8月


1週目

1日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

朝からSoe'sのリハ。マリンバのリカさんに『私に即興を期待するな』のやうな事を云はれ、ちょいと落ち込む。誰も流暢で完璧な即興をお願いしてゐる訳ではなく、ホンマに、いつもドレミ、で弾いてる所を、ドミレ、で弾いて(弾こうとして)くれたら良いだけの話しなのだが・・・・。てゆーか、やっぱりワシにはクラシック一辺倒のヒトの心情って、分からん。

2日(木)--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

台風接近中だとか。夏は灼熱地獄と化す我が家にとっては、風が吹き込むはありがたい。雨は困るが・・・・。

今月中旬、松山と山口へプチ遠征に行くプロジェクトの音源と譜面をチェックす。以前演った曲をなぞる程度かと思ってゐたら、新曲が8コもあって驚く。しかもこれを1回のリハで決めなアカン。締め切りに追われる漫画家のやうになって、チェック&写譜。レッスンの空きが沢山あってよかった。いや、よくない。

帰り、雨はそれほどでもないが、風がかなり強くなってゐる。駅に行くと既に運休ぢゃげな。バスはまだ動いてゐて、助かった。これでバスも停まってたらネット難民になるところだった。あ、でも、それもいーな。

3日(金)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

朝、10月にSoe'sで出演する「さろんコンサート」の打ち合わせに、安佐南区文化館へ行く。歩いて5分ぐらいの処だが、雨風が強いので車で行く。地球温暖化。

夜は、急遽決まったSoe'sのライヴ。ジャズクラブSOHOの店員だった杉野くんが新しく開いた「Comin」といふ、ジャズクラブ。落ち着いたかんぢの良い店である。Soe'sとしては勿論初めてのライヴ。前から決まってゐた打ち合わせの日に、急遽そのバンドの初ライヴが決まる、なんてな不思議な因縁を感じさせるね。

さて、たァ云へさすがにSoe'sだけで2ステージできるほどまだレパートリィはない。完全即興をやるテもあったが、けふの処はまぁ冒険はやめておいて、しーなとシュウ、とSoe'sのカップリング、といふことにす。前半は、しーなとシュウの曲にマサミやパイグに、入ってもらふやり方。

まだPAが不馴れなせいもあって、男女二人がガンガンに唄うしーシュでは、かなりハウってゐたな。パイグの入った「水母の夢」や「マセヤ」、マサミのサックスが咽び泣く「夜の駱駝」や「ペンギンカフェ」など、なかなか新鮮なかんぢだった。うむ、これぐらい開かれてないとねぇ。

後半はSoe'sの3人で。

この、せっかちのワシが、1年間リハだけで練り上げてきただけの事は、充分演れたライヴだった。

この1年、Soe'sのテーマは、楽曲を解体&分解する為に、何度も何度も譜面通りを繰り返してリハをする、といふものだった。その成果が如何なく発揮されたライヴだった、と思ふ。ベース2本とサックス、といふ特異な編成の必然性。ステージ上でどんどん曲が変わって行く。曲が、停まり、また動き出す。生き物が、息をして、活動してゐる、そんな演奏。これをする為に、『4小節を30分繰り返す』なんて学生みたいな練習をやってきたのだ。間違いではなかった。

急遽決まったライヴにも関わらず、結構沢山のお客さんが集まってくれて、口々に「素晴らしい」と云ってくれた。全体的にみても、しーシュで唄ものを演り、メンバーを引き継いで即興系インストを演る、といふのはバランスが取れてゐたやうだ。店長の杉野君もたいへん気に入ってくれて、秋までにもう一度、といふ話しとなる。

うむ。

それぞれが、それぞれの哲学と技術と、そのフィールドを持ち、そんなもの同士が、風に吹かれて集まって、ナニカを為す。プロフェッショナル、といふ概念。今週のテーマはこれだった、やうに思ふ。


2週目

4日(土)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大阪へ行く。珍しく音楽的な要素を持たぬ旅に出る。女房のコーディネートで、片道4時間のバスの旅だ。目的地についてすぐ、目についた本屋に入り、タウンガイドで今夜のライヴ会場と泊れる場所を捜す、といふ旅しかしてないワシにとって、のんびりと予約したホテルにチェックインする、てのは新鮮ですな。

今夜の処は、女房のイグアナ仲間(それぞれイグアナを飼ってゐるヒト達のネットワーク。ワシが大阪でライヴをやる時は皆さん来てくれる)との宴会。職業も年齢もバラバラだが、気の置けない仲間達だ。女房が、うつ病の一番酷かった時期でさえ、この会合には参加してゐた理由が分かる。その女房、飲み過ぎて玉砕(笑)。

5日(日)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

明けて翌朝。ワシは勿論イグアナ仲間との宴会も楽しみにしてゐたが、今回の大坂行もう一つの目的は、吹田市の『国立民族学博物館』に行く事だった。

国立民族学博物館<みんぱく>は(中略)民族学の調査、研究の成果に基づき、世界の諸民族の社会と文化に関する最新の情報と知識を人々に提供し、異なる文化についての理解を深める事を目的として、1977年に開館しました。(中略)標本や、レコード、CD、テープ、フィルムなどの映像、音響、文献図書など、様々な資料を収集、整理、保存し、研究に役立てています。----------------------(パンフレットより)

あるわあるわ、ワシ垂涎の資料の数々!。ヨーロッパからアジア、アフリカ、アメリカ・・・・。美術品や工芸品、遺跡や発掘品の数々。ヒトが何処から来て、何処へ行こうとしてゐるのか、その過程で何を失ったか、何を得てきたのか、なにをこれから失おうとしてゐるのか、何をすべきなのか・・・・・。

言語&音楽、の展示会場は、もう、ここだけでワシは壱日過ごせまっせ!といふ・・・・・。展示品に触れるコーナーなどもあり、初めてグンデル(インドネシアの鉄琴)を叩いた。ちょっと残念だったのは、展示してある民族楽器の半数が「レプリカ」だった事。折角ここまで揃えてゐるんなら、三流品でも本物を展示してほしかったよなぁ。

我を忘れての観覧だったが、帰りのバスの時間が迫り、タイムアップ。3時間以上歩き回ったのだが、2/3ぐらいしか見れなんだ。なんせ信じられんくらい広いのだ。足が痛てぇ。いや〜しかし、これは時間かけて見る価値あり。次は2〜3日滞在して、弁当喰ったりしながら、もっと子細に見学したい。学生時代に、かういふ処で研究論文を書きたかったなぁ。

またバスで4時間。広島に帰り着き、女房とラーメンで〆。良い旅行だった。

6日(月)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

原爆の日。広島に生まれ、今も住む者にとって、この日はある意味「十字架」である。しかし、それは、人類全ての背中に、等しく乗しかかる十字架なのだ。忘れまじ、そして、二度と許すまじ。

車検を受けに行く。3〜4ケ所修理すべき点が見つかったが、あとは問題無くスルー。帰り路、ホームセンターに寄って色々買い込み、後部座席を本格的な「居住空間」にアレンジす。引き出しを結束帯で固定し、カーテンを取り付け、畳を敷く。ツイデなので、のれんを下げれる棒もセットす。シブめののれんを下げる事にしやう。かくして愛車「にっち」は、「和風のモーターホーム」になった。ちゃぶ台でも置くか。

7日(火)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

6月にPICOで一緒に演ってたいへん好評だった、福岡の宇宙人(?)おーちゃんが、再び広島にやって来た、の対バン。を務める。会場は前回と同じくPICO。おーちゃんはハング、といふ謎の楽器やホーミーを駆使するソロパフォーマー。足で鈴とバスドラを鳴らし、両手でハングを叩き、口琴を鳴らしホーミーを唸り、電子楽器を全く使わんのに、見事なテクノ音楽を演ってみせよる。今回はレイラーニ、といふ、やはり宇宙人ぽい女性シンガーを伴っての来広。

ぢつは大阪旅行や車検や雑務などの忙しさ&仕事の無さで、ここ数日全くベースに触っておらず、更には唄なんぞこないだのシェルターでのライヴ以来、声すら出してないぞ。みたいなかんぢだったのだ。まぁでも最近は、それがどうした?!みたいに開き直れるやうになったので。

30分押しでまづワシがソロをスタート。ベースも唄も心配したほどの事は何も無く、スムースに進行。ところでワシは、ソロ演奏の場合、演目を決めずに演る事が多く、曲を演りながら『ア、次はアレを演らう』とか考え付くのだが、それを次から次へと忘れて行ってしまふのだ。けふも1曲め「月の路」の導入部の即興を練りながら「ア、次は久々に『春』を演らう」とか思ったはずなのだが、終わってみると違う曲をやってしまってゐた。して、これを書いてゐる翌日の昼には、全部でなん曲、なにを演ったか、まるで憶えてゐない、といふ・・・。

こは思ふに、「ホンマになんも考えずに演る」といふ境地にまで行けてない、てことだな。心のどっかで、過去の「出来が良かった時の演奏/演目」をイメェヂして、その位置に行かうとしてゐるに違いない。駄目ぢゃないか、そんなことでは。

宇宙人おーちゃんのステージは、前回とほぼ同じやうな内容だった。途中、やはりステージに呼ばれてセッション。こないだは唄で応戦したが、けふはベースで立ち向かふ。弦の巻きををべろべろに緩めて「ダボダボ」といふ音を出したり、それをピッチシフターで2オクターヴ上げてディレイで飛ばしたりす。久々にかういふ演り方をしましたな。宇宙人に対抗するにはこれぐらいやんなきゃ、ね。

続くレイラーニのステージ。これがまたオモロイ。英語ともフランス語ともつかぬ、しかしよく聴けば日本語、みたいな言葉を、独特の謡回しと発声法で、ピアノに乗せて唄う。しかも時折ヴォイスにディレイをかましたりして、独りコーラスやコラーヂュのやうな手法もとる。昨今の女性Voがみんな、まるで使命であるかのやうに真似をして没個性に陥ってゐるブラック音楽へのコンプレックスが見受けられない。これは良い。素晴らしく独創的で、心地よく、しかもちょっと「怖い」音楽。

最後はレイラーニ、おーちゃん、ワシ、に、店主ツンちゃんもまぢえての大セッション。終わり方が分からんで最後がグダグダになってしまったが、まぁ御愛嬌。オモロかった。しかし長かったね!。ワシが演りだしたのが8:30で、終わったのが11:45!。

8日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

先週の日誌に「30分間足の指の痙攣が収まらなんだ」と書いたら、ファンの方が『それは絶対におかしい!医者に行って下さいシュウさん!』とメールを下さった。ありがとう。心配かけますね。多分大丈夫だと思ふけど。

最近、ワシの人生に「酒」は無くても良いンぢゃないか?といふ気がしてきてゐて、少なくとも酔いつぶれるほどの酒は要らんやうな気がしてゐる。実際、この頃ライヴの打ち上げで呑まない事も多いし、それで何か寂しいか、と問はれても、別に。呑まんでも楽しいし。

誤解してるヒトも多いけど、ワシは「健康になりたい」訳ではないよ。そら不健康、よりは良いけど。ただ、酒が連れて来てくれる楽しさより、音楽によって齎される歓びの方が遥かに大きくて、出来るだけそれをしっかりとシラフで受け止めたい、てだけの話しです。たぁ云ひつつ、場に行きゃ呑むんだらうな・・・。

9日(木)--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

朝のヨガ&ヲーキングが既に猛暑。しかし今年の夏は暑いこた暑いが、「ガぁぁぁ!我慢ならん!」といふ日を、まだ経験してない。これはワシらが慣れたのか、それともベランダに扇風機を出して、外の空気を絶えず入れてゐるから、だらうか?。

吉本興業の芸人石田靖が広島RCC放送でやってゐる「ぶらピ」といふ深夜番組、これに「秘書」として出てゐる伊藤文(いとうあや)、といふ女子アナがストライクゾーンである。石田に「不幸顔」と突っ込まれたりしてゐるが、確かになんか切なさうな顔をしてゐて、これがタマに放送中(収録中)、本気でむくれてゐるやうな表情を浮かべてゐることすらあって、仲々たまらん。

友人ミュージシャン、バッキー守岡がラヂヲ番組で一緒してゐるらしい。ヌ〜、紹介してくれんなぁ・・・。

10日(金)---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

けふはコウサカワタル、といふ沖縄の音楽家のライヴを見に、久々の「楽座」に行く。この人は、ここんところワシのお気に入り「グンデルサンシントリオ」の三線弾きだが、インドの民族楽器サロードも弾くらしい。

思ったより若いヒトで驚いたのだが、その内容たるや更に驚き。およそ三線らしい弾き方は全くナシ。ボディを叩き、ヴォリゥムペダルでアタックを消し、ディレイで音を飛ばし、ピッチシフターで音を変え、となんか大変シンパシィを感じる事をやってゐる。おそらくお客さんのほとんど(ほぼ満席)が、三線の弾き語りによる沖縄民謡や島唄などを期待してゐただらうが、それを気持ち良いぐらい裏切る。ミニマルで気持ち良い音楽。最前列に居た子供が、見事に寝てゐた(笑)。

余談だが、こないだのおーちゃんとのライヴにも、やはり子供(3歳ぐらい)が来てゐた。が、彼はワシが唄いだしてものの5分もせぬうちに爆睡したらしひ(笑)。さういふのって、割と嬉しい。

前半終了後、声を掛けさせて頂いたが、気さくで物腰の柔らかい好青年。誰かから聴いたらしく『ベースを弾いてらっしゃる方ですよね?』と云はれて驚く。もらった名刺に書いてある肩書きは『ステレオ・サンシン・インプロヴァイザー』。なるほど。

後半はサロードの演奏。先ほどの三線の演奏より、このインドの楽器の演奏に、沖縄の色が強く出てゐたのがオモロかった。フレーズを聴く限り、おそらくブルースや、今風のクラブ音楽なども通って来たヒトに違いない、と践んでゐたが、あとでお噺を聴けばまさにその通りだった。インドの古典や沖縄音楽を演るつもりはなく、あくまでもコウサカワタルの音楽を、三線とサロードで演らうとしてゐるのだ、と云ふ。それはぢつに真っ当な考えなのではないか?と思ふ。

とても気軽に楽器にも触らせてくれた。サロード、初めて弾いたよ。メタル指板のフレットレス・ギターやね。

かういふ音楽家と出会える、てのはとてもイイ。連絡先を交換し、またいつかきっと、その時は是非共演を、と握手して別れる。


3週目

11日(土)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ツアーだのイベントだの、そのリハだの、で、今年の盆は里帰りも墓参りも行けぬ旨を、お互いの実家に電話す。双方の親とも、かういふしきたりにあまりこだわらぬ人達なので、助かる。

夏バテ防止の為、久しぶりに焼肉でも喰ひに行くベ、と女房と出かける。友達がマネーヂャーをしてゐる、豚焼肉の専門店。ここ数日、喰へば胃が痛む。腹が減っても痛む。が、頑張って喰ふ。美味かったが、やはり食後に胃痛。収支決算にて差引ゼロ、てかんぢ。しかし、かういふ苦痛を楽しめるやうでなければ、立派な変態とは云えん。ワシは偉大な変態になりたいのだ。胃の痛みを我慢して腹筋運動。どーだ!?。

12日(日)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

女房と買い物に出かけ、久しぶりにお互いの財布がすっからかんになるまで買い物す。でも買ったのは食料品ばかり。服とか、さういふの、買わんねぇ。

広島国際平和マラソンに出場するとTシャーツが景品として貰へる。5〜6枚持ってゐるのだが、さすがに古くなって来て、ガーゼのやうに薄くなってゐる。これをトレーニング用の着衣にすべく、鋏で袖を切り落とし、襟もカットす。着てみると悪くない。ここの処、上手く身体が絞れてゐるやうだ。着衣を上手に着こなす、のではなく、かういふ着衣が着こなせなくなる身体、といふ事にこそ、留意したい、ね。本物のオサレな中年としては。ね。

13日(月)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

今週から始まる、安芸楽団のツアーの為のリハ。ワシはこのテの仕事の場合、譜面を書き上げたら、その後それを見て練習する、といふ事をせぬやうにしてゐる。実際に演奏した時のファースト・インプレッションを大事にしたいから、なのだが、これが、自分で書いておいて、何を書いたのか憶えてない事が多い。『なんか印があるのだが、これは何の合図か?』みたいなのがあって、リハで初めて納得するのだ。「うた」と書いてあるから(自分で書いた!)「唄う所」なのか「唄が入る所」なのか、と思ってたら、そこは「唄のメロディをベースでなぞる」所、だったりす。てへへ。

このバンドは日本民謡をモティーフにした曲が多いから、7小節め、とか10小節と2拍、とか変な所でパタンが変わったりす。ちゃんと数えてないとすぐ間違う。仲々にスリリングである。

なんとこの安芸楽団、水曜日の松山への遠征、広島港を朝5:30に出発ぢゃげな!。んで、泊まりだと信じて疑わなんだが、日帰りぢゃげな!!!。始発の船で出て、最終の船で帰って来るンぢゃげな!!!!。

14日(火)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ぢつはけふが松山遠征の日だと勘違いしてゐて、4:30に起きる。まだ暗ぇぢゃんか!。その後寝たが、今度は暑くて6:00に目が覚めた。アー、この暑さもあと10日くらいの辛抱かな?。

昼過ぎ、ヤケクソで一番暑い時間帯に散歩してみる。ぼぁあ!想像以上の暑さ!。&盆休み、と云ふこともあってか、町が閑散としてゐる。車も少なく、時間が停まったやうに錯覚させる時もある。年中こうなら良いのにや。昨日、凄い見事な虹が出来てゐたなぁ、と見上げたら、なんとな〜くだが空が高い気もす。着実に秋の気配。良いねぇ。

毎日かうやって早起きして、空を見上げて、季節を感じて、気が向いたら散歩して、素麺喰って、町は静かで、・・・・。こんな暮らしを続けて行けたら、ワシは「達したり!」と、微笑んで自殺するかもしれない。

15日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

安芸楽団、松山行当日。けふこそ4:30起床!と目覚ましをセットして寝るも、暑くて4:00に目が覚めた。まぁいいや。

シャワー浴びて、軽く飯喰って、5:30集合場所の広島港に行く。スタッフを含めた9人全員、時間通りに集まる。松山行きフェリーに乗船、そっから2時間半の旅だ。途中、がーっと朝日が昇って来てなんかえぇかんぢ。

なんでけふ、これほどに早い集合&出発が必要だったかと云へば、けふ演奏するのは不時具蘭松山、のイベント会場。要するに開店する前(10時まで)にリハを済ませんといかん、てのがあったから。のやうだ。地元出身のアイドル歌手や、上田正樹、吉本芸人のあたりも来るらしひ。我々は『松山→広島アマチュアバンド交流なんちゃら』といふ枠になってゐて、地元から2組(結局1組当日キャンセル)、広島から2組、のアマチュア、が参加するイベント。広島からは我々安芸楽団、とモンデン君(字が分からん)、といふ若手の弾き語りストが参加。

開店してすぐ、本日の顔見せ、みたいなかんぢで、各バンドが1曲づつ演奏。その後、なが〜〜〜い待ち時間の後、午後5:00ぐらいに次のステージ。この時間、どーすっべ?と思ってゐたが、リーダーの折田さん、ちゃんと「レヂャー」もコーディネイトしてくれてゐて、バンドメンバー全員で、砥部焼きの創作体験教室に行く。

ワシは、砥部焼き、と聞いて、てっきりお好み焼きの一種だと思った。折田さんに『よかったら砥部焼きに行かん?』と云はれた時、ほほぅ、折田さんも昼間ッから呑む事があるんだ、とか思ったりした。

知らんヒトの為に云ふと砥部焼きは・・・http://www.ehime-iinet.or.jp/co/togeikan/。創作体験、とは、素焼きの状態のものに絵を描いて、それを本焼きして送ってくれる、といふもの。なるほとちょっとした空き時間を潰すには、絶好のレヂャーである。メンバー全員、ひとしきり絵筆と格闘。ワシはまぁ、少しは絵をやってゐた、と云ふのもあって、割とちゃちゃっと描けたのだが、得てしてかういふものは、雑念の無いヒトがざっと書きなぐったものの方が仕上がりが良い、といふ通例があるので・・・。まぁ仕上げは2〜3週間、て話し。結構楽しみだ。

さて、そこでメンバー上手くナゴんだせいか、5:00からの本番、大変良いものが出来た。今回は若狭愛さんとの男女ツインヴォーカルで、まぁ初めて合わせたンにしては上手く行ったンぢゃないかな?。ちょいと暴れ過ぎたかな?とも思ったが、終演後不時具蘭の総支配人からも絶賛を頂き、まぁひと安心。この調子で明後日の山口も・・・てな所ですかね。

帰りの船の中では、流石にみんな爆睡。長い壱日でござんした。

港からの帰り路、強力な便意に襲われ、本能と人間の尊厳の間で激しい葛藤があったが、なんとか家に着くまで我慢しました。よ。

16日(木)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

壱日休憩、の日。自らのオサレ感覚を貫徹する為に「染め物」をやってみた。ボロくはないがもうあんまり着なくなった古いシャーツを、かって来た染め液の説明書に書いてあるやうに染めてみる。案外マダラになるもまた良し、と思ひ、結構アバウトにやったのだが、割とキレイに染まって拍子抜け。

名古屋に嫁いで行った元相棒鎌田麻実が里帰りしてゐる、ので、軽くチャーしに行く。相変わらず大きな声で良く喋る。元気でよろしい。夕刻前、ヂョギングするやうな格好で、リュックを背負い、買い物に行く。暑い時は暑い事をするのがよろしい。少なくとも気は紛れる。

なんかやたらと右翼の街宣車を見かけた壱日だった。

17日(金)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

安芸楽団ツアー2日め。山口への旅。けふは山口市に新しく出来たニュゥ・メディア会館、といふところでの、なんと安芸楽団のワンマンださうだ。広島で完パケライヴを演った事もないのに、他所の地でワンマン!。まぁこれはこの地にも広く顔が利く、折田さんの人望あっての賜物だらう。

車2台に分乗して山口入り。会場はかなり近代的な作りの、ちょっとしたホールである。キャパ200ぐらいか。ステージも広く、メンバーの多い(8人)このバンドでも、余裕でセッティング出来るのは嬉しい。

ワンマン、なので、リハ時間もたっぷりある。ので、ゲネプロ(Generalprobe:本番通りに通して行うリハ)のやうなリハを演る。松山から2日しか経ってないので、メンバー間の呼吸も良く合う。これはいいかんぢ。良いライヴになりさうだ。

ところが、ワシにとっては、これが良くなかった。安芸楽団はほぼ全編、アドリヴの入る隙の無い緻密なアレンジ。尺もテンポもびっちし決まってゐる。コード展開も複雑で、いまだ譜面と睨めっこ状態なのだ。ワシのやうないい加減なタイプの音楽家は、これを2回演るのはキツい。ハッキリ云って疲れる。集中力が持たんのだ。

な訳で、本番は、結構あからさまで間抜けなミスを多発してしまった。リハがバッチリ過ぎただけに残念。お客さんの入りも、期待した程には集まらんかった模様。ヌ〜、やはり『ライヴは2回目からが真価!』といふところだな。どーもワシって正式メンバーに登録されてゐるらしく、今後もこのバンドの一員として活動して行くやうである。けふのリマッチとなるやうな良いライヴを、いづれはしたい。

まぁ、なんにせよこの2日間、久しぶりにこんな大勢のバンドで、一緒に動いて・・・といふのが、ワシにとっては新鮮でたいへんオモロかった。皆さんお疲れでした。

また夜の道路をひた走り、1:30に広島に着。これから準備をして、少し寝て、明日の早朝、パーカッションキャンプに出発する。


4週目

18日(土)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

サイトの更新を3:00頃終え、寝たら6:30に目が覚めた。ので、そのままパーカスキャムプに出発す。和風モーターホームに改造した「にっち」を駆り、例年通り陸路を使って約2時間、能美島は真道山森林公園に到着。金曜日からの参加者は10名前後。近年一番少ない人数。

毎年、食事班として某か料理を作ってゐるワシだが、今年はあまりさういふ事をやらない。ぢつは松山行きの1日前ぐらいから、いちぢるしく胃腸の調子を悪くしてゐて、何を喰っても呑んでも、数分後には上か下のどっちかの穴から便器にリバースしてしまふ、といふのを、ここ数日繰り返してゐる。ので、ナンとも食事を作らう、といふ気になどならぬ。途中、錦糸卵を作れるやつは居らぬか?といふ呼び掛けの時だけ厨房に立つ。

いつも直前リハをやる連中も、今年は不参加。ので、ライヴが始まるまでの長い夏の午後を、たっぷりの紫外線とたっぷりの酒を浴びて過ごす。夕日が傾き、涼しい風が吹き、バーベQが終わり、例年より1時間遅い午後9時、ライヴがスタート。今年のワシは、KANA即興組、ちはるンユニット、しーなとシュウ、Far east lounge の4ツで出演。

KANAは毎年オモロイ事を演ってくれるんだが、今年はフライミートゥザムーンを超インプロで。この人、オモロイんで他でも共演してみたいもんだが、日頃何処に居るんかも分からん女性なので実現してない。てゆーか、毎年ここでしか会わんし。

KANA、ちはるン〜では久しぶりにGressiveのシバちゃんと共演。やはり「痒い所に手が届く前に掻いてくれる」ギター。酔っ払っててこれだから、やはりギターはこの男やな。素晴らしい。

毎年恒例の『手作り楽器試作演奏』では、プラスティックカップ2コを改造した、「超小型ボンゴ」を使ってしーなさんとデュオ。20分で作ったにしては良いンぢゃないか?。その後「夜の駱駝」やら「猫〜」やらやって、トリがFar east lounge。ここ数年、パーカスキャンプでえらい良い演奏をするFar east だが、けふもさうだった。この春からしーなさんがメンバーに入った(らしい)ので、サウンドに広がりも出る。夏の深夜の森に「ひかりのうた」が響き渡る様は『圧巻!』であったことだらう。

結局、参加者は少なかったが、逆にその分ハイライトがライヴに集中した、といふかんぢとなって、ぢつに良いライヴイベントだった。ライヴを演った連中は皆素晴らしかったが、特にこの日のGressive は、ちょっとスゴかった。知人のバンドを見て鳥肌が立ったのは久しぶりだ。結成何年かを経て、恐ろしいバンドに成長したやうである。ワシもうかうかしてられへんね。

ライヴ終了が1:30。それから撤収作業をやり、2:00過ぎから打ち上げ。ワシは相変わらずピーピーしてゐたが、楽しいのでそっち優先。空が白みはじめるまで呑んでゐた。後半、しーなさんとワシの壮絶な舌戦には、周囲大ウケ。ワシら漫才コンビになった方がえぇんとちゃうか?。

19日(日)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

5:00頃に「にっち」の寝台で就寝したが、1時間後、強力な腹痛で目が覚める。便所まで這って行き(その後略)。また寝たが、今度は強力な吐き気。また便所まで這って行き(略)。また寝たが日が昇り、暑くなって来てまた吐き気。便所まで這って行き(略)。吐いてゐると腹痛(略)。もう「にっち」に戻る力も無く、便所脇のベンチで力尽き、そのまま昼前まで昏睡。まぁ胃腸が悪いのに飲み食いしたバチですな。

料理も片づけも、あんまり手伝えず、役立たずの少し空しい撤収。日頃お気に入りの美少女Aちゃんを、車で送って帰れた事が救いであった。

家に帰るとまた(略)。そのままベッドに倒れ込み、夜半過ぎまで昏睡。夕方からものすごい雷雨が来たらしいが、全く知らずに熟睡してゐた。日頃、新聞配達の音でも目を覚ますワシが、雷の音に反応を示さんので、女房は、死んどるンぢゃないか?と思ったらしひ。

20日(月)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

来週に迫った石間秀機さんの広島ライヴの、最後の宣伝活動。バイクを出し、フライヤーを持って店を回る。イベントページを立ち上げて、知人に一斉送信したが、反能無し。これホンマにちゃんと送れとんだろか?。自分のパフォーマンスの準備もせねばならんといふのに。ますます胃が痛む。この胃腸不良の原因は、多分このイベントへのプレッシャーだらう。

フライヤーを置いてもらふ為、久々に朋友バッキー守岡のBONOBOに顔を出した。少しの間だったが、65年生まれミュージシャン同士、語りあった。今度改めて呑もうや、と別れる。

21日(火)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

東京で演る演目について、パーカスのゲンタさんと意見が分かれる。リハをきちっとやって作り上げやうとするゲンタさんに、リハはできるだけやらん方向で、といふワシ、で、対立気味。ワシは1回だけのリハなら、まだせん方が良いンぢゃないか、と思ふ。と云ふのも、ここ数回『リハを演ったのに思う形にならなかった』といふのが多いのだ。それならば『リハをせなんだのに思ったより良かった』て方が精神衛生上よろしい。

しかしナンだね。昔、シバちゃんと演ってた頃や、オルカ団の初期なぞ、リハがしたくてたまらんかったワシが、ね。ア、さういやパイグとのデュオ(9/7)も、そろそろ何か考えなアカンな。ア!専門学校の試験問題の締め切りも近けぇぢゃねーか。

22日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

Soe'sのリハ。マリンバのリカさんの即興問題も孕みつつ、まぁ取りあへずはこの4人でエントリィしたコンサートなので、そのつもりで練習。リカさんを除く3人はこないだ初ライヴを演ったので、さて、既成曲の演奏に新しい感覚を持ち込む事が大切になって来る。「演奏がまとまって来た」と云はれる事は、ワシにとって褒め言葉ではない。そんな事を云はれたら「嗚呼大変だ、またブチ壊さなきゃ」とか思ってしまふ。厄介である。

政美の新曲が「スパルタカスのテーマ」のやうで格好良い。リカさんに対しての『政美のアドリヴ指南』のやうな時間もあり、ワシも生徒になって聞き入る。なるほど。たいへん分かりやすいレクチャーであった。が、政美曰く、アドリヴはまづリズムから、といふ考えに大いに納得す。

このやうな偉大な音楽家と共にバンドがやれる事の力強さを、改めて認識した。

23日(木)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

なんと、あの、エグベルト・ジスモンチギズモンティ、と書いてある場合もある)が来日してゐたらしひ。本国でもライヴ活動自体をあまりやってない、といふ噂だったのに、来日、しかも完全ソロ。2日間に渡るコンサートのチケットは即日完売。だったさうな。まぁねぇ・・・・。

昔、ハラシャ、といふバンドで、この人の『Frevo』といふ曲をカヴァーしてゐた。素晴らしく美しく、鋭く、狂気性に満ちた名曲なのだが、ギター、ピアノ、サックス、ベース、の4人がかりでも必死のアンサンブルで、「セルジオ&ウダイ」といふギターデュオがカヴァーしてゐるのを聴いても、二人でこれを演ってるんってすげぇ!なんて思ってたが、当の本人はこの難曲をギター1本、しかも周辺機器の使用なし、でやってのけるらしひ。まぁこれ見んさい。元々はピアニストらしいんだけど。

ワシはアクースティックギターのプロ、を目指してゐた高校3年の時、初めてアル・ディ・メオラを聴いて、一気にギターを辞めたくなってしまったのだが、当時これを見たら完全に辞めてただらうな。

24日(金)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

来週から専門学校がスタートするで、夏の最後のヒマな金曜日。かういふ季節は、村上春樹の『風の唄を聴け』か、辺見庸『赤い橋の下のぬるい水』を読み、TVドラマ「ビーチボーイズ」の最終回を見るのが良い。どれも夏〜夏の終わり、がテーマの名作だ。

宣伝活動はさておき、そろそろ自分のパフォーマンスの準備もしておかねばならんので(8/27)、機材と楽器持ってスタヂヲに入る。ループやえへくとを使わないパタンなど、考え、実践して来たが、まぁ、そんな事にこだわって演ってもつまらん。音楽的に良ければ良い訳で、えへくとを使わん方がエラい、なんてこたぁないのだ、と半ば開き直って、色々遊んでみる。これまでベース壱本で演ってゐた「夜の駱駝」や「トゥアタラ」なんぞも、ループを使ってコラーヂュ演奏のやうにしてみる。これはこれでえぇやんけ。

2時間があっといふ間に過ぎる。かういふライヴを一度やってみるも良いかもしれんな。


5週目

25日(土)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

昼間はソロの練習を2時間。終わって外に出ると、昔よく一緒にアウトドア遊びに興じたT男爵がゐた。「最近遊んでる?」と問はれ、さういや今年は海にすら行かなんだな、と思ふ。今は、さういふ遊びより音楽をやってる方が楽しいのだが、またそのうち「遊び」に興味のベクトルが向かふ時も来るだらう。

夜は、年に数回、高校時代の友人と飲みに行く恒例のアレ。石間さんとのライヴに向けて1週間断酒してゐたが、この日は前々からの約束なので、解禁。ウチの近所にある、ランチが良い、と評判の小洒落た店。若い娘〜主婦層、をターゲットにした店らしく、ものすごうるさい。だが、喰ひもんは美味かった。3人でよく飲み食ひ、歩いて帰る。

この3人はかうして年に数回集って飲み喰ひするが、同じ高校時代の友人達でも、恐らく今後生きて出会う事はあるまい、と思ふやうなヤツもゐる。生きてゐる世界も生活パタンも全く違う、今会わぬ友人たち。みな、それぞれの場所で健やかにあれ、と思ふ。

26日(日)----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

けふも真面目にソロ練習。

ワシは、練習を積めばお客さんに対してより良いものが提示出来る、とは思わぬ。ワシが、例えばあるバンドなりユニットなりで、継続的にベースといふパートを担当してゐるだけ、の立場だったら、ワシは恐らくベースの練習など一切やらん、と思ふ。『何故か?』と訊かれても困るが(笑)。

このソロ練習の意味は、楽器と自分、との間のコンセンサスをスムースにする、といふ行為だな。弾けないフレーズがある、ことを悩んだ事はないが、思うやうに演奏できない、ことは回避したい。その為の「確認」が練習なのだ。だから『同じ所を何度も弾く』みたいな練習ではない。ディシプリン、ではないのだ。

久しぶりに本屋に寄る。萩野貞樹『旧かなづかひで書く日本語』と桐野夏生『残虐記』買う。CDもヌスラット・ファテ・アリ・ハーンの『ナイト・ソング』と、コペッキィ、といふ良く分からんバンド(アヴァンギャルド民族音楽系プログレッシヴ・メタル、てさ。買わずにおれへんやろ!?)のを買ってしまった。ここ1週間で¥200しか金を使わんかって「よっしゃよっしゃ」と思ってゐたが、けふだけでこの出費!。

27日(月)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

さーていよいよ、我が「心の師」、御大石間秀樹氏を広島に招くライヴの、当日。ワシの思い付く限りの宣伝はやった。自分の練習もばっちし演った。あとはどんだけお客さんが来てくれるか、といふ事だけだ。こんな日だが、専門学校の夏休み明け、の日でもある。午前中は学校で授業。

で、夕刻前に会場入り。PAオペをお願いしたきむらあやこと助手のR君(高校生!)、と先にリハを演ってゐると石間さんと、今回のツアーの相棒VJの成沢ヒデトモさんが到着。握手しながら石間さんが開口一番『シュウくんてさぁ、むか〜しオレにメールくれた事ないかね?もう結構前だけど』。さう、もう4〜5年前、石間さんがホームページを立ち上げてすぐの頃、一度だけファンメールを出した事がある。それを憶えてゐてくれたのだ。

ちなみに石間さんからの返信メールには『お互い、自分流を伸び伸びと遊びましょう』と書いてあった。石間さんを「心の師」と(勝手に)思ふやうになったのはそれからなのだ。

さて、その石間さんのステージは、御自身が作成、編集したバックトラックを流しながらの即興演奏。それぞれを「曲」と呼ばずに「トラック」と呼んでおられたのが印象的だった。話題の楽器「シターラ」は、インドのシタールの奏法「ミーンド」などをギターで使えるやうに、といふ観点から作られた創作楽器で、音的にはアクースティックギターに近い。エフェクトも最低限の使用に留まる。このシターラ+バックトラックのサウンドに、成沢さんがPCで操作するサイケな映像を、これも即興で流す、といふ変則的なデュオ。

石間さん、インスピレーションを大切にする人らしく、リハは20分ぐらいで『はい、これでもう結構』と終了。最後に演る予定のジャムセッションも、お互いの音量の確認だけでオッケー。「何か起きるかわかんないから面白いんぢゃん」と石間さん。想像してゐた通り、いやそれ以上の素晴らしいミュージシャンシップ。

さて、本番。前座を務めたワシは約30分「キャメル」で即興。後ろの方で石間さんと成沢さんの影が「ノって」ゐるのが見えて嬉しい。少なくとも恥をかかない程度の前座は務め上げ、石間さんと交代。約1時間半に渡る音と映像の世界に酔いしれた。

ステージ上の石間さんは、ミスッて自分の頭をゲンコしたり、と結構お茶目。MCもほのぼのしたかんぢで、嗚呼、ほんたうにこの人は今の自分の音楽を楽しんで演ってゐるんだな、と思ふ。ワシもこんな63歳になりたい!。

そしてセッション。流石に緊張してしまったが、大先輩との悪戯話しのやうなジャムを心から楽しんだ。石間さん「この場を繋いでくれた梶山シュウくん」と紹介してくれ、胃を痛めて奔走したこの何日かが全て昇華された気がする。お客さんも、まぁ、満員御礼、とは行かなかったが、少なくともワシが直接声をかけた人達は全員来てくれて、しかも本気で聴いてくれた。

勿論、オペをやってくれたあやこ、スマトラタイガーのK介くん、広報を手伝ってくれた黒幕、そして集まってくれたお客さん、それらの力がないと、これは実現も成功もしなかった。この日ワシに力を貸してくれた全ての人と、事に、ありがとう。

打ち上げは3人だけで親密に。石間さん、思った以上に気さくなお人柄。酒が入るとさらに加速、楽しい噺が尽きない。そんなに鯨飲する風でもなく、説教モードに入るでもなく。他に出会った事がある古いロックミュージシャンの、結構な大酒飲み+酒乱+慇懃無礼な態度(なヒト)、を知ってるだけに、こんな日本人で最初に海外に進出したやうな凄い人が・・・と、さらにファンになる。

最後の方は、隣の席で呑んでゐた18〜19ぐらいの女の子の集団と一緒に、写メに写ったりしておられた。キミら、こちらにおはすお方をどなたと心得る!?、といふかんぢだった。3:00に解散。またお会い出来る日を楽しみにしてます。お気を付けて。

28日(火)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

ぬぅ・・・。起きたら既に9:00過ぎで、嗚呼専門学校に行かねば。昼を跨いで2コマ授業。昼飯を喰ったあとのコマは、申し訳ないが本気で居眠りしてしまった。その後も教室レッスン、しーなとシュウのジャケ最終チェック、買い物、と壱日忙しく動き回り、飯を喰ったら気を失うやうに寝てしまった。

こないだの松山ツアーでやった砥部焼きの完成品が届いた。ほほぅ、なかなか良い出来ではないか?。

*註:絵だけですよ。ワシがやったのは・・・

29日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

世界陸上、日本勢不振ですな。この大会の広報の為に一役買った、みたいな選手が、皆あえなく予選敗退してゐる。勝敗が全て、のスポーツの世界の噺だから、なんも言い訳には出来んけど、折角頑張ったのにね。タメスエなんざ自腹でPR活動までしたのにや。

にしても、棒高跳びのイシンバエワの集中力のすごい事よ。競技開始から2時間もの間、タヲルを頭から被って精神統一。他の選手の競技を見もせず、ひたすら自分のヴォルテージを上げ続ける。やおら起き上がって壱発目で予選ライン楽々クリア。これ、世界大会やで。そいで結局、優勝。なんちゅう精神力ぢゃ。

こないだ、ビーチバレーの妖精、と云はれる某が、試合前にファンにチチを触られて、動揺して負けた、とかいふ噺があったが、そんな繊細な肝っ玉では、世界の舞台では戦えまい、よ。前にウィンブルドンの決勝で、サービスを打つ寸前のグラフに、ファンが『グラフ!結婚してくれ!』と叫んだ事件があって、それにグラフは平然と『あなたお金いくら持ってンの?』とやり返した。世界の頂点を決める壱打の前に、である。世界に立つヤツらは、そんな化け物ばっかりなのだ。

30日(木)------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

永らく崩御した状態にあった、ディレイの名器LINE-6:DL4をやうやう修理に出す。既に代わりとなる別の機種を使ってゐるが、捨てるのも忍びないので、まぁ高くつくだらうけど、修理する事にした。で、ひっさしぶりに楽器屋なぞに行くことになった。思い出してみたら、最後の買い物、となったヒュース&ケトナーのアンプを買った2004年以来、楽器屋には来てない事になる。はぁ・・・・、もちったぁ刺激を求めた方が良いのかね?。

31日(金)-----------------------------------------------------------------------------------------------------------------

涼しくなって来ましたね。久しぶりにぐっすり寝た、といふかんぢ。そのお陰で、目が覚めたら9:00。慌てて3コマの専門学校授業。

その後、パイグと来週のデュオライヴのリハ。Soe'sのレパートリィを二人用にアレンジしたりする。あと、お互いの持ち曲をぼつぼつ。パイグは、なんせ今どきこの若さでキング・クリムゾン好き、といふ男なので、いちをう9/8や7/8には即対応できるな。

ん〜む、パイグは今22歳?。ワシの同じ歳の頃と比べたら、格段に技術がある。凄いもんだホンマに。さういや今年の初めは、この男とのベースデュオで明けたんだよな。


翌月へ