12月

1週目

1日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

12月に入った。怒濤のライヴ月間である。まづはしーシュでの2デイズ。ダブルシュウでの相棒でもあるシューちゃんこと岡山守治と、恐らく日本で唯一のガタム(インドの壷パーカッション)奏者久野まっは隆昭によるシューマッハとのカップリング。けふはお馴染み、呉市はRAZZでのライヴだ。

シューちゃんとは今年はじめにツアーしてるし、こないだ東京でも一緒に演ったので、古い友達、てかんぢがするが、まだ知り合って2年も経ってないのだ。不思議な縁だな。

シューちゃんの各種倍音技と、まっは君の超絶ガタムが絡み合う、新しい世界。すごいな、これ。演奏だけ聴いたらホンマのモンゴル+インドのコラボと思ってしまふぞ。これを演る若い感覚と、中途半端に年季だけ重ねたヴェテランなど歯牙にもかけない高い技術が、完全に同居してゐるからこそ出来る世界。前に共演した時もさうなのだが、う〜む・・・嫉妬してしまふなぁ。

しーシュは特に策も練らずいつも通りに。まぁそこそこの事を演り、そこそこウケた。けふは特に「夜の駱駝」がウケた気がしましたよ。シューマッハの音楽性とは全然違う世界だったが、そこは住み分けで。最後は4人で一緒にセッション。オモロい。RAZZのライヴにしては珍しく、あんまりお客さんが入ってなかったな。まぁ月始めの平日だしね。

終演後はちょっと話だけして、ワシらは広島へ帰る。帰り道、彼らに思ふ羨望の気持ちを、しーなさんと語り合う。

2日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

シューマッハとの日々二日目。けふはヲルガン座。午前中仕事をしてゐた昨日と違い、けふは会場入りまではのんびり。それでも、朝はちゃんと早起きして走った。

チャリで会場入りすると、ちょうど店の前でシューちゃん&まっは君とばったり。そこから音出ししたりリハしたりして、名物「つけ麺」も喰ふ。

けふは「以外に儲かる可能性のある」投げ銭スタイルにした。ヲルガン座の場合、これは通常営業+ライヴ、となるので一般客も見込める、かも。開演時間には出した椅子のほとんどが埋まり、まづはしーシュからスタート。キーボードで演った昨日と比べると、生ピアノで演るけふはしーなさんのノリが格段に変わる。やっぱこの人は「ピアノの人」なんだなぁ。即興要素強く、仲々良いステージ。

引き続きシュ−ちゃんのソロ。そしてけふは「ダブルシューマッハ」としてトリオのセッションを。「ジニー」といふ曲を半即興で演るのだが、これが、なかなかに神憑かり的な演奏となる。ちょっとでもインド音楽を齧ってて良かった、といふ。シューちゃんのホーメィと純正率ギター、まっは君の高速ガタム、ワシのベースとえせニックヴォイスが交錯し、30分ノンストップの演奏があっと云ふ間に感じられた。

終演後、二人からも絶賛をもらひ、嬉しい。かういふニッチに立てる音楽家であり続けたい、と強く思ふ。ここに居る事が出来て良かった。

打ち上げは二人のリクエストでお好み焼き。まっは君、うどん入りのおっこんに驚いてゐる。シュウちゃんは激辛おっこんを。酒はほどほどにして、旧知の仲間のやうに話に花が咲く。がっつり喰って明日は大阪へ朝7:00に出発ださうだ。気を付けて良い旅を!。また会おう!。

3日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

明日のライヴが、当初聞いてゐた話と違う事になってゐて、少なからずショック。カップリング、と云ふ事で引き受け、楽しみにしてゐたのに、いつの間にか「前座」だ。どこからそんな話しになったのか、それとも始めからそんな話しで、ワシが勝手な夢を見てゐただけなのか、単なる伝達ミスだったのか、知りようはない。

まぁいい。人生そんなもんだ。


2週目

4日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

酒井俊&太田恵資広島ライヴの前座をソロで務める。

会場入り時間の連絡がなく、どーしたものか悩む。前回、ソロを演った時には、19時に行ってまだ店が開いてなかった、といふ事もあるので。まぁけふは他所からの人達のライヴなので、さういふ事もあるまい、と19時に行く。そしたら酒井さんと太田さんがリハ中だった。太田さん、ワシの事を憶えて下さってゐる。前に会った時は話をしただけだったが、けふは初めてワシの音楽も聴いてもらへるのが、嬉しいやら怖いやら。

ワシの持ち時間は30分。オン・タイムでお客さんも揃ひ、満員の中ソロのスタート。最近、「勝負系」のライヴではオープニングを「あやかし」から始める事が多いが、けふもさうする。なかなか悪くないソロだった、と思ふ。しっかり聴いてくれるお客さんで、かなりの好評。しばらく拍手が続く。まぁ成功、かな。太田さんは最後列でづっと聴いてくれてゐた。「ブラーヴォ!」と大きなかけ声。ホンマにあったかい人なのである。

その後の酒井俊&太田さんのステージはさすがの圧巻。ヴィヲロンと唄だけ、といふ究極的なデュオだが、当然っちゃ当然ながらこれが聴かせるんだなぁ。素晴らしいね。2時間に渡るステージは好評のうちに終了。打ち上げは、そのままお店で。ワシは既に結構飲んでたし、明日が早いので烏龍茶で。

お先に失礼する時、酒井さんが『色んな人が色んな事云ふし、色々あるだらうけど、自信を持ってその道を進みなさい』と云ってくれたのが印象的だった。ありがとうございました。またお会いしませう。

5日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

2時くらいに帰り、いろいろ準備をして寝たのが3時半くらいか。東京は東中野でのリハ開始に間に合う為には、7時の新幹線に乗らんければならぬ。起きれるのかワシ、といふかんぢだったが、6時にちゃんと起きれた。指定の新幹線に乗り、4時間弱で東京。最近、バスや鈍行列車の旅に慣れた身としては、すげぇ速い、と思ふ。

案内状に従って会場を探し、「東中野徒歩一」といふギャラリーに到着。けふはお馴染み久保田涼子が主催するクリエーター集団、ROOTのアート&ライヴイベントのゲストだ。会場にはメンバーの絵やオブヂェなどの作品が展示してある。その中でノンPAで唄うのだ。昼の部と夜の部があり、ワシは双方に出演。他の出演者には見知った人もゐて、その中にはこないだ広島で御一緒したピアノのKYOUさんも。

ワシが連れて来たのか昼過ぎから雨(笑)。東中野はあまり人も多くなく、割とこぢんまりとした街のやうだが、見上げるとどがーんと空を裂く高いビルが建ってたりするのは、さすがに東京。空き時間にはKYOUさん、和太鼓奏者の辻田さんとビール飲みに行ったりした。

昼の部は明るい店内に、内輪を中心としたお客さんがゆったり目。夜の部はぎちぎちのお客さんを前にポイントライトの光の中で幻想的に。

昼の部は良かったのだが、夜の部は暗くて手元が見えんのと、なんか耳の調子が悪くなってベースのピッチが取れず、正直全然納得行かぬ出来となった。難しぃなぁ。ライヴはホンマになまモノだね。

な訳で自分的には不完全燃焼感が強かったが、対バンのneomii&moonbow、これが凄かった。唄、二胡、パーカス、ギターの4人編成で、エスニック・オーガニック・サウンドっちゅうかなんてゆーか、絶妙なテンションとユルさ、爽やかさと妖艶さを持った。なんか旅してる人達のユニット、てゆーのかね、かういふの。あとで聞けばこれが4人それぞれソロのシンガーソングライターなのださう。くむぅ。久々に『入りてぇ〜!』と思ふバンド(ベースが居らんのよ)だった。

最後の全員セッションはたいへん気持ちよく。皆、プロで活動しつつも、ギャラよりも面白さを優先で今回のライヴを引き受けた人達ばかりなんださう。それがこんな実力派揃いとは、なんとも愉快な話ぢゃねぇか。

激烈に腹が減ってゐたのと、なんか生野菜が喰ひたくて仕方なかったので、打ち上げではシーザーサラダを2皿あっと云ふ間に平らげる。したらもうダメ。皆の話を聴きながら完全に夢の中。ライヴの打ち上げでこんなに眠いのは初めてだ。ごめんねみなさん。

6日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

宿に帰ってもバタンキューだったが、明け方寒いので目が覚めた。やっぱ東は寒いねぇ。けふは帰るだけなので、新幹線の時間まではりょーこと井の頭公園を散歩したりす。北村西望彫刻館なぞに行き、その見事な作品群を堪能。吉祥寺にこげな静かな所があるのも初めて知った。さうか、次から静かな所に行きたけりゃ美術館に来れば良いのだ。

夕方の新幹線で広島へ。21時には我が家に着。早いっ。

しかし、旅のミュージシャン同士でよくこの話題になるのだが、移動の疲れ、といふは、時間よりも距離が大きく作用する、と思ふ。例えば広島から北九州までにかかる4時間と、東京までにかかる4時間では、明らかに東京への移動の方が疲れる、やうな気がするのだ。多分、ヒトは(てゆーか生き物は)そげな短時間で長距離を移動するやうには出来てないのだ、とワシは思ふのですがどーでせう?。

7日(月)------------------------------------------------------------------------------------

エキセントリック・リコズのリハ。12/18用の。けふの所は「思い出し日」ださうで、レパートリィを浚ってざっと通すだけ。このユニットもだいぶ手伝い馴れた感がある。演ってる時はさうも思はなんだが、後で聴き返すとヨシオさんのドラムとえぇかんぢに交じってゐるな。しゃんと仕事せねば、ね。

村上春樹「1Q84」読了。ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、なんなんでせうかこの不達成感は。語られないまま終わる部分があまりに多いぞ。ふかえりはどーなるんだ?。小松は?。青豆は死んだのか?。

それに、意図したものなんかどーか分からんが、途中に『ん?このフレーズって「海辺のカフカ」でもあったやうな』とか、『これさっき書いてあったぢゃん』てぇのが何度かあり、正直、村上春樹、大丈夫か?と思ってしまった。聞けばいま第三稿を執筆中なのだとか。さういふ策略なのか?、それとも本人もあのラストには納得してないのか?、なんにせよこれぢゃ「3」を買わん訳にはいかんだらうが。やるねぇ。

8日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

専門学校の授業を終えて家に帰ると、突然、右の手首に劇的な痛みが走った。割とこれまで経験した事がない種類の痛みっ。痛い。痛たたたたた。

原因が全く分からず、様子を見るしか。湯をはった洗面器に手首まで浸けてぢっとしてる。少しは和らぐ。その後レッスンに行き、仕事中はそれほど気にならぬのだが、ウチに帰って雑務をこなすと、また激痛。なんなのだこれは?。

9日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

暖めて寝たのが良かったのか、手首の痛みは半減。その代わりと云っちゃナンだが、けふは鼻水&くしゃみが酷い。半日、譜面を書いたりネタを録音したりの作業をしてゐたが、集中出来んのが辛かった。風邪ひいたのかな?。さういやフローリングの家で、初めて冬を迎えるのだ。

夜、クリスマスのラヂヲで放送される内容を録音。喋りは後日また、といふ事だが、その架空の会話から繋がるやうにしーシュで演ってる「クリスマス・ソング」をライヴ風に。なんか白々しいけど(笑)そこはそれまぁプロの仕事ですよ。テイク1でも良かったのだが、まァ一応、と云ふ事で何度か録り、最終的にテイク3がOK。ワシも遂にクリスマスに唄声が流れる身分になりましたか。

愛車「にっち」の様子がおかしい。なんかガラガラ音がする。

10日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

自動車整備工場に電話。ガラガラ音がするが、エンジンは普通に回ってゐるし、運転にも特に支障はない。だが、やはりその音は少しマズいのでは、と云ふ話し。明日から少し広島を離れるので、その後に修理に出す事にした。ハーまた出費が・・・。

けふから木曜日のレッスンは総てキャンセル。演奏仕事に精を出して餅代を稼ぐのだ。けふはBobby'sで医師会のなんかで演奏す。Bobby'sとは云へ、けふはボビーさんとワシのふたりだけ。曲によって進藤センセイのフリュートが入る、と云ふかんぢ。これがシムプルで良い。もとよりドラムの居らぬ編成はワシのもっとも得意とするところ。正直、最近のBobby'sの演奏ではベストに入る出来だったのでは?。

ソロも演らしてもらひ、CDも売れた。揚げ立てのデカい海老フライの乗った定食も戴けた。そしてまぁ、割と何処に出しても恥ずかしくない程度の演奏は出来た。うむ、良い仕事だったのではないか?。

明日から遠征。金、土、日、で名古屋、松阪、広島、を巡る小ツアーだ。


3週目

11日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュプチ遠征。昼の間は普通に仕事をしてから、駅でしーなさんと待ち合わせ、夕方の新幹線で名古屋へ。19時過ぎには着。早い早い。帰宅ラッシュで賑わふ名古屋駅から地下鉄を乗り継ぎ、お馴染み今池はりとるびれっじへ。

けふは、当初から決まってゐた明日の松阪でのライヴの為に「前乗り」をする予定だった。一日逗留して明日ゆっくり松阪へ、といふ話だったのだが、せっかく行くならツイデにライヴもしては?、といふ事になり、急遽びれっじでのワンマンが決定した、と云ふ訳。突然決まった、て事もあって、正直客入りはかなり寂しい状況だったが、ワシのソロ行脚初めの頃からづっと来てくれてゐるお客さんなど、ホンマに近しい人に聴いてもらふホームコンサートのやうなかんぢになった。

新旧取り混ぜてオリジナルやレパートリィをのんびり披露。この際なので曲が出来るに至ったエピソードなども公表したりして。んで広島以外では初披露となる「クリスマス・ワルツ」も演る。泣いて聴いてくれた人もゐたね。良いライヴだった。

今回はカプセルホテルではなく、りとるびれっじのヒロミちゃんのお宅に泊めて頂く。毛並みの良い猫(雑種)が三匹もゐてナゴむ。夜中に腹の上にダイヴされたのは参ったが。

あ、さうさう。名古屋駅になんかの要人が来てゐたらしく、物々しい警護に囲まれてラッシュをかき分ける莫迦な人垣がゐた。ポリ公が「よけて下さい」だと。お前らがよけんか糞莫迦が。隅っこを歩けノータリンどもめ。

12日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは「谷口幸至朗+しーなとシュウ」として松阪市はM'AXAの忘年会ライヴに出演。幸至朗さん、ヒロミちゃんと共に、車で松阪を目指す。

折角この辺まで来るなら、と伊勢神宮付近まで足を伸ばし、観光もする。「おかげ横丁」といふえぇかんぢの観光地で、ビール飲んだり牡蠣喰ったりサザエ喰ったり秋刀魚喰ったりひりょうず喰ったり土産を買ったりす。ア、あの「赤福」の本店があった。あんな事があっても行列がすごい。なんだかねぇ・・・。

さて、M'AXAである。幸至朗さんとの縁によって実現した秋口のツアーで気に入られ、あれから三月も経ってないのにまた来ちゃった、といふかんぢ。けふは全国から、M'AXAゆかりのイカしたミュージシャンが集まって、パーティーのやうなライヴだ。他の出演者もみんな「此所だけの編成」みたいなかんぢで楽しんでゐる。さういふ事ならワシらも楽しもう、と宴会に来たつもりで参加。「りぶさん」といふ、ホンマに感じの良い若者のバンドと意気投合。リハや本番の間に語り合う。

ライヴは全般的にブルーズ+R&B÷ロケンローにちょいファンク、みたいなかんぢで、しーシュだけで演った2曲(ラクダ、鰐)は、はっきり云って完全な「場違いフォー!!」(笑)。でも楽しかった。三ヶ月ぶりの幸至朗さんとの絡みもGOOD。若手ハープ吹きのクニくんの参加もばっちり。いや〜しーシュがこんな事を演れるユニットになるたぁね。

自分らのライヴが終わったあと、珍しく会場で全出演バンドを見た、といふ。それぐらい面白かった。先述のりぶさんのハッピーさ、高田エージさん、HAGE富安さんのシブさ、そしてウシャコダ藤井さんのイキっぷりと開けっぷり。もう完全に脱帽。素晴らしい人達は、まだまだ沢山ゐるのだねぇ。最後はそんな人達とステージ場に大集結して大合唱のフィナーレ。いや素晴らしいイベントだった。ホンマに楽しいライヴだった。この場に居る歓びを!!。

打ち上げの段になってしーなさんがダウン。さすがに今回スケヂュールがタイト過ぎたかな?。ワシも帰り道は体調低下。何度か車を停めてもらひ、道端にボミットしてしまふ。

13日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

ゆんべはヒロミちゃんちに帰って来たのが4時くらい。さすがに誰も風呂に入る気力なく撃沈の雑魚寝。目が覚めたら晴天の日曜日、朝10時だった。しーなさんは急ぎの用事があるので、先に出発。ワシも本来ならば在来線で9時間かけて帰る所だが、けふも広島でライヴなので・・・。せめて「鉄」の気分を味わふ為に、「ひかり」と「こだま」を乗り継いでのんびり帰る事にす。

今回も、幸至朗さんとヒロミちゃんには、ホンマにお世話になりました。二人と三匹に見送られて昼前に出発。駅できしめんを喰ひ、文庫本を壱冊買って、来た列車に乗る。在来線の旅情は望むべくもないが、まぁ流石に新幹線はシートが良いなぁ。時折見える車窓も、まぁ悪くはない。寛ぎながら文庫本壱冊読み終わる頃、広島に着。その足でPICOに向かふ。

第9回ござしきなげせんライヴの会。岡山辺りでカシラから体調不良の為の不参加を知らせる連絡があった。ワシは予定(宣言)通り鍵盤の弾き語りにチャレンヂ。人前でこれ演るのは10年ぶりくらいかね?。シンセのドローンを使った「メッセラ」は、我ながら初めて触る楽器でよぅやるよ、とも思ふ(笑)。あとフと思ひ出して、安全地帯の名曲「あなたに」も演る。たいそうウケて終了。

しーなさんやアフリカン部隊、パイグやアサミちゃんらも出て、今回もなかなか賑々しく個性的なござしきだったが、正直な所、そろそろ節目かな?とも思った。もともとごくごく内輪で持ち寄りのかんぢを楽しもう、と始まったこのイベントも、回を重ねるごとに出演者の数が増え、それに応じて主旨がややバラけてきた感は否めない。自分らの出番が終わるとさっさと帰ってしまふ人も増えた。それを主催のよーこちゃんに云ふと、『私もさう思ひます』と。やはり思ふ所は一緒だ。ので、次回のなげせんライヴは未定。うむ、それで良い気がする。

終演後、若い人らと、音楽で「切り込む」事とかにつひて語り合う。疲れてゐるが楽しい。

14日(月)------------------------------------------------------------------------------------

疲労感強し。が、専門学校。授業のあと、ラヂヲの収録。しーなさんのパーソナリティに、エレクトォナ−の倉田香織チャンとワシが絡む、といふトークを。香織チャン、壱週間前から「あぁキンチョウする、シュウちゃんタスケテね」とか云ってたが、なかなか堂々とした話っぷりで、ヘルパーのハズだったワシの出る幕などないかんぢ。女性二人の上品になってしまひがちなトークを適当にまぜっ返す、といふ所で役目を果たす。

夜はまたまたエキセントリック・リコズのリハ。こないだより熟れて来たかな?。さぅなるとミスが増えるのがワシの小物たる所以だ。けふもよぅミスった。

15日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

朝のヲーキングなどしたい所だが、疲労感強し。軽いストレッチもする気が起きぬ。ヌー。

専門学校ふたコマ。一旦帰って飯。夕方から個人レッスンを4時間。その後、こんどはフタコブ・リコズのリハへ。久しぶりだが意外に憶えてゐるもんで、割に調子良いリハ。トリオなので個人個人の役割は増える。なかなか大変な演奏だ。だが出来が良いので、リハはこれ一回、といふ事になった。どっちにしても今週末には本番だ。ふー忙しいね。

時間がなかったので久々に吉野屋の豚丼を喰った。いや、3分で『かっ込んだ』てかんぢかな。店内にはクリスマスのっぽい音楽が流れてゐて、こげな店でまでこんな所に日和らぬとも良からうに、と思ふ。牛丼屋なら堂々と無骨にやればよろしい。

12時前に帰宅。疲労感蓄積。なんか終わりの見えぬトンネルを進んでゐるやうなかんぢだ。だが楽しい。

16日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

久しぶりにヲーキング&たっぷりストレッチ。よくすれ違う連れション系若母ヲーキング集団が、なにやらひゃあひゃあ騒いでゐたので、軽くムカつきながら通り掛かると、子猫が死んでゐた。見覚えがある。多分、ウチの近所で最近生まれた野良の子の一匹だ。車に轢かれたのかなんなのか、目を見開き血を吐いてゐる。埋めてやる為に抱いてみると、まだ温もりがある。血もまだ固まってない。つい今し方死んだやうだな。

道具がないので穴が掘れない。仕方ないので良く茂った草の中に寝かせ、枝葉をかぶせてやる。土に帰って輪廻を巡れ。寒いからちょっと時間がかかるかな?。

愛車「にっち」から異様な音がする、と先に書いた。けふも変な音をさせながら車を走らせてゐると、車体下部から「カラカラカリン!!」と香ばしい音がして、バックミラーに路上を転がってゆくナニかの影が見えた。どーやら車の部品の一部が飛んでってしまったやうだな。わはは。

17日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

朝イチで整備工場ににっちを持って行ったが、異音がしなくなってゐる。エンジンには何の以上もなささうだし。調べてもらふと、どうもマフラの遮熱板かなんかが経年劣化により取れてしまったのでは、とのこと。「可及的速やかにヤバいか?」と訊くと、「さうでもない」と云ふ事なので、気にせずに乗る事にした。

けふは珍しくFar east loungeでの営業仕事。某団体の忘年例会かなんかの余興として。ある程度予想はしてゐたが、久々にホンマに「聴く相手の居ない」演奏だったな。色んな形態で似たやうな仕事を演ったが、ここまで聴かれなかったのも久しぶりの気がする(笑)。それでも45分、バラけずきっちり演奏して終了。

仕事のあと、来年の年末(!)に予定される壮大な計画につひて話し合う。

18日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

りこの側近としてライヴをやる2デイズの一日目。専門学校を終え、チャリで会場のカポネに入る。けふはおなじみエキセントリック・リコズ。東京からの「春犬でゅお」といふユニットを迎えて、の。

春犬デュオは、予想に反して内省的で静謐な音楽。打楽器のいない編成だが、アフリカンリズムを応用した、といふ「遠い国」はかなり面白いアプローチだな、と思った。しーシュでのヒントにもなるかな?。

前半後半を挟む形でリコズ。りこの曲にもだいぶ馴れた感はある。ホンマは譜面も全部憶えてもっと自由にアプローチ出来るやうにしたいんだけどな。ヴィヲロンのふみのチャンがソロを弾きまくり、弓の糸がばんばん切れて行くのが格好良いな。負けずにワシも!とやり過ぎて失敗する(笑)。まだまだ油断は出来ぬ。

客入りは少し寂しかったが、盛り上がって良いライヴだった。明日はフタコブ・リコズとして、やはり春犬さんと対バン。明日もよろしく、と店を出ると雪が降ってゐた。寒いはずだ。ふみのチャンに「来年もよろしくです」と云はれて気付く。年末が近付きつつあるな。


4週目

19日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

けふはフタコブ・リコズ。この寒い時期になんともキツい事だが、頭を剃る。まぁこれがこのユニットの「衣装」なので(最近のワシは完全なスキンヘッドではなく「短かめの坊主頭」なのですよ)

昨日に引き続き春犬でゅおを中心に、4バンドがホストを務める形の。インストジャズ、歌謡ロック、と出演バンドも色とりどり。ちょっとした「りこ関係者」の忘年会のやうなライヴだ。りこは春犬〜以外の全バンドで出演。頑張るねぇ。

フタコブ・リコズとしては3回目のライヴ。ドラムレスだが、そこはそれ、おそらくこの界隈では一番『ドラムレスに強い』フタコブなので、問題なし。他のドラム入りバンドに全く引けをとらぬ演奏が出来たと思ふ。ワシ個人的には昨日を上回る出来でしたよ。じょんがらソロやヴォイスも手応えあり。ワシは参加枠がなかったが、春犬デュオとりこのセッションや、春犬+hana嬢の唄ものなどもあり、お客さんを飽きさせない展開だった、と思ふ。

良いライヴだった。良いイベントだった。りこ、お疲れさま。今年は意外にも沢山お世話になったね。

4バンド出演、て事でイベントは流石に長く、撤収、打ち上げが始まったのは12時から。打ち上げ会場に使った鉄板焼屋が、奇しくも昔の知人がやってる店だった。良く憶えてくれてゐたもんで、顔を見てすぐにワシだと分かったやうである。嬉しいねぇ。

楽しい宴はまだまだ続きさうだったのだが、ぢつは明日、午前中から葬式に出ねばならぬ事になっており、いろいろと後ろ髪(ないけど)引かれる思ひだったが、1:30頃お先に失礼す。楽しい一日だった。

20日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

従兄弟のCの葬儀に出席。近年初めて、葬儀から火葬、初七日に至るまで全ての行事に付き合う。

同い年、といふこともあって、従兄弟、と云ふよりは、たまに会う親友、といふかんぢの付き合いだった。最後に会ったのは叔父貴の葬儀の時だったか?。住まいはづっと東京だったが、高校時代は一時近所に住んでた事もあり、夏休みにはよく近所のナイタープールに遊びに行った。Cと云へばあの夜のプールを思ひ出す。そのプールも、今はもうない。

昨日一昨日の楽しい現場にゐた自分を思ふ。なんのアテもなく音楽家になり、20年かけてようやく今がある。苦労した、といふ程の自覚はないが、楽な道ではなかったし、まだ道の途中だ。これからも楽な道ではないだらう。だが、昨日一昨日のやうな楽しい事と、嬉しい出会いと、身を貫くやうな喜びに巡り会うチャンスは、まだ沢山あるだらう。それをよすがに、ワシは生くるのだ。

生きてゐれば、もしかしたらお前にもまだ、そんな楽しい夜があったかも知れんのに莫迦野郎が、と思ひながら、見送った。

21日(月)------------------------------------------------------------------------------------

ぢつは従兄弟の訃報が入ったのは金曜日の朝だった。そして土曜日、友人夫婦ん所に、新しい家族が誕生した。「輪廻」といふものを感じずにはおれぬな。どうか健やかで明るい人生を。豎子の未来に多くの歓びと、それよりひとつだけ多い悲しみがあらん事を。

クリスマスが近いけぇか知らんが、敬虔な気持ちになるわたしです(笑)。

22日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

明日のライヴにて出す料理、4Kgほどのタンドゥリ・チキンを作る。各種スパイスを混ぜ合わせたソゥスに一晩漬け込み、けふワシが仕事に出てる間に女房が焼いてくれた。素晴らしく香ばしいにほひが家中に立ちこめる。はてさてお客さんは何人来るのやら?。

専門学校、楽器店のベース教室のレッスンが、けふで終了。高校時代の同窓会の会場を手配する役目を帯びてしまひ、予約。同時に、年始すぐに始まるツアーやらの交通手段の産算も。早くも4月までの遠征の予定が立つ。またまた旅の多い壱年になりさうだ。望むところ。

23日(水/祝)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュのクリスマス・イヴイヴ。ワシが準備した4Kgのタンドゥリ・チキンに対して、しーなさんはこれまた大量のポテトサラダ。やしがに兄妹のクボっちもスペアリブを供給してくれて、これだけあれば出す料理の格好はつくだらう。だが、この段階でも、集客が全く予想つかぬ。余るのか?足りぬのか?。

てゆーか、肝心の音楽の方は大丈夫か?てハナシ(笑)。

お客さん多くはなかったが、先日の名古屋と同じく、ホンマに近しい人に贈るプライヴェートなライヴ、といふかんぢだった。お世話になった人への感謝の唄。御歳暮のやうなライヴ。全員の名前が言えるほどアットホームな空間だった。ホンマにまた一年お世話になりました。来年もよろしくです。

終演後は料理を囲んで忘年会のかんぢ。

気にしたつもりはないのだが、やはり従兄弟の事が心の奥底にナニかの陰を落としてゐるやうで、気持ちをアゲて行く事が難しかった。あとで写真を見ると良く分かる。顔が暗い。作った時はこんな事になるとは思ってもみなかったが、「風早」の歌詞そのままの心情に、唄が揺れる。修行が足らんな。

風に吹かれて まだ見ぬ処へ 
思ひ遠く 運ぶ
君の心は 身体を離れて 
生まれた街を目指す

果たせなかった 淡い夢 
桐の香りに包まれ

疲れを癒す あの景色 
すべての色が 虹とともに

迎える人の 涙の向こうに 
おかえり
見えるかい? 海が              「風早」

24日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

クリスマス・イヴだ。12月に入ってから、ライヴなどがない限り市内繁華街に近寄ってないので、今年はクリスマス気分がない。まぁけふもきっと木っ端カップルが街にあふれて、それぞれディスプレイをしまくってゐるのだらう。

ワシはひたすら七面鳥を焼く。

鶏の丸は焼いた事があるが、七面鳥は初めて。そもそも鶏とナニが違うのか良く知らん。スタッフィングの材料を作り、ケツの中に詰め込む。おや、腹の中から別の袋が。型くずれ防止の詰め物か?と思ふが、良く見ると中にレヴァーが。なるほど、サービスなのね。そのレヴァーも下ごしらえして、やはり腹の中に突っ込む。あとはオヴンでじっくり焼くのみ。

と、バン!、と電気が落ちた(笑)。

炊飯器とオヴン、てのがいかんかったか。電源を別部屋から取って来て、まぁ事なきを得る。50分で立派な七面鳥の丸焼きが出来上がった。鶏に比ぶると油が少なく、肉にけっこう癖がある。しかし強い「生命」の味がす。関節にナイフを入れ、大きな胸肉をこそぎ、腿にかぶりつき、首の骨をしゃぶり、ワインを飲みながらひたすら「生命」をいただく。

少しだけの勇気で、赦し合おう。メリークリスマス。

25日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

昨日の七面鳥の残りを朝飯に。骨は残骸と一緒に圧力鍋で煮込んでスゥプにす。生命をすべて、いただこう。

日中、珍しく2時間ほどベースの練習。日頃は専門学校に置いてゐる「ドゥナ」を持って帰ってゐるので、それを。元はジャズベースだったこれも、改造に改造を重ねて、23年が経過した。新しい楽器への欲求はほとんどない。これと「ヴァネッサ(こちらは18年経過)」、この弐本を一生弾き続けるのだ。

夜はF楽器店の忘年会。みな大人しい。まぁ酒を飲んで莫迦騒ぎをする歳でもなく、これはこれでぢっくり人と語り合えて良いのだ。帰りは唄のC講師の車に乗っけてってもらふが、裏道の峠越えで車酔いしちまった。ウチに着いて、少し裸で踊って、寝た。らしひ。


5週目

26日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

滋賀県に行ってしまった友人のアフリカン・パーカッショニスト、紅葉くんの紹介で、急遽年内のライヴがもうひとつ決まった。ありがたいことです。今年のライヴ総数は92本。去年よりちょいと少ないが、まぁまぁのペースかな。

20代前半の、ほぼ全ての週末において、ワシらの溜まり場となってゐた馴染みの店が、遂にこの年末でクローズしてしまふ、といふ。ので、当時の仲間で集まる事になった。¥3000で好きなだけ飲ませてくれる貴重な店だった。きっとやかましい客だったんだらうな(笑)。ママいはく、来年の6月まで頑張ればまる30年だったのだが、とのこと。まぁ最近はワシも全然通ってなかったが、残念だな。

団体さんが入って来たので、ワシらは22時には辞去。もう壱軒、静かなバァに行って、さらに語って帰る。久しぶりに会う友は会話が尽きない。しかしO、お前声デカいよ(笑)。

全ての事は移り行く。

27日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

しーシュで、岩国市は錦果楼といふ老舗のお菓子屋さん(の茶店部)にてライヴ。天気よく暖かい日曜日。機材一式持ち込み、鍵盤だけ店置きのクラビを使ふ。12:30と14:00と15:00の3ステージ。結構ハードだ。

お客さんは茶を飲み、菓子を喰ふツイデに、といふかんぢ。BGM的で良いのか、ちゃんと「聴かせて」良いのか、イマイチ計れぬかんぢで、どーもやり辛い。しかも「20分くらいづつでいいや」と思ってゐたら40分は演ってほしい、とのことで。あんまりガンガン演るのも憚られ、かといってカヴァーで茶を濁すのもアレだし、て事で、結果、づいぶんとバラけた演奏になってしまった。

今年最後のしーシュだっただけに、ちょいと心残り。こないだのPICOもさうだったが、此所の処ちょーとしーシュがサえぬなぁ。

28日(月)------------------------------------------------------------------------------------

年末のお買い物。電灯とか、鋏とか、カビキラーとか、さういふの。この家で迎える初めての年末&正月だ。

夜はBobby'sの忘年会。ぢどり鍋。途中からセッション大会になって来て、ワシはピアノで適当な唄を唄う。12時頃、カラオケに流れて行きさうになったので、ワシは辞去して、近くで行われてゐた専門学校の生徒達の忘年会に参加。結構核心のとこらへんを話ながら、3時まで居座ってしもた。

29日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

起きた時はまだ酔ってゐた。それから時間を追うごとにひどい二日酔い、となる。ゲロゲロ。昼に、東京から帰省してゐる久保田涼子とランチをする約束をしてゐたのだが、申し訳ないがキャンセルさせてもらひ、昼過ぎまで寝てゐる。

15時過ぎにようやく起きあがれるやうになり、今年最後のしーシュのリハへ。来年頭に製作予定のアルバムの選考もかねて。今年は、他所の家の母親であるしーなさんを、非常識覚悟でツアーに連れ出し、いろいろ連れ回した。お疲れでしたね、しーなさん。旅はどうでしたかいね?。な訳でしーシュ忘年会をKOBAにて。さっきまでゲロゲロだったワシはうっす〜〜〜いジントニックで。

アルバム製作もアレだが、年明けすぐに名古屋〜京都へのツアーがある。来年1月、と考えてタカを括ってゐたが、歳続きのカレンダーで見ると、それは「来週」であり、いきなり慌てふためく我々。

30日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

昨日キャンセルった久保田涼子とのランチに出かける。今年もこの娘には世話になった。ワシと価値観の合いさうな音楽家を、ばんばん引き合わせてくれるのは、この娘の才能なのだらう。その縁を繋いで行きたいものだ。相変わらずの元気娘で、恐らく広島にゐる間中、友達と会い続けるのではないか?。

夜は急遽出演が決まった今年最後のライヴ。ヤンカディ☆エクスプレス------ギニア人マルチプレーヤーアラマ・ジュバテと、大阪のゴンゴマ奏者ツヨっさん、滋賀の山田聡(ケーナ)、西村靖博(ギター)といふ超混合ユニットにベースで参加。どんなんなるんだろか?と思ってゐたが、これが仲々、といふか大したモノで、今年の演奏シメにふさはしいライヴとなったのである。年の瀬近くに、またかなりオモロイ人脈と繋がる事が出来た。紅葉くんに感謝である。

にしてもアラマ・ジュバテ。進行を無視すること数回。いきなり止める、または止めない(笑)。途中で太鼓が叩きたい、と云ふ。客に「立て」と云って静かなのを演る、など、まぁ紅葉くんから聞いてゐた噂に違わぬエキセントリック、と云ふか典型的なワンマンのKYぶりが笑えた。いろんなアフリカ系の人と演ってみたが、この人と演るには忍耐が要りさうだな、と思はしむるヒト。

まぁそんな男に「お前、また演らう」と云はせたのなら、良しとしておこう。良い演奏納めだった。

31日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

朝、えれぇ寒いのでどーか、と思ってカーテンを開けると、雪がぼッぼッ降ってゐる。はぁ、何年かぶりの雪の大晦日だな。近所のスーパーまで蕎麦を買いに行ったり、最後の掃除をしたりもす。初めての年末年始を迎える家は、流石にまだ致命的なまでの汚れはない。

夕方、高校時代の友人J&Sと飲みに出る。長らく統合失調症を患ってゐたJの様子が、確実に好転の方向にあり、たいへん嬉しい。久しく出来なかった「夢の話」などして楽しく飲み喰ひす。

ワシはその後、独りで街に出る。セッションとか演ってる店などあらば飛び入りせんとしたが、意外にやってない。ひと気のない街をベース担いで独りさまよふ。MACに顔を出してマックさんに年末の挨拶。その後PICOへ。いつもPICOに集まってゐる面子が集まって、一緒に歳を越そうとしてゐる。良いな、此所は。

ここで年明けにかけてタイコ数台とベース二本(パイグも来てゐた)でセッションしながらカウントダウン。年明けて、乾杯してからさらにセッション。なんかその場の流れで「奇数拍子講座」になり、ワシの牽引で5/4拍子と7/8拍子のセッションを長々と。楽しい。

さうしてワシは2010年を迎えた。ミュージシャンとしては悪くない年明けだった、と思ふ。

さうさう、PICOに行った時、ちょうど大画面で紅白を写しており、そこで腐苦山魔差春が「はつ乞い」といふ唄を唄ってゐた。どうよこの薄っぺらさと嫌らしさ!。究極のナルシズムと勘違い!。中継まで使っての最悪のパフォーマンス!。ワシはもともとこの男の存在自体、生理的にまったく甘受できないのだが、唄う姿を初めて見て、さらに確信。最悪だ。

あと、怒里咥の唄の女が、意外にもエロく脚を露出してゐて、意外にも悪くなかった、のが意外だった。


2010年