11月


1週目

1日(木)-----------------------------------------------------------------------------

沖縄から1週間経った。かなり前の事のやうな気がす。仕事場で、旅好きのドラマー上チャン(上野友敬)に会ったので、沖縄の印象や、お互い行った事のあるインドの変貌、なんぞについて話す。こないだ長澤まさみが主演したTVドラマ「ガンヂス河でバタフライ」は最低だった、とか、菅野美穂がインドにヨガを習いに行くドキュメントは仲々だった、とか。

夜、女房が仕事場で「中国の菓子」を貰って帰って来た。見た目、ポン菓子を砂糖で固めたもののやうに見えるが、ミョーにべったりしてゐる。口にしてみると甘味はほとんどなく、古い油のにほひが口いっぱいに広がって

2日(金)------------------------------------------------------------------------------

こないだ、若いヒトらのやってる音楽をまとめて聴く機会があって、ちょっとキツかった。

なにがキツいか?。ヘタなのはまァ良い。ワシが結構ガマンならんのは、彼等の唄の内容における、安易な『共感への飢え』だ。MCにおいても平気で『誰もが分かってくれる事だと思います』なんて云ひやがる。おいおい、お前は何かの代弁者か?と云ひたい。なんでそんなに、曖昧なものさえ共有しやうとするのか?。ワシには全く理解できない。群れて死ぬより独りで生きた方がマシだ。そんな中で、今どきハービー・ハンコックの「カメレオン」を演ったやつらが居って、これはオモロかった。

ちょっと前に、弾き語りの青年と話をする機会があって、彼がしきりに『シュウさんが伝えたい事はなんですか?』のやうな事を訊くのが不思議だった。伝えたい事?そんなものあるか。逆に『伝えたい事がなかったら音楽が出来んのか?』と問いたい。そんな中で『この曲なんてぇタイトルなの?』と訊いたところ『あ〜、僕、曲にタイトルって付けないんスよねぇ』と云った若いギタリストが居って、これはオモロかった。


2週目

3日(土)--------------------------------------------------------------------

久しぶりにしーなとシュウのリハ、とゆーか新曲リハ。「ごっとりさん」「うたたね」「羽の記憶」を演る。色んなシチュエーションを想定して、どんな形でも演れるやうにせんければ。これこれかういふ機材と楽器がないと出来ません、では駄目なんだね。

その後、某神社で行われる、琴とドラムの奉納演奏、といふを聴きに行った。松明の灯りの中で繰り広げられる演奏は幻想的で良かったが、ドラムってぢつに不器用な楽器やな、と思ってしまった。技術があればあるほど表現が限定されてくる、といふ楽器は、他にあんまりないやうな気もする。

前に、テリー・ボヂオが誇張なしに「山のやうな」ドラムセットを叩くソロパフォーマンスを見た事があるのだが、アレだけの事を演って『ドラムだ!』といふ印象しか持てなかったのも、ワシがドラムと云ふ楽器にあまり興味がないから、なのだらうか?。う〜〜む。

そいから久々のライヴとなる「ぱかぱか号」のライヴを見に行く。最近、ベースとサックスが参加して、まぁそれでもえぇかんぢにスカスカなのが良い。これでレパートリィの1/3はインスト、てのもオモロい。それにしても、やっぱりギターのまちゃあきの存在感。これに尽きる。他の面子も、わざとらしい演出や見せ場を作るでもなく、しっかりとエンターテイメントになってゐる。いや天晴れです。やっぱすごいわコヤツら。

4日(日)--------------------------------------------------------------------

朝、河原からマーチングバンドの音が響き渡った。毎年の恒例、安佐南区民祭りの河川パレードである。川沿いに建ってる家やアパートの住人以外に、なにかのアピールになるとは思えんこのパレード。しかし、ワシはこれがぢつは好きである。雨が降ってこれが中止になったりしたら、結構がっかりす。けふもベランダから手なんぞ振ったりす。

午後からは、日頃あんまり接点のない人達との、週末のイベントライヴのリハ。曲は簡単なのだが、全然グルーヴせん演奏。難しい演奏より、疲れる。

5日(月)-----------------------------------------------------------------------------

骨髄バンクのドナー登録に行く。こげなワシでも、もしかしたら誰かの命を救えるかも知れん。ほんまは誕生日に行きたかったのだが、まぁええわ。

ついでなので成分献血もす。こ・れ・が・結構キてしまった。昔のワシ(20代)は、400ミリ献血をした後、身体が軽くなったのが嬉しくて、家まで走って帰るやうな健康莫迦だったが、42にもなると成分献血もキツいのね。終わった後えらいことクラクラして立ってられんかった。ここで倒れたりしゃがみ込んだりしては恥ずい!と頑張って休憩室までは歩く。

スープを呑んだりして、だいぶ休んでから帰ったが、今度はアパートの5階までの階段を昇るのがしんどくて、途中で休憩を入れるハメに。嗚呼42歳!。

6日(火)-----------------------------------------------------------------------------

ヴェルヴェット・パウ、といふバンドがゐたなぁ、と思ひ出し、CDを聴いてみた。まぁ変拍子を使ってよくも此所までオモロない事が出来たねぇ、といふかんぢ(笑)。80年代、日本のロック文化が一気に花開いて、プリプリや、ショーヤ、ゼルダやらナーヴカッツェなど、女の子バンドも多数出て来て、このヴェルパウもそのひとつ。調べてみたら81年に結成されて、メヂャーデヴーが85年。で95年までは活動してたやうだから、まぁ頑張った方なんだらうね。

当時はレディースバンド随一の実力派!とか云はれてたやうだけど、CD聴く限り、そぉかなぁ?といふかんぢ。プログレっぽい、って云はれるほどにはプログレっぽくもないし・・・。さういふのも、単に他のバンドと区別するためのキーワードだったんぢゃないか?と思ふ。プリプリがポップ、ショーヤがハードロック、ゼルダがブラックミュージック、と落とし所を押さえて行ったのに対して、ヴェルパウはその行き先がなかった、って気はする。時代に翻弄された若いミュージシャン達のひとつ、だったんだらうねぇ。もっと『プログレ』の部分で特化してゐたら、あれでも今頃アンダーグランドシーンで活躍してたかも知れんね。

此所のベースの平野安芸子といふコが、結構フツーぽくて可愛くてね。今なにしてらっさるんでせう?。検索しても引っ掛からんし・・・。

ア、待てよこのCD、プログレマニアのYさんにづいぶん前に借りたやつだ!。やべぇ!返しに行かなきゃ!。

7日(水)-----------------------------------------------------------------------------

しーなとシュウのリハ。そろそろ年末のイベントに向けて、具体的なレパートリィなどを決めて行く。しーシュを演りだしてしばらく後、あえてカヴァーを多く演ってゐた時期があり、そこら辺の曲も取り入れてみるか、となる。タイトルは忘れてゐるが、弾いてみると結構憶えてゐるもんで、歌詞まで出てくる。我ながらこの、曲に対する記憶力は大したもんだと思ふ。これでなんでジャズが憶えられんのかね?。

8日(木)-----------------------------------------------------------------------------

夕方から安芸楽団のリハ。8月半ばのツアー以来の音出し。このバンドは、まぁ譜面見ながら演って良いので、楽っちゃ楽なのである。けふは、この週末の営業用のリハなのだが、その会場は温泉保養施設らしひ。昼過ぎには本番も終了するやうなので、ひと仕事の後の温泉、と洒落込めさうである。

このバンドで来年の年明け早々に、四国は松山での営業が入りさうな気配。前回の遠征が好評だったので。良い事である。ただ、このバンドの仕事って、何故かいっつも、朝が早いんだァね。

9日(金)------------------------------------------------------------------------------

朝、ヲーキング中に来年のライヴの企画の相談メールが入る。おぉ、既に来年の3月まで予定が決まりはじめてゐる。良い流れではないかな?。

けふは香蘭、といふ中華レストランで、「セレスタ」といふ新バンド、といふか新ユニットの初ライヴをサポートするライヴ。これはいつも演歌系の営業の仕事を回してもらふ事務所のメンバーが、そろそろ自分達の好きな事を好きなやうに演りたい、といふ事から始まったユニット。なんかいつの間にかワシもメンバーに名を連ねてゐて。

あれこれと制約のある営業と違い、あくまでもライヴとして楽しみ、好きなやうに弾いてほしい、との事で、まぁ好きなやうに弾きました。服装も普段着で良かったし。かういふのも良い。好きなやうに弾いて、それがギャラに繋がる、と云ふライヴは素晴らしい。これがライヴハウスなんかで、チケットノルマを課せられてやるライヴ、となると仲々難しい。

ギャラの為にライヴを演る訳ではないが、ワシは年間平均70以上のライヴを演ってゐる訳で、それで黒字が出ない、といふ事なら、とっくに破産してゐるだらう。運が良い、と云ふか、周りの人脈に恵まれてゐるのだな。感謝である。


3週目

10日(土)--------------------------------------------------------------------

安芸楽団ライヴin吉和町「魅惑の里」。月イチかなんかで行われてゐる、自治体主催のホールコンサートださうで。

朝9:00に折田さん邸に集合。車3台に分乗して出発。ワシの故郷廿日市から北上する事1時間、紅葉美しい吉和町に着。会場は木造の美しいホールだが、残響が3秒くらいある。こないだ某小学校の体育館で演ったのだが、あそこも5秒くらい残響があって、なに演ってンだか全然分からんようなかんぢだった。大丈夫かね?。

ところが演ってみると意外に悪くない。少なくともワシの立ち位置は、たいへんバランス良く聴こえ、演り易かった。お客さんの入りは40人程度。ホールに40は寂しいっちゃ寂しいけど、まぁこんな山の中、誰か見に来るンかいな?と思ってた程なので、この数は上々でせう。演奏もこのメンバーでのライヴにだいぶ慣れ、良いかんぢにこなれた。特にパーカスの天野君のパッション溢れるプレイも、盛り上げに大いに貢献してゐた。

ワシは唄の入るところを間違えて、間違えた瞬間に気が付いたのだが、やり直すのはもっと恥ずいので、そのまま即興でサイズを変えて唄った。てへへ。ワシは基本的に『ソロ=Xタイム』といふ感覚で演ってる人間なので、人がソロを取りはじめた途端、小節数を数えなくなる、といふ癖が付いてゐる。で、ア!と思った時には、既になん小節めか分からなくなってゐて・・・・・。「ここか!」と思って入った処が、違ってました。すいませんね。

帰りはお好み焼きで打ち上げ。昨日、けふと良いライヴが続いてゐる。

11日(日)--------------------------------------------------------------------

本来ならけふも安芸楽団での遠征だったのだが、ポシャってしまった。誘われてゐたライヴが2ツあったが、なんとなくそのどちらにも行かず、結局ウチから一歩も出ない壱日だった。

永らく買おうかどーしやうか迷ってゐた「ベースセロ」といふ楽器が届いた。まぁ要するに買った、のだ。今、セロを騙し騙し弾いてゐるが、結局、ステージで使うには電気の方が良いし、ベースを代用するとなれば、低音域の広がりが欲しい、と云ふ訳で男の24回払い!。今後、ソロやしーなとシュウでの主力武器として行かうかな、と思ってゐる。

弾いてみると、音域的にはベースなのだが弦が細いので音も細く、しかもイヤらしいぐらいサスティーンが長い。ピッチカートで弾いても、ウッドベースのやうなパーカッシヴな音は出ん。低い音域を弾いても『ヴゥオ〜〜〜〜ンン』とくぐもった音が持続する。なるほど売り言葉にあった『まったく新しい楽器としてあなたの創造力を!』と云ふ・・・・。ベースのやうでセロのやうで、どちらでもない。まるでワシのやうに中途半端な楽器。どーりで誰も持ってない訳だ。

けふは壱日、このベースセロで遊んだ、といふ日だった。

12日(月)-----------------------------------------------------------------------------

しーなとシュウ、年末に向けて、のリハ。沖縄での経験を元に、今後生ピアノが置いてある店では、ピアノと唄を「生」で演る、といふ方向もあるよね、といふ話し。まぁウチは伴奏楽器としての「電気ベース+えへくたー」でひとつ、といふのが割と大きなウェイトを占めてゐるので、流石にベースまで生、といふのは無理だが。今度、壱度それで演ってみるのも良いかも。

リハの後は、流川の沖縄料理店「うちなー」にて、やしがに兄弟沖縄ツアーの打ち上げ会。オタマちゃん&セガレは仕事の都合で不参加。例の『噛み合わぬまま地平線の果てまでまっしぐらに進む4ツの魂』の4人(笑)。泡盛呑んでゴーヤ喰ってまた泡盛呑んでテビチ喰って、各自の予算を大幅にオーヴァーするまで飲み喰ひして、仕上げはPICOでビール呑んでお開き。早くも次の沖縄遠征の話が浮上す。いや楽しかった。

13日(火)-----------------------------------------------------------------------------

沖縄系の飲みの翌日はいつも、痛飲する割には調子が悪くない。けふも多少の倦怠感はあれど、辛くはない。専門学校で昼を挿んだ授業。

その後、久しぶりのSoe'sのリハ。再来週の久々ライヴに備へ、それぞれの曲を1曲づつ増やす。瞑想的なマサミの曲、ポップなパイグの曲(この二人とも曲にタイトルを付けてない)、ワシの「らせん」はダークな民族調。こんなかんぢで、即興以外にも、それぞれの個性が出して行けるユニットになればいいな。

例年通りに行けば、春ほどではないにせよ、秋は必ずしも調子が良い季節ではない。だが、今年はそんなに悪くない。会う人にも『お前はいつも元気がエェな』と云はれてゐる。珍しい事である。女房がくれた加湿器のお陰か。

14日(水)-----------------------------------------------------------------------------

この週末に北九州から、テーさんこと村岡達也とナオエによる「ZEKU」が広島にやって来てライヴをする事になってゐるのだが、サポートするメンバーをはじめ、誰も宣伝の類いをしておらん事に気付く。慌てて2〜3告知を出したのだが、大丈夫なのかね?。まぁテーさんならくちコミでも充分客が呼べる事は確かなのだが。

来年2月のとあるイベントに出演依頼が来た。ソロで出ることも考えたが、折角ライヴハウスだし、久々になんかガーっと演りたいな、とも思った。定型のユニットにこだわる必要も、もはやあんまり感じぬし。フと『オルカ団・リユニオン』を演ってみるか、と思ひ付く。その場にゐたドラムの松下かをりに「やる?」と訊いた処「やる」と云ふので、そのやうに進める事にした。んでMIやんとまちゃあきに連絡を取ってゐたら、かをりから連絡が入って「やっぱり参加できん」と云ふ!。おいおい。

女房に云ふと『3人で演れば?』といふ。・・・・まぁそれでもエェけど折角ライヴハウスだし久々になんかガー

15日(木)-----------------------------------------------------------------------------

オルカ・リユニオン、しばらく保留。けふも独りギコギコとセロの練習す。

レッスンの空き時間が3時間もあったので、久しぶりに巨大モール内の巨大書店に行ってみた。ここんところづっと古本ばかり読んでゐたが、藤原伊織の遺作、村上春樹、町田康、辺見庸の新作、など出てゐて全部欲しい。おまけに何故か「エイリアン」のシリーズを全部見たくなって、そしたらそのやうにエイリアンの1から4までと、番外編「エイリアンVSプレデター」のDVDをセットにして買うとなんぢゃら、とか云ふあざとい企画などがあったりして、糞、金が幾らあっても足りん。

でもけふは手持ちがないので、野中健一「虫喰む人々の暮らし」といふのを買って帰る。

16日(金)------------------------------------------------------------------------------

曇天にて、ヨガとヲーキングはパスす。専門学校3コマと個人レッスン1コマ。合間に作曲。最近は、以前のやうな単旋律ではなく、コード展開が多くしかも変な進行をする曲を書く傾向にあり、小賢しくて自分がイヤなのだが、まぁさういふ時期なのだらう。自分が作曲に向いてゐる、と思った事はないが、旧友のカズイやマー坊のやうに作曲で飯を喰ってる人間からソングライティングを誉められる事もあって、まぁ嬉しい。

しかしワシは、ソロか、バンドで演奏する以外に、自分の作った曲を提示する方法を知らん。てゆーか出来ん。ので、例えばシンフォニィのやうな壮大な曲も作ってゐるが、それはおそらく今後も発表の場はなく、ワシが死ぬと一緒に死ぬのだ。そはちょいと勿体ない気がす。かといって今さらPCで打ち込みやらの技を覚えていく、てのもかったるいし、おそらく根気が続かん。

ぬ〜〜〜。20人ぐらいのちょっとしたオーケストラを従えたロックバンド形態で、自分が作った曲をジャンルやタイプの差なしに演奏し、唄う、といふライヴ(コンサートか)を、死ぬまでに一度は演ってみたい。てゆーか、それがワシの夢、なんかな?。

問題は、お客さんが入らんだらう事が、容易に想像できる事だな。


3週目

17日(土)--------------------------------------------------------------------

テーさんこと村岡達也(北九州在住)と、パーカスのNAOE(長門在住)の二人組「Swing river」来たる。「ZEKU」として広島で演ったのが2年前。久しぶりの広島ライヴやね。もちろんワシはサポートメンバー。他のサポートはギターの岩本さん。パーカスにツンちゃん。スペシァルヴォーカルでマック。早めに会場であるPICOに入り、軽くリハ。けふはワシ、久々に(割と)シムプルなバッキングに徹した。しかし、けふはなんかテーさんとナオエのリズムが上手く噛み合ってない気がす。いつもは鉄壁のコンビネーションを聴かせる二人なのだがねぇ・・・・。

今回、告知らしい告知はほとんどせんかったのだが、マックの常連からのくちコミで、本番時間にはなんと店に入り切れンぐらいの人が集まった。ふえーすげぇなテーさん。ライヴも、内容はさておき、盛り上がって良いかんぢ。北九州と広島、そんなに遠くもないんだから、ちょくちょく来て一緒に演らうよ、テーさん。

ワシはバックに徹した分ソロコーナーでアッピール。おおウケ。何故、自分の企画するライヴでこのやうにならんのだ?。

映画を撮ってる外国人のチームがゐて、この人らに『是非、次回作の音楽を担当してほしい』と(通訳付きで)云はれた。良いけどよ、キミら演奏中うるさいぞ。バラードの最中に酔っ払って騒ぐンぢゃねぇよ。

終演後はお客さん達と歓談してゐたが、別のお客さんらが『ナニカ演奏を』と云ふたので、ジェムベ7人で叩き狂う。さらに興が乗り、パーカッション6人とベース&笛での乱痴気騒ぎ。楽しい。呑んで騒いで3:00に帰宅。テーさんとナオエは明日の用事の為、泊まらずに帰って行く。ひえ〜〜!!。まぁ二人とも酒呑まない人間だから大丈夫だらうけど、気を付けて帰ってね。

18日(日)--------------------------------------------------------------------

朝、布団から出てしまってゐたのだらう。身体が冷えきって目が覚める。気が付けば冬らしくなってゐる。まぁ11月も後半だ。これがホンマの気候だね。けふは休みの壱日。づっとTVと読書。東京国際女子マラソンにて、野口みずきさんが優勝。対抗馬だった渋井は力尽きて脱落。ん〜〜〜スポーツは厳しい。野口さん、ちっちゃくて可愛い。

大阪の泉尚也さんから電話。来年行われる予定の「地下室の会関西編」へ出演せぇへん?といふお誘い。しかし、ワシがまだ本部の方から連絡を貰ってないので、ここで「出る」といふ事にしても良いものか、悩む。もしかしたら関東組が大勢やって来る事になってゐるかも知れんので。泉さんと連絡をとって、しばし様子を見る事にす。

19日(月)-----------------------------------------------------------------------------

来月に、東京から岩瀬立飛氏(ドラムス)を招いて演る『エキセントリック・リコズトリオ』の打ち合はせ。に行く。嗚呼、ヱビス講だ。夜店が出てゐて人がいっぱい。

ベーシストの大先輩であるセガワさんのお店に、リコ(ピアノ)と、そのダンナのコーノ(ギター)、竹内ふみのチャン(ヴァイオリン)、とワシ、が集まった。このリコズトリオ、いつもは朋友中野チカラさんが弾いてるユニットなのだが、なんかしらん今回ワシが演る事になった。リコ『普通に弾くな』と云ふ。ふぅん。演るのがオリジナル、てのは良い。まぁ楽しくできたら良いね。譜面と音源もらって、しばらく4人で呑んで語る。

ふみのチャンは『祈り部』といふバンドのヴィヲロン弾き。以前から面識はあったが、共演はこれが初めて。楽しみである。岩瀬氏に関しては、ほとんど何も知らんのだが、むか〜〜〜し東京にゐた「イル・ベルリオーネ」といふプログレバンドに、その名前を見た記憶がある。さういふ人と会って、一緒に演れるのは、これもまた嬉しい。

さういや、今沢カゲロウ君もこの辺のプログレ界隈で、昔から名前を知ってて、のちに会って共演した人、だな。うーむ、周りがどんどん出世して行くなぁ。

20日(火)-----------------------------------------------------------------------------

けふは仕事の後、No Whereといふバンドの広島ライヴを見に行く。このバンドのベーシスト三輪雅也氏は、テーさんやナオエの絡みで、一緒にステージに立った事もある。何度か東京でもお会いした事がある。アクースティック系のバンドでのプレイを見慣れてゐたが、けふのノーウェアはぶりぶりのロックバンドだ。これがカッコイイのよ!。枯れたバリトンの唄声。トリオのソリッドなサウンド。曲がまたすごく良いのだ。アー、かういふの見るとまたロックバンドやりたくなるねぇ。

かういふ、仕掛けも何もないストレートなロックサウンドを、「良い」と思ふ感性は失いたくないねぇ。自分が演るサウンドは、どれだけ小賢しくても良いから。

他のメンバーの皆さんも(これがまた好青年ばかり)、人づてにワシの噂を聞いてくれてゐたらしく、お話をさせて頂き、固く握手を交わし、ツアーの無事成功とまたの再会を祈った。良いライヴだった。

21日(水)-----------------------------------------------------------------------------

レッスンの行き帰りで使う旧国道(結構交通量あり)のど真ん中を、雑種猫が匍匐前進してゐるが見ゆ。はじめは、障害を持った猫か、と思いきや、だうも違うらしい。なんとコヤツは、道路の反対側にゐる鳩を狙って、しずしずと匍匐前進で道路を横切らうとしてゐるのだ!。周りは大渋滞。クラクションの音も全く耳に入っておらぬやうだ。無我の境地!。究極の集中力!。

やがて期が満ちたのかダッシュ。当然、鳩が捕まる訳はなく、猫は金網に激突して悔しがってゐる。久しぶりにあんな阿呆な猫を見たよホンマ。

22日(木)-----------------------------------------------------------------------------

昨日から、風呂場のシャワーの蛇口が壊れてゐる。ので、ヂョギング後のシャワーが浴びれぬ、と云ふ事で、ヂョギングはやめて散歩に出る。普通の格好で、廃河川跡の遊歩道を歩き、結局2時間近く歩いた。結構疲れた。

その後、晩飯&その他の買い物。中古ビデヲショップに、モニカ・ベルッチの「情事」といふ、いかにもジャケからしてエロさうな映画のDVDがあったが、悩んだ末買わない。

良い豆鯵が手に入ったので、圧力釜を使って、骨まで喰へる煮物を作る。成功。

23日(金)-----------------------------------------------------------------------------

祝日だが、インストラクター10年次研修、なるものを受けに行く。今さら研修か?といふ気がせぬでもないな。実際は15年やってるしよ。会場に着くとオタマちゃんにばったり。ヴァイオリン科のインストラクターとして参加してゐるらしひ。さうか。同じ仕事をしてゐる以上、かういふカラミがない訳ではないのだね。

研修そのものは、まぁワシのやうにレッスンより現場の仕事の方が多い人間には、それこそ、今さら?といふものだったが、セロのシミュレーション・レッスンを受けれたのはラッキー。今まで我流ではどうも解決出来なんだボウの謎が解明した。このセロの新人先生、ワシのライヴを見た事があるさうで・・・。世間は狭い。

その後、友人ミっちゃんの3度目のライヴを見に行く。今回はウッドベースに山田章さん、アコーディオンにイガラシ進、ギターに佐藤さん、といふ編成で、相変わらず渋い所の選曲。このくらいの編成の方がミっちゃんの唄にはマッチするやうで、それを思へば、ワシが手伝った前回は、メンバーが濃過ぎたな。しかし、これほどまでに濃ゆいミュージシャンに好かれる彼女の存在って、なんなのだらうか?。良いライヴだった。

けふは純粋に客だったが、打ち上げに誘ってもらったので、メンバーは皆知り合いだし、行く。10年ぐらい前に山田さんのウッドと、ワシの6弦のツインベースの上に、佐藤さんが唄を乗っける、と云ふ企画ライヴをやった事があり、その話が出る。けふの打ち上げに居た人達7〜8人は、誰もそれを見てない。10年経てば人間関係など、それくらい変わる、ってことか。

なのに、10年前と今が、やってる事があんまり変わってないワシってどうよ?。

ファンの方が、ワシの東京は日野市でのライヴ映像を、YOU TUBEにアップしてくれました。

どっちも音源になった事がない曲です。

らのえてぃあ


4週目

24日(土)--------------------------------------------------------------------

しーなとシュウのリハ。ベースセロを初めて持って行く。昨日、セロの模擬レッスンを受けた時は、『ア、もしかしてワシって素質ある?』とか思ったが、当然ながらそは甘い見解。かういふ局面でナニか気の利いた事など出来るハズもなく、キコキコと耳障りな擦過音を出すのが精一杯。気長にやりませう。

あと、リハで使ってみて分かった点。アタックがほとんど出ない。強くはぢいても、弦を叩いても「パチン!」といふかんぢにならない。ピエゾなのに!。ハーモニクスも出にくい。要するにパーカッシヴな音の要素が、まるで無いのだ。ん〜〜〜、こりゃ誤算ですな。発想を変えるしかないねぇ。やはりこれは『ベースの代用品』として使う事は難しさうだ。は〜〜〜〜。

一昨年の年末くらいに演ってゐたカヴァー曲を演ってみる。同じ事を演ってゐるのに、驚くぐらい演り易い。この編成に慣れた、といふこともあらうが、一番の違いはやっぱり楽曲に向かふ「姿勢」なのだらうね。まだあの頃は、カヴァーをカヴァーとしてしか演ってなかったのだ。んんむ、感慨深い。

25日(日)--------------------------------------------------------------------

年賀状に使う写真を撮る為に、夫婦で出かける。まづ、山方面に行って河原で。んで、その後海方面へ。色々工夫しながら色々撮る。日射しは暖かく、気持ちが良い。ツイデにその辺のリストランテかなんかで飯喰ふか茶呑むかでもすらぁオサレな夫婦なのだが、けふは手持ちがあまりにも少なく、安ワインだけ買って帰る。侘びしくとも酒だけぁ呑む夫婦。

なんかの拍子にフと冷酷仙境楽隊、といふバンドの存在を知る。上海のロックバンド、やて。中国琵琶とベースが主要メンバーで、あとセロもゐたりす。おまけに、なんかえれぇ可愛い女の子がメンバーにゐる。して、その音楽性はと云へば『中国民族音楽系プログレッシヴロック』とな。ああぁぁぁぁ!もう買わずにおれへんやろが!。

26日(月)-----------------------------------------------------------------------------

しーなとシュウのプロモーションVの撮影。デヂタルヴィデヲを回しながら、実際に演奏すを撮る、といふやや強引なもの。ワシはPieぞう、しーなさんはピアニカ。

しかし、ワシがアタリを付けてゐた場所は護岸工事の真っ最中。巨大なトラックやらが出入りしてゐて、とてもぢゃないが撮影に使えさうではない。しばらく車を流し、なんとかここならば、といふ処を見つけ、早速撮影開始。カラスの邪魔が入ったり、笑ってしまったりして、結局4テイクぐらい撮り直す。どーにか形になりさうなものは撮れたが、使ふかどーかはまだ思案中。

佐藤研二さんのベース・ソロ・ライヴのDVDが届く。お客さんから「ひとこと」を紙に書いてもらひ、その言葉をインスピレーションに即興でソロを弾く、といふライヴ。フレットレスとフレッテッドのギブソンEB、と、ちょっとだけえへくたー。ループもほとんどなし。

言葉を読み上げては、ひょいひょいとベースを持ち替えながら、ぶりぶりぶりぶり弾き倒す。もう弾きまくりに弾きまくり、の世界。最高にオモロい。はっきり云って「ひとこと」はあんまり関係ないやうな気も・・・(笑)。このテの音楽って、半分もせんうちに厭きてしまう事が多いんだが、これはイケる。ベース、とかベーシスト、とかそんなんもうどうでもよろしい、と云ひたくなるやうな。

佐藤研二、といふ「個」の圧倒的な「ちから」。これはヤラれました。すごい。ホンマにすごい。

2枚組なんだが、1枚目でお腹いっぱい(笑)。続きはまた今度見ませう。

27日(火)-----------------------------------------------------------------------------

専門学校と個人レッスンの合間に、Bobby'sの新曲リハ。マナブが居なくなったので、これまで3声でやってたコーラスも2声に変えんといかん。まぁコーラスは、正直ベースよりはるかに自信があるので、そんなに心配ではないが。

なんかミョーに眠い壱日だった。仕事に向かふ車の中でも何度か睡魔に襲われたし、夜も、飯を喰った途端に目を開けてゐるのが辛い程の眠気が。昨日は良く眠ってゐるし、けふも酒は呑んでないのだが。あまりの眠さに、23:00にはベッドに入った。まぁ眠れない事よりは、づっと良い。

28日(水)-----------------------------------------------------------------------------

Soe'sのライヴ。最近では珍しく、けふはライヴまで何もない。ゆっくり練習して、買い物もして、リラックスして、暗くなってから会場のカミンへ向かふ。緊張感も全くない。けふはリカさん(マリンバ)の居ない3人編成でのライヴ。新曲を入れてもレパートリィはまだ7曲しかない。ので、どーすっかな〜、とか思ひながらリハ。

結局、1曲目だけ決めて、あとは演りながら考へる事にす。サイトでの告知以外には宣伝らしい宣伝を打たなんだのだが、思ったより多くのお客さんが集まってくれた。割と皆さんSoe'sに期待しておられる。ありがたい事ですね。

演目:いなくなった犬/水の駅/アリサ〜パイグ曲/箱庭(以上前半)。マサミのソロ/らせん/パイグのソロ/マサミ曲/ワシのソロ/即興「も」/Qaz ma-tas。計12曲。

「も」は、ひとりのお客さんにインスピを出してもらって、それについて即興をする、といふ企画。一番前にゐた青年に主題を求めたところ、なんか単語を云ふてくれるもの、と思ったが、『も』といふ「文字」を出してくれ、これは誤算だったが、かえって意味のない言葉としてインスピレーションを刺激されたので、これはこれで良かった。

ワシとしては、けふは自分の技術の底の浅さを痛感させられるライヴとなった。例えばマサミのやうに、サックスを吹きはじめた途端に醸し出される存在感と、それに見合う確実なテクニック。例えばパイグのやうに、経験も技術も浅いながら、自分の持ってゐるものを「これ」と提示できるだけの覚悟。何度も思ふが、ワシが彼と同じ23歳の時、これが出来たか?。

ワシはまだまだ彼らの足下にも及ばぬ楽器弾きだ。日々感謝と精進である。

29日(木)-----------------------------------------------------------------------------

昨日のプレイの荒さを立証するかのやうに、けふは手首、全腕部、肩、と筋肉が突っ張ってゐる。おまけにラスケアード奏法に失敗して、右手人さし指の爪の付け根の肉が割れてゐる。痛たたた。駄目ですねぇ、かういふ事では・・・。

ラヂヲの出演が決まった。日曜日昼に収録して、オンエアはその日の深夜、ださう。音屋本舗、といふコミュニティFMの番組。ワシ本人はその日はBobby'sのライヴだし、どっちにせよウチではコミュニティFMは受信できんので、駄目。まぁ、誰か聞いてくれてたら・・・・。

北海道のファンの方からCDの注文を頂いた。ワシはまだ北海道に行った事はない。こないだ沖縄に行って、良かったの感動したのと云ってゐるが、それならばやはり北海道にも行って、その真髄に触れてみんといかん、と強く思ふ。北と南、片っぽだけしか知らん、と云ふのは良くない。それも、出来るなら思いッきり北に行ってみたい。うむ。

その、まだ見ぬ土地に、ワシの音楽を聞いてくれる人がゐる、といふ幸せ。感謝である。

30日(金)-----------------------------------------------------------------------------

移動の多い金曜日。かういふ日はバイクに限る。天気も良いし、いざGO !。まづは郵便局。CDを送る。そいから専門学校。昼を跨いで3コマ。その後移動して個人レッスンが2ツ。夜はエキセントリック・リコズトリオの初リハ。

夜に、しかもレンタルスタヂオで、しかもバンドでリハをするなんて、何年ぶりだらうか?。この時間帯のかういふ場所には、やはりなんか「ぞくぞくするもの」がある、と思ふ。良いもんだ。オールナイトパック、といふやつで夜通し練習してゐた20代の頃を思ひ出すねぇ。世間的に云えば、夢と希望に満ちた時代、てことになるんだらうが、実際は、思い込みと焦燥感だけ、の時代。今になってみれば、あの頃は何を根拠に、あれだけの夢を語れてゐたのか?といふ気がす。でも、それは、とても楽しくて刺激的な毎日だった。

さぁ、やらねば、ね。


翌月へ