6月


1週目

1日(日)--------------------------------------------------------------------

けふは東地域交流センターにて、障害者自立施設なんぢゃら、の福祉イベントにFar east loungeで出演。

のはずだったが、朝、カシラから電話があり、腰をいわせてしまひ、けふは出演できさうにない旨。普通のバンドならば、リーダーでヴォーカルが欠場!といふは、すなはちバンドとして機能せぬ、といふ事だが、我らFar east〜はそこはソレ。バンド内に別ユニットがある、といふ強み。しーシュで代役を務める。それでもまぁ、いちをうはFar east 〜として受けた仕事だから、カシラの代理として「ひかりのうた」と「カプチーノ」も演った。

その後はお客さんも巻き込んでの、パーカッション軍団パフォーマンス。ワシらも参加してサポート。勿論ジェムベも叩く。ツンちゃんのムチャ振りで「こきりこ」や「八木節+アフリカン」なんぞも演った(笑)。

『食券支給』といふ事だったが、終わってみると撤収あと(笑)。まぁ良いよ。と、参加者全員でPICOに移動。ツンちゃんが腕を振るう鉄板焼に、皆で喰らひつく。

障害者の人達と関わったかういふ仕事をすると、毎回たいへん良いエナジィを頂けるやうな気がす。けふも「代役」といふにはかなりハードな仕事でだったが、気分はハイ。だが、昨日の今日、なので流石に身体はぐったり。

さぅさぅ、パーカス軍団に参加しててソロが廻ってきた時、例によってバカ叩きした訳だが、その直後ものすごい動悸と息切れに見舞われた。あんな事は初めてだ。もうトシだし、あんまり無茶な事をしてはいかんね、と思ふ42歳。

2日(月)-----------------------------------------------------------------------------

ゲスト・レコーディングの日。エリザベト音楽大学までトモちゃんを迎へに行く。音大の玄関は若い娘さんで溢れてゐる。そこにスキンヘッドの中年がガテン系軽バンで乗り付け、トモちゃんを拉致して行く図。大丈夫ですか?。

さて、「いさよひ」のレコーディング。こないだリハを演ったお陰で、壱発録りしても良ささうなかんぢ。マイクを立て、唄もそのまま録音する事にす。互いのソロパートだけは後で差し換えるとして、ライヴで演るやうにやれ、とエンヂニアから指示。流石にテイクワンでOKといふ訳には行かなんだが、4回めくらいでオッケーが出せた。協議の結果、他の楽器は入れず、ベースと箏と唄だけ、といふ形で進める事にす。

ソロも含め、トモちゃんよく練習してくれてゐて、ホンマに感謝。まだ学生でも立派なプロフェッショナルだ。

トモちゃんをまた大学まで送り届け、その後はキアイでベースソロを壱発OKとさせる。どーや?!。しかしそれで集中力が切れたか、その後の録音は尻窄み。上手く行きまへんな。

上手く行かん、と云へば、トモちゃん以外のゲストのテイクを全部却下する事に決めた。良いプレイをしてくれるだらう、と思って頼んだのに、かういふ結果が出た事が残念だ。

3日(火)-----------------------------------------------------------------------------

専門学校2コマ、の後、移動して、Soe'sリハ。政美の新曲などを演る。ちょっと疲れてゐて、なんか集中出来なんだな。政美の働きかけで急遽ライヴが決まり、Soe'sとしては初めて、ドラムを迎へてのライヴをする事になった。たのしみ。が、トモちゃんは学校が忙しく、今回は不参加。ちょいと残念。 

そいから移動してレッスンを2時間。

その後、『擦弦倶楽部』の部活(笑)に初参加。MIやん(ヴァイオリン)、まちゃあき(コントラバス)、にワシ(セロ)のトリオで、部活らしくまづはスケール練習から。3人ともレベルが同じくらいで、半分くらい『キー』とか『ヒョィ〜』とかいふ音だが、楽しい。MIもまちゃも結構それなりに良い楽器を持ってて、それに比ぶればワシのベニヤセロはいかにもベニヤで、チューニングも安定せんしイライラす。

ぢつは二人とも、密かにワシの参加を期待してゐたらしひ。誘おうかどーしやうか迷ってゐた所に、ワシから参加希望があったので驚いた、との事。当面の最終目標としては、まづは1曲だけでも、どっかに出演できるやうになる事(笑)。Suri-suly(すりすり)とかいふユニット名、どーかね?。

4日(水)-----------------------------------------------------------------------------

最近ちょっと気に入ってゐる仙台のMonkey majikといふバンド。彼等の唄を初めてちゃんと聴いてみた。こ・れ・が!、泣いてしまったのでありますワシ。まぁ歳とって涙もろくなったし、PVが良く出来てた、てのもあるけど、唄に感動して涙が出たのはホンマ久しぶり。ちょこちょこ耳にして「良ささうなバンドやな」とか思ってたけど、ホンマに良いですねMonkey majik。

あとまぁちょっと好きだったDef techのこれ。やっぱこれも悪くないね。サビに入る瞬間の高揚感が素晴らしい。しかし、かういふ曲を作れるセンスって何処から来るンだらうか?。自分にゃ絶対に出来んし、やっても絶対サマにならんから、羨ましい気もあんまり起きない。住み分け、といふやつでせうな。

前に男性のアカペラチームと接触した時も思ったが、演ってる事は楽勝で真似出来るし、アレよりすごい事いくらでも演れると思ふ。けど、黒服でキメてダンスして客に笑いかけて色気出してシブく決めて雰囲気出して、になると、まぁ其処は絶対ワシに代役は務められぬよなぁ、と。住み分け、ですな。

5日(木)-----------------------------------------------------------------------------

桐野夏生「東京島」読了。オモロかった。無人島に流れ着いて云々、てのは昔から良くある例え話。この物語でも、結束して脱出しやうとする者、他者を力で支配する者、権力におもねる者、孤立する者、生活に順応する者、様々なタイプの人間が描かれてゐる。ちなみにワシならどうするかな?。

以前、酒の席で『明日、世の中がひっくり返ったら』といふテーマで語り合った事がある。ワシは『誰も居らぬ所へ逃げて隠れ住む』と云ったが、ワシ以外の男子は皆『仲間同士結束して自分らの社会を作る』と云ひおった。はぁ〜なるほど。ワシがイマイチなのは、かういふ処か、と思った25歳の酒宴。

あんまり遠くない未来にさういふ事が起こりさうでシャレにならんが・・・。

6日(金)-----------------------------------------------------------------------------

朝、また電車が遅れやがった。なんともトラブルの多い路線だな。1ヶ月に1回はなんかあるやうな気がす。単線、てのが要因でもあるやろな。まぁなんとか学校には間に合ったが・・・。

けふは生まれて初めて『マッサーヂ』なるものを受けに行く。友達(勿論女性)が働いてゐるタイ式マッサーヂの。灯りを落とした妖しげな個室で、友人に揉んでもらふ、といふは、正直なんかテレる。なんせマッサーヂ自体初めての経験で、しかもタイ式。一見関節技のやうな密着プレイでごりごり身体をねじってもらひ、たいへん気持ち良い。彼女曰く『筋肉はとても柔らかく、関節も良く動く』が、流石に肩、首が『相当凝ってゐる』さうだ。

1時間、あっといふ間だった。「次回はアロママッサーヂなどいかが?」と薦められる。う〜む、金銭的に余裕がある時には是非来たいねぇ。


2週目

7日(土)--------------------------------------------------------------------

岡山遠征の日。昼過ぎにテーさんとナオエが我が家に迎えに来てくれる。拾ってもらふお礼に岡山まではワシが運転。

岡山で演奏するは3回めだが、自分の音楽で行くのは初めてだ。日本中どこも同じやうな道路に同じやうな町並み、でも、自分が知らない町のそれは確実に「空気」が違ってゐて、これがなんとも云へず良いかんぢ。これよ!といふ気がす。これが好きでツアーやってる、っても過言ではないね。

本日は岡山のアーシーなロックバンド「ガソリンアレイ」主催のイベントと云ふ事で、我らは光栄にもその企画の初回ゲスト、となる。会場のBluebluesは、想像してたよりづっと広くて立派なライヴハウス。木造りで音も良い。日頃はどっちかってぇとアクースティック系の出演者が多いさうな。

なんでも岡山は今、ライヴハウス林立状態らしく、恒例の本番前の町散歩(商店街がすごくえぇかんぢでしたねぇ)でも実感したが、あっちこっちにライヴスペースがあるやうだ。すぐ裏手にも「ライヴスポット・クレオパトラ」といふ思いっきり妖しげな(笑)看板が出てゐた。

さて本番。先陣を切ってくれたガソリンアレイの華やかなライヴに引き続き、ワシのソロ。のっけの即興から好反応。珍しく曲順を決めてはゐたが、お客さんの反応を見て新曲なども織りまぜてみた。メキシコで作った「Dance」ソロヴァージョンも初演。久々に十分手応えのある、良いパフォーマンスが出来た。

ぢつはガソリン〜のベーシスト、ナンシーさんが、づいぶん前から自分のサイトでワシの動画をアップして宣伝してくれてゐた。それを見てライヴに来てくれた、といふ人も結構ゐて、へ〜〜〜っ!と思ふ。岡山ではまだCDを売った事もないのに、一緒に唄ってる人までゐたのは驚き&最高だった。ナンシーさん、ホンマにありがとう。

後続の、前衛ポップロック黒瀬尚彦とスプリングカムカム、トリを務めたスウィングリヴァーも最高のステージで、ガソリンアレイ・プレゼンツ第1段は大成功!だったやうだ。イベント成功のお役に立てたのなら嬉しい。また来て下さい!と云はれ、いつでも!!と思ふ。

軽く乾杯だけして、我々は退却。皆さんお疲れ様でした。またお会いしませう。

8日(日)--------------------------------------------------------------------

1:00チョイ前に岡山を出発。充分な休憩を入れながらのんびり走る。ウチに帰りついたのは4:00過ぎだった。空が白みはじめてゐる。眠い。

寝て、起きたら10:00くらい。まだ眠いが、まぁえぇわ、と起き出してごそごそ飯喰ったりす。泊まりになるかも知れん、と思ってゐたので、けふは予定を入れてない。日曜日の休日をのんびり過ごす。

夕方前に、しーなさんところの老猫「ビビアン」の訃報。20歳。人間だと100歳オーヴァーださうだ。づっと連れ添って来たしーなさんは辛いだらうが、幸せに長生きしたね。何故かワシに異常になついてゐる猫で、「おいで」と云ふと膝に乗って来たりした。夜中にワシの腹の上をづかづか通り過ぎて行った事を思ひ出す。お疲れさま。安らかにね。

9日(月)-----------------------------------------------------------------------------

レコーディング最終段階。諸々残ってゐたソロやら、を録る。急遽ボーナストラックとして、「坂に続く路の途中で」を壱発録り。この曲をビビアンに送らう。

録り終わった曲を並べて聴いてみると、「らのえてぃあ」のテイクが弱い気がして、悩んだ末いっその事なら、と始めから全部録り直す。前のテイクよりも少しテンポを上げて、ほぼライヴのやうにループとベース、後乗せでパーカス、最後の唄入れまで40分で録り終えたぞ。出来上がったニュゥテイクは、ドライヴ感があってGOOD!。やはりワシはライヴ屋なのだなぁ、と実感す。

これで録音は全て終了。あとはミックスダウンだ。

10日(火)-----------------------------------------------------------------------------

ちょいと前から「ワン・ストリングス・なにがし」といふのが気になってゐる。これはブルースの世界で、まだモロに貧しかった黒人の音楽家達が、板っ切れに針金を張っただけの楽器(ディドリーボー、と云ふらしひ)を使って数々の名演を残した、といふもの。ブルースと云ふ音楽の、民族音楽的側面を再認識せしめるハナシだ。ワシはもともとブルースは大好きで、ブルースが演りたい訳ではないけれど、つねづね、あぁいふ風に楽器と唄が自然に結びつく音楽を演りたひ、と思ってゐるのだよ。

広島でブルースの事ならこの人、と、コスリーズのキング増本氏に訊ねた所、「One string Sam ね。結構オモロいよ。シュウくん好きかもね」とのこと。が、しかし『CD買って聴くほどのもんぢゃないよ』とも。ぬ〜〜〜。

で、検索してみたら出て来ました。こはSeasick Steveといふ人で、ワンストリングス専門て訳ぢゃないらしひが。

しかしどうよ!このイロモノっぽさは?(笑)。自分とたいへん似たにほひを感ず。はは〜〜んこれが・・・。なるほどワシもイロモノだ。でも、好きか嫌いかで云へば、こんなの大好き。イロモノ万歳、やね。ベースのレッスンも同業者が増えて来た事だし、ワシはここらでひとつ『イロモノ教室』でもやるかね(笑)。

11日(水)-----------------------------------------------------------------------------

映画解説の水野晴郎さんの訃報。荻昌弘、淀川長治、に続き、TV映画の代名詞でもあった人がまた逝ってしまった。考えてみりゃ、ひと昔前は1週間に4日も映画番組があったんだな。ウチは映画好きの一家だったから、大概の映画はこれで見てたんぢゃないか。御冥福をお祈りします。

夜、擦弦倶楽部の弐回目の部活。他の二人が思いのほか良い楽器を使ってゐるので、けふはワシもベニヤセロではなく、5弦を持って行く。前回同様、クリックに合わせてのスケール練習から始め、モード練習、課題曲演奏、と進み、気がつけば2時間みっちし演ってゐた。いや〜楽しいね。全然操れんのがもどかしいけど・・・。

深夜、焼酎呑みながらTV見てると『高校講座・地学』てのをやってゐて、そのNHKらしくないユルさが面白かった。にしても、地学、なんて授業、ワシらの頃にはなかったぞ。けふのはまた、ワシの趣味である古生代ドンピシャの内容で、こんなの授業にあったらワシぁオール100点ぢゃが。

12日(木)-----------------------------------------------------------------------------

宮崎のお土産ものに炭火焼きぢどり、といふのがあって、女房が買って来てくれた(宮崎に行った訳ではない)それをつまみに焼酎を呑む。恐らく7月末に宮崎でのライヴが実現するだらう。土産はこれやな、とか話す。さういへば熊本、博多も廻るのだ。さすれば炭火焼きぢどり、芥子蓮根、辛子明太、といふお土産の王道トライアングルが完成することになる。良いねぇ。

とかなんとか喋りながら呑んでると、えらい酔っ払ってしまって

13日(金)-----------------------------------------------------------------------------

家呑みの二日酔い、といふダメな酒飲みのやうな事をやってしまった。ヌ〜。ヂョギングして汗をかき、酒を抜く。少なくとも気持ちの上では・・・。

東京にジプシークイーン、といふロックバンドがあって、これが日本より海外アジア、それも中国で人気が高いらしひ。日本をアジアのひとつ、と見据える所から出発し、そこをマーケットに捉えてゐる「One Asia」といふ考え方にはなんとなくシンパシィを感じる。まぁこの人達ほどには突っ込んで行けないけど・・・。

ジプシークイーン、といふ水っぽいバンド名もさる事ながら、曲も「ロック」と云ふよりは良質のリズム歌謡、といったかんぢで、ワシの趣味ではないけど、アジアで広く受け入れられてゐるのも分かる気はす。音は完全にメヂャーの音だな。

日本から中国に発信するロックが歌謡曲風で、逆に上海から冷酷仙境楽隊のやうなプログレッシヴなバンドが出て来る、と云ふのもなんかオモロい。さう云へばMonkey majik は、カナダ人が日本語でシムプルなポップスを唄ってる。世界はますますグローバルなのだな、と思ふ。

しーなさんの唄声なんて、アジア諸国でウケさうな気はするんだが・・・。しーシュ海外進出はモンゴルから、なんてどーですかね?。


3週目

14日(土)--------------------------------------------------------------------

宮城県で巨大地震発生の報道。なんか悪い冗談のやうに、山がそっくり全部崩れてしまってゐる。なんぢゃこれは?。こんなの見た事ないぞ。被害に遭われた方々も気の毒だが、あの辺って原子力発電所がなかったッけ?。それについて何の報道もないのが、かえって無気味。

昼は参週ぶりのしーシュリハ。その帰り道、酒屋に寄って焼酎、ヲトカ、ペリエ、ビール、乾きものなんぞ買って帰る。

15日(日)--------------------------------------------------------------------

恒例となった豊田勇造師匠の広島ライヴ。今年はどんな唄を聴かせてくれるだらうか?。雨の中、会場入りして1年ぶりの再会。やぁやぁお久しぶり、と握手を交わす。

今年の夏は、勇造さんつながりで、新しい2箇所のデラシネ箱を開拓した。狙った訳ではないのだが、『ツアーミュージシャンに良いハコ』を探してオファーすると、自然に勇造さんの名前が出て来る。「あぁ勇造さんと演ってる人なんだねぇ」と、とてもスムースに話が通じるのだ。すごいねぇ。

さて、その広島ライヴは、まづ例によってワシとカシラのデュオで前座を務める。毎度の事ながらお客さんは微妙な反応(笑)。まぁ前座やから・・・。カシラの新曲「はてのうるまの祈りうた」が良い。が、たいへんベースが入れにくい。ベース無くてもえぇんぢゃないか?と云ふが、カシラは弾いてくれ、と。良いサポートになってゐれば良いのだが。ワシのソロはカシラのハーモニカ入りで「Dance」。ちょいとループに失敗。負け(苦笑)。

年々進化(深化?)してゆく勇造ワールド。こげな文章で書くのが空しいやうな絶品の世界。女房は云ふ『毛穴に染み入って来る唄』。その通りだ。

流されるもの 留まるもの 河は云ふ その執着を捨てなさい
働いて 飯を喰ひ 夢を見て 旅に住む
メーナム チャオプラヤ河に抱かれて 
アジアの子供に還りはじめる             「チャオプラヤ河に抱かれて」

聴いてゐたいが、第弐部はワシもサポート。今年は弐部全曲で弾かせてもらへた。弾いた、といふよりは唄に導かれて手が動くやうなかんぢ 。『リハの時間ないのにごめんねシュウちゃん』と勇造さんは云ふが、ワシはかういふ曲こそ、即興で弾きたい。スピリチュアル、といふよりはアニミズミック。に反応して弾きたいし、それが出来る。それはまぁ、カシラとの演奏でも同じ事だが・・・。

ゲスト参加、Otisのマスター佐伯さんのウードが冴えた「ペシャワール」、カシラとのツインヴォーカルになった「大文字」、ワシはアンコールの最後の壱曲まで付き合わせてもらった。満員のお客さんも、完全に満ち足りた素晴らしいライヴだった事は云ふまでもない。来年も是非、と強く願ふ。

ちょっと苦言を呈するならば、打ち上げではもう少し『勇造さんの話』を聴きたい。なんか此所数年、勇造ライヴの打ち上げに残る人って、自分の事ばっか喋ってゐるやうな気がす。学生運動の話なんか、今聞かされても、ねぇ。

16日(月)-----------------------------------------------------------------------------

7時に目が覚める。眠いのだが、まぁえぇわ、とロードワークに行く。眠いままヲーキング、ストレッチ、ヂョギング、筋トレ。眠いまま専門学校へ。眠いまま授業。眠いまま買い物して、帰っても眠い。眠いままセロの練習。ん〜〜眠い。夜も本読みながらウトウト。たまらず22時には寝る準備。

けふは本来「ゆほびか」のミックスダウンの予定だったが、エンヂニアのきむらあやこが『データを整理したい』との事で、自由時間となった。けふみてぇな眠い日に、自分の曲を何回も聴いてたら、完璧に寝てしまふよ。

17日(火)-----------------------------------------------------------------------------

夜のレッスンを休みにして、久々に夕方の散歩をす。この時間帯にしかない「空気感」のやうなものがあって、とても良い。

しかし、ヘタにうろうろしてゐると「不審者」に見られてしまふ怖れもある。難しい御時世になったものよ。けふも少し前を下校中の女子中学生が歩いてゐて、同じルートを歩いてゐるのを怪しまれてはかなわん、と別の路に入ったら迷ってしまひ、同じ処をぐるぐる廻るやうになってますます怪しい中年。

晩飯の支度をして女房の帰りを待ってゐたら「キツい」と連絡が入り、バス停まで迎えに行く。家に帰るなりぶっ倒れ、熱を計ってみると38.9度もあって吃驚。慌てて介護。彼女はあまり風邪を引かぬ方だが、何年かに壱度、このやうな原因不明の高熱を出す事があって、大抵は2〜3日で治る。今回もそれなら良いが。

咽が痛いと云ふので、消炎鎮痛剤だけ与える。この熱には意味がある。解熱剤は飲ませぬ方が良いだらう。熱中症だけ心配なので、水を大量に飲ませ、頭と足に氷枕を当てて様子を見る。万が一に備へ、救急病院を調べ、酒を飲まずに待機。夜半、寝息が聞こえはじめたので、とりあへずワシも寝る。

18日(水)-----------------------------------------------------------------------------

女房の熱、下がる。が、まぁ油断禁物。ワシはけふも休みなので、引き続き介護。ゆっくり静養してもらふ。

ワシは夕方から、カルメン・マキ・トリオのライヴを見に行く。メンバーはマキさん(Vo)、板橋文夫(Pf)、そしてヴァイオリンに、ワシのベストフェイヴァリットミュージシャン太田恵資。この凄腕3人が、メイン、バックの区別あまりなく、自由に即興して行く、といふ。勿論『時には母のない子のやうに』とか、マキさんの古いヒット曲なども盛り込まれてはゐたが、板橋さん太田さんの大胆な切り口で、単なる唄のトリオとは全然違う世界が繰り広げられる。広島ではあんまり見れないタイプの音楽だ。素晴らしい。

大盛り上がりに盛り上がり、終演は23時過ぎ。主催のウノ・ユリカの計らいで打ち上げに参加させてもらった。太田さん、想像通りのとてもフランクで暖かいお人柄。ますますファンになりました。共通の知人がいっぱいゐて、是非今度一緒に演りませう、とか云ふ話までとなる。実現したら死ぬかもよワシ(笑)。

板橋さんはちょいと怖くて・・・・(笑)。マキさんに唄の即興性などを訊ねたりもした。

途中、別ユニットで広島入りしてゐた、今堀恒雄(Gu)、ナスノミツル(Ba)、佐野康夫(Dr)、といふこれまたすごい人達が合流してきて、ウォー!ティポグラフィカとアルタードステイツとエレクトリックノマドだぁ!!とひとりコーフン。ナスノさん(これがまた良い人)とソロにつひて語り合ったりした。

気がつくと4:00過ぎ。ほとんどの人が帰ってゐて、太田さん強いもんだから同じやうに飲んでゐたワシは酔っ払い。フラフラしながら帰ってゐると、雨が降って来た。

19日(木)-----------------------------------------------------------------------------

まぁ、二日酔い、ですな。しかし太田さん、あんだけ飲んで年間320本くらいのライヴ(この人のスケヂュールはホンマにすごいのだ)やってゐるんだな。ばけもんだ。

昼過ぎまで寝て、なんとか仕事に行く。レッスンしてると少しはシャッとしてくるのはいつものかんぢ。レッスンを終え、遊びに来た友人(♀)とカレーを喰ひ、来週のライヴの打ち合わせも兼ねて、久しぶりにKobaに行く。昨日のけふなので、ヲトカ・トニックを一杯だけ。

20日(金)-----------------------------------------------------------------------------

Soe'sライヴ。けふはウチとしては初めて、ドラマーを入れてのライヴ。こないだセッションやって良いかんぢだった山口圭一くん(Dr)を迎へ、トモちゃん抜きの男ムサいクァルテット。何故かお客は過半数が女性。ファッション性皆無のこのバンドが・・・・。

けふはドラム入りと云ふ事で、いつもより即興の方向性が変わった。どのレパートリィも、また新しい可能性を感じさせるものになった。圭一くんはホンマにすごいヤツだと思ふ。アレを初見で叩けて、なをかつ音楽的解釈が加えられるドラマーを、ワシは他に見た事がない。けふはまたパイグが飛び抜けて良かった。うーむ、遅れを取ってるぞ、ワシ。

ぢつは年末までの時期にかけて、Soe'sでの参加を依頼されてゐるイベントが幾つかあり、まぁ上手い事絡めて行けたら、と思ふ。こんなメンバー達が、大した話題性を持てぬまま、細々とやってる、てのはやはりオカシイと思ふ。即興舞台とかやらせてもらへたら、すごい良い仕事できると思ふんだがね。

珍しくパイグの車に乗せてもらへて帰った。


4週目

21日(土)--------------------------------------------------------------------

Soe'sのライヴの翌日は、大抵腕や指が痛い。弾き過ぎ+リキみ過ぎなのだらうな。それにしてもゆんべのパイグのプレイは、またえらいことひと皮剥けた感じがあった。どしたんかいな?。師匠(ワシ)うかうかしとれまへんで!。

昼はしーシュのリハ。その後、しーシュで受けてゐる、あるライヴのリハに行く。歌ひ手が、アバウトな譜面を出して来て『自由に演って下さい』と云ふ。これ結構困るのだ。本当に自由に演って良いんなら良いんだけど・・・。ワシらの「自由」てのを知らぬな?オヌシ(笑)。

疲れたので、久しぶりにしーなさんと呑み(喰ひ)に行くKOBA。シーザーサラダ、冷や奴、ししゃものフライ、ペペロンティーノとカルボナーラのパスタ。ワインと共に調子良くガッつくが、途中で喰ひ過ぎに気付く。KOBAは料理が美味いので、ついついオーヴァーポーションしてしまふのだ。げーふ。

22日(日)--------------------------------------------------------------------

東京の涼子がやってゐるウェブラヂヲ、とかいふ媒体の電話取材を受ける。『えせニックと云ふモノの説明を』とか訊かれ、ぼそぼそと答える。うーむやはりワシかういふのヘタやな。まぁしゃーないか。多分此所で聴けると思ひますよ。全然大した事喋ってないけど。

快方したかに思へた女房だが、昼過ぎ頃、熱がぶり返してしまったやうでダウン。引き続き介護。夫婦しか居らん家族で、双方が倒れてしまった場合、誰が介護するんだらうか?。ウチは結婚13年目だが、幸いまだそげな事態になったことはない。だが、これから歳とってくると分からんな。そんなこんなで、此所数日我が家では、今加入してゐる生命保険を如何に解約するか、が話題になってゐる。

あんまりこげな事考へたくもないのだが・・・。

23日(月)-----------------------------------------------------------------------------

バハ・プログ2008に、日本代表として一緒に行った大阪のバンドジャンラの皆さんと、メキシコで知り合いになったアロンソ・アッレオラといふファンキーなベーシストを日本に呼び、アロンソ、ジャンラ、ワシでの広島〜大阪〜東京のツアーを敢行する計画が走り出してゐる。去年、フラワートラベリンバンドの石間英機さんを広島に呼んで云々・・・とやってゐたが、今年は地球の裏側からのゲストかよ。なんともまぁ・・・・。

このアロンソ、なんてーか、とてもフランクな良いヤツ。ワシはちょっと見知ってゐて、会場で会えたらCDでも買おう、と思ってゐた。したら、向こうからいきなりワシらの物販テントにやって来て『これを聴いてくれ』とCDをくれたのだ(笑)。ハポン(メキシコで日本の事をかう云ふ)に興味があるらしく、実費でも良いから日本に行って演奏したい、のやうな事を云ってた。

ワシらのライヴも全部見てくれてゐたやうである。「お前のフレットレスはとても独創的だ」みたいな感想をくれたりもした。社交的なジャンラの皆さんとはすぐ打ち解けたみたいで、ファイナルパーティー(ワシは出んかった)あたりにはもう『行くぞ』『来い』みたいな話になってた、とか。

年齢不詳。多分ワシらよりだいぶ若いんぢゃないかな?

まん中がアロンソ

24日(火)-----------------------------------------------------------------------------

アロンソのライヴもアレだが、自身のツアーの計画も立てねば、と云ふ事。しかし良い流れをキャッチ出来て、博多から今治までの2週間に渡るツアーが組み上がりつつある。ありがたいことだ。博多から熊本、宮崎、今治へと繋ぐルートを捜して、時刻表や路線図と格闘。ワクワクする作業ではあるが、大変めんどくさい(笑)。

にしても九州南部の、なんと交通の便、乏しき事よ!。東国原知事が地方財源云々を云ふハズである。バスを乗り継いで行くしかないな。それはそれで「深夜特急」みたいでオモロいが。まぁなんのかんの云っても、自分だけの事を考えてゐれば良いので、楽、なのかな?。何があっても自己責任だから。かういふ事を重ねて、ヒトは強くなるのだらう。もっともっと強くなりたいものだ。

ぢつは4月くらいから、知人が一緒にNYへ行かぬか?といふ話を持ちかけてくれてゐる。行ったらセッションくらいは出来るよ、との事で、悩んでゐた。今もまだ悩んではゐるのだが、多分今回は行かない事にする、と思ふ。「行かない」明確な理由は無いのだが、「行く」明確な理由もないのだ。多分楽しい経験になる、とは思ふのだがね。

25日(水)-----------------------------------------------------------------------------

擦弦倶楽部参度目の部活。まちゃあきのコンバスが壊れたとかで、ワシの知人のアップライトを貸してやる。てゆーか新品なのに、もう壊れたのか?。けふも演る事は同じ。スケール練習と課題曲練習。課題曲の中に、ちょいとアイリッシュ風のがあって、これを繰り返してゐると楽しい。が、楽しいのは多分自分らだけで、端で聴いたら相当な雑音なのだらうな。MIやんが疲れてるのかテンションが低い。

にしても(これ多い)擦弦楽器ってホンマにハードルが高いねぇ。特にヴァイオリンなんてちっちゃい頃からやんなきゃ無理、て云ふのも分かる気がす。そしてちっちゃい頃からこの楽器を演って、そこそこイケるやうになったヒトは、だいたいちょっと変わってるヒトが多い、と思ふのだが、どうよ。

んで、その「変人」ぶりは、例えばベース弾きやギター弾きの「変わってる」のよりは、づっと楽しくてジェントルだ。

26日(木)-----------------------------------------------------------------------------

けふはPICOにて、宇宙人おーちゃん、との参度目のコラボ。これまでは割とアクースティックなかんぢのコラボが多かったが、けふはドラムやキーボードもゐて、なんか始まる前からオモロさう。仕切りはkobaのボムくんで、けふはライヴ全体が宇宙旅行で、ステージではなく「コクピット」なのださうだ(笑)。

てんでバラバラに演ってる、てかんぢのリハを終え、開演時間を大幅に過ぎた21:30にワシのソロからスタート。広島でソロ演るの久しぶりだな、と思ひつつ、割と定番の形で進める。お客も若いヒトが多く、なんか演るたびに会場から『ヤバい(良い、て意味らしい)』とか云ふ声が聞こへて、楽しい。40分のソロでステージをあっため、後続に譲る。

弐番手は薬師寺仏掌堂、といふディジュの二人組。これが脳みそをぽりぽり掻いてもらってるやうな気持ち良さ。ここらで既に宇宙だった(笑)。

続いておーちゃん。今回は全編を誰かとのコラボにする、といふ形で進めるらしく、ディジュ+ハング、口琴+ホーメィ、口琴+ダルブッカ+シンセ、などなどの組み合わせでどんどん「宇宙」へ。ワシもカリンバやヴォイス、ベースで参戦。最後はディジュ×2+ハング+ホーメィ+シンセ+ベース+口琴+ドラムス、といふ、まぁ好きなヒトにはたまらん、見事な「宇宙旅行」が完成。

いや〜〜〜〜、オモロかった!。個人的にも面目躍如たる素晴らしいライヴだった。しかし長かった!!。終わったのはもう日付けが代わった後。だが、おーちゃんはお客さんにハングを叩かせ、自分はギターでセッションを始めてゐる。ホンマに音を出してるのが大好きな男なのだなぁ、と思ふ。

誰も突出しない、ピースフルでハッピィなイベントに参加出来て嬉しい。

27日(金)-----------------------------------------------------------------------------

「宇宙旅行」の余韻覚めぬが、頑張って朝から仕事に行く。

昨日みたいなライヴがやれたら、翌日はたいへんピースな気分で居る事ができる。40過ぎて流石に身体は疲れを引きずるやうになったが。だが、若いヒトらに云はせると、ワシは充分『元気な42歳』なんださうで、へぇ、と思ふ。ことさら老いを意識する事もないのかも知れぬ。

たァ云へ疲れは疲れ、眠気は眠気。生徒に反復練習をさせながら密かにうたた寝してゐるワシを、たれが知るだらう。あ、やべ、最近この日誌、生徒も読んでるんだった。てへへ・・・。

実家からの電話で、最近親父の調子が悪く、記憶障害などが出てゐるらしひので、精密検査を受ける事になったのださうだ。こちらはもうどう取り繕っても立派な「老人」なので、まぁ・・・ねぇ。取り越し苦労、ならば良いのだが。


5週目

28日(土)--------------------------------------------------------------------

さる人のライヴをしーシュで手伝ふ。ゲストなんだがバックなんだか、良く分からん微妙な立場での演奏。「音楽は楽しければ良い」てのは人それぞれでね。自分と、自分の周りがさう思ふからって、アカの他人にまでその哲学が通じる、と思っちゃいけねぇよーぅ。ちょっと複雑な仕事でございした。

打ち上げはしーシュだけでkobaへ。呑みもんだけオーダーしてまったりと。途中、Bomくんが音楽を演るきっかけになった『ある曲』の話になり、それがなにか?で盛り上がる。Bomくんが口ずさむのを聴いてるうちに、どうもそれは矢沢のエーちゃんの曲なのではないか?といふ話になり、Bomくん大興奮。気がつくと3:30を廻ってゐて、久しぶりに酒と会話だけでこんなに居座ったな、と。

29日(日)--------------------------------------------------------------------

雨の日曜日。金曜日に買った「きいろいゾウ」といふ、仲々オモロい本をづっと読む。晴耕雨読。

最近、意外にも『シュウはいつもなんかさり気ないエスノ服を着こなしてゐる』などと云はれるやうになった。『何処で買うのか?』と訊かれたが、それはぢつは普通のシャーツやらを、自分でリフォゥムしてゐるのだ。襟を分解してスタンドカラーにしてみたり、ほつれた部分にエスノ柄の布をつぎ当てたり、安い染料でまだらに染めたり。正規に買うとエスニック服って高いんだな。だから、そげなセコい事をしてる訳だが、意外にこれがオモロい。

ワシは「良い服」とか「高い服」とか「流行りの服」とかを特に着たいとは思はぬ。が、自分だけの服、といふは興味がある。

ので、この際だから、と、けふは女房にソゥイングメシンの使ひ方を教へてもらった。常々、Gパン屋とかで裾上げをしてくれる兄ちゃんなどを見て、メシンの使へる男といふは仲々格好良い、と思ってゐた。まぁ教へて貰ってすぐに応用出来るモノではないが、ちょっとづつでも慣れて行かうかな、と。

30日(月)-----------------------------------------------------------------------------

月曜日は夕方に散歩をする事が多い。川沿いの遊歩道をぶらぶら歩くのだが、けふはなにか、少年達の不穏な集団を幾つも見かけ、あまり良い光景ではないな、と思ふ。まぁただ単にする事がなくてつるんでヒマを潰してるだけなのだが、その姿がたいへん・・・・なんてぇのか、美しくないのだよ。少年だけではない。中年も老人も、男が3人以上群れてゐる姿は、全然イケてない。例外はスポーツチームぐらいだ。

やはり思ふに、オス、といふモノは、元来群れるべきでない生き物なのだらう。自然界で、牡が群れて社会性をなす種族は、ほとんど無い、と云っても良い。ヒト以外の種族の牡は、たいてい交尾期以外は一人でさすらって生きてゐる。それは、種族を遠くへ広げる、といふ本能の為せる業なのだが、同時に、無駄な争いを回避する、といふ好循環を生む。

まぁ人間だけにそれ(牡だけのコミューン)が出来る、と云ふ事を善しとするか、それともやはりそれは、自然の摂理に反した光景とみなすか・・・。

まぁ、とにかく、自分にもあの時代があった事は棚に挙げて、たむろして何もしてゐないあの少年達の姿は、たいへん醜く見えた、といふこと。


7月へ