夏後半旅


27日(土)しーシュ・晩夏ツアー初日:神戸 ギャラリー里夢-----------------------------------------------------------------

晩夏のツアーに出かける。けふより来週土曜日まで、まるまる1週間の旅だ。

けふは神戸。「音もダチ」の吉崎ひろしさんの企画による、落ち着いたギャラリーでのライヴだった。参加メンバーはウチらしーシュと吉崎さん、それに「座長」富安秀行御大の3組。まぁ一緒に演りなれたメンバーなので、それぞれの味を出しつつ、お互いをサポートして・・・、といふ。吉崎さん富安さん、ともに久しぶりの共演となったが、良いかんぢに絡め、良いかんぢのショウが演れた。春以来となる「唄声一座」のハーモニィもバッチリ。

ピヤノはグランドで演り易かったやうだが、ワシのベースはライン直でモニターし辛く、「万全!」といふ実感がないのが、少し残念。

ぢつはけふ、泊まる所を決めておらず、どっかのネカフェにでも、と思ってゐた。したら打ち上げに残ったお客さんから、「ウチに泊まります?」と云ふて頂き、ありがたくお世話になることに。したら今夜は神戸のお祭りかなんかで、ネカフェやホテルが飛び込みで取れるハズもなく、民泊の申し出は、本当に助かりました。ありがとうMさん。

28日(日)しーシュ・晩夏ツアー2日目:大阪 摂津富田KUSHITARO----------------------------------------------------------------

ツアー二日目のけふは摂津富田。

去年まで行なわれてゐた浜名湖音もダチ!フェスタ。それを関西メンバーが受け継ぐ形で、名物焼き鳥店「KUSHITARO」を舞台に始まった其の名も「KUSHITARO music Festival」。今年で3年目になる。もはやファンが付き、夏のイベントとして楽しみにしてゐる人も多い、と云ふ。台風の進路が危ぶまれたが、なんとか持ち堪えてるかんぢ。これは楽しみだ。

初回は出演したものの、去年ワシらは手違い(勘違い)で出れなんだので、けふが2回めの出演。久々に会う関東メンバーとの再会を喜びつつ、準備など。音もダチ一行『級長』の吉崎さんの綿密な計画に則り、始まる前からとてもスムースに事が運ぶ。そして開場前から店の前に並ぶお客さんの群れ。すでに成功が期待できる風の中、いよいよイベントスタート。

吉崎ひろし&NBプロジェクト(大阪)、黒田かなで西沢和弥(姫路)、北川涼(東京)、朋郎(東京)、富安秀行(犬山)、とワシら。ほぼ音もダチフェスのメンバー、と云ふ豪勢な構成で、15時から20時まで、ほとんど進行予定通りに進み、また其の内容たるや素晴らしいの一言、といふイベントだった。昨日にもまして、それぞれの持ち味を活かし、さらに共演相手を盛り上げ、といふ、かういふフェスの醍醐味が凝縮したやうな5時間だった。ギュー詰め満員のお客さんが、ひとりも途中退席をしなかった、といふのが、その内容を物語ると思ふ。

浜名湖のに比ぶれば、どちらかと云ふとインスト指向の強い出演者の中で、ウチらは唄うデュオとしての個性も発揮。勿論、インストでの勝負にもガンガン出て、そのバトルも楽しんだ。いや〜〜〜〜素晴らしいイベントだった。

かういふ実力派のイベントに出ると、自分達の立ち位置とか、目指す所とか、はっきり見えて面白いね。またこのメンバーで集える日を、楽しみにしておこう。

29日(月)ぱんぱかトリオ中部大作戦:名古屋 池下バァ・ストレガ-----------------------------------------------------------------

台風の影響か、結構な雨。その雨の中、名古屋へ移動。

けふは今ツアー中、唯一毛色の違うライヴで、今波に乗ってる「ぱんぱかトリオ」での遠征、となる。遠征とは云っても、ワシらもカワちゃんも旅の途中、な訳だから、まぁ「合流」やね。それぞれ縁のある名古屋にて、それぞれ縁のあるストレガ、で新しいユニットをお披露目す、といふ、ある意味ハードルが高いライヴではある。

とくにカワちゃんは、客席の前側にしーシュのファンがダーっと陣取った中では、なかなかのプレッシャーだったのではないか?と思ふ(笑)。しかしまー、最近のこのトリオならば、そんな事は支障にはならんだらう。力強くのびのび唄うカワちゃんを、ワシらも力強くサポートし、満員のお客さんも大喜び。ぱんぱかトリオ名古屋デヴーは、大成功に終わった。

けふはワシらもそれぞれソロを演り、しーシュの曲も演りィの、のぱんぱかだった。ホンマに今いいかんぢのトリオである。

30日(火)しーシュ・晩夏ツアー4日目:移動日/しーシュと世界の料理を食べやう会(モルドバ料理編)-----------------------------------------------------------------

カワちゃんは早朝、広島へ出発し(彼はマイカー)、我々は昼前頃に東京へ向けて出発。もちろん18切符の旅である。

よく云はれるやうに「長い静岡県との戦い」でもあるこの路線。ワシも東京へ「向かう」行程でこれを使ふのは初めてだった。夕方よぅやく東京へ。運良くほぼすべての行程で座席が確保できたが、しまいには「座ってゐる」事に厭きてきたりもした。まぁ好んでやってるとは云へ、ウチらも老体にムチ打ってよぅやるよ、とは思ふ。

さてけふはライヴなしの移動日だが、初春ツアーで好評だった「しーシュと一緒に世界の珍料理を食べやう会」のVol2を執り行う。その為にワシらは直接「亀有」まで往く。集いし面子は高満洋子坂入康弘中村友、そして遅れて成沢ヒデトモ。そして喰ふは「モルドバ料理」。これを期に『モルドバって何処よ』と思ひ、調べてみたら、まぁ東欧、ってーんですか?。ウクライナ、とかルーマニア、とか、あの辺。

前回の「エチオピア料理」ほどのインパクトや独自性はないが、そのぶんエライ親しみ易い味の品々で、仲間達との再会の喜びもあってワインも進み、後半なに喰ったかあんまり憶えてないワシである。

しかしナリさんに久しぶりに会えた事は嬉しかった。また柏に行きたいなぁ・・・。

31日(水)しーシュ・晩夏ツアー5日目:東京 下北沢Blue moon-----------------------------------------------------------------

けふからお江戸参連戦。まづは「ホーム」下北ブルームーンだ。

今回、早くから元弟子の川村ZAVZA泰幸に一緒に演らう、と声をかけてゐた。で店長平石正樹さんが、やはり広島出身の「たいしゅん」こと電気ブランコ氏をブッキングしてくれ、奇しくも「広島ナイト」となった。あとで聴くとこのブランコ氏、拙曲『びしゃもん台』のモデルとなった学校の出身校・・・つまり高校時代のワシのガールフレンドと同じ出身校で、しかも学年も極めて近い、といふ事が判明!。いゃ〜〜〜縁はまことに異なもの、であります。

そんな訳で、『びしゃもん台』の唄声にも熱が入る。

ZAVZAはここん処ベースよりメインとなってゐる、チャップマン・スティックを駆使してのパフォーマンス。明らかに次元が上がっており、これはひとかどのモノになるやもしれぬ、といふ思ひで、弟子の成長を見守る。立派になった。

ブランコ氏は、所謂シミュレーション・ギターを使ったソロ。どの曲もキィが特定出来ぬやうな、なんとも不思議なオリジナルで、広島からかういふ人が出て来てゐるのか、と。だがブランコ氏は広島にゐる間は音楽は演っておらず、こっちに出て来て始めたのださう。ほぼ同い年。『びしゃもん台』に「完璧な光景が目に浮かんだ」との有難い評価。サンキュー。

ウチも含め、各人渾身のパフォーマンスで、会場もよぅ盛り上がり、けふも良いライヴだった。いつも良いライヴができるBlue moon。ただ、店置きのベースアンプがだいぶヘタって来てゐる(笑)。奇しくもワシが使ってるのと全く同じフィルジョンの「ブリーフケース」といふアンプで、買った時期も同じ頃らしひ。ワシが最古に見た記憶が2006年のソロツアーんとき。だから少なくとも10年は経ってゐて、ワシのは3回修理に出しゐる。まぁ何処がヘタってたって不思議はないね。

9月1日(木)しーシュ・晩夏ツアー6日目:東京 学芸大前APIA40-----------------------------------------------------------------

けふは高満洋子主催のイベント「風味絶佳」のvol3。

洋子との共演ではお馴染みとなった、学芸大前アピア。共演の高満洋子トリオのメンバーもお馴染みの山内薫上原ユカリ裕、の両大御所。単に対バン、といふより、この5人が持ち味を活かし、様々な色合いを見せつつ絡む、と云ふワシらも楽しみなイベントだ。

しーシュ、洋子トリオ、それぞれのショウの他に、洋子とシュウ、しーなとユカリ、薫としーなとユカリ、とか色々な組み合わせがあり、これが「風味絶佳」の醍醐味。みんな事前に連絡を取り合ったりして、新しい組み合わせのレパートリィに挑戦してゐる。とくに、この日 薫さん、ユカリさん、しーなさんのトリオで繰り広げられたセッションは、もぅ白眉の世界で、改めて相方のポテンシャルの高さを認識した次第であります。

その中でワシ、薫さん、ユカリさんのトリオで演るセッションは、あえて前回と同じ曲を。まぁ同じモノになるハズもなく、前回に引き続き鬼気迫る迫力のバトル・セッションとなり、改めて、日本のポップス&ロックを黎明から支えて来たドラマーと、かつてはベースマガジンでその特集記事を読みふけった大先輩のベーシスト、その両名とこのやうにバトルができる自分を、「かぁ〜〜〜〜!」と思った。またまた「か〜ちゃん 見て〜くれ この姿〜♪」だった。

その他、男女4人が代わる代わるメインを取りあうバラードなぞ、もぅ珠玉の出来であり、前回終演後、『3000人規模に見てもらふべきステージだ』といふ言葉が出たが、今回は『5000人規模に見てもらわねばならぬステージ』だった。てゆーか、「何故これを見に来ないッ!」と児玉清ふうのツッコミを入れたくなるやうな、そんなイベントだった。

今回、薫さんは、ジャコが使ってたのと同じ時代のフェンダー・ジャズベを使われてゐた。前回は、やはりかなりビンテージなプレベで、終演後『もぅ壱回同じ曲演りたいね、次はアクティブ(御自身のメイン楽器)でネ』と仰られた。えぇ!また演りませう!。

2日(金)しーシュ・晩夏ツアー7日目:東京 高円寺U-hA-----------------------------------------------------------------

お江戸も後半戦。

けふはソロ時代のお江戸で、随分たくさんのオモロい企画にワシを当てはめてくれた恩人、ジンボ・アラタさんに企画して頂いたイベント。対バンはソリスト二人、宮國英仁さんと、海月ひかりちゃん。いづれもワシのソロで共演経験があり、ワシには再会が嬉しい。やる場所も高円寺で、これもソロ時代以来、ほとんど訪れてない場所だ。

ジンボさん、しーシュでは、まだツアーを始めたばかりの頃(調べたら2009年。しーなさんがまだショート・ヘアの頃)に一度だけしかお目にかかっておらず、ぢつに7年ぶりにしーシュを見てもらふことになる。あの頃は、ツアーはあくまでもワシのソロで、しーなさんが途中で参加して2〜3本演り、しーなさんは帰ってまたソロで残りを、と云ふかんぢだったな、と懐かしく思ふ。

沖縄民謡ふうの節回しと、独特な唄世界で引き込ませてくれた宮國さんと、相変わらずパワフルなひかりちゃんの後に、ワシら。

7年ぶりにしーシュを見てくれたジンボさんが、終演後 感極まったやうに『素晴らしいね!』と云ってくれた事が、けふの全てだったと思ふ。さぅです。ソロでなし得なかったこの世界に、ここまで来れましたよ!。ワシもまた、この姿のワシを見てもらへて良かった。ソロでしか出来ない事、ソロでは出来ない事、色々を過ぎ越し、今のワシがある。しーなさんも学生時代の友達と会え、楽しさうにしてゐる。よかったよかった。

ちゃんと数えたら、この夏で しーシュは活動12年目に入った。12年!。干支がひと回りしたのだ。ワシ個人的にも、ひとつのユニットを、此所まで継続して演れてゐるのは初めての経験だ。う〜〜む、感慨深い。

3日(土)しーシュ・晩夏ツアー千秋楽:横浜 元町アースリー・パラダイス-----------------------------------------------------------------

さて、晩夏のツアーも最終日。大好きなアスパラだ。

去年だけで3回も来て、そっから思ひの他時間が経ってしまった。対バンを入れて演るかどーか、悩んだ末に結局「ワンマン」で行く事を決意。リハの間もづっと『お客さん、来てくれるんかな?』といふ気持ちで揺れ動く。開場時間が来て、時が進み、ドアが開くたびに「!」と思ひ・・・。

そしてスタート時には満員となった。嬉しい!。横浜の街に(近隣からも)、こんなにしーシュを受け入れてくれる人がゐるなんて!。

心して演る。ワンマンといふ事で、日頃あんまり演らん曲も入れたり、カヴァーも演った。咽の調子が完全に戻ったやうなので、ひさしぶりに「よぅそろ」などの絶唱系も演った。そしてけふは、横浜の皆さんに感謝の気持ちも込め(?)、それぞれのソロ・コーナーを設けた。ワシはブルージィな「夜明けの海ごっこ」、しーなさんは本格的なクラシック・オペラを独演。相当にウケて、お客さんも、こんなに素養の違うふたりがタッグを組んでゐるのか、と理解して頂けた様子。

お馴染みのレパートリィもおぉウケで、ツアー千秋楽にふさはしい出来。一旦終了した後、興が乗って生ギターに生唄で「エキストラ・ライヴ」も。ホンマに喜んでくれるお客さんに、こちらも感激。嬉しかったなぁ。最終日がここで本当に良かった。ホンマに良いライヴだった。

アスパラはいつも、出演ミュージシャンに対しても、お客さんに対しても「いらっしゃい」ではなく「おかえりなさい」で迎えてくれる。そして店を出る時には「行ってらっしゃい」で送り出す。それがとても暖かく、素敵で、愛おしい。

さうだ。また帰って来やう。我らもまた「行って来ます」。

4日(日)広島へ----------------------------------------------------------------

日曜日のヨコハマ中華街は、もぅ早朝からぐぢゃぐぢゃの人だらけ。粥でも喰わう、と思ってゐたが、こらかなわん、と早々に切り上げ、羽田空港行きのバスに乗る。帰りはリッチに飛行機だ。

旅の途中で、例の壊れかけてたスーツケースが完全に壊れ、その後必要なもの以外を詰めて、先に広島に送り返してゐたので、とても身軽に飛行機に乗れる。日本だけでなく、このやうに身軽に旅できたら良いだらうな。飛行機の搭乗口を間違えてたりして「あわや!」といふハプニングはあったが、まぁ無事広島に帰った。

わりと長めの旅だった。だが、2週間後には、もぅ次の旅が始まる。よぅそろ。


9月へ