5月


1週目


1日(月)---------------------------------------------------------------

今年の黄金週間は総じて良い天気になるらしひ。オモロないな。だいたい雨の多いこの時期、一日中降ってゐる雨の音を聴きながら、家でぢっと本なぞ読んで過ごすのが好きなのにや。

けふもよく晴れてゐて、しかも用事はなにもない。わざと遠くのスーパーまで歩いて買い物にでも行くか、と思ってゐたら、東京の久保田涼子から電話。広島に帰って来てヒマにしてゐるので遊び相手になれ、といふ。ので、行く。バイクで廿日市の極楽寺公園まで上がり、まだ咲いてゐる桜など見る。その後町に降りてパスタを喰ひ、茶などシバく。相変わらず大きな声でよく喋る娘である。

2日(火)-----------------------------------------------------------------

黄金週間中、唯一の仕事の日。専門学校でひとコマだけ授業。午後はヒマなので1時間ぐらい歩いてビデヲ屋に行き、5本借りて帰る。

3日(水)-----------------------------------------------------------------

けふは佐伯&椎名家族と、ウチの家族で行楽す。ホンマに雲ひとつなく晴れ渡った空の下、炭火を熾してバーベQす。最近のこのテの行楽はグッズが凄い。椅子やテーブルが出て来るのは当たり前なんやな。ワシらもかういふのは好きでよく行く方だと思ふが、大抵そこら辺に適当に食い物を並べ、枯れ枝を拾って火を熾し、ゴザを敷くことすらあまりない。今はキャンプ場によっては電気釜まで使える所があるらしひ。変わるもんである。

ごぼごぼと酒を飲みながら、たっぷりと強い紫外線を浴び、子供らと楽しく遊びながら、夕刻となる。ついでに中華料理屋に行って晩飯。1日中ここの家族と共に過ごした。大変有意義で楽しい行楽の一日であった。

4日(木)-----------------------------------------------------------------

けふは女房が友人宅に遊びに行くらしひ。ワシは独りで家にゐて、のんびりと過ごす。居間と台所を結構念入りに掃除し、洗濯をして布団も干す。少ぅしだけベースを練習し、あとはづっとビデヲを見て過ごす。「世界一下らない映画」との定評がある『Six-string SAMURAI』を見る。確かに。引き続き『ボアV.Sパイソン』と云ふ、これまた映画史に残りさうな下らん映画も見る。

夕刻、サックスのマサミから電話があり、何だらう?と思ったら、けふはSoe'sの練習だった、とのこと!。ワシの手帳には『明日』と書かれてゐるが、マサミとミッチーがスタヂオに来てゐる、と云ふ事は、多数決で決めるまでもなく、ワシが勘違いをしてゐた、と云ふ事。嗚呼!やってしまった。マサミとミッチーには平謝りである。

休みボケでもないのだらうが、しばらくライヴが無いので気が弛んでゐる。駄目ぢゃないか、かういふ事では。

5日(金)-----------------------------------------------------------------

結局連休3日とも晴れたなぁ。けふも良い天気だ。別に強迫観念に駆られる事もないのだが、まぁ折角なので女房と出かける。バイクにタンデムで北を目指して適当に進む。トイレ休憩に立ち寄った山あいの町で、たまたま神楽を演ってゐた。炎天下でちょいとキツかったが、2演目だけ見る。レベルはそれほど高いモノではなかったが、まぁまぁ面白かった。

夜はボクシングとプライド、を見た。亀田兄弟、揃ってKO勝利。ビッグマウスや派手なパフォーマンスに眉をひそめる人も多からうが、彼等がリングに上がった時の目は、完全な本気である。それに試合そのものはいたってフェア。ダーティーなファイトは一度も無い。なによりまぁ「本気」でない奴が、あそこに立てるほど、ボクシングはヤワなスポーツではないのだ。亀田兄弟、まだまだ楽しみである。


2週目


6日(土)---------------------------------------------------------------

タマにネットサーフィンなども、する。ブログ、といふものが普及したせいで、以前より更に、個人の発信が容易になった感がある。ワシらのやうな職業の者だけでなく、一般人の女子高生などが、自分のブログを持ってゐたりする。驚くのは、さういふ(おそらく)若い娘のブログの個人プロッフィールの欄に、『舌が長いので◇ェラ△オが得意で〜〜〜す』みたいな事が平気で書いてあったりする。本気で首を傾げてしまふのはワシだけだらうか?。

ワシは中学校の時に、づっと親友だと思ってゐた友人から『いつかお前を殺してやる』と云はれた事がある。友達だと思ってゐた人間が、ぢつは自分を疎ましがってゐた、といふのは良くある話だ。このサイトの日記でも、そんなつもりなど毛頭ないのに、『侮辱するな』みたいなクレームを受けた事もある。誰が、誰の発信を、どう、どのやうに捉えてゐるか。人はホンマにひとそれぞれ、なのである。

そんな話を、し〜なとシュウのリハの後、呑み屋で語るワシでありました、よ。

7日(日)---------------------------------------------------------------

ウチの夫婦は、よく酒を飲む。あればあるだけ、飲む。こないだも貰ひもんのビールが、350と500ミリ缶で段ボール箱いっぱいあったのだが、1週間とちょっとでなくなってしまった。この頃は、晩飯と共に飲み、片付けた後さらに飲む事が多い。かと云って、酒が無いと不機嫌になるとか、さういふのは、ない。無ければ無いで、飲まなくても平気だったりする。冷蔵庫にあるからいかんのだ、ね。

8日(月)--------------------------------------------------------------

有意義に過ごす為に工夫が必要な月曜日。けふは久々に泳ぎに行った。とは云へ会員制のジムはもう辞めてしまったから、市営のプールへ。昼間のプールはじっつぁんばっつぁんばっかりだが、中に一人だけ、ハイレグの黒い競泳水着姿が美しい若い女性が上級者コースを泳いでゐた。しかし、ワシが柔軟体操を終える頃には、上がってしまいました、よ。

6月に結構あっちこっちで依頼されてゐる仕事。今月は2本しかライヴないのに、6月は8本も入ってやがる。そのうちひとつのクライアントに『早よぅ音資料送れ』と云はれた。さう云や、まだ作ってなかった。は〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、めんどくさいねぇ。

9日(火)---------------------------------------------------------------

夢枕獏、といふ作家がゐて、ワシは彼の『餓狼伝』といふ物語りをづっと読んでゐる。が、これが進まぬ。第一巻が出版されたのが昭和60年、以後現在まで話が続いてゐるのだが、なんとまだ13巻しか出てない。こないだから引っぱり出して来て読み返してゐるのだが、最後の13巻が出てから、既に3年が経ってゐる。夢枕氏は器用な人らしく、小説の他に歴史物、エッセイ、脚本、写真、登山などもやる。司会業などで、割とメディアへの露出も多い。で、巻末のあとがきには、まだまだやりたい事がいっぱいで、まだまだやるぞ、みたいな事が書いてあったりする。ふぅん。

最近は、このヒトが話題に出るたんびに、『エエけぇ早よぅ餓狼伝続き書けや』と思ってしまふ。かういふ人って、端から見れば、完全に『焦点が絞りきれてないヒト』としか思えぬのだけどね。

ただでさえ少ない生徒がほとんど休みやがり、日があるうちに仕事が終わってしまった。ので、例の催促されてゐる音資料を作る。注文は『3分半以内』と云ふ事なのだが、即興で時間指定されても、ねぇ。色々試してみるが、仲々ちょうど良い長さにならぬ。5テイクぐらいやって、まぁこんなもんかな、と云ふのが出来た。

10日(水)--------------------------------------------------------------

6月に山口で2本ほどライヴを手伝うカラーズの音資料が届いた。早速コピーに取りかかったのだが、唖然。なんぢゃこの超絶技巧曲はぁ!?。前任のベーシストが挫折したのが分かる。てゆーか、フツーのベーシストぢゃ、これ弾けんでしょうが?。やれやれヒーくん(田川ヒロアキ:Gu/作曲)も気合いを入れてくれたもんだ(笑)。腕が鳴る、といふか、あと1ヶ月で出来るのか?ワシ!。このライヴはマスメディアも入るらしい。こりゃァしばらくは自分のソロの練習なぞするヒマはなくなるな。

夜は、永谷園の『焼きラーメン』といふやつを喰ふ。焼そばとどう違うのだらう?と思ってゐたが、焼そば。でも美味い、よ。しかし、このテのものって、一体どれだけの種類が開発され、発売され、そして人知れず消えて行くのだらうか?。「たこやきラーメン」「とっぱちからくさやんつきラーメン」「海老天ラーメン」「そばゲティ」・・・・・・etc。

時代の波間に消えていった彼等を、ワシは悼む。

11日(木)----------------------------------------------------------------

カラーズの2曲目に入る。これまた高速ユニゾン満載。おぃおぃ大丈夫かよ?。こんなハードロック演るの、ものすごい久しぶりなんぢゃないか?。

夜、女房と居酒屋デート。久しぶりに安居酒屋ではなく、昔よく通ってゐたKANPAIといふ小料理亭に行ってみる。多分、まだオルカ団にマミさんがゐた頃に来たのが最後だ。4年は経ってゐる。相変わらず自然素材の美味い料理と、栓を開けると天井まで噴き上がるやうな新鮮な吟醸酒をたくさん頂く。東京から出張で来た、といふ女性が一人でカウンターで食事してゐる。あぁいふ女性ってカッコいいね、と女房と云ふ。結構酔っぱらってタクシーで帰って来た。

12日(金)-----------------------------------------------------------------

女房が、荷車の付いた自転車で東京に行こうとしてゐる夢を見た。しかもショッキング・カラーの凄いヘンな自転車。夢とは云へ、素直に応援してゐるワシであった。まぁもしホンマに彼女がさういふ事をやろうとしたら、やっぱり反対はせぬだらうな。

昨日の酒が思いのほか残ってゐてしんどいが、カラーズのコピーに入る。幸いにもけふのは超絶曲ではなく、昼までに3曲仕上げた。でもまだあと10曲残ってゐる。はははーっ、出来るのか?ワシ!。

酒が思いのほか残ってゐて辛いが授業に行く。さらに酒が残ってゐて眠いが泳ぎに行く。幸いすいてゐたので、贅沢に一人で1レーンを使い、ゆっくり水に弛たう。チック・コリアの最新作が届いた。フラメンコ風味溢れるチックにしては久々の力作ぢゃないか?。ここんところナニカと云へば先祖帰りみたいな音楽に手を染めてゐた感があったが、今回のは仲々。ただ、例えば「スペイン」みたいな印象的なメロディが、ない。やはりなんのかんの云うても、音楽はメロディがいかに訴えかけるか、ではないか?。


3週目


13日(土)---------------------------------------------------------------

春先は土曜日が雨の事が多い気がする。思ひ出してみるに、数年前、アクターズスクールで教鞭を取りはじめた頃、やはり春先の土曜日(レッスンの日)には大抵雨が降ってゐて、大変な仕事を引受けてしまった自分の心のダークさを、この週末ごとの雨が代弁してゐるかのやうだ、と思った記憶がある。

C-naとシュウのリハ。ライヴ前の仕上げの段階だが、けふはいつも電気ピアノで演ってゐるのをグランドピアノで演ったところ、なんかノリがチグハグな気がして仕方なかった。ここのところいいかんぢに演れてゐただけに、納得行かぬ。しかし帰ってリハのテープを聴いてみると、それほど変ではない。ワシ自身の内面の問題か、ね?。

14日(日)----------------------------------------------------------------

朝イチで専門学校の体験授業を演る。ぢつはワシ、この「体験レッスン」なるものが、とても苦手だ。講師歴15年になっても、なにをして良いのか分からぬ。だってその人が何を求めて来てるのか分からんぢゃないか?。変にぬるい事をやると『ここはこの程度か』と思ふかもしれんし、逆にあんまり厳しくすると『ここは恐い』と思ふかもしれん。けふもさうで、女の子二人の受講があったのだが、どうも満足させてあげられた、とは思えぬ。変なライヴをやってしまった後のやうな、不達成感が残る。

だからワシは私塾などで体験レッスンの希望があった場合は、できれば「レッスン見学」にしてもらふやうにしてゐる。それなら、ワシが普段どんなレッスンをしてゐるか、をちゃんと知ってもらふ事ができる、のだ。

15日(月)-----------------------------------------------------------------

そろそろ布団を夏用に・・・と思ってゐたところ朝晩が冷え込み、難しい気候である。その中、C-naとシュウの追い込みリハ。なんかようミスった。左手が攣る。これは筋トレのせいだと思ふ。

リハの後、朋友藤井マサミのサックスクァルテットのライヴに行く。サックスだけが4人、といふ、ホンマのサックス・クァルテット。リーダーは、昔ハラシャといふグループで一緒だった宮田麻美女史。同じくハラシャでピアノを弾いてゐた渋谷次女史がサポートメンバー。会場のJazz club SOHOは立ち見も出るほどの満員。マサミ以外はクラシック畑の人なので、客層もちょいとオサレめである。1stステージは麻美さん+次さん、次さん+マサミ、次さんのソロ、マサミ+麻美さん+次さん、といふ変則フォーマットによる演奏。マサミのブロゥはやはり、『うむ』と思はせる。細かい事は分からんが『うむ!』と強く思ふ。うむ!。これだ。うむ。

2ndステージでサックス4重奏+ピアノ。これが素晴らしい。いや、かういふ編成を聴いた事がない訳ではないよ。しかし、今まで聴いたこのテのブラス・アンサンブルではダントツにオモロかった。マサミ以外のメンバーは、決して流暢にアドリヴをとれる訳ではないのだが、それを補って余りあるほど選曲とアレンジが、良い。さうか、やはり、そこだ。3rdはクァルテットのみでの演奏。これもまた、良い。

結論。友人が演ってゐるものでは久しぶりに、完全に満足したライヴだった。中でもやはりマサミ。このやうな音楽家に、ワシも成らねばいかん、と強く思った。あと、改めて認識した次さんの素晴らしさ。う〜〜〜〜む、この人たちと絡みたいなぁ。

16日(火)------------------------------------------------------------------

こないだから愛器ヴァネッサの2弦だけが歪んだかんぢになってしまっており、原因が分からずに困ってゐた。本日、弦を新品に交換して、なんとブリッヂの一部に弦の末端が接触してゐる事が判明。要するにシタールのやうになってゐる、と云ふ事だ。この初春のリペアで弦高を下げた折にさうなったのだが、弦が古かった為に気付かなかったのだらう。これはブリッヂの一部を削るしかない。

ちなみにワシは、フラットワウンド弦を使ってゐる、と云ふ事もあって、年に3回ぐらいしか弦を交換せぬ。ライヴごとに張り替える人からは信じられんだらうな。

17日(水)------------------------------------------------------------------

Soe'sのリハ。先日のサックスクァルテットのショックで演奏に熱が入る。ミッチーがどうも手詰まり感があっていかんなぁ、と思ふ。ワシとしては、このユニットを練習の為に作った訳ではなく、それなりにビジョンがある。それに仲々進めない事に、正直、もどかしさを覚える。まぁ、ミッチー本人が一番もどかしいだらうが・・・。

仕事の帰り道、リハのテープを聴いてゐて、自分の唄声が『学習と努力の末に出来上がったモノ』では、断じてないことに、フと気付く。これは、云ふならば僻地の少数民族の長老、などが「昔むかしかういふ事があってのぉ」と謡いはじめるアレ、と同じやうなものだ、と思ふ。さういふ人らは、例えば外国の取材クルーに『ちょっと謡ってみてもらえませんか?』と云はれて『ちょいと待てア、ア〜〜〜〜〜、ンマァ〜〜〜〜〜♪』などと発声練習したりはせぬ。大概、おもむろに「コンカラァの根はァ〜〜〜」とか謡い出すものだ。

だからワシも、いわゆる「発声練習」は、もうやらぬことに決めた。てゆーか、今までも大してしてなかったが、せぬ事に罪悪感を覚えるのはやめた、ぞ。

18日(木)--------------------------------------------------------------------

C-naとシュウのライヴ。前回のデュオ以来のLive cafe JIVEである。昔は週イチぐらいのペェスで出てゐたやうな気がするが。何となく「出演しにくい」かんぢになってしまったのは何故だらう?。てゆーか、このところ全然オファーがないもんね。

ライヴはまぁいいかんぢだった。3曲目に演った「Killing me softly〜」で、何故か今まで一度もやった事のないミスを出してしまった。この曲はウチらのハイライトとも云へる曲で、最初に演り始めた時から完璧だったのだが・・・・。まぁ気が弛んだのだらうねぇ。いけませんねぇ。前半はどうもそんな風に乗り切れず、唄もカタい。ちょいと緊張しとるのかな?と思ひ、ビールを一杯だけあおって演った後半は、とてもスムースに出来た。椎名さんも肩の力が抜け、『どりゃぁ!』といふかんぢが減って、よい感じになってきてゐる。

しかし、ワシはこれまで参加した様々な形態で、「本当にお客さんが心底楽しんでゐる」といふ、あのかんぢを何度も経験してゐる。それから比べるとC-naとシュウは、まだ全然そのレベルには届いてない。ワシ自身もこのユニットでまだベストな演奏、といふのは出来てないやうな気もする。確かにライヴを重ねるごとに良くなって来てはゐる。だが、まだまだ。いつか、絶頂期のオルカ団や、東京や名古屋でのソロのパフォーマンスの時などに感じた、あの、あのかんぢを、このデュオでも味わひたいものだ。

こないだのマサミのライヴを見た時も思ったが、本当に良いライヴを演者&観客が共有した空間、といふのは、特別なエナジィを持つものだ。

ライヴ後、づっとワシらの音の面倒を見てくれてゐたPAのきむらあやこ嬢の送別会。も兼ねた打ち上げ。死炉奇屋がイメチェンして失敗してゐる。

19日(金)--------------------------------------------------------------------

ライヴ終わってまったり。これからしばらくはカラーズのヘルプにかかりっきりとなるだらう。

けふは専門学校以外の予定はなし。昨日置いて帰った車を取りに行き、帰りの足で晩飯の買い物。あとは家で音楽を聴いて過ごす。自分は果たして、修練を重ねて熟達する人間なのか、あるいは、現場での研鑽を重ねて境地を拓く人間なのか。ワシといふ人間はつねにそんな事を考えてゐる。


4週目


20日(土)---------------------------------------------------------------

C-naとシュウのライヴも終わり、これからカラーズのヘルプ仕様として、ハードロックモードに入る。けふはそのカラーズの連中が、わざわざ遠く熊本と下関から広島まで来てくれてリハをする事になってゐる。彼等と一緒に音を出すのは10年ぶりだ。なんとか15曲コピーしたが、あんまり練習は出来てない。まぁ本番まではあと1週間あるから、最悪けふボロボロだったとしても本番当日までで仕上げられるだらう。

といふかんぢでカラーズ到着。ヴォーカルの八千代さん、ドラムスの毎床くんとは、ほんまに10年ぶり。毎床くんは少し太ったけど、八千代さんほとんど変わってないね。ギターの田川くんはちょうど1年前、広島に来てくれて一緒に演った。再会を喜びつつリハに入る。1曲目が終わった時点でメンバーから拍手喝采を頂き、とりあへず面子は潰さずに済んだやうだ。その後4時間音出しっぱなしのリハが続く。久しぶりにこんなデカい音で演ったな。でも、なんとか楽しくロックできて、こっちも嬉しい。や〜〜〜〜、来月の本番が楽しみだねぇ。

その後、アクターズスクールでレッスン。その後、C-naとシュウのリハ、と、こないだのライヴのビデヲ見ながら反省会。ワシがピアニカを吹いて唄った「夜の駱駝」が珠玉の出来である。椎名さんの唄(声)が変わった。これだ、よ。これならワシの演りたい女性ヴォーカルが出来る、と思ふ。曲によってはリヴァーヴ過剰なかんぢがするが。

てな訳で、久々に一日中ベースを弾いてゐた1日でごんした。

21日(日)------------------------------------------------------------------

昨日はデカい音に疲れたのか、久々にぐっすり眠れた。ヲーキングしてたっぷりとストレッチをす。昨日のカラーズのリハ録音を聴く。相当に荒い演奏ながら、まぁよく弾けてゐるぢゃないの、といふかんぢ。なんつっても田川くんのメヂャーデヴーライヴやからねぇ。ビっとシめてあげないとね。

けふは夜、女房が友達と外出するので、独りの夕餉を楽しまう!よ〜し、パスタ作って〜映画みて〜ビール呑んで〜本読んで〜CD聴いて〜♪と考えてゐたが、料理は失敗し、本には集中できず、映画もオモロなく、ビールも飲み過ぎて、CDもハズれで、結局全て中途半端になってしまった。やれやれ、あれだけ長いこと独りで生きて来たのに、久しぶりに独りになると身の振り方が分からぬ。

22日(月)------------------------------------------------------------------

アクターズスクールの企画会議に参加す。スクール内でのバンド結成を推進させてほしい、と前々から云はれてゐる。まぁ確かにさういふ事こそワシがここで働いてゐるニッチとも云へるのだが、そもそもバンドなんざ人から企画されて演るものでもないしねぇ。本人らが演りたい、と云へば力にはなれるが・・・のやうな事をちんたらしながら云ふ。会議室に「なるほど・・・」といふムードと、「なんてやる気のない人なのだ」といふムードが漂ふ。夜は豚韮炒めを作った。

23日(火)-------------------------------------------------------------------

ライヴもリハもない音楽家の、いつもの日常。仕事の後、車の中でMIやんと喋る。昨日見に行ったライヴの音が非常に悪かった、とか、ぱかぱかの今後の展開とか。MIやんはワシから見たら、何を考えてゐるのかあんまり良く分からぬ女性なのだが、彼女なりにバンド、音楽、レッスン、それぞれ色々考えてゐるやうだ。うむ、これに比べればワシの方がよっぽど『何も考えてない』、ね。

フと気付いたのだが、レッスン以外でMIやんと二人だけで話をしたのは初めてなんぢゃないか?。

24日(水)-----------------------------------------------------------------

づっと不眠症っぽかったが、ここ数日はよく眠れる。だが今、寝しなに「ぼくの中の壊れていない部分」といふ結構オモロい本を読んでゐて、いつもいい処で眠くなり、惹き込まれる本の割に進まない。寝る前以外でも読みゃいいぢゃん、てハナシだが、人には人の哲学がある。

ずいぶん前に購入して、一回ぐらいしか聴いてなかったピーター・フェスラーのライヴ盤を聴いて、結構オモロいのに気付く。ライヴ録音に、後からコーラスとパーカッションなどを自分でダビングしてゐるらしいが、根っこになってゐるギターの弾き語りが、ホンマにライヴかいな?と思ふくらい完成度が高い。まぁヨーロッパで活躍するミュージシャンだから、技術は間違いないだらうねぇ。しかしここまで完璧だと、後付けのダビングなぞない方が良いやうな気もするのだが。

25日(木)--------------------------------------------------------------------

なんかここのところ日記を書く気があまりせぬな。ミクシィの方にも全然書いてない。てゆーか、なんにせよ、あんまり気持ちがアガらない。あまりにもライヴの本数が少ないからだらうか?。

夜、女房と恒例の居酒屋デート。だいたい週末に買い溜めした食料品のストックが、木曜日には底をつく、といふ事から、最近は木曜日になるとこのレヂャーをしてゐるな。けふは創作居酒屋桜座蔵。ビールジョッキ3杯と日本酒1合。デザァトに焼きバナナのぶりゅれ、とか云ふモノを喰ふたが、酸っぱいんだか甘いんだか、よう分からん味。

26日(金)---------------------------------------------------------------------

今月、2本しかないライヴのひとつ、サンサ〜ラのライヴ。今回はフライングキッズといふ初めてのハコ。しかしマスターのSさんは何度か他所のライヴ会場で顔を合わせてゐる。当初、ワシはアンプを持ち込むつもりだったが、岩本さんが『要らんと思ふ』と云ったのでやめた。が、やはりリハをしてみるとPAだけではモニターしづらい事が判明。だから云うたでしょーが。仕方なく店置きのアンプを使わせてもらった。

本番は、まぁ演奏を聴きに来た、といふかんぢではないが、結構お客さんが入った。けふは即興ではなくスタンダードが中心のレパートリィ。ふぅむ、ワシとしてはあんまり良い演奏が出来たとは云ひがたいな。1曲唄も唄ったのだが、珍しく途中で声がひっくり返ってしまった。60点ぐらいの演奏。心身共に納得出来る演奏、とは仲々出来ぬものだ。

帰りしな、べろんべろんに酔っぱらったアベックが入って来て、その女性のOLスーツがかなり着乱れしてゐて


5週目


27日(土)---------------------------------------------------------------

寒いやうなあったかいやうな。まぁ暑いのも寒いのも苦手なワシには丁度いい。1年中このくらいの気候なら云ふ事はないのだがね。ちょいと厚手のシャーツとTシャーツがあれば良いんだから、楽だよぅ。

けふは久しぶりにC-naとシュウのリハがない土曜日。アクターズスクールが終わると、そのまま帰宅す。帰りにビール半ダースとワインを2リットル。NHKで「認知症を考へる」といふ番組をやってゐる。すべてを『家族の愛の力、献身で乗り越えやう!』と云わんばかりの番組構成に嫌悪を感ず。実際に認知症の母親を看取った経験のあるタレントが、介護の実体、実際にかかる金銭的負担、精神的苦痛を述べ、『愛の力には限界がある』と力説してゐるのに、司会者はおろか素人の出演者までが、自分達を『美談』だけで語ろうとしてゐるこの浅はかさ!。

まぁいかにもNHKがやりさうなこった、よ。

28日(日)----------------------------------------------------------------

新曲が出来たので譜面にしたりす。仕事用の机に座ってゐると、傍らに置いてある電話が、けふに限ってぢゃんぢゃん鳴る。ヘッドフォンをはずし、つい、と手を伸ばして電話を取る。うむ、なにかとても仕事がデキる人のやうだ、ね。

午後、仕事が落ち着いたので、ちょいと歩いて本屋に行く。ワシが住んでゐる辺りは日頃から実にうらぶれた商店街だが、日曜日ともなるとほぼ全部の店がシャッターを下ろしてゐる。よく見れば肉屋、魚屋、薬屋、ブティック、酒屋、時計屋、はんこ屋、修理工場、ケーキ屋、喫茶店、といろいろな店が軒を列ねてゐる。しかし、主要道路の裏道として使われるこの通りは、日中かなり交通量が激しく、その割に歩道がない。危険である。結果として商店街の衰退に拍車をかけてゐるのだ。東京は三軒茶屋の一部みたいに、時間帯によって車両の乗り入れを制限でもせぬ限り、衰退は止めやうもないだらうな。

29日(月)------------------------------------------------------------------

広島を基盤にプレゼンできる新しいタレントを広島に作らう!といふ壮大な企画の音楽部門(?)に、何故かワシがピックアップされた。ハナシを聞きに行ったらさういふ事だった。ので、自分がいかにさういふのが下手か、ワシといふ音楽家の嗜好する音楽がいかにマイノリティか、を必死で説明して断る。ワシにそんな裁量があればもちっと華やかな暮らししてますって、よ。

しーなとシュウのリハ。新曲『水母(くらげ)の夢』を持って行く。しーなサン、えらく気に入ってくれたやうだ。動物シリーズ、といふか、タイトルに動物が入っとる曲を集めたミニアルバムなんぞ作るかね、といふ話しになる。今の処、駱駝と鳥がふたつづつ、猫、馬、に水母、か。ミニアルバムって云ふよりフルアルバムでも作れるンぢゃないの?。

30日(火)--------------------------------------------------------------------

Soe'sのリハ。進展せず。けふは新曲を持って行ったのだが、それ所ではなかった。

「キングコング」のDVDを買った。映画をたいへん気に入ったので、DVD化されれば買うつもりだった。で、捜してゐたら通常盤の他にプレミアムエディション、といふのがある、といふ。さういふのって大抵はメイキングかなんかを収録したおまけつき、みたいなもんで、大したモノぢゃないのが常なのだが、なんと『スカルアイランド(コングが居った島ね)徹底解読書、100ページ!!、本編には登場しなかった謎の生物なども満載!!』といふのが付いて来る、といふではないかっ!。ワシはさういふのが大好きなのだ。これは買わねばなるまい。

と、云ふ事でプレミアム云々を買ったのだ。映画の素晴らしさもだが、その解読本は期待を裏切らぬ、壮大な空想生物図鑑で、子供の頃、恐竜のこのテの図鑑を読み漁ったワシには、とても心踊るものだ。

31日(水)---------------------------------------------------------------------

カーステレヲが壊れた。かういふモノって、こんなに急激に壊れるものなのかね?。なんか突然全く作動せぬやうになった。


翌月