演らう、と決め、前後編合わせて19曲セレクト。休憩込みでピタリ2時間で終演。お客さんの多くに『もぅ終わったの?』と云はれたが、19曲、きっちり演りましたよ。この辺の時間配分は、もぅ任せてチョ、みたいなしーシュ。長いライヴなど演ってはイカン。

良いライヴだった。

打ち上げは、主催者である平原センセイの別宅(!)にて。もぅこちらで顔馴染みになった人も多く、和気あいあいと酒と会話が進み、珍しくしーなさんから『エキストラ・ライヴ演らう』と提案があり、もぅだいぶ酔っ払ってゐたが、2〜3曲演奏。喜んで頂いて、ワシらも嬉しい。

後半はほとんど記憶になく、後で聞いた所によると、平原さんがお土産に貰った、といふカリンバを隅っこでづーっといぢってゐたらしひ。

25日(日)山県郡芸北オークガーデン-----------------------------------------------------------------

安芸高田から芸北を目指す。

昨日はよく晴れてゐたが、けふは雨。標高が高いせいか、雨天でも空が明るく、かういふ中を車で往くも悪くない。ツーリング時代を思ひ出すなぁ。

昼過ぎに芸北はオークガーデンに到着。こないだ同じく芸北の「正直村」ですっかり打ち解けたスタッフ一同ではあるが、けふは割とVIP待遇で迎えて頂き、恐縮す。その誠意には良き演奏で応えねばなるまい。

時間には満員。とは云へけふの会場は普通のレストラン。ワシらを知らん人がほとんどで、ただゴハンを食べに来た、といふ人もゐる。しっかり惹き付けねば。昨日よりもカヴァーを多めに取り入れ、それでも結構な曲数を演奏し、一見のお客様を引き込み、おおぃに盛り上げて終える事が出来た。これもスタッフ有志一同のおかげ。ホンマにありがとうざいます。

弐度めのアンコールでは、この人達とワシらを繋いでくれた高田エージアニキに敬意を評して「ムーンボウ」を。

けふも良いライヴだった。終演後の温泉が気持ち良い(さういふ施設も付随してゐる)。

打ち上げがまた最高で、ガーデン管理棟の一角を宴会場にして、すき焼き&刺身のテンコ盛り。みんな唄と演奏が大好きな人達で、昨日に引き続き、エキストラ・ライヴ。けふはもぅ思ひ付く曲を次々と演奏し、みんなが唄う、と云ふ、ホンマに唄声喫茶のやうな打ち上げとなった。全員が「Dance」に参加して演ったセッションなど、何故これを録画せなんだか?!と悔やまれるほどの、信じられないスーパーセッションだった。

いや〜、ホンマに熱いわ、県北!。

26日(月)-----------------------------------------------------------------

一緒に宿泊したスタッフ一同と、一緒に朝風呂に入り、一緒に朝飯を喰って、お先に下界へ。雨の中、みんなで手を振って見送ってくれる。ありがとう!。

一旦帰宅し、向原へレッスンに。安芸高田→芸北→広島市→向原、とまぁ効率は悪い行程だが、まぁこれが仕事なので・・。けふはまぁ仕事はこれだけだったので。

27日(火)-----------------------------------------------------------------

WADAバンド朝練。この週末にはライヴが迫り、それに向けて「ギタリスト・モード」に入っておかねば・・・。時折、高校生のやうなミスをしやがる(自分が)のが腹立つ。げに、ギタリストがステージの上で「ギタリスト」として認められるのって、ホンマにすごい事なのだな、と思ふ。まぁベース弾きもさうなんだけどね・・。

昼からは「よなかのとうふ」のリハ。こちらもギターを弾くが、ここではシンガーソングライターとして。このユニットもライヴせなイカンな、とリハのたんびに思ふ。演るのに良い場所が、なかなか思ひつかんのよネー。どっかないかネ?。

さういへば、混乱の続いてゐたフライングキッズが、10月で正式に閉店する事になるさうだ。場合によっては生声生音でライヴを続けさせてもらおうか、とか考へてゐたのだが・・・。これで、ますますワシらが広島で演る場所が減ってしまった。このいきさつの原因を作ってしまった人達も、まさかこんな事になるとは思ってもみなかったのだらう。だが、これは現実だ。広島からひとつ、大きな意味を持つライヴスポットが、消えるのである。もぅ誰を責めたところで、なにも好転する事はない。ただ、我々から・・・、結果的には自分達自身からも、「場を奪ってしまったこと」を、深く深く、海より深く、悔やんでほしい、と思ふ。

28日(水)-----------------------------------------------------------------

レッスンに行くまでの間に、久しぶりに時間が取れたので、読書に没頭す。図書館に返しに行かねばならぬモノから。

気が付けばこのサイトにおける「スケヂュール」を全然更新してない。10月の予定が全く告知されておらなんだ。まぁ、それにつひて何処から問い合わせがあった訳でもなく、SNSが主流となったこの時代に、あえて自分のホームページを愚直に更新し続ける意味は?と思はぬでもない。でもまぁ、サイトを始めた15年前に「決めた事」だからやる。取り合へずライヴのスケヂュールだけ、決まったぶんからアップする。

日誌だけでも、読んでくれてゐる人には、心より感謝を。

29日(木)-----------------------------------------------------------------

此所ん所、「納豆と豆腐を毎日喰ふ」といふのをやってゐる。それがナニかになるのか?と問はれれば、良く分からんのだが、まぁ悪い事ぁないやろ?といふ思ひで。で、「豆腐と納豆の味噌汁」といふ大豆づくしのモノを拵えたりす。納豆と豆腐。昼飯には豆腐に納豆を乗せたものも食す。これにオカラが加われば、もぅ最強だ。

ちょいと前、まだ日々ごはんよりパンを多く食してゐた頃、トーストに納豆を乗せて喰ふ、と云ふのとか、トーストを横半分に切って納豆をサンドする、と云ふのとかをやってゐた。意外にもウマいのだ。納豆ひとパックに卵壱個、の比率で納豆入り卵焼き、もする。逆に、オーソドックスに白飯に納豆、と云ふのを、あまりやっておらぬ。

以前、知人のミュージシャンが「納豆の値段が上がった」といふ事に、本気で腹を立ててゐたのに出会った事がある。「俺にとって、納豆が高くなる事は、本気の死活問題だ」とのたもぅてゐた。

安くて美味くて栄養価も高い、納豆。

30日(金)-----------------------------------------------------------------

午前中から車を出してうろうろ。

旅先でお渡し出来なかった新作CDを、しかるべき場所に発送。初めて行く巨大郵便局で、受付に辿り着くまでに迷う。その足で図書館に行って書籍の返却手続き。知人を見かけたが、こちらには気付かなんだ模様。よもやワシが図書館なんぞに来るとは、思ひもつかぬのだらう。

その後レッスン。そして「孤独な営業」吟@オリエンタルホテルへ。先日、決まってゐた来月のスケヂュールの合間に、ババっと「入れますか?」と問い合わせがあり、急遽壱本増える。これによりなんと3週連続でオリエンタルで演る事になり、さすがにネタがないよ、との思ひから賛助を頼む事にした。こないだパイグと演った時のやうに、機会があらば、この場所で色んな人達と実験的なカラミをしてみたい。

けふは何やら昭和歌謡がウケる日のやうで、まるでライヴをしてゐるかのやうなかんぢだった。常連Hさん夫妻をはじめ、カメラマン・チョッケンさん、珍しい所ではヲルガン座のゴトウイズミまで見に来てくれてゐた。イズミちゃんなどは、ワシの「営業の顔」は初めて見る訳で、まぁフツーに唄ってる姿を見て、どー思っただらうかね?。しかもギター弾いてるし・・・。

10月へ