12月


1週目

1日(土)--------------------------------------------------------------------

センセイであるワシも走らねばならぬ月がやって来た。なんかついこないだ年が明けたやうな気もするが・・・・。

週例しーなとシュウのリハ。新曲のアレンヂが上手くまとまらず、二人で喧々囂々やる。オモロい曲なのだが、自分で書いたフレーズが弾けんかったりす。う〜む、最近わりと真剣に思うんだが、なんか・・・ヘタになってないか?ワシって。

リハの後、女房とその友達が昼からやってゐる、8時間耐久カラオケ忘年会、といふのにしーなさんと参加す。憶えてる限りで、最後にカラオケに行ったのはアクターズスクールのセンセイをやり始めた年(2000年)の忘年会。その時ですら、ほぼ10年ぶりくらいだった。まぁたまには仕事や求道云々抜きで、派手に声を張り上げるも良い。演歌やアニメソング中心に歌いまくった。

その後、女房としーなさん、とワシの3人で、仕上げに居酒屋に行って呑んだやうだが、全然憶えてない。

2日(日)--------------------------------------------------------------------

女房の話によればワシは、ビール×1、ジャックダニエルのロック×2、ジントニック×2、赤ワイン×1、またビール×1、と大チャンポンして呑んだらしく。昼まで起きれなんだ。まぁ自業自得ですな。

ツラいがけふはラヂヲの収録があるので、P-ステーションまで行く。日曜深夜に放送の、土橋商店街音屋本舗、と云ふ番組のゲスト。ワシの曲をかけながら、雑談のやうな、てゆーかホンマに雑談だったな(笑)。パーソナリティがリコズトリオのリコなので、おもに今度の火曜日のライヴの宣伝をする。後で考えてみたら、自分の事をほとんど喋らんかったやうな気もす。まぁ、どっちみちワシ自身は聴けんのだしね(コミュニティFMなので・・・)。

夕方からは、恒例となった「わきた:うどん屋ライヴ」。今年最後のBobby'sだ。このライヴも常連のお客さんが増えたねぇ。振る舞いうどんの数が足りなくなる、といふ事もしばしば。けふも大入り満員。出演者の居場所がなくなったので、厨房に入って給仕などもする。ライヴを始めるにあたっては、お客さんに手伝ってもらって、テーブルを外に出さねばならんくなる。まぁさういふ「手作り」的な処が、このライヴの良さ、か。

まぁけふも良く盛り上がって、あったかいライヴとなった。ソロコーナーでは「千年刻みの日時計」を演った。ここで演るのは初めて。CD3枚売れた。このバンドは、決して得意なジャンルでもないし、正直、やらなイカン事も多くて疲れる事もあるのだが、やっぱりこのバンド、続けておきたいな、といふ気はしてゐる。

3日(月)-----------------------------------------------------------------------------

本番前最後のエキセントリック・リコズトリオのリハ。さすがにピリピリしてゐるリコ。『シュウさん、こんなかんぢで弾いて』と云ふリコに、『それぢゃオモロない』と一刀両断して、場の空気を凍り付かせるワシ(笑)。他にも、ルート(ベース音)を指定してあるコードを無視して、『違う』と云はれて、『分かっとるがワシはこう弾く』とやり返したり。ワシが出世できなんだ理由はこれか?。

鍵盤系の人はベース音を指定した譜面を書いてくる事が多い。気持ちは分かるし、作曲者には敬意を払うが、ワシとて作曲する人間で、さらにベーシストな訳だから、それぐらいベーシストの好きに弾かせや、と思ふ。それが構成上必要な音ならば、書かれてなくとも弾く。てゆーか、指示通り弾いてほしいなら、ワシよりもっと上手いベーシストが沢山いらっしゃる。

ワシが出世できん理由はこれか?。

4日(火)-----------------------------------------------------------------------------

その、本番。ライヴ前に地下足袋を入手せんと思ひ、あちこち店に行くが、意外と何処にも売ってない。へぇ。

会場入りしてサウンドチェックをしてゐると、東京からドラマーの岩瀬立飛氏到着。初対面のリズムセクションが、初対面の日に本番をやる、といふまぁある種無謀な計画ライヴだ。ベーシストの腕が問われるぞ。な、訳で全16曲ぶっ通しのリハをやり、これだけでだいぶ疲れた。普通、リハは力を抜いてやるもんだが、岩瀬氏、聞きしに勝る凄腕。こんなドラマー相手に力なんぞ抜いてゐては「喰われる」。リハが終わった時点で右手が腫れてゐる程、弾きまくってしまった。

本番までの間にヨガをやり、時間をかけてスジを伸ばし、身体を緩める。

そのお陰もあってか、本番はリラックスした中にもテンションが保たれ、かなり良い演奏に集中出来た。ベースのソロも、ヴォイスの即興も、勿論アンサンブルも、近年で一番ちゃんとしたことが出来たンぢゃないか?。岩瀬氏との二人だけによる即興なども、他のメンバーが「終わらんのぢゃないか?」と心配になる程の出来となった。あれ程の凄腕と渡り合えた自分を誉めてあげやう。

リコもお疲れ様でした。個人のネットワークで第一線の音楽家を地元に呼ぶなんざ、誰にでも出来る事ではない。

打ち上げはお好み焼き。けふのメンバーはみな若く、ワシが最年長。ヴィヲロン弾きの竹内ふみのチャンや、サックスの小嶋りょうじ君などは、ワシとなんと干支がひと回り違う!。このへび年生まれの3人で喰った喰った。

5日(水)-----------------------------------------------------------------------------

またまたラヂヲ出演。けふはお昼の生放送「広島ヴォイス」といふコーナーで、15分。こないだの音屋本舗の収録時にディレクターが気に入ってくれて、オファーが来た。水田薫さん、といふパーソナリティが、結構しっかり下調べをしてくれてゐて、たいへん上手な話運びをしてくれる。質問に応えて行くだけで、こちらが語りたい事を自然に引き出してくれる、といふ、まさにラヂヲパーソナリティの鑑、のやうな人だった。素晴らしい。

1曲紹介してくれる、との事で「年をとった鰐」をかけてもらった。合わせて年末のライヴを宣伝。まぁ半分は冗談なんだらうが『番組のジングルを作ってもらえぬか?』といふ話も出る。いや、やらしてもらへるんならやりますぇ。ベースだけで作るジングル、てのはいかが?(笑)。

だいぶ昔に、ベースだけでTVCMの音楽を作った事もある。2年ぐらい張り替えてない弦で、スラップの曲を即興で録ったなぁ(笑)。

てゆーか、けふの放送、誰か聴いた?。

6日(木)-----------------------------------------------------------------------------

映画「タイタニック」で、船が沈むまで演奏を続けた楽士達が描かれてゐる。これはこの映画だけでなく、割と良く知られてゐるエピソードだ。あの映画、ワシは皆が云ふ程には感動出来なんだのだが、楽団のリーダーが、最後にメンバーに向かって『一緒に演奏できた事を光栄に思ふ』といふシーンは泣ける。

フィクションも交えて「旅の終わりの音楽」といふタイトルで小説にもなってゐる。ちょいと読む気になって調べてみたら、なんと¥15とかいふ中古が出てゐて、はぁ?と思ってしまった。

夜、一緒に来年のイベントに出る事になったぱかぱか号の二人---MIやんとまちゃあき、とミーティング。オルカ・リユニオンの代わりに『ぱかぱかシュウ号』といふ名前で、2月に久々のBARAKAを迎え打つ。今のぱかぱか号の4人+ワシ、で、ん〜〜〜〜、どんなんなるんだらう?。3人で色々話しながら飯を喰ったりした。

7日(金)-----------------------------------------------------------------------------

今年は近年稀に「冬バイク」に乗ってゐる。寒いもの、と割り切っておれば、それほど寒くもない。まぁ考えてみれば、初めて車を持った29歳までは、どんな天候でもどんな場所にでもバイクで行ってたのだ。しかも当時はエアテックもゴアテックも無く、普通のジャンパーを重ね着してね。煙草も吸えぬぐらい手がかぢかんだりしてね。

しかしガソリンが高いのには参る。ついこの前までバイクレギュラー満タンが¥1000でおつりが帰ってゐたのに、今ぢゃ¥1000で2/3くらいにしかならぬ。ワシはこの現象、原油が少なくなって来てゐるからだと思ってゐたが、なんとこれ、一部カネの遊び人どもの先物取り引きとかで、価格高騰が続いてゐるらしいね。なんと下らぬ人生か!?。ホンマにつまらぬ世の中になったものだ。

沖縄のコウサカワタル君から電話。着実に来年1月のライヴの進行が決まって行く。アクティヴな人はとにかく話が早い。かうでなきゃ、ね。人生は。


2週目

8日(土)--------------------------------------------------------------------

週例しーなとシュウのリハ。考えてみりゃこの来週明けからクリスマス進行だ。しーなさんも他の営業やらで忙しくなり、ちゃんとしたリハが出来るのはけふが最後かも。まぁ最近割とてーげーな事にも慣れた感がある。無理なく、今の自分らを、演る。それで良いものが出来なければ。

こないだ共演したヴィヲロン弾きの竹内ふみのちゃんがやってる、「祈り部」といふバンドのレコ発ライヴを見に行く。会場は元SOHO、でいまはラッシュライフ、といふサックス奏者清水さんがやってるお店。開場して5分ぐらいで店に入ったのだが、すでにぎちぎちに満員。久々のライヴで、しかもレコ発、てのもあるだらうけど、人気バンドは違うなぁ。なんとか座って、メンバーと軽く挨拶したり。

「祈り部」は、フュージョン+和×(エスニック+クラシック)÷3、といふかんぢの音楽。主要メンバーがエスニック衣装に身を包んだ女性陣、といふ、とても『絵になる』バンド。フルサイズのライヴを聴いたのは初めてだが、フロントがヴィヲロン、てのがやはり面白い。各種の民族音楽が混ざったやうな楽曲もよく出来てゐる。しかし、リズムが甘いのが惜しい。まだこなれてないのかな?。オリジナリティもあるし、これでもう少しグルーヴするやうになったら、素晴らしいバンドになるだらう。ん〜〜〜、うらやましいなぁ。

会場にはMIやんとまちゃあき、ミっちゃんが来てゐて、4人で居酒屋で飯喰って、ワシは歩いて帰った。

9日(日)--------------------------------------------------------------------

来年のシステム手帳を買いに行く。嗚呼、もう年末だ。ついこないだ、かうやって2007年のシステム手帳を買った気がす。そして、多分来年もさう思ふのだらうな。

昨日の祈り部のライヴを見て強く思ったのは、彼等のやうに若くてノってゐる時に、どんどん外に出て行かねばイカンのだな、と云ふ事。こんな事を考えても仕方がないのだが、今のワシのフットワークが、10年前にあったら・・・!と強く思ふ。ひとつのバンドやスタイルに縛られぬ柔軟性は持ってゐたつもりだったが、なんでそれをもっと『外』に向けなかったのか・・・?。

まぁ実力がなかったのも事実だけどね。

よぅし、北だ!。来年は北に行くぞ!。北海道だ!。東北だ!。この身体が動くうちに、もっともっと遠くへ!。イベンター、オーガナイザー、大募集!!。企画さえして頂ければ、何処にでも行きまっせ!!。ギャラも要らん!。でも、マクラとアゴだけはお願いしたいですネ(笑)。

10日(月)-----------------------------------------------------------------------------

まとめ買い、をしたつもりはないのだが、ネットで注文してゐた品々がまとめて届く。いやぁ来るわ来るわ、世界各地から。まづはCD。アメリカからナナ・ヴァスコンセロスのソロ、中国から冷酷仙境楽隊のライヴ。書籍「旅の終わりの音楽」上巻が名古屋、下巻が山梨から。そしてアマゾンから(笑)DVD。これだけありゃ、年末年始の退屈もしのげるだらう。来週にはフランスからマグカップが届くはず。いや〜個人輸入って身近になったもんだ。

早速聴いてみたナナ・ヴァスコンセロス。なんとビリンバゥのソロ!!。

10分近く延々と続く『ビヨンビョンビョン・・・』時折ヴォイス。スピリチュアル極まれり!。しかし、これが不思議と退屈せんのんよねぇ。後半オーケストラが入って来て、それに結構ガクっと来るかんぢ。延々ヴォイスとビリンバゥだけで聴かせてくれても(ワシは)良かったのだが。

11日(火)-----------------------------------------------------------------------------

レッスン中、東京のゲンタさんから電話。その時は出れなかったのだが、「もしや・・・」といふ思ひが働く。連絡を取ってみると、思った通り、キキオン+リズマ・クノムバスでのメキシコ・ツアーが正式に決定した、といふ話し。もう時期的に遅いので、てっきり落選したものと思ってゐた。良かった良かった。

これにて、キキオン+リズマ・クノムバス、バハ・プログレフェスティバル2008への正式出演が決定した。これでワシには初めての『海外における演奏』と云ふものが実現する事になる。既にワシの「えせニック・パフォーマンス」はDVDで海外流出してゐるが、実際に海外でナマであれを演るのかぁ・・・。へ〜〜〜〜〜〜。

にわかに慌てはじめるワシ。ぢつはもうだいぶ前にパスポートの期限が切れてゐるのだ。まづは急ぎこれを更新手続きせねば。また楽器輸送の問題とか、それに伴う国内ツアーのブッキングとか。それでなくとも来年アタマは他所から来る人を迎えるイベントも多い。ひゃ〜〜〜〜!!こいつぁ春から慌ただしいで!!。人生、望むところよ。

12日(水)-----------------------------------------------------------------------------

パスポート申請の為に、本籍地である廿日市市の役所に行って抄本の取得。親切なおばさんが「申請用紙もここで用意出来ますけど」と云うてくれたので、明日旅券センターに取りに行こうと思ってゐた手間が省ける。おまけに『濡れてはイカンから』とビニィルの袋までくれた。ほぉ、役場の職員でもこんな気の利く人もゐるんだね。総じて廿日市市の職員はイイ人が多いやうだ。きょろきょろしてるだけで『何か御用ですか?』と訊ねてくれる。まぁ仕事としてそれは当たり前なんだが。ね。

書類が揃ったので、もうけふのうちに必要なものは揃えておかう、と写真も撮りに行く。最近はインスタント写真でも、パスポート対応が出来るのだね。なんか、明らかに何かヤバいものを仕入れにメキシコへ行くヒト、のやうな写真が出来た。大丈夫かな?これ。

明後日、長距離を走らねばならん車に、久しぶりにガソリンを満タン(に近く)にする。此所の店員も、何かとても感じが良い。

けふは朝から何人もの宅配便のヒトが訊ねて来たが、どれも感じの良い人達だった。けふはなんかさういふ日のやうだ。うむ、かういふ日には、自分も自然とヂェントルになれる。ヒトは持ちつ持たれつ関わり合ってゐる。日々、感謝であるな。

13日(木)-----------------------------------------------------------------------------

上海のロックバンド「冷酷仙境楽隊」のライヴを聴く。シンフォニック・プログレに中国の民族音楽が混じってるかんぢ。女性メンバーが二人ゐて、これが両方ともかなりの美形。テクも仲々。このテのバンドの中では、かなり上手い方だな。演奏に比べると唄がちっと聴き劣りするのが残念だが、歌声(♀)に独特の色香があってよろしい。

パスポートの申請に行く。昨日の廿日市市の感じの良さに比ぶれば、こちら広島市旅券センターは絵に書いたやうな役所的応対で、心をささくれさせてくれよる。おまけに持ってった写真が、サイズが合わん、とかで撮り直しを要求されて余計な出費。そして『今ヒゲを生やしとるので、もし剃った場合なんか云われるケースがあるかも知れんから気をつけろ』のやうな事を云はれる。おーきなお世話だ。スキンヘッドで長髪写真のパスポート使ってインド行って来たんぢゃい、こちとら。

夜、折田さんからのメールで、正月に安芸楽団で行くはずだった松山へのツアーが、キャンセルったとの知らせ。ショーック!!。

14日(金)-----------------------------------------------------------------------------

呉市にて、広島御当地歌手、南一誠さんのバックを務める。年に一度あるかないかの『フレット付きベースを弾く』仕事だ。ほぼ初見の譜面と睨めっこ。適度な緊張感で集中力を高める良い機会なのである。それにしても、南さんの唄の見事なことよ!。バックで演奏してても、思わず聞き入ってしまいさうになる程。歌唱力、とはかういふ事を云ふんだらうねぇ。すごい歌手である、ホンマに。

40分で8曲、といふサイズが2回、といふライヴだったが、1回めのステージが13:30で、2回めが18:30、といふ、典型的な「待機型」。これって結構、待ってる間に気持ちがダレて来たりするのよ。たぁ云へワシも、この業界で17年。かういふ事にもだいぶ慣れたもんで、けふも良い集中力でやり終え、ギャラもらって流れ解散。フと気付いたが、初めてギャラ(チャーヂバックではなくて)をもらったのも南さんのバック演奏だった。

自分の車で行ってたので、海沿いの路をのんびり走って家路につく。良い仕事の後は、無事、家に帰る。これが人生の基本だ。けふも生きて家に帰った。


3週目

15日(土)--------------------------------------------------------------------

リハもライヴもイベントもない土曜日は久しぶりかもしんない。カミさんと買い物に行って食料品など買い込む。そのカミさんへのちょっと早いクリスマスプレゼンツに、なんぢゃら、といふブランドの、シマシマのマグカップを贈った。彼女はシマシマのカラーが好きなのだ。カタログを見て欲しさうにしてゐたので、こっそり取り寄せてみました。たまには女性が喜ぶ事もします。

オバマ・ガールといふのが居るらしひ。ムチムチのホットパンツや、ピチピチのヘソ出しちびTシャーツなど、極端に露出したブロンドのセクシー女性が、『オバ〜マ、オバ〜マ』と唄いながらNYの街をネリ歩くビデヲクリップ。選挙戦とは直接は関係ないやうだが、これがYou tubeなどでえれぇ流行ってる、とか。なんだかねぇ・・・。いずっこの国もつまらんものが流行る時代なんだねぇ。

ワシは最近、マツダ・デミヲのCMで『最近ハマってるのは夜お茶ですね♪』といふショートヘアの女の子が、たいへん気に入ってゐる。別にどーでもいいですか?。あぁさうですか。

16日(日)--------------------------------------------------------------------

しーなとシュウ、で、五日市の「来るま座」といふリストランテで企画されたクリスマスライヴに出演。コース料理とライヴ、といふまぁディナーショウのやうなものだな。お客さんは、料理目当てのヒトと、音楽目当てのヒトが半々ぐらいだったのかな?。場の雰囲気が掴みにくくて、正直、お世辞にも演り易くはなかったが、まぁそこそこのものが演れたのではないか?。

昔は、あそこまで観客がバラけてゐたら、唄う気なぞ無くしてゐたもんだったが、最近は、かういふ時こそ面白がって色々と演るやうになった。けふもお客さん関係なしの即興大会(笑)。ひとり、終始ものすごい楽しさうに聴いてくれてゐたおぢさんがゐて、後で『素晴らしいね』と云ふてくれた。これだけでも、けふはオッケー。

対バンのヴァニラ・ソウルのベーシストは、昔の生徒だった。

終演後、従業員の皆さんと出演者の全員で鍋。ハラ減ってたので、物凄いスピードでがっついたが、喰い終わる頃には0:00を回ってしまってゐた。入れ替え制の2ステージづつ、と結構ハードなライヴで、終わってみると思った以上に疲れたなぁ。

17日(月)-----------------------------------------------------------------------------

専門学校、生徒来ず。映画が見たくなったので、昼からシネコンに行く。ウィル・スミス主演の「アイム・レヂェンド」がちょうど良い時間だったンで、見る。オモロい。致命的な疫病が流行し、人類が死に絶え(た訳ではないんだが)て3年後。人っ子一人居ないニューヨークの街に、ウィル・スミスがひとりだけ。といふ。これ、どうやって撮影したんだろ?。オモロかったけど、やたらとビックリするシーンが多くて、こら心臓が弱いヒトには良ぅないで。

家に帰ってからは、DVDで「ゆれる」といふのを見る。主演のオダギリジョーが、仲々最低の男を演じてゐてGOOD。運が恵まれない者が、運に恵まれた者に対して抱く嫉妬と憎悪。作品中では兄弟間の葛藤が描かれてゐるが、これを例えば友人間に置き換えたら、ちょっとひとごとには思えない。

ワシはづっと昔だが、無二の親友だと思ってゐた男に、『いつかお前を殺す』と云はれた事がある。でもワシは、そいつに殺意を抱かせるやうな何を自分がしたのか、いまだに分からんのだ。

最初のほうで死んでしまう主人公の幼馴染みの女性を、真木よう子が演じてゐて、美形の巨乳、といふ仲々侮れない処を魅せてゐる。

18日(火)-----------------------------------------------------------------------------

こないだ全日本女子駅伝を見た。『笑顔の爆走娘』と異名を取るワコールの福士加代子が、昨年に引き続き16人ゴボウ抜きだかなんだかの記録で、区間賞を獲得した。物凄いペェスでばんばん抜いて行く姿は痛快だしすごいな、と思ふが、それは云ひ代えれば『ゴボウ抜きせにゃならんほど遅れて襷を受け取ってゐる』ってぇ事で、こと駅伝に関して云へば、『仲間に恵まれてない』て事なんぢゃないか?と思ふ。今回も、なんと中継点に襷を受け取るべき仲間が待っていなかった、といふちょっと考えられん事態があった。

この福士さん、発言などがガサツで有名だが、ぢつはたいへん仲間思いの優しいヒトらしひ。それは確かに素晴らしい事だが、ワシはやはりかういふヒトは、ふがいない仲間と一緒にやるよりは、ソロとしてやって行くべきなんぢゃないか?とか思ってしまふ。我が地元球団、広島東洋カープなどもさうだが、なんでシーズン記録を作るやつが何人もゐるチームが最下位なんぢゃ?、と。

実力のあるやつは、実力に応じた評価と待遇を得るべきだ。と思ふ。

19日(水)-----------------------------------------------------------------------------

友人の父君が急逝された、と云ふ事で、葬儀に出席した。父君と面識があった訳ではないので、出席すべきかどうか迷ったのだが、友人に会う為、に出席した。他の参列者は故人の所縁の方々ばかりだった。自分が、見当違いの事をしたのではない、ことを祈るほかはない。

その後しーなとシュウの(多分)今年最後のリハ。明々後日のクリスマスライヴに向けて、最後のレパートリィチェック。ウチらのリハは、曲の完成度を高める、といふかんぢではなく、ライヴのやうに1曲1曲を流して行くリハだ。仲々オモロい即興とかも出ることがあって、これがライヴで出来るやうになりゃ、ワシらもいっぱしのライヴバンド、だねぇ。精進精進。

リハ後、来年初頭にやるライヴの会場の下見に行く。ギャルリ青鞜(せいとう)といふ画廊&カフェ。ワシはかなり前----ソロを演りはじめた頃から、いつか画廊とかギャラリィのやうな場所でライヴが演ってみたい、と思ってゐた。やっと来年、それが実現するやうだ。楽しみだねぇ。なんかナマ音でやっても良ささうな場所だな。まぁそれも視野に入れつつ・・・。

葬式、リハ、下見、レッスン、と続いたせいか、それとも何か他に原因があるのか、身体が異常にダルい。こないだの営業の時もさうだったが、最近は『疲れてゐる』感じを、簡単にヒトに悟られてしまふやうになってしまった。いかんねぇ。

20日(木)-----------------------------------------------------------------------------

しーなとシュウのクリスマス・イヴイヴイヴ、でお客さんにお出しするタンドリィチキンを仕込む。マサラ、コリアンダー、パプリカ、唐辛子、ヨーグルト、etc、各種香辛料を調合したソースに、下ごしらえした鶏モモ肉2キロを漬け込む。混ぜ合わせてゐるだけで、素晴らしくスパイシーなにほひが立ちこめ、これは仕上がりを期待させる。明日の夜まで漬け込んで、明日、ライヴ後にオヴンで焼き、一晩寝かせて味を定着させる予定。

お客さん、どれくらい来るんだらうか?。

21日(金)-----------------------------------------------------------------------------

専門学校07年最後の授業。まぁ特に特筆すべき事もなく。

今年最後のソロ・ライヴ。シェルター69のクリスマスイベントに出演す。昨日の夜初めて、対バンがトダミチのバンドだと知った。

しゃかりきに「ソロ」にこだわった06年に比ぶれば、今年07年は「特に」と依頼されぬ限り、ソロでの演奏より他者とのコラボに重きを置いてやってきた。結果として、地元広島ではほとんどソロをやらぬ1年となった。正直、ソロの在り方に行き詰まりを感じてゐて、そろそろソロ(!)の新しい方向性を考え直す時期に来てゐると思ふ。

これまでソロの課題としては、「ポップさ」を追求する事に取り組んで来た。ベース小僧ではなく、歌謡曲ファンに聴いてもらへるベースのソロ。だが現在、さういった「ポップさの追求」はしーなとシュウで充分出来てゐる。同じ事をソロで追求する必要は、もはや無くなった。今後、ソロはもう少しコアな部分へのアプローチを追求して行く場になるだらう。

ので、けふはその布石となるやうな事を演らう、と思ってゐて、久々にカリンバを用意したり、ヴォイスにえへくたーを繋いだりして、アレコレ準備した。しかし、冒頭、即興を演りはじめた途端、なんかいつもの流れを呼び込み、結局フツーのソロのライヴとなってしまった。あれれ。う〜〜〜む・・・。

トダミチのバンド「月と象」を見るのは2回め。メンバーが変わってライヴの回数をこなしたのか、前回見た時より格段に良くなってゐる。さういや、ちゃんと対バンしたのって、初めてなんぢゃないか?。同い年のベーシスト島原君と、初めてしっかり語り合えた、といふかんぢ。これだけでも嬉しかった。

素晴らしく美味いタンドリィ・チキンが出来上がった。これは喰ひに来んと損かもよ。


4週目

22日(土)--------------------------------------------------------------------

しーシュ・クリスマスライヴの日。昨日から仕込んでおいたタンドリィ・チキンは、ワシがライヴをやってる間に、女房が焼きを入れてくれて完成。その2キロのチキンをクリスマス用の箱に入れて、会場のPICOへ向かう。しーシュで、ちゃんとした形でPICOでのライヴは初めて。こんなに馴染みなのにね。

さてけふは演奏よりも、料理を出す、といふライヴなので、そっちに気が行ってしまふ。自分で作った料理を客に振る舞う、といふのは、結構前から夢だったのだ。ある意味「ディナーショウ」やね。しーなさんは大量のサンドイッチ。やしがに兄弟の久保さんがヘルプを買って出てくれ、スペアリヴを。それぞれがなんとか20〜30人前くらいは完成。ようし、ア、リハしなきゃ。

客足が遅く、「こら料理があまるかな?」と思ひながらライヴがスタートしたが、時間が進むにつれてお客さんが増え、結局は満員となった。料理も「完売」。ワシらが『打ち上げ用に』とキープしておいた物までお出しする、と云ふ、まぁ嬉しい悲鳴、であった。

演奏の出来は、まぁ相当に『粗い&ユルい』ものだった。なにせけふは演目も決めずにライヴを進めたのだ。ステージの上でけらけら喋りながら曲を決め、間違えたら仕切り直す、みたいな。これまでの二人からは考えられんやうな、えぇかげん=良い加減、なライヴ。突然ツンちゃんにコンガで入ってもらひ、その場でキューを出しながら演ったりもした。ワシもしーなさんもよぅけミスった(笑)。あぁいふユルさがえぇ訳では絶対ないが、あれはあれで良いライヴだったのだらう。

新曲「ごっとりさん」「羽根の記憶」「風早」も披露。しーシュ、ひとまづ良い形での今年のシメ、であった。1年ワシに引っ張り回されてお疲れでしたね、しーなさん。

23日(日)--------------------------------------------------------------------

半端な売れっ子はライヴが続く。けふはこの秋に立ち上がった「セレスタ」といふユニットのクリスマス・ライヴ。アコーディオン、アイリッシュ・ハープ、唄、にワシ、といふ。なんや忙しくて、ほとんど譜面のチェックが出来んかった。で、いざリハやってみると、これがえっれぇスカスカな事が判明。これは如何に云ふても音楽としてツラからう、と、急遽ベースでコードを出して行く事になる。初見でこれは結構辛いぞ!。

んなもんで、営業っぽい演奏の割に、えれぇ神経使って、疲れた。は〜〜〜〜。

夕方からは高校時代の友人S&Jと忘年会。長く統合失調症を患ってゐるJの、病状があんまり良い方に進展してないのを見て、Sと色々と相談。女房の鬱病が酷かった時期もさうだったが、伴侶として、友人として、してやれる事があまりない、と云ふのは、自分が何かを患ってゐるより辛い。

その後、ぱかぱかシュウ号のリハ。来年一緒にイベントに出る、のリハだ。4人になったぱかぱか号、にワシ。ベーシストはもうひとりナベちゃんがゐるので、どーしやうか迷ってゐる。ツインベースで演っても良いが、潔くワシは唄とその他のなにかに専念す、といふのもすこし考えてはゐる。う〜〜〜む。

けふは長い壱日だった。んでも、けふでひとまづ、ワシの今年の演奏仕事は全て終了。色々演りましたな、今年も。

24日(月)-----------------------------------------------------------------------------

クリスマス・イヴである。此所数日で届いてゐる色んなCDを聴く。スイスのバザール・ブラ。ニッケルハーパ、といふ古楽器と、ベース、パーカスのトリオ。ベースがワシのたいへん好きなかんぢ(ギターとベースとキーボードを兼ねてゐるやうな)で良い。このビヨルン・メイヤーといふベーシスト、ワシと同い年でスウェーデンの出身。スウェーデンのベーシスト、とくればジョナス・エルボーグである。なるほど、近いところにゐるかんぢはす。

もう壱枚は、同じメイヤー氏が参加してゐる、こっちもバザールと云ふバンド(笑)。ワシはもともとブルーノ・アムスタッド、といふヴォイスパフォーマーの音源を捜してゐて、このユニットの存在を知った。んで、更に調べてみたら同じベーシストが参加してゐるバンドだった、と云ふ偶然。こちらはウルワーズを使う男女のヴォイスが、奇妙なエスニックサウンドの上で暴れる、と云ふ、これまたかなり、良い。しかし、えれぇ音が歪んでるのは、なんでや?。

バンド名が似てるンで、どっちかが発展したバンドかと思ってゐたが、たまたまバンド名が似てゐたふたつが意気投合して、メンバー組み変えをしたものらしひ。バザール・プロジェクトと云ふ名で、色んなメンバーの、色んな組み合わせで、色んな形態のライヴなどをやってゐるやうだ。良いなぁ、さういふの。

仕事から帰って来た女房を、ピザとチキンとスパークリングワイン(安物)で迎え、Take6のCDを流しながら、ささやかな家族のクリスマス、をす。

少しだけの勇気で 赦し合う事を  メリークリスマス。

25日(火)-----------------------------------------------------------------------------

大掃除を少しづつ始める。掃除って、意外に手や指に良くないんだぁな。洗剤で手が荒れたり、がしがし擦ってて変に筋を痛めたり、けふもいつの間にか左手中指の関節んところが切れて血が出てゐた。時折、料理好きのワシに『ミュージシャンが包丁なんぞ持って大丈夫か?』と云ふヒトもゐるが、ワシが思ふには掃除のほうが危ない気がす。

夜、前の日誌にちょこっと書いた、一時期世話をしてゐた唄うたいの女の子と晩飯デートす。5年前、典型的な新世代遊び系ギャルだった彼女も24歳。なんとバイクの整備士として働いてゐる、といふ。作業着のツナギなんぞ着て現れ、手や指なぞゴツゴツに荒れ放題だが、その姿は当時よりはるかに美しい、と思った。仕事はまァ色々とたいへんさうだし、あんまり息抜きもない、みたいな事を云ってゐたが、元気に暮らしてゐるやうで安心した。

ある日突然ワシの前から居なくなってしまった事を、づっと気に病んでゐたらしひ。ワシとしては、彼女の抜群の歌唱力と、エキゾチックな歌声を、バンドとして生かしてやる事も出来ず、あまり力にはなってやれなかった事が悔やまれてゐる。ヒトからは『お前はあの娘を甘やかしてゐる』と云はれてたりしたが、結局ワシは「唄う場」すら彼女に与えてやる事も出来なかったのだ。おあいこだよ。

26日(水)-----------------------------------------------------------------------------

出来上がった(?)パスポートを引き取りに行く。高っけぇなぁ・・・。撮り直せ、と云はれて撮り直した写真は、ちょっとロンパってゐて、前の写真より更に犯罪者みたいで、明らかに何かヤバい物をメキシコに仕入れに行って帰りがけにちょっと人でも撃って来るヒト、みたいなのに出来上がった。大丈夫かな?これ。

その帰り、銀行に行って今年最後の年貢を納めたり、買い物したり。

夜はBobby'sの忘年会。楽器を持って来い、といふ話だったので、久々にアクースティック・ベースを持ってバスで行く。メンバー+ファンの方数名で、すき焼きを喰ひ、酒を呑んでセッションす、と云ふなかなか楽しい宴。ファンサービスとして、長渕剛のものすごい古いクリスマス・ソングを唄った。20年以上前の曲だし、おそらく人前で唄うのは初めてだし、何よりついさっきまでそんな唄の存在すら忘れてゐたが、こ・れ・が・歌詞を全部憶えてゐた、といふ。

結構酔っ払ったが、ジャックダニエルズなぞあって、久々に「良い酒」を呑んだ。帰り、どーすっべ、とか思ひながらふらふら歩いてゐると、深夜バスがたまたまやって来たので、乗る。タクシーの半分の料金で帰れる。素晴らしい。バス停からウチまで、わざと遠回りして夜の散歩も楽しむ。猫は居らんかいな、とか思ひながら。ん〜〜〜〜、いいねぇ。今年もあと少しだ。

27日(木)-----------------------------------------------------------------------------

女房の友達に、メキシコを一人旅して来た、といふ女性がゐる。「人が云ふほどヤバいかんぢはなかった」さうだ。アドヴァイスとして、英語がほとんど通じない事と、スペイン語の数字が分かると分からんでだいぶ旅のスムースさが違う、ことなど聞く。なるほど。ウノ、ドス、トレス、クァトロ、チンコ・・・・。

だが、先方から送られて来るスケヂュールを見ると、フェスティバルのあいだは、とにかくライヴとプレゼンばかりで、ほとんどホテルと会場にカン詰め。遊ぶ時間はおろか、土産を買う時間もあるかどーか、だってさ。まぁそれでも、ね。

「まだ演ってたの?このヒトら」と云ふやうな老舗の大御所バンドなどが出るらしく、ほぇ〜〜、といふかんぢ。その中で、個人の名前でAlonso Arreola、といふベーシストがゐる。バンコ・デル・ムッソやレ・オルメ、といった大御所と並んでトップに挙げられてゐる。現地ではそれなりの人なのだらうね。これ、ちょっと楽しみ。

夕方からF楽器店忘年会。参加者少なし。結構酔っ払って、パイグに『ベースと音楽』について暑苦しく語ったり、「くそ加速」のキーボード嬢めぐみくるに『仙人と俗人』について暑苦しく語ったり、Gressiveのシバちゃんと『エレクトリックとアクースティック』について暑苦しく語ったり、した。仕上げにラーメン喰って、教室の床に寝袋で寝る。

28日(金)-----------------------------------------------------------------------------

目が覚めて一瞬自分が何処に居るのか分からんかったが、スタヂヲだった。外は夜のうちに雨が降ってゐる。さういや、昨日帰りながら「ア、降って来たな」と思った記憶があるが、あんまりよう憶えてない。アンヌイな朝。

教室に泊まった時は大抵さうするやうに、けふも帰りの足でスーパー銭湯に寄る。大きな声でぎゃーぎゃー喋ってゐるおっさんの集団がゐて、ウザい。近ごろは男もかういふ不毛な井戸端話しをするやうになったか、と嘆かわしく思ふ。さういや、毎朝ヨガをしに行く公園にも、同じ面子でいっつも30分くらい立ち話して帰って行くじいさんの集団がゐる。カッコ悪い。

男は群れるな。ぢッと黙って露天に浸かるべし。

東京から里帰りして来た唄うたいのタマゴ、久保田涼子と待ち合はせ、飯を喰ひに行く。半年ぶりの広島、だとかで、お好み焼きを奢ってやる。でかい声で良く喋る、元気な娘だ。

涼子とワシは、まぁ音楽の「先輩と後輩」ではあるが、それよりも純粋に「友達」であり、しーなさんや名古屋のマミ、長門のNaoeらと同じく、全くエロティックな処のない男女関係。涼子はワシの事を「広島のおぢさん」と人に紹介してゐて、まぁ実際、そんなかんぢ。人によってはホンマに親戚だと考えてゐるヒトもゐるらしひ。夕方にはウチまで送り、父君に軽く挨拶して帰った。

前からちょっと気になってゐた「コタン」といふ喫茶店に寄ってみた。陶芸の先生を兼ねてゐるシブいかんぢのマダムが、なんか自室に客を招いてゐる、みたいなかんぢの店。狭い店内で女性客が二人、ママさんとてんでに喋りあってゐたが、不思議と居心地は悪くない。

帰りがけ、名を名乗り自分の正体を明かす。話をしてみると共通の知人多数。広島は狭いね。割と頻繁にライヴイベントも行ってゐるやうで、これはちょっと演ってみんわけにはいかんでせうが?、といふかんぢ。名刺を渡し、近日再見、を約束して帰った。

29日(土)--------------------------------------------------------------------

しーなとシュウ、今年最後のリハ。ここん処「オッ」と思ふベーシストが皆、アクースティックベースを弾いてゐる事に簡単に感化され、けふはアクベを持って行く。う〜む、音も悪いし使いにくい。このテので良い楽器、となると、やっぱりもうオーダーするしかないのかねぇ?。でも、ベースセロ買っちまったからねぇ・・・。しばらく次の楽器は無理だな。

しーなさんを乗せてウチまで帰り、ウチの女房とその友達のK女史を交えた「ちゃぶ家忘年会」をす。女性3人と男独り、といふ、もしワシが端から見たら、大いにその関係性を勘ぐってしまふパーティーである。しかし、こないだの整備士の娘、昨日の唄うたいの涼子、そしてけふ、しーなさん、K女史、女房、と女性に縁の深い年末だ。これが別にワシがモテてゐるから、では決してない所が、ワシのワシたる所以であるな。

帰りの路を歩きながら、少し敬虔な気持ちになった年末のワシ、であった。

30日(日)--------------------------------------------------------------------

けふは寒い。年の瀬に近付いて季節が一気に帳じりを合わせやうとしたかのやうだ。外はびちゃびちゃした雨が降ってゐる。しかし、年中行事は全て終了してゐるので、まぁ引きこもってゐても別に良い訳だ。

アクースティックだの、ベースセロだの、で悩む前にちゃんと練習せぇよお前、てなもんで、ここん処サボり気味だった(普通の)基礎練習をす。リズムトレーニングを1時間。その後、練習ネタを探して本棚を漁ると、やはり去年、練習ネタとして使用したジャコ・パストリアスの譜面集が出て来た。「ドナ・リー」の各パートに日付けが書いてあり、12/28で始まり、半分も行かんうちに1/9で終わってゐる(笑)。しかも全然憶えとらんし。意味ない、ってことですか?。

夜、「イカ天復活祭」なるTV番組を見る。既に20年が過ぎ、アレを知ってる世代も少なくなって来た。知らん人の為に書くと、「イカすバンド天国」といふ、土曜日の深夜枠でやってゐた、アマチュアバンドのコンテスト番組だ。週イチで何組かのバンドが出て、審査員がそれに優劣を付け、勝ち抜きして行く、といふ。

今見ると、当時これで躍進してゐたアマチュアバンドのほとんどが、ワシらと同世代。こっからメヂャーに進んだマルコシアス・バンプやブランキー・ジェットシティなぞ、今見ても凄いと思ふし、たま、の存在感は、やはり当時から群を抜いてゐる。番組自体は、バブルに便乗してアマチュアバンドを踊らせ、一部マスメディアとプロダクションがオイシい目を見ただけの、今考えれば冒涜的なものだったが、その中でも光ってゐたやつは、やはりその後も(別の形ではあっても)光り続けた。

例えばあの頃自分がもしこれに便乗してゐたら、今どうなってゐたか?と考える。う〜〜〜む、人生は深い。

31日(月)-----------------------------------------------------------------------------

雪のやうな雨のやうなのが降ってゐる。山間部は雪が積もりつつあるらしひ。ヲーキング、ではなくて散歩をす。商店のほとんどがもう店じまいをしてゐて、閑散としてゐるのが良い。その中でモチを売ってる所だけが、もうもうと湯気が上がって華やいでゐる。良い。

けふはもうするべき事は何もなく、つらつらと練習したりTV見たりしながら夜を待つ。夜は年越しセッションに出かける。

まづはジモカフェ。コスリーズの皆さんとパイグはゐたが、他の顔ぶれが居らん。かういふものに参加するミュージシャンも少なくなったものよ。寂しいもんだな。コスリーズのナイスなブルースのあとにワシの出番。ベースはやめてカリンバとヴォイスでソロパフォーマンスす。ちょうどこの頃、ドイツから来たと云ふ6人組が入って来たが、特に音楽を聴きに来たんではないヨーロッパ人を注目させたのだから、良しとすべし。その中の一人は、帰り際に『お前面白かったぞ』のやうな事を云うてくれよった。ダンケシェーン。

その後、パイグとデュオを3曲やって年が明けた。その頃には客層が変わって若い衆ばかりになって来たので、パイグと共にPICOに河岸変えす。こちらは猪鍋を炊いて、モチを突いてゐる。腹減ってたので、早速シシ鍋をガッつく。かなりケモノ臭いが美味い。こちらはジェンベ部隊が終始叩き狂っており、ワシも途中2〜3曲に参加してジェムベを叩き狂う。いづこも元気のある若い連中が、年越しを楽しんでゐる。良いね。今年もこのノリで行きたいねぇ。



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