6月


1週目


6月1日(木)---------------------------------------------------------------------

カーステレヲが直った。なぜだ・・・?。昨日あんだけ何をやっても動かなんだのに、けふはエンジンを始動させたとたんに動きだした。???よう分からんよ、ホンマ。

S楽器店にちょい前から「出る」と聞いてゐたサンプリングマシンが出てゐる。早速店員で元生徒のAを呼び、試し弾きす。今ワシがライヴで使ってるRCー20といふやつの超グレードアップヴァージョンらしひが、色々機能があり過ぎて試し弾き程度では全く分からぬ。ちゃんと説明書を読んで使えば良いのかも知れんが、いちいち説明書を読まぬと使えんやうなモノは「楽器」として使うにはどうかねぇ?。真に使えるモノとは、見て、いぢったら、もう使いこなせるやうなシムプルなものだ。

2日(金)-------------------------------------------------------------------------

けふはBobby'sでの営業仕事がある。ボビーさんの母校北九州市立大学の同窓会、での演奏。聞けばボビーさんが大学を卒業したのは昭和41年ぢゃげな。ワシが1歳の時だ。さうやって考えてみると、音楽を演る、ってのぁ凄い事だね。ぱかぱかのまちゃあきがワシと16歳差、てのもさうだが、こんなに世代が離れてゐる人間同士が、イーヴンな立場でコラボレーションできるジャンルなど、他にはあんまり無いやうな気がする。


2週目(今週は長いよ!)


3日(土)---------------------------------------------------------------------

いよいよカラーズのツアー。とは云へけふは、夕方まで普通にアクターズだ。しかもけふから「弾き語りコース」なるものをやりはじめる始末。まぁなんとかなった。19:00レッスン終了後、タクシーを呼び広島駅に直行、そのまま周南市へ。きをすくでサンドイッチを買い、新幹線で喰ふ。徳山駅からまたタクシーに乗り、会場チキータへ入ったのが20:30。

既に対バンの演奏は佳境に入っており、控え室に到着するとすぐ着替えてステージ裏の楽屋へ。2〜3曲分待った処で、もうカラーズの出番が来た。

ワシ自身、久々のライヴハウスでの演奏。しかもこんなデカい音で演るのは何年ぶりかいな。なんとか全曲暗譜したのだが、さすがにテンパってゐたのか、結構荒い演奏をしてしまった。それにまぁなにせサウンドチェックもしてへん訳だからねぇ。自分の音も声もほとんどモニター出来ずに演った。ちゃんと出来たんかいな?。

面白かったのは、演奏が乗ってきた時、何度か田川くんと「目が合う」のである。彼はワシがどんな姿でどんな顔でどんなベースを弾いてるか、全く「見た事はない」のだ。しかし興が乗った時に、フと彼を見ると、彼もフとこちらを「見る」のだ。凄い、と思った。

ステージは、会場側との打ち合はせが上手くいってなかったり、同期ものの音が出なんだり色々あって、まぁ100点といふ訳にはいかんだらうが、ノリにくい、との評判のある周南市にしてはウケた(八千代さん談)らしいし、良いんではないかな?。けふはソロもなかったのに、ワシのCDが2枚売れた。カラーズに至っては十何枚売れた、とか。まぁまぁでせう。

打ち上げはイキな居酒屋で。皆さん気さくに話し掛けてくれるが、なにせリハも本番も見てないし、誰が店のスタッフで誰が対バンのメンバーさんなのかも分からず、よう分からんままにワインを飲み続けた。二次会は屋台。おでんや煮込みやラーメンや、をつつき、『もうないよ』と云はれるまでビールを飲む。終了したのは4:30ぐらい。ホテルに帰ってシャワーを浴び、即睡。しかしまぁよく飲む連中である。

4日(日)----------------------------------------------------------------------

昨日のライヴ会場チキータは、その昔ワシがこの町で学生をしてゐた頃「ホテル国際」だった場所。大手のイベント会社が丸ごと買い取り、1階をライヴハウスに、その他をイベント会社の事務所にし、6階から上はホテルの内装をそのまま残し、遠方からの出演者を格安で泊めさせてくれる、といふ画期的なライヴハウスである。

その「ホテルチキータ」の一室で目を覚ます。軽い二日酔い。さういや、ここ「ホテル国際」で行われた大学卒業記念コンパに於いてワシは、日本酒一升の一気飲みをする、といふ暴挙を犯した。寝嘔吐、噴射嘔吐、を繰り返した挙げ句に昏睡。今に思えば完全な急性アルコール中毒だったと思ふのだが、後輩達は「梶山センパイが苦しんでるがまぁこの人は放っといても大丈夫だらう」と思ひ、適当に捨て置かれた。その後ワシは自宅で生死の境を彷徨ひ、翌日の夕方、なんとか現世に帰ってこれたのだ。いやホンマにマジでよく死ななんだと思ふよ。12時間の間、絶え間なく襲って来る激しい嘔吐と痙攣がようやく治まって来た時は、本気で『嗚呼助かった。もう一生酒は飲まぬ!』と考えたものだが。はぁぁ。

その後カラーズのメンバーと落ち合い、カフェでブランチす。八千代さんと毎床くんはあの後も6:00まで飲んでたらしひ・・・。

駅まで送る、と云ふてくれるメンバーに、ブラブラしたいから、とその場で別れを告げ、独り懐かしい旧徳山市内を散策す。寂びれてゐる。当時よく文庫本を買った本屋さんで、久保田真琴著の「世界の音を訪ねる」を買ひ、適当な新幹線に乗って広島に帰った。さぁ来週は下関だ。

5日(月)-----------------------------------------------------------------------

今週水曜日に海田東小学校で行われる学校コンサートのリハが朝からある。呉は焼山にあるオーガナイザー西川桂子女史の家に、パーカスのツンちゃんと行く。他のメンバーは、パーカス:西川女史/松尾ジュン/水木ツン、マリンバ:佐々木瞳、キーボード:保元園枝、ベース:ワシ。本番では西川の旦那さんがウィンド楽器で参加するが、リハは不参加。何故かワシが「ヴォイスパフォーマー」と紹介されており、コンサートには『ヴォイスパフォーマーシュウさんと一緒に唄ってみやう!』といふコーナーまであるらしひ。なにやるんでせう?。

西川女史とは、お互いが独身同士の頃から、もう10年以上の付き合いである(まぁあんまり会わぬが)。主婦&母親として生活しながら、かうやって音楽で興味深い仕事をやってゐる。仲々頑張ってゐると思ふが、相変わらずおっちょこちょい、といふか間が抜けてゐる、といふか、とんでもないポカを色々とやってくれるので、油断ならない。

6日(火)--------------------------------------------------------------------------

10:30より専門学校。昼には授業を終え、マー坊の所へ寄る。けふは彼を作曲家兼プロデューサーとして某放送局に紹介する、といふ役目。いつも仕事をもらって、飯も奢ってもらって、さんざん世話になってゐるので、まぁせめてもの恩返しになれば良いが。そのままオフィース美音の事務所に寄り、来週日曜日の営業に使ふベースアンプを預けておく。そのままレッスンへ。夜は女房の実家から届いた大量のぢゃがいもを使ってヂャーマンポテトを作る。日々仲々忙しい。

7日(水)----------------------------------------------------------------------------

5:30起床。例の小学校コンサートの本番。教師すらまだ来てゐない早朝の小学校に、大量の機材を持ち込む。それぁ良いが、この御時世、ワシのやうなモノが小学校の周辺や内部をウロつくは、なにか誤解を招ひてしまひかねない。この日も咽が乾ひたので茶を求めて外に出たら警官がゐて、なにか云いたさうにこちらを見てゐた。

さて本番は、たいへん楽しかった。意外に思われるかも知れぬが、意外にかういふのに「乗る」タチで、子供らを相手にえへくたーやホーミーを駆使しての一大ヴォイスパフォーマンス!。これがウケまくり、600対1のコール&レスポンスまでやった。流石に後半はガキどもの聴く集中力が落ちて、会場に散漫な雰囲気が流れたが、終演後はガキどものサイン攻めと握手攻めにも遭ひ、まぁ好評のうちに終える事が出来たやうだ。なにより演ったワシらが一番楽しんだ、といふのが、何にも替え難いことだ。

かういふ仕事の是非については、まぁ色々と意見もあるだらう。ミュージシャンの中にかういふ企画に参加することを喜ばぬ者も居ることは確かだ。しかし、音楽を発信し、相応のレスポンスを得、代価を頂く仕事のケースとして、これは十分に価値のあるライヴだと思ふ。「それぞれのミュージシャンの個性を生かせ、なをかつ子供にも楽しめるやうなライヴを」といふ西川女史のアイディアは、今後もチャレンヂしてゆく価値のある仕事に違いない。

なにより、あんだけ大人数を相手に、大人数で作り上げるライヴと云ふは久々で、まぁたいへん楽しかった。また機会があれば、是非お受けしたいものだ。

終わったのが昼なので、そのまま打ち上げ、といふ訳にも行かず、メンバーはそれぞれの生活に帰って行く。ワシも夕方からは普通のレッスン。帰り道、『これは絶対に助かってないだらうな』と思ふやうな酷い自動車事故を2件も、目撃す。良い仕事の後は無事に家に帰る、これは人生の基本だ。日々仲々忙しいが、けふも無事に家に帰る。

8日(木)----------------------------------------------------------------------------

雨。ようやく梅雨らしくなったのか?。本通りアーケイド街で、虎の着ぐるみを着た男(?)が、ミニスカのコギャル達とたはむれてゐる。いいなぁ・・・。

風邪ひきの生徒が多い。レッスン中も密室で盛大にゲホゲホやってくれよる。あのねぇ。月謝が勿体無い気持ちも分かるけど、風邪をひいたら頼むから来てくれるな。伝染されたらこちとら仕事もポシャってしまふ可能性もあるのだ。酷いのになると「インフルエンザなんです」とか云ふて、「来る」ヤツが居るからねぇ。

9日(金)-----------------------------------------------------------------------------

日々仲々忙しいが、ようやく週末。この土日を切り抜ければ、ちょっと楽になる。ので、ここで倒れる訳には行かぬ。しかし少し咽が痛い。だぁから云わぬ事ぁない。訴えるでホンマにぃ。

専門学校。授業ひとコマ後、金券ショップで明日の新幹線の切符を買ふ。こないだの徳山の倍近くする。下関はやはり遠いのだねぇ。その後、泳ぎに行くかサウナでも入りに行くか、てな所だったが、それで体調がヴァッと悪化してもナンなので、けふはやめておく。一旦家へ帰り、心太など喰ひ、少しだけリラックスしてから、夕方からしーなとシュウのリハへ。新曲2つ。ひとつ、とても良いバラードがあり、これをワシが手放しで誉めたら、椎名さんが驚いてゐる。ふたりでハラペーニョの乗ったお好み焼きを喰ふ。


3週目


10日(土)---------------------------------------------------------------------

カラーズのツアー、二本目にして最終日。けふは下関、田川くんの地元でのコンサートとなる。レッスンは休みにしたのでゆっくり準備、昼過ぎの新幹線で下関を目指す。けふはソロコーナーを貰へる事になってゐるが、色々考へた末、えへくたー類は一切持って行かぬことにした。新下関駅でスタッフの方の出迎えを受け、会場入りす。オサレなジャズバー、と聞いてゐたが、ホンマにオサレで、でもちょいとオサレ過ぎて、なんか一流ホテルのラウンヂみたいな気もする下関Billy。

けふは長門在住、ZEKUでもお馴染み、パーカスの尚江ちゃんも応援に駆けつけ、5人編成でのカラーズ。なんでも既にソールドアウトださうで、まだ問い合わせが続き、入場を断ってゐる所だと云ふ。『こんなに売れるンならホールで演りゃよかった』と冗談ぎみに云ふ田川くんではあるが、ホンマにホールでもよかったンぢゃないか?。

本番も、カラーズにしては少々地味めのナンバーで構成されてゐたが、八千代さんのスタァ性のお陰で満員のお客さんが大盛り上がり。あんなにニコニコと楽さうに弾く田川くんも初めて見た。毎床くんのドラムソロもド迫力。ワシはソロで「夜の駱駝」を唄ったが、田川君、ホンマに聞き惚れてくれたらしく、次の構成を完全に忘れてしまってゐた(笑)。アンコールも2回あり、最後は会場のお客さんが作るハンドゲートの下をメンバーがくぐって退場する、といふ大団円。こんな幸せな雰囲気に満ちたライヴはほとんど経験した事がない。

田川君のおヒザ元、といふことで、多くの友人がスタッフとして協力を惜しまなかった、といふけふのコンサート。地元FMは1ヶ月前から彼等の曲を流し、ケーブルTVでは特集も組まれた。彼が曲を提供した、といふ地元よさこいグループは今日一日「チーム田川」として働いてくれた。そして何より、彼に惜しみなく愛情を注いで来た(それは彼を見てゐれば分かる)田川君の御両親。多くの方々の愛に支えられ、こんな楽しいイベントに参加できた事を、心から感謝したい。皆さん、お疲れ様でした。そして、ありがとう。

追記:当初、「地元」の「ロック」バンドを出演させる事に難色を示してゐたらしい会場側が、終演後には田川君をつかまえて放さなかった、といふ。ちょっと気分の良いハナシ。

11日(日)----------------------------------------------------------------------

ゆんべは打ち上げを終え、メンバーだけで田川くんの家に来て、また朝まで飲んで喋った。ホンマならけふはついでにみんなと行動を共にして、川棚温泉なぞと洒落込みたい、いや、是非さうしなければ、てところだがさにあらず、半端な売れっ子ベーシストは、昼までに広島に帰らねばならぬのであった。

てな訳で朝飯を御馳走になった後、挨拶もそこそこに新幹線に乗り、一路広島へ。あんだけ飲んだにも関わらず、二日酔いもさほどなく、気分はハイなまま。3時間も寝てないのに眠くもならない。良いライヴの後は体調も良いのだ。

けふは営業仕事。ピアノ、ギター、ベースのトリオで、仕事仲間O女史の個人ヴォーカル教室の発表会にて、バック演奏す。ポップスやジャズのスタンダードを中心に、ほぼ初見で約20曲。立ってるとさすがに疲れが出るので、ピアノの影に隠れるやうに座って演る。リハも含めて13:00〜17:00まで。ぬぅう、疲れた。しかし、気分は上空3000フィート!(古いか?)。

12日(月)-----------------------------------------------------------------------

5:00頃、強い地震で目を覚ます。立て掛けてあったベースやギターが全部倒れた。が、ライヴで使ってゐる2本、アキナとヴァネッサだけが倒れなかった。うむ。

戦士の休息。温泉に行く。サウナ→冷水→薬湯→休憩、といふサイクルを3回くりかへし、疲れた。古本屋で44冊売って¥1400入手。その金でボビー・マクファーリンとヨーヨー・マのデュオのCDを買ふ。乾燥うどんを茹で、小イワシの刺身を酢で〆たのを焼いたヤツと和え、特製のダシをかけて喰ふ、といふのを作った。

13日(火)------------------------------------------------------------------------

ノダゴローさん、といふギタリストの訃報を聞いた。メジャーに背を向け、ギャラの指定をせず、即興一筋、1年に200箇所以上を巡り、旅を塒とし、その代償としていつしか大きな病を背負い、まさに命を削りながら演奏活動をしておられた方である。直接お会いした事はないが、彼の活動方法に強いシンパシィを感じてゐた。いつか音楽的に邂逅できる事を祈ってゐたが、もうそれは永久に叶わぬ夢となった。御冥福をお祈りしたい。

ところで、このやうに某人の死を報せる掲示板等に、遺されて傷付いた人々の神経をわざわざ逆撫でするやうな書き込みをする人々の存在する不可解。

それにしても、指揮者の岩城宏之氏、作曲家のジェルジ・リゲティ氏、アラブ音楽のハムザ・エルディーン氏、キーボーディストのビリー・プレストン氏、ベーシスト青木智仁氏、著明な音楽家の訃報が相次いでゐる。

14日(水)--------------------------------------------------------------------------

どうしたのか、って云ふより風邪なのか、それともアレルギィなのか、昨日から右の鼻だけからまるで鼻血のやうに鼻水が出る。下を向いたらぽたぽたッと鼻水が落ちて来る。鼻炎薬を規定量の倍服用してみるも、眠くなるばかりで一向に治らぬ今日こそちゃんとプールに行ってしっかり泳いでと考えてゐたが頭がボーとしてとてもそんな事をできる状態ではないなことをしてゐるうちにレッスンの時間が来て

15日(木)----------------------------------------------------------------------------

東京での夏のツアーに使うホテルを予約せんとして、ネットで試みると既に満室!といふ表示が出てショックな自分。居心地の良いホテルは早めに、といふ訳だな。

シャープペンシルの芯が無くなる、といふ、ちょっとかなり久しぶりな事がある。パーソナルコンピュータの普及のせいで、既に鉛筆など持たんくなった人も多からうが、ワシは譜面を書いたり、絵を描いたりするのに、大学時代からづっと同じシャープペンシルを使ってゐる。だから買い置きの芯など、何処かに必ずあるもの、と思ひこんでゐて、あちこちを探ってみるも、どうやら無いらしひ。へ〜〜〜〜〜〜〜!!といふかんぢがした。今、我が家にはシャーペンの芯がない、のだ。

で、東急ハンヅに行った。東急ハンヅに来るのに、何故臍を出す?といふ女性が高確率で居り、それはそれで臍フェチのワシにはたいへん嬉しいが、こんな冷房の利いた店で、あんなに腹部を露出して、果たして彼女らはハラを下したりはせぬのであらうか?とよけいな心配。ア、臍出しは大歓迎よ。

16日(金)---------------------------------------------------------------------------

女房が美容院へ行き、ヴェリーショートになって帰って来た。これはもう坊主か。しかしこのヒトに関して云へば、髪は長いより短い方が似合う。てゆーか、彼女の髪が長いのは写真でしか見た事がない。以前はショートの髪を七色や金色に染めたり、とか色々とエキセントリックなことをやってゐたが、今は極短なことを除けば、普通である。アフロかなんかにしても似合いさうな気もするのだが。

Soe'sのリハ。本日からマリンバ奏者の佐々木瞳嬢を加えてのリハ。いよいよワシのバンドに、あの、マリンバのサウンドが加わる事になる。ははーっ楽しみ!!。まぁけふは見学のみ、と云ふ事で。


4週目


17日(土)---------------------------------------------------------------------

あの、素晴らしかったカラーズのライヴからもう1週間が経った。けふは割と普通の土曜日。アクターズスクールのレッスンに行き、営業用ねこのづくのリハ。久しぶりにマー坊がパーカスで復帰。初めてこのトリオで演った時の曲なぞ演るが、忘却の彼方。ワシは自身が作ったりアレンジしたりしたものは良く憶えてゐるが、営業用のポップスやジャズのスタンダードなどは、片っ端から忘れて行くタチなのだ。

18日(日)---------------------------------------------------------------------

けふは京都の吟遊詩人豊田勇造さんとのライヴ。勇造さん、ここ数年は毎年この時期に広島にやってきてくれる。小林のカシラと二人で前座を演らせてもらふやうになってはや幾年、である。去年はワシ自身が大阪でソロを演ってゐたので参加できなかったが、今年は早い時期にこっちが決まったので、また一緒に演れて嬉しい。けふのカシラはウクレレのみ。ワシのソロも入れて全5曲(その男ヨシオ/雨のラブホテル/夜の駱駝/アカバナー/ヨーデル潮干狩り)演奏。微妙な反応。まぁ前座ですから・・・・。

勇造さんは相変わらず大きな波で包み込むやうな唄。ここ数年、特にダイナミクスの付け方が極端で、一番後ろの席で聴いてゐると、ギターの音がしばしば聞こえなくなるまでにヴォリュゥムが下がる。かういふの見ると本当に「ナマの人」だ、と唸らしめる。後半ではワシも一緒に演奏。中でも勇造レパートリィの中ではお馴染みの『ジェフ・ベックが来なかった雨の円山音楽堂』や、ワシも唄わせてもらってゐる『花の都ペシャワール』を、初めて一緒に演らせてもらった事は感激!。今回はそれだけで満足。参加費を払っても良いくらい。

勇造さん、カシラとワシを指して『この二人みたいに、俺の唄を自分のレパートリィとして唄ってくれてる人に会えて嬉しい』、と、『泣きたいくらいの嬉しさだ』といふ曲を唄ってくれた。お客さんも満員。いやぁとても良いライヴだった。

つくづく思ふに、ワシはかういふ「メインと、もう一人」といふフォーマットが好きだ。

19日(月)----------------------------------------------------------------------

楽器店の企画会議に出席す。毎年秋に開催される発表会の内容を検討。帰りの足で、久しぶりに市営プールに行き、40分泳ぎ、疲れ果てた。

先日フランスから取り寄せた若手ヴォイスパフォーマーNosfellのCDにハマってゐる。全編、自身の唄とギター&チェリスト独り、といふデュオ編成で造り込まれてゐて、様々な声を使い分け、しかしあくまでポップに、歌い上げる。過剰なオーヴァーダビングもなく、サンプラーの使い方も嫌みが無くて良い。先日ワシと小林のカシラとの間で物議を醸し出したケラー・ウィリアムスと比べても、こっちの方がはるかに洗練されてゐる。これは凄い。おまけに刺青だらけの筋肉質の美形。まだ20歳そこそこらしいのだが、世界には凄いのが居るもんだ。

20日(火)----------------------------------------------------------------------

なんかゆうべからウチの冷蔵庫が明らかにおかしい。冷えてないのである。今朝も起きた時には冷凍庫の氷が全部解けてゐた。壊れた、のか。幸い今日明日に腐ってしまふ、といふやうなモノは入れておらず、また、まだなんとか常温以下程度なら冷やせるやうなので、買い換えを考えながら、2〜3日は過ごせさうだ。

しばらく会ってなかった調律師の女性とばったり会う。久しぶりやねぇ、とか話してゐるうちに「今夜、飲みに行かう」といふ約束をす。で、レッスンを終えて待ち合わせ、お気にの店が定休日だったので、近場の初めて入るバァ&リストランテに入った。ほぼ1年ぶりぐらいだったので色々話しながら、ピザとチキンとサラダを喰ひながら、ビール、ワイン、ヰスキーを飲む。こざっぱりした良い店だった。女房と、バンド仲間である椎名さん以外の女性と飲みに出たのはホンマに久しぶりである。

21日(水)------------------------------------------------------------------------

女房と新しい冷蔵庫を買いに行く。今のが96年に購入したもの。だいたい¥200,000だったかと記憶してゐる。それから10年経って同じサイズのものが¥100,000を切ってゐる。おまけに多分かなり省電力なのだらう。ヌ〜〜〜時代は早い。ちょいとシブめのメタルカラーのやつを購入。

エビちゃん、といふのと、もえちゃん、といふのの区別が付かぬ。外国人の顔が見分けがつきにくい、といふのはあるが、ついに此所へ来て同じ種族の顔の区別もつきかねるほどに審眼は多様化したといふのであらうか?。てゆーか、あんなに同じやうな顔って有りかぁ?。あれぁどう考えても整

22日(木)-----------------------------------------------------------------------

大雨の中、電器屋さんが冷蔵庫を持って来てくれる。ウチは5階建ての5階+エレヴェーターなし、といふぢつにデリバリィ泣かせの家なのだ。雨と汗でびしゃびしゃになりながら、新しい冷蔵庫が我が家に収まった。ついでに色々と掃除や整頓をす。台所だけ引っ越し当時のやうになった。

夜、今週末のぱかぱか号とのジョイントのリハ。このヒトらは今年の春から、てゆーか、その前のイベントで一緒に演った時ぐらいから、レパートリィが全然増えてないね。かういふのってすごい勿体無い気がするのだがねぇ。って今のSoe'sへの反省そのまんまやっ、と自分でツッコミを入れるわたくし。

23日(金)--------------------------------------------------------------------------

そのSoe'sのリハ。マリンバー(マリンバスト?マリンバシスト?なんて云ふのが正しいのかね?)のヒトミちゃんを交えての初練習。やはりワシの目論見通りマリンバがエエかんぢにハマりますな。初見もばっちり。うむ、これはよい。とりあへずこれまでのレパートリィにひとつ新曲を入れて、新編成でのSoe'sがスタートする。まぁ時間はかかるかも知れんが良いユニットにしたいものだ。

リーダーとしては辛い決断だったが、今後の展望も考えてみっちーには退団してもらふことにした。キミに何が足りなくて、おそらくそれは、今後のキミに絶対必要で、そして今やらないと多分すぐに手遅れになる、といふやうな事を云ふ。そしてそれはワシらとやることではない、とも。可哀想だが仕方ない。ワシは遊びや練習の為にこのユニットを演らうとしてゐる訳ではないのだ。永年バンドをやってゐるが、メンバーにちゃんと引導を渡したのは、これで二度目である。

夜、ベースニンジャこと今沢カゲロウ君が広島にやって来たので見に行く。去年の6月に大阪で一緒に演って以来の再会。相変わらずアクティヴに全国、いや全世界を駆け回ってゐるやうだ。そして相変わらず嫌味なほどの超テクと爆笑MC。うむ。天晴れ。

カゲロウ君を見に行ったのだが、偶然にも対バンのバルセロナ88は知人のバンドで、これが結構よかった。それに、ギターでカゲロウ君と同じやうなかんぢの事を演ってゐる井本裕介君といふ若い青年が出てゐて、これもたいへんオモロかった。最後のバンドはフツーのロックバンドだったので、途中で帰った。良いライヴだった。タマには夜遊びもせないかんね。


5週目


24日(土)---------------------------------------------------------------------

独弾とぱかぱか号のジョイントライヴの日。直前まで仕事をしてゐて、会場のジモカフェに入った時は、既に何人かお客さんが来てゐた。まぁぼちぼちと、といふ形で軽くリハを演り、定時になってライヴが始まった。が、ぼちぼちだったのはうわべだけで、内心はかなり嫌な気合いが入ってゐた。昨日見たカゲロウ君のライヴも意識してしまひ、妙に力んだライヴとなってしまった。ワシはこうなると全然駄目で、特にナニカを失敗した、と云ふ訳でもないのに、全てが上手く行かない。客は正直で、反応も鈍い。

後続のぱかぱか号にも参加したが、これもまた空回り。彼等二人との温度差ばかり出て、個人的には全くもって評価するべき所のないライヴで終わってしまった。あーあ。 ぱかぱか号は出来がよかっただけに、ホンマに役に立たぬ助っ人だった、とがっくし。終わったものに対しては反省も後悔もせぬ、といふワシの身上も、今夜はツラいばかりである。まぁ仕方ないか。プロはダメライヴを演ってしまったからと云って、落ち込んでゐてはイカンのだ。

25日(日)---------------------------------------------------------------------

休み。雨がよく降ってゐる。ので、買い物以外は家にゐて、静かにTVなど見てゐる。

26日(月)---------------------------------------------------------------------

昼過ぎに市営プールへ行き、1000メートルを泳ぐ。受付に昔の生徒がゐたので驚いた。その後、アクターズの会議に行き、例によってほとんど発言せぬまま終わった。それどころか重要なイベントのリハと本番の日が、ワシの関西〜中京ツアーと重なってしまふ事が判明。どーすんの?ワシ!!。

しーなとシュウのリハ。リハ後、呑み。『明日は早いから軽くね』と云ってゐたが、一軒目でビールと泡盛と黒糖焼酎×2を呑み、さらにバァに行ってバァボンのロックを1杯呑む。しーなサンもワシもかなり酔っぱらい二人でフラフラしながら帰る。¥500代行運転サービスのタクシーで帰った。

27日(火)---------------------------------------------------------------------

ヌ〜〜〜〜、吐くほどではないが、結構な二日酔い。身体中が水を欲してゐる。レッスン中に500ミリのミネラルヲーターを2本カラにする。

けふは明日本番のデカいイベントのリハである。NTTクレドホール。ワシは独弾で「駱駝の上の音楽」といふ、これ用に作った曲を演る事になってゐる。そもそもこの企画、当初は「ダンスと音楽のコラボレーション」といふ事で興味を惹かれ、二つ返事でオッケーしたのだが、企画が進むにつれてコラボといふよりはバック演奏、なやうなかんぢになってしまひ、結局ワシの出番も1時間40分のうち3分ちょっとだけ、といふやうになってしまった。ダンスと一緒に演る、と云ふ事には並々ならぬ関心を持ってゐるワシとしては、もう少し色んな角度で絡みたかったよなぁ、と思ふ。

まぁ、こうなりゃ3分を自分なりに思いっきり楽しんで演るしかない。

28日(水)---------------------------------------------------------------------

その本番。

音楽だけ、を演ってる人は知らんかもしれぬが、このテのイベントには『ゲネプロ(Generalprobe)』と云ふのがある。これは舞台を使った総合芸術のコンサートでは通例の、1ベルからカーテンコールまで、全く本番通りに行われる通しリハのこと。ワシもアクターズスクールなぞに関わるまで全く知らなんだが、まぁ「出」と「入り」がシビアーな舞台には、確かに必要なリハだらう。が、なんもかんもアバウトに演るワシにとっては、これが結構しんどい。ダンスの人に「昨日と違いますね?」と云はれて、「はい、本番はもっと違うと思います」と答える。

その本番。久々にひしひしと自分を包む適度な緊張感を、上手くコントロールしながら演れた、と思ふ。確かに昨日のリハとも、ゲネプロとも違った演奏だったが、ダンサーのオーラと、満員のお客さんのフォースを感じながら、即興もスムーズに流れた。踊ってくれたのは、東京のダンサー高垣由美子さん。昨日が初対面だったがとても善い人で、コミュニケーションも取りやすく、一緒に演れて楽しかった。立ち位置の関係でワシからはあまりダンスの様子を見る事が出来なかったのが残念。次の機会が有れば是非、踊りの一部始終を見れる位置で演りたいものだ。

懸念されてゐた動員も、500ぐらいのキャパがほぼ満員。評判もたいへんよろしかったやうで『次回は是非取材を』といふオファーもあったさうな。

当初は嫌がってゐた打ち上げにも参加する。この日参加したミュージシャンやダンサーの人達と色々喋りながら、1:30位まで呑んだ。

と、まぁ終わってみれば、結構楽しいイベントだった。でもやっぱ、出番、少なすぎるよ。

29日(木)----------------------------------------------------------------------

5週月(ワシは大体レッスンを『月に4回』としてゐるので、同じ曜日が5週ある月は最後の週を休みにする事が多い)でもあるのでレッスンは休みにした。かういふ日はベースにも触らぬ。壊れたオーディオ、ストーヴ、掃除機などを大形ゴミ処理施設に持って行く。

7月の末に岩国で演るライヴの対バンが、なんとあのXー邪犯のTOSHIぢゃげな。なんかメヂャーからも離れて、ギター抱えてドサ周りみたいな活動をしてるらしい、といふハナシを聴いてはゐたが、ね。ハッキリ云ってXー邪犯は大ッッッ嫌いだったのだ。

最近、自分が小食になってゐるせいか、それとも早くも夏バテなのか、あまり『食』に対する興味が湧いて来ない。けふも晩飯に何を創ろうかさんざん迷った末、季節感も何もない「ハヤシライス」にした。暑い、とても暑い。

30日(金)-----------------------------------------------------------------------

暑い、とても暑い。ヨガやって水を浴びる。80年代にフレッド・フリスとトム・コラが演ってゐた大道芸プログレバンド「スケルトンクルー」の再発CDが届いた。二人がギターやチェロを演奏しながらドラムも叩き、唄を唄い、他の楽器も演奏する。ビデヲがありゃ見てみたいもんだ。音はがちゃがちゃうるさい。このフレッド・フリスと云ふ人は、なにを演っても耳障りな音楽を作るなぁ。まぁ、それを聴いてしまへる、ってのが凄いのだが。

市営プールで1000メートル。なんか吐きさうなぐらい疲れた。


翌月