7月


1週目


1日(土)------------------------------------------------------------------------------

アクターズスクール。「オープンレッスン(要するに父兄参観だ)」といふ事だが、イベントへの準備に、既に出遅れてゐるので、見学者の事なぞ気にしてゐるヒマはない。生徒をピアノの周りに集め、あれこれ指示を出しながら色々なパターンで唄わせ、組み合わせを考える。するとレッスン後父兄から『ものすごく面白いレッスンですね』と云はれた。

夜、しーなとシュウのリハ。来週末、このユニットとしては初めて他人が企画したライヴに出る。でもまぁ音響スタッフはいつもの『チーム椎名』だから、結局同じだ。リハ後は、久々にその『チーム椎名』-----マサオさん、きむらあやこ、マー坊、椎名さん、ワシ、での『飲み』。明るくなるまで呑んぢまったい。

2日(日)-------------------------------------------------------------------------------

昼前に起きて、また昼寝。夕刻前に歩いて巨大書店に行き、なんも買わずに帰る。

3日(月)--------------------------------------------------------------------------------

プールに行き、1000メートル泳ぐ。昨日のとは違う巨大書店に行き、音楽家のエッセーを買ふ。ロンドンの地下鉄でバスカー(ストリートミュージシャン、だが日本に多くゐるお友達の自慰的ストリート系、のヒトと違って、これで『お金を稼ぐ』立派なプロ。イギリス政府がライセンスを発行してゐる)をしてゐる日本人ギタリストの手記。とても興味深い活動のはずなのだが、残念ながら文章が稚拙で面白さ半減。さぞやエピソードには事欠かぬだらうに、中学生の日記のやう。

いや、もしかしたら、エピソードに事欠かぬ日常、なんてものは、あるいは特筆すべき事なき日常、といふ事なのかもしれぬ。彼は「エピソードを捜す為」にイギリスにゐるのではない、のだから。

4日(火)---------------------------------------------------------------------------------

二日ほどベースを弾くのをサボってゐたら驚く程ヘタになってゐる。これはいかん、と練習す。

今井陽子さん、といふヒトを知ってるヒトがどのくらいゐるだらう。「世界ふしぎ発見」のミステリィハンターとしても活躍してゐた、個性派の女性タレントである。元モデル。CMにも何本か出演してゐるし、舞台では演技派の女優としても知られたヒトらしいが、残念ながらワシはミステリィハンターとしてのこの人しか知らぬ。まぁぶっちゃけ云えばいちファンである。

恐ろしく地味な女性で、調べた限りではミステリィハンター以外に「主演」を務めた事はない。ちょっと前になんかのCMで広末涼子の「友達」として出演してゐて、広末なんかと並ぶとさらにその地味さが際立って、なんとまぁ・・・、と思ってゐた。ここ数年、TVへの露出が極端に少なくなり、ネット検索してもほとんどヒットせぬやうになってゐた。「引退しちゃったのかなぁ・・・」とか思ってゐたが、けふ、偶然に、今井陽子さんのブログを発見した。なんと彼女、結婚してママになってゐる、といふ。そしてその子育て記録と、元々の趣味であった手芸を軸にしたナゴみ系のブログを、名前を隠して連載してゐるらしい。

なんか古い友人が幸せに暮らしてゐる事が分かった、てな気持ちである。出来ればもう一度ミステリィハンターをする彼女の姿を見たい、とも思ふが、今井さんのささやかな幸せを祝福し、今は時折このブログを見て満足することにしやう。

5日(水)---------------------------------------------------------------------------------

けふも真面目にベースの練習。プールにも行き、1000メートル泳ぐ。市内を車で流してゐると、生徒の女の子が自転車で爆走してゐるが見ゆ。事故んなや、と思ふ。

6日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

システムを嵩にきて権利を主張する、といふタイプのヒトがゐる。かういふヒトは『$%&は#$%だから%$ではなくて、故に#$%は$%&と同じ事でしょう?』と一見まっとうな意見を云ってるやうに思へるが、ぢつは問題にしたいのは自分の損得だけで、確かに正しい事を云うてゐる事も多いが、嫌。

仕事、と考えればこのテのヒトにも懐柔しておくべきなのかも知れぬが、嫌なものは嫌。金にならぬ自由業をやってゐて、わざわざ嫌なものと関わりたくはない。アディオース!。

7日(金)------------------------------------------------------------------------------------

七夕。確か、願いが叶う、ってんだっけ?。『このまま、とりあへず喰ふに困りませんやうに』。

けふはFar east loungeのパーカス、ツンちゃんが『PICO』といふ店をオープンし、その記念パーティーにソロで出演し、その後しーなとシュウでClub Cream といふハコで行われる七夕コンサートに出演、さらにその後、PICOに取って返し、Far east〜で演奏する、といふ事になってゐた、いつの間にか。

まづCreamにてしーなとシュウのリハをやる。音響は馴染みのスタッフなので演り易い。ただ、このユニットで、自分らが企画するもの以外のイベントに出るのは初めての事で、果たしてどのやうに受け入れられるか、が心配、といふか、気になる。

折角なので椎名さんも連れてPICOに行き、ぼちぼち集まり出したお客さん相手に、まづソロを3曲(月の路/夜の駱駝/こきりこ節)。椎名さんと一緒に「ラクダ」を1曲。声の調子もベースの調子も良く、まづまづ受けて、気分良くCreamへ。

しーなとシュウはほとんどオリジナルだけで勝負。演目:ラクダ/京子と行った最後のナタリー/水母の夢/黄昏/夜の駱駝/夜中に猫が泣いてゐる/誰かとGood luck/バブの店先の計8曲。当初店内が割とざわついてゐたので、このまま行くとヤだな、と思ってゐたが、2曲めぐらいから静かに聴いてくれるやうになり、最後にはかなりいいかんぢにウケた。主催のルーシーさんもたいへん喜んで下さって、また演ってほしい、と云ってもらへた。なによりかういふイベントに初めて出演した椎名さんがえらい面白がってゐたのが印象的。

さぁ次だ。

ルーシーさん、その他知人に挨拶だけしてPICOへ。店内はオープンを祝うお客さんで満員。広島中のタイコ叩きが集まって来てゐる、といふかんぢで、改めてツンちゃんの交友範囲の広さを思はしむる。パーカッション軍団の1時間近くに渡る大セッションにヴォイスで参加した後、けふのシメにFar east〜で5曲(テビチ記念日/その男ヨシオ/星の波間に/ジントヨー/ヨーデル潮干狩り)。いやぁ盛り上がった盛り上がった。

10年ぐらい前、現北九州在住のテーさんが広島で店を出した時も、こんな風に盛り上がったのだ。なんか居心地のイイ店がまた広島にひとつ増えた、といふかんぢ。相変わらず若い娘にモテるツンちゃん、手伝いを申し出る娘もいっぱいゐる(らしい)。コミューンみたいな店になれば素晴らしい、と思ふ。

さすがにトリプルヘッダーは疲れた。あぁ明日もライヴだ。


2週目


8日(土)------------------------------------------------------------------------------

呑んだせいもあるが、疲れが全然抜けてゐない。けふもレッスン&ライヴだと云ふのにヤバいぐらいダルい。レッスンに行く直前まで昼寝をしてみるが、あまり成功したかんぢはない。疲れたままでレッスンに行く。アクターズでの子供相手のレッスンは、だいたいやってるうちに元気が出て来るものだが、けふはアカン。しかしまぁ、ワシは『演るぞ〜〜〜くそこの野郎』とかイキんでる時よりは、このやうにダルダルな時の方が良いものが演れる事が多いので、あんまり気にせんことにした。

19:00すぎ、会場のDuckへ。けふは九州+東京の遠距離デュオ『Shiba&TAKE』の広島ツアーの対バン。タケ君本人がわざわざワシに直接対バンをオファーしてくれたものだ。嬉しいね。相棒のシバも相変わらずクールでええかんぢ。彼はライヴ直前には、ヂョギングをしてアップするのださうだ。

ワシはダックでは1年ぶりのソロ。思った通り力まずにいいかんぢで演れた。色々と曲を用意はしてゐたが、結局いつものラインナップになるねぇ。演目は月の路/君が亡くなって1年が過ぎた/春/こきりこ節/夜の駱駝/水母の夢/キャメル/らのえてぃあ、だったよな。MD持ってたが録音すんの忘れた。此所数回地元広島で良い演奏が出来ず、ちっとナーヴァスになってゐたが、けふぐらい受ければ救われるなぁ。

後発のShiba&TAKEは、去年一緒に演った時より大人しめのナンバーが多かった。シバ君良い声してんな〜。かういふ低い艶のある声って憧れたんよな。けふはタケ君が唄う唄も聴けた。上手いじゃん、おぬし・・・・。聴けば彼等って本番前のリハが唯一のリハなんだと。まぁ遠距離ユニットだから当然っちゃ当然だが、それでここまで演るんだから凄いね。

お客さんも一杯入ってくれて、たいへん良いライヴとなった。

昨日、Soe'sのサックス藤井政美から電話があり、けふ中区のSOHOで新潟から来たピアニストとライヴを演ってるから良かったら弾きに来い、とのことだった。ライヴが終わった時点で12時近かったのだが、確かSOHOは遅くまで演ってる店だから、と考え、Shiba&TAKEと軽く乾杯だけしてSOHOへ行く。えへくたーは持たず、ベースのみで。行ったら丁度4thステージが始まる前だったらしく、軽く自己紹介して2曲程譜面を渡され、参加する事になった。

新潟から来た二野明氏はロック好きのジャズピアニスト。なんか「醒めた狂気」「キレた英知」を感じさせる凄みのあるピアノである。政美からも『好きに演ってくれ』と云はれたので、好きに演る。チャールズ・ミンガスと、名前忘れたコンテンポラリィなの、と即興の3つ。いやぁどれも初対面初音出しとは思えぬくらいビっと来て3人がそれぞれの宇宙を展開できたやうな演奏となった。凄いね。ジャズはこれがあるからオモロいんだ。二人もたいへん喜んでくれた。良い演奏が出来た時の政美の常套句『このユニットでヨーロッパに行く』も出た(笑)。お客さんの御老人が『いやぁあんなベースは初めて聴いた。津軽三味線みたいだね!』と云うて下さった。こきりこ節は演ってないスけど・・・・。

とまぁ、終わってみれば、昨日のトリプルヘッダーに引き続きけふもダブルヘッダー。40歳の男としては疲労は隠せぬが、ミュージシャンとしては充実の毎日である。

9日(日)-----------------------------------------------------------------------------------

けふはBobby'sの定例会『うどんとジャズ』がある。昨日はぐっすり眠れたお陰か疲れも残ってない。Bobby'sはもはやリラックスして演れるユニットなので、気負いもない。のんびりと入り時間を待つ。けふはドラムのマナブが休み。代わりに(?)トモちゃん名前分からず)といふ女性シンガーをゲストに迎えて、いつもより更に唄もの寄りのライヴ。予想を上回る客入りとなって「うどんタイム」の時など椅子が足りなくなり、お客さんにピアノ椅子やベースアンプなんかにも座ってもらふ事になった。ワシらメンバーも臨時店員になって給仕をこなす。かういふ所はこのライヴならではのモノで、オモロい。

さて、うどんも一段落してライヴタイム。ぎちぎちに満員のお客さん。演奏も熱が入る。ドラムレスなのでワシの役目も重要。てゆーか、かういふの結構好き。演目はいつものスタンダード。クライマックスでワシがヴォーカルを取る事になってゐたが、なんか気分がさういふ気分だったので、ボビーさんに『ソロで演ります』と云って独弾を演らせてもらった。夜の駱駝とOh Yah!の2曲。周辺機器は全く持ってなかったので、ベースのみで演ったが、これがたいへんウケた。ボビーさん『お前、今まで隠しとったな?』と云ふ。いや、さういふ訳ではないんですが・・・・。

かうして金、土、日に渡る3日連続ライヴ(ステージ数は6回)は終わった。程よい疲労、我にあり。

10日(月)-------------------------------------------------------------------------------------

ああいふ日程を3日も続けると、それに慣れるせいか、かえって疲れは少なくなるやうだ。けふもピっと眼が覚め、いつものやうにヲーキング+ストレッチ。昼にはプールにも行き、30分泳ぐ。自分で、やる、と決めた事はやらな、ね。

午後からしーなとシュウ、のリハ。しーなとシュウはこないだのClub Creamでの演奏がえらく評判良かったので、この調子でますます行こう、今後もこのテのイベントに積極的に出やう、と張り切ってリハ。さうね、レパートリィが増えれば、ベースとアコーディオンだけで、近場のツアーに出るのもエェかもね。鍛えなきゃ、心も身体も。

11日(火)---------------------------------------------------------------------------------------

友人がフィットネスクラブの招待券をくれたので、行ってみた。某大形百貨店の中にあるやつ。こ・れ・が、巨大迷路を思はしむる複雑な構造の建物で、何処に何があるのか分からぬ。「南棟」といふのと「西棟」といふのがあり、更にその中にAからFまでの棟があり、壁の案内図を見ても今自分が何処にゐて、何処に向かへば良いのか、明確に指示してあるものがなにもない。おまけに車を「7階」駐車場に入れ、階段もスロープも使わずに水平に移動しただけなのに、いつの間にか『西棟4階』といふ事になってゐたりする。「そこに」見えるフロアに行くのに、下に降りてぐるっと遠回りをせねばいかんかったりする。途中から本気で腹が立ちはじめ、ハッキリ他人に聞こえるやうな悪態をついてゐた。

無計画な増築と、場当たり的な改装を繰り返して来た結果が、かうした迷路のやうなモノを作り上げてしまったのだらうが、もし、これを、『テーマパーク的面白さ』と考えて、わざとさうしてゐるのだとしたら、ここの当主は全宇宙規模の大莫迦ものである。

12日(水)-----------------------------------------------------------------------------------------

ミッチー退団後初のSoe'sのリハ。とは云へ、けふはマサミも所用で休みの為、新メンバーの瞳ちゃんとワシのふたりで演る。これまでのリハで固まって来た楽曲をマリンバでどう演るか、を考える良い機会となった。瞳ちゃん、かういふ風にバンドを演るのは初めてらしいが、自分なりに色々『こうしてみてはどうか?』みたいな事を考えて来てゐて、それだけで『Good!』と云いたい。2時間、かなり真面目にあぁでもないかぅでもない、と演る。

13日(木)------------------------------------------------------------------------------------------

先日、ネットで見つけたウスタッド・スルタン・カーンとロブ・ワッサーマンのデュオアルバムを向こうのショップに直接注文した。ニュージーランドからの直輸入便。英語辞書片手になんとか注文したはエェが、ホンマに届くンかいな?と思ってゐた。それがけふ届いた。1週間ぐらいのもんである。いやぁ便利な世の中になったもんだ。こんなに簡単に個人輸入が出来るやうになったんだねぇ。

CDの内容たるやこれが見事にストライクで、スルタンのサーランギとロブのベースの絡みが最高。これのやうな雰囲気を出す為には、やっぱり減衰音ではどうしやうもないねぇ。ウ〜〜ム、ワシは今の4弦フレットレスベースで必要な事はほとんど出来るのだが、あとひとつ、欲しいものがあるとすれば「持続音」なのだ。かといってウッドは今さら弾く気もせんし、エレベを弓で弾いても、ねぇ。

14日(金)-------------------------------------------------------------------------------------------

連日暑い。そのせいかこの頃、身体が柔らかい。ストレッチをしてゐてもエェかんぢである。50歳までには「股割り」が出来るやうにしたいのだが・・・・無理か。

夕めしの買い物をしてゐると、どう見ても17より上には見えぬちゃらちゃらした男と、これまたどう見ても16より上に見えぬ妊婦が買い物してゐる。妊婦とは言え女は派手なキャミソールにピンヒール。男も今風のまさにこの瞬間にでもしょんべんを始めるやうにずり下がったズボン。デカい3ナンバーの車を正面玄関の駐車スペースでもない所にどんと停め、お互いがケータイで勝手に喋りながら腕を組んで買い物をしてゐる。別に若いことが良くない、といふつもりは全くないが、あれはダメだらうな。


3週目


15日(土)------------------------------------------------------------------------------

専門学校の体験授業。9:30に学校に向かふ。ヴォーカル科のマツノブ女史、ギター科のシバちゃんとトリオでデモ演奏して参加者を待つも希望者なし。10:30には終わって家に帰る。夕方からアクターズのレッスン。生徒達とわらわら遊んでゐるやうなレッスンだった。

夜はねこのづくのリハへ。来週土曜日に演る営業用のリハ。演ってるうちにものすごい目眩に襲われる。それ以後、この「人間形状記憶マシン」を標榜するワシが、曲の内容を全然思い出せなくなる。先週演ったリハの事が、なにひとつ頭に浮かんで来ぬ。以前目眩で耳鼻科にかかった時、脳の異常を指摘されたのだが、これはそれか?。その後、「チーム椎名」で飯を喰ひに出たのだが、やはりあんまり憶えてない。

16日(日)-------------------------------------------------------------------------------

朝、まだ目眩がするので、1年前の鎮暈剤を服む(効くんかいな?)。久しぶりに教会に行く。何ヶ月ぶりだらうか?。最近、元ジャズピアニスト、といふ女性がこの教会で奏楽の奉仕をされてゐて、賛美歌の随所にジャズィなアレンジが施されてゐて、とてもオモロかった。

車がパンクしてゐる。釘がぶっすり刺さってゐる。悪戯されたのか?。ヂャッキでキコキコとタイヤ交換す。

カレー喰って昼過ぎ家に帰り、まだ目眩が収まらぬので、更に鎮暈剤を投与。ここで、今朝服用した鎮暈剤の中に抗鬱剤が混じってゐた事が発覚。どうりでなんか変なかんぢがすると思った。仕方ないので、寝る。夕方起きて晩飯を喰ひ、また寝る。フロに入って本格的に寝る。ラッキーな事に此所数日の熱帯夜も去り、深い眠りを貪る。

17日(月)-------------------------------------------------------------------------------

あまり眠らないワシにしては、たいへん良く寝た気がする。今どき何処にも存在せぬやうな古びた駄菓子屋のやうな店(二階建て!)で昼飯を捜してゐる夢を見た。世間的にはけふは祝日らしひ。ワシにとってはいつもの日常。せねばならぬコピーをして、ベースを練習し、作曲もす。

夜はSoe'sのリハ。けふもマサミは欠席。練習しながら瞳ちゃんとアドリヴにつひて云々す。彼女にすれば(アドリヴを)演ってみて、ワシらに『まぁエェんぢゃないか?』と云はれても、上手く出来てないのに、何故良いのか?が、良く分からぬらしい。う〜〜〜む、別に適当に云ってるんでも、おべんちゃらを云ってるんでもなくて、そのアドリヴがその時キミの中から出て来たんなら、それはホンマにそれで「Good!」なんだけどね・・・・。クラシックには必ず「お手本(正解)」があって、それに近付く事が「修練」であって、なるほどそれからすればワシが演らうとしてゐる事は、作曲者のワシにすら完成系は見えてない。でも、そんなもんなんぢゃないかな?。

まぁ、色々聴いて、色々演って、楽しんで演ってよ、とリハ後、飯を喰ひながら2時間ぐらい喋った。

18日(火)---------------------------------------------------------------------------------

ふっる〜〜い、木造の家がクレーンの上に建ってゐて、家具が何もないその部屋でワシが暮らしてゐる夢を見た。タマにかういふ「住居の夢」を見るが、犬小屋だったり、洞穴だったり、屋根だけで壁のない家だったり、筏の上だったり、未だかつて「豪邸に住む」夢は見た事がない。けふも眼が醒めた後、う〜〜むイイ家だったな、と思ってゐる。

目眩がまだ収まらぬので、ヲーキングも水泳もパスす。専門学校の後、うどんのわきたで昼飯を喰ひ、家に帰ってぢっとしてゐる。

19日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは丸一日休み。しかしダラけはせぬ。目眩はまだ残ってゐるが、ヲーキングもし、ベースも練習。そろそろ各所から、8月20日東京でのキキオン+リズマ・クノムバス復活ライヴの事が話題に上りはじめた。DVD発売から1年を経て演奏の質がオチてゐては洒落にならぬ。しっかり練習しておかねば、ね。

主婦は高価な買い物をする事でストレスを発散するといふ。さういふ気分なのか、買い物がしたくなった。ので、巨大デパートに行って沢山買い物。まぁ本とDVDを買っただけなんだが。椎名誠「砲艦銀鼠号」、玉木広樹「純正律は世界を救う」、玄侑宗久「ベラボーな生活」、大暮維人「天上天下」。廉価版DVDで懐かしい「ストリート・オブ・ファイア」と、ボー・デレクのパーフェクトヌードがエロい「類猿人ターザン」。はぁぁ!、全然ストレス解消などならんではないか。むしろ『こんなに買って今月の財政は大丈夫なのか?』などと余計ストレスである。まぁ全部で一万円もせなんだのだが、ね。

20日(木)------------------------------------------------------------------------------------

雨の被害、各地で深刻なり。台風ならば皆それなりの準備もしてゐやうが、「大雨に注意」と云はれてもピンと来ぬ人も多いのではなからうか。げに、被災地の方々の心情、察するに忍びない。一刻も早く平安があらむことを。

駅からの帰り道に空手の道場がある。直接打撃系の結構ハードな流派である。夏場には道場の窓を解放してゐるので、稽古の様子が見て取れる。けふの帰り、チラと覗いてみた所、組手稽古をしてゐた。若い女性が男と対等に打ち合ってゐるのが見ゆ。たいへん余計なお世話で申し訳ないのだが、そのぅ・・・・、おっぱいに鉄拳を食らったりはせぬのかね?。

21日(金)---------------------------------------------------------------------------------------

専門学校、夏休み前最後の授業。「センセイは休みの間はなにしてンですか?」と生徒が問ふ。仕事してるよ、休んでる訳ねーぢゃん、と云ひつつも、明日から週休3日となる。その代わりツアーが3本。銭になり易いイベントは1つだけ。ははーっ、秋を迎へることが出来るのであらうかっ?。

「ジャズライフ」を立ち読みす。なんとゲィリー・バートンのクァルテットが来日してゐたらしひ。バートン、と云へばスティーヴ・スワロウである。ハーヴィーシトロンの妙なベース(形は割とスタンダードだがボディの厚みが凄い。フルアコか?)を抱え、椅子に座ってイってる写真。老けたなぁ翁よ。髪、ほとんど無いね。ギターはメセニー、ドラムスがアントニオ・サンチェス。凄い面子である。これは見たかったなぁ。すげぇ高かったんだらうけど。

夜、久々に『カツ』を作った。揚げ物って難しいね。


4週目


22日(土)--------------------------------------------------------------------------------

ねこのづく営業ライヴ。2時に会場入りす。会場は毎年ディナーショウを演ってる「アヴェニュ」。キャパは200ぐらい。これぐらいの広さとなると、やっぱりアンプは同じ100ワットでも口径の大きいやつが要るなぁ。リハやって、ワシはひとまずアクターズのレッスンへ。9月に行われるコンサートの曲が、此所に来て生徒達のキーに会わぬ事が判明。やれやれ、また面倒が増えたぜよ。

レッスンを終え、すぐにとんぼ返りしてねこのづくライヴ。けふはオリジナルは無く、スタンダードを中心に1時間ぐらい演った。出来はまぁ、あんなもんかな。

打ち上げは屋台村。韓国どぶろく「マッコリ」をがぶ飲みす。向いの屋台に、素晴らしくワシの美感覚にマッチする、まぁ平たく云やぁストライクゾーンの女性がゐて、盗み見しながら呑む。3時間呑み、河岸を変え佐伯家でけふのビデヲ見る。久々に3人が揃ったライヴだったが、けふはワシのベースのピッチがかなり怪しかったな。コード弾きした時なんざ、あからさまに濁ってゐる。これに気付かなんだ、てのぁ、やっぱ難聴、進行してるンかな?。

23日(日)-------------------------------------------------------------------------------

佐伯家に泊まったのだが、ここの、何故かワシに異様になついてゐる老猫「ビビアン」が、耳もとでみゃーみゃー鳴くわ、足にジャレ付いてくるわ、腹の上を横断するわ、で、ほとんど寝れなんだ。まぁカワイイので許す。軽く朝飯を呼ばれ、どっかでフロにでも入って帰るべ、と思ってゐたら、椎名さんが近所の薬湯風呂のチケットをくれた、ので、行ってみた。茶色に濁った薬湯風呂。「男性の方は『急所』を手で押さえて入って下さい」と書いてある。なんのこっちゃ?と思ひながら薬湯に浸かってゐると、たちまち全身がひりひりして来た。さういふ湯らしひ。気付いた時には、確かに身悶えするくらい『急所』がひりひりしてゐた。でも、他はたいへん気持ちが良かった。

後は家に帰って本を読みTVを見てぢっとしてゐる。優勝を決めた朝青龍が千秋楽で破れ、夜は宅配ピザをとって喰ふ。

24日(月)---------------------------------------------------------------------------------

うなぎを喰ふ。安価な中国産の蒲焼きを御飯にのせて鰻丼を作る。白焼きも喰ひたかったが、やはりこれは高い。ので、旬の豆鯵の刺身用に軽く塩を降り、遠火で5分だけ焙り、葱を散らして白焼きの換わりとす。

王さんの闘病が話題だが、ウチの親戚(親父の兄貴)が王さんと同じく胃ガンで、前摘出の手術を受ける事になった、とオフクロから電話。オフクロ自身もストレス性の内臓障害。仲が悪い訳でも無いのに、近くに住めず、滅多に顔も出さぬ自分の親不孝を思ふ。

25日(火)---------------------------------------------------------------------------------

専門学校の体験授業。いつものやうにデモ演奏す。週末でもないし夏休みに入ったばかりだし、けふは受講者は居らぬだらう、と思ってゐたが、予想に反して女子高生が二人受講。まぁ素直な良い娘達でレッスンも順調に出来た。

中野チカラさんと少し話をした。なんてこたぁない雑談のつもりだったが、なんか結構核心の部分を訊ねられ、核心の部分を答えたやうな気がする。

夕方から激しい雨が降り出したやうで、生徒達が次々とびしゃびしゃになって来る。東京の一番弟子川島弘光から電話。なんて事は無い近況の報告だったが、案外嬉しいものだ。一時期色々と悩み鬱病のやうになってゐて、ワシが行くたびに相談を受けたりしてゐた。この電話から察するに、どうやら持ち直したやうだ。丁度ワシが東京に行く頃、ヤツも京阪神をツアーで廻ってゐるらしい。仲々いいぢゃねぇか?。

26日(水)----------------------------------------------------------------------------------

どうにも気分がサエない。ので、泳ぐ。久しぶりに冷たい水に身体を浮かべると、嗚呼、やはり良い。ほとんど半月ぶりだったので軽く、と思ってゐたが、いつの間にか1,000メートル泳いでゐた。ちったぁスッキリした。

夜、女房が買って来たカエターノ・ベローゾのライヴのDVDを見る。これがかなり良い。唄はまぁそんなに上手って人ぢゃないのだが、でもそれがちゃんと唄に「ハマって」ゐるのだ。かういふのを「味のある」と云ふのだ。バックの演奏もエネルギッシュ(なんとパーカッションが5人!!)で良い。

27日(木)----------------------------------------------------------------------------------

楽器店の講師会議。なんか散漫なミーティングである。

CDをお買い上げ頂いた方から、『とても癒されてます』とのお便り。いつの間にかワシはさういふ者になってしまったやうだ。そして昔からナニカと人に悩みごとを打ち明けられる体質も変わらぬ。それはそれでたいへん名誉な事だし、人様のお役に立てるのは嬉しい。しかしワシ自身も、日々そんなにへらへらと生きてゐる訳ではなく、それなりにしんどい事もある。これは誰に癒してもらへばいいのだらうかねぇ?。

28日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

しんどいのは自分がビっとせぬからだ、と思ひ、まづプールへ行き1,000メートル泳ぐ。その足でスタヂオに入り、独弾の練習。運動直後なので手が震えるが、これもまた良し。そのままレッスンに入り、帰りには晩飯の買い物をして帰った。家に帰って洗濯物を片付けたりす。このやうにシステマティックに生きてゐれば、とりあへずしんどいのも忘れていられる。


5週目


29日(土)--------------------------------------------------------------------------------

しーなとシュウのリハに行く。先日、カーラブレイとスティーヴスワロウのデュオのDVDを購入し、そのデュオの・・・・なんと云ふか、完成度に打ちのめされた。やっぱりワシらも同じデュオといふフォーマットで演るからには、この地平までを目指したいものよ。と、いふやうな話をして、椎名さんにDVDを貸す。しかしこのDVD、海賊版でもないのに録音データなどが全然書いてない。スワロウ氏の弾いてるベースから察するに、結構昔のもののやうだ。ワシが以前、どっかのクラブでたまたま見たこのデュオのVとは、明らかに違う。て、ことは、まだまだこのデュオのVがどっかにあるはずなのだ。ヌ〜〜〜、全部見てみたいものよ。

リハ後は呑み。二人とも体調が悪く、すぐ酔っぱらう。酔い覚ましに歩いて帰る。青春に煩悶する若者のアベックのやうに、路上に座り込んでぼーっとしたりす。

30日(日)-------------------------------------------------------------------------------

岩国にソロで遠征す。日曜日の夕方なので、どれくらいの時間で岩国まで行けるか分からぬ。家の周りの道路が結構混んだりしてゐたので、焦って高速に乗った。すると思いのほか高かった上に余裕で岩国に着いてしまった!!。道路公団の阿呆どもに要らぬ投資をしてしまったなぁ。

さて、けふのライヴであるが、結論から云ふとワシの出来は良かった。しかし、イベントとしてみた場合、非常に問題だらけのものだった。まづ、出演者が持ち時間枠を守らぬのだ。けふのは、まぁもとX-邪犯のToshiといふ男がメイン、といふことで、他の3組みの出演者はみな30分枠でお願いします、とのことだった。まぁ、それは良い。そもそも4ツも出演者があるとなれば、云われぬでもひと組大体30〜40分、と云ふ事になる。メインやアウェイには沢山演ってもらふ、といふのも分かる(ワシもアウェイだがね)。

ひとつ目のユニットは、まぁ5分超過ぐらいだったので、まだ、許容範囲だった。問題は二つ目のソロのあんちゃんで、これが自分のワンマンであるかのやうに、延々演るのだ。こいつは以前にも対バンをした事があり、その時も不要に長いのを演って、ちょっと呆れた事があるのだが。今回はマトモに演るだらう、と思ったが、さにあらず。30分はゆうに過ぎた時点で『残り3曲となりました』などと云いよる。良く見ればこいつ、その3日後か4日後かに、同じハコでワンマンを演るらしいのである。呆れてものが言えぬ。一体何を考えてゐるのだらうか?。いや、自分の事しか考えてないのは分かってゐるのだが・・・。

さらに最悪なのは、イベントが長引きさうになったのを懸念した会場側が、なんと待機中のワシに「MCなどを短かめにしてくれぬか?」のやうな事を云いに来た。明らかに云う相手が違うと思うのだが。そもそもワシはそんな長いMCなぞせぬよ。

ワシは新曲も用意して行ってたのだが、30分、と云はれた時点で、こきりこ節/月の路/夜の駱駝/春/らのえてぃあ、の5曲をセレクトし、本番も30分できっちりシメた。云はれたやうにMCもほとんどせなんだ。それでもワシを見に来てくれたお客さんには、満足して頂けるものを演れたはずだ、と思ふ。

しかし、最後のToshiの演奏もやたらと長く、7:00に始まったライヴが、終わったのは11:00ぐらいだった。ワシはそのうちの30分しか演ってないのである。

ぢつはかういふ事は日誌とかで書くべきではない、とも思ったのだが、この日に見に来て下さった方から『もう少し長く聴きたかったです』といふお便りを頂いたので、感謝とお詫びの気持ちを込め、経緯を説明させて頂いた。精神的に幼稚な出演者が多いのも困ったものである。

31日(月)----------------------------------------------------------------------------------

アクターズスクール企画会議。けふは参加者が少なかったので、日頃よりは多めに発言した。

夏本番となり、車の中が恐ろしく暑くなるので、窓に遮光シールドを貼る事にした。なんでも業者に出せばものすごい金額を請求されるさうな。なんてってもカー用品店に行けば売ってるではないか。これは自分でやらぬ手はなからう。と、近所のホームセンターで、シールドと、それを貼る為の『プロフェッショナル・キット』といふのを¥2000ちょっとで購入。書いてある手順通りにやってみて、そして失敗した。

なるほど、業者が高い金額をとるはずである。これはプロの仕事やね。てゆーか、こんなん素人に売るなや。


翌月