2月


1日(月)------------------------------------------------------------------------------------

ゆんべホテルに帰り、部屋呑みすっべ、とリコに驕ってもらったストロングなんちゃら、といふ酒がホンマに「ストロング」で、気がついた時にはベッドに倒れてゐた。目が覚めたら9時半。嗚呼もう出発だ。

チェックアウト時、華子ちゃんが恐らく17年の人生で初めての「寝坊」をしてしまったやうで、大いに恐縮してゐるのがカワイかった。この娘、サックスを吹かせたらアドリヴもバリバリ、オッサンのやうなブロゥで周囲を驚かせ、リコ周辺での人気はうなぎ上りだ。だが、普段の姿は今どき珍しい素朴な、女子高生といふより中学生にも見える礼儀正しい娘。ちょいと天然系。リコに絶大な憧れを抱いており、ステージ上のリコを見てゐる目がハートになってゐる(笑)。

今までにも何度か共演はしてゐたが、今回一緒に旅をして初めて色々話をした。ワシもファンになっちまったよ。

昼飯にやっぱり豚を喰らい、現地の友達と再来と再演を誓いあって、広島に出発。じゃんけんで負けた者が100Km運転する、といふルールで、結局ワシとリコが交代で運転して、広島に帰って来た。うん、良い旅だった。誘ってくれたリコに感謝。

2日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

ウチの風呂が、しばらく前から壁や床のタイルが波打ちはじめ、ヒビが入ったりして今ちょいと酷い事になってゐる。見積もりに来てくれた左官のおぢさんの話だと、前業者の施行ミスだらう、と。これを全部とっ剥がして新しいタイルを貼って、の作業に、少なくとも3日はかかるらしく、その間フロは銭湯だな。

でも、その間バスタブそのものは外に出しとかないかんのやろ?。何処に置いとくのかね?。バスタブの中で寝るか?。

3日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

昼間、確定申告計算。脳がヒーヒー云ふ。自覚はしてないのだが、先日のツアーの疲れが出てゐるのか、なにかダルい。

夜はフタコブリコズの東京ツアー用リハ。弾き馴れてくるとミスが増えるのがワシの弱点。ちゃんと演らう。結局この東京ツアー、リコのも含めてライヴ全5本、といふ行程になった。久しぶりに「唄」より「演奏」のウェイトが高い演目が続く。この際、ソロのレパートリィにも少しインストを増やすかね?。さういや、ループを使ったインストなんか、最近全然演ってないなぁ。

4日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

久しぶりにソロのリハに入る。自分のオリジナルの中に、あまりハッピーな曲がない、といふ事に気付く。こないだの藤井さんのライヴみたいに、ウクレレ壱本であそこまでアゲアゲのライヴが出来る、てのは、基本的にハッピーな人柄にハッピーな楽曲だから、てのが大きい。さすればワシのやうに基本的に根暗な人間には、あぁいふパフォーマンスは無理か。さうして改めて自分の唄を並べてみると、ん〜・・・暗い。

夜はIn Duet'sのリハをMIやんと二人で。けふは音源を聴いたりしてどんな方向性で演るか、てのを中心に。MIやんのミニアコーディヲンが良い味を出す。ネタバレになるのでまだ詳しくは書かぬが、思ったより色んな事が演れさうだ。面白さうですよ。

5日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

学校側の都合で専門学校休み。たっぷりヲーキング&ストレッチ。生徒が演った音源を編集してCDに焼く。ついでに「お手本」を録音せんとするが、結構いっぱいミスる。センセイがこれでは駄目ですな。ちょいと左手の筋がこわばってゐる。慢性でなければ良いのだが・・・・。

こないだフと思った「ループを使ったインスト」を考えてみる。アイディアとして持ってた三連ポリリズムの曲を演ってみると、なかなか面白くて良いのだが、なんとガタムのまっは君のソロ曲と同じやうになってしまふ!。アー、先にやられちまいましたな。

考えなイカン事が色々多過ぎて、まづ優先順位をつける事から考え。ひとまづ明日からしーシュのレコーディングが始まるので、その構成を。ア、弦替えなきゃ。そして張り替えた弦で弾いてるとソロのアイディアが浮かび、弾いてるとやや、八尋さんとのセッション曲もちゃんと練習しとかねば、と思ひ、でもそれより先にリコズのもあるし、いや、優先順位では明日のしーシュの嗚呼。


2週目

6日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

朝8時に左官屋さん(風呂の修理)がやって来た。うをーワシらには早朝だぜ。まぁ仕方ないか。全てお任せして、ワシらはワシらの生活を。

ワシはスタヂヲに。けふからしーシュの新作レコーディングが始まるのだ。ほぼ全てのパートを別録りダビングした「さぼん玉ホリデイ」とは趣を変え、今回は出来るだけライヴの感覚に近い所を録ってみやう、といふコンセプトで。少なくともピアノとベースは「せーの」で録る。割とテンポよく進み、3曲のバックトラックが、いちをう完了。

けふ明日と風呂が使えぬので、女房とスーパー銭湯に行く。ちょっと来ぬ間にまた値上がりしとりやがる!。¥750やて!。た・・・高い。付属のリストランテでカツカレーを喰って帰る。風呂、と飯、を済ませて家に帰ると、あとはほぼするべき事がない、のだね。土曜日といふのに12時前には寝た。

7日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

けふも左官屋さん。昨日はコンクリをハツったり、結構デカい音が出てたやうだが、けふからはタイルをはめ込んだり、の作業。ワシは引き続きしーシュのレコーディングへ。

「毬藻あり升」のフリー部分を3テイク録る。良いかんぢ。あと、しーなさんのソロ曲のワシのベースパートと、ワシのソロ曲のワシ唄パートを完成させる。ついでに太鼓類も録りたかったが、ツアー前にて、手に不要なダメージは与えたくなかったので、これはツアーから帰って来てから。まぁ出だし二日にしてはまづまづのモノが録れたのではないかな?。

ワシはパーカスと主要唄以外を、ほぼ全部録り終えたので、まぁその打ち上げに。日曜の夜、なぢみの四川料理店「老四川」は在広中国人であふれ、店内に日本人はワシとしーなさんだけ、といふ。まるで異国の地で晩飯を喰ってるかのやうな錯覚に陥る。悪くない錯覚だな。

8日(月)------------------------------------------------------------------------------------

専門学校、期末最後の授業。これ、毎年わりと何をやっても中途半端になってシマらぬ事が多いのだが、生徒の希望であえていつも通りの基本レッスンを。90分みっちしリズムトレーニングやスケール練習でシゴく。まぁ少なくともおまへらよ、90分はやれる練習ネタを持って卒業せい。他はとくに感慨なく。他所の科は生徒が泣いたり、とかあるらしひが、ワシには未だかつてそのやうな事は、一度もない(笑)。

夜はフタコブ・リコズの最終リハ。えぇかんぢ。ワシは明日仕事を1つ演って、当日の新幹線でお江戸へ向かふ。リコは飛行機で。シバちゃんは明日の夜行バスで、とバラバラ移動。大人のバンドだ。リハを終え、『では東京で会おう』と別れて行くあたり、旅芸人のやうで楽しい。

風呂はリフォーム完成。だがコンクリが乾いてないので、けふはまだ風呂は入れぬ。洗面台で行水。昭和初期か。

9日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

しーなさんが大阪にリチャード・ボナを見に行ってゐるので、ワシは独りレコーディング。10時にスタヂヲ入りして、12弦ギターと各種唄を録る。オペのあやこに冗談で『おしっ1時までには仕上げるぞ』と云ったが、12時前には予定の5曲全部オッケーテイクが出てしまった。あとワシの仕事はツアーから帰って来て各種打楽器を録るのみ。

ツアーの準備。今回も中形スーツケース1コと楽器だけ、に納めた。

さぁ今年初のお江戸に行って来ませう。寒いンかなぁ?。

10日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

お江戸ツアー初日。昼前の新幹線で広島を出発。もうシバちゃんは着いてマン喫かなんかで寝てるだらうな。14:30頃東京着。乗り継いで小岩へ。下町っぽい町並みの中にひとつだけえらくオサレでシックなビルがあり、そこが会場のオルフェウス。あまりに異質な建物で逆に目立たぬ。気付かずに通り過ぎてしまったのを、上からシバちゃんとリコが見てゐた、といふ(笑)。

さてけふは、年末に広島で共演した春犬でゅおのプレゼンによる「響く箱」といふライヴイベント。会場のオルフェウスは結構本格的なライヴホールだった。綺麗なライティングに、二つのスキンヘッドが映える(笑)。音も良いしこらぁえぇのが演れさうだ。

みんなで中華喰ったりしながら本番までのんびり。ア−、バンドで動くって、ホンマに気が楽だなぁ。

本番のフタコブリコズは、かなりアゲアゲの演奏。オルフェウスには、少なくないリコのファンが駆け付け、ウケるのに気を良くしたワシがノリまくりの演りまくり。づっと演ってみたかった『Loop で Dance(4小節くらいのフレーズをループさせて、あとは弾かずに踊る、と云ふ技)』も演る。客席爆笑。ちょいとはしゃぎ過ぎたな〜。

静謐で繊細な春犬でゅお。コミカルな女性デュオ。オサレでシブいブルースバンド。に、アゲ系のワシら、と、バランスの取れた良いライヴイベントだったやうだ。リコの新作「ハナボウボウ」もよく売れてゐた。うん、東京初日。まづまづの滑り出し、かな。打ち上げも楽しい。

けふは用意してもらった葛西のホテルに泊。すごい立派なホテルだ。シバちゃんが「ラーメン喰いに行こうや」と云ふのを宥めて(笑)、それでも3時頃、寝る。

11日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

雨。

何故、東京ほどの大都市まで、ホテルのチェックアウトを10:00に設定してゐるのだらうか?。海外に行けばほとんどのホテルが昼までOKなんださうだぜ。ここだけ時代遅れな東京。でも朝食サービスつきで、良いホテルだった。

けふから定宿、吉祥寺の久保田涼子邸に滞在。雨の中をメトロで吉祥寺まで。ちなみに小岩と吉祥寺は所謂、東京の西と東の果て、の位置関係。電車で1時間以上かかる。ちょうど昼頃りょーこの家に着。昼飯を驕ったりしながら午後を過ごす。

夕方からワシは江古田へ。初めて行く場所だが、ここも吉祥寺からは遠かった。民族楽器叩き語りのヤマザキヤマトくんがブッキングしてくれた江古田倶楽部。噂では、日本で初めてディジュリドゥを鳴らしたお店なのだとか。店の前でヤマトくんとばったり。けふはよろしく、と挨拶。考えてみればヤマトくんと会うのは、けふでまだ3回目だ。気軽に組んでくれて感謝。

いかにも、なアングラでダークな店内に、色んな国の民族音楽が流れてゐる。ワシの唄を聴いて「リンガラぽいね」と店長。

この頃には結構な大雨になってゐて、お客さん大丈夫かな、とか思ってゐたが、割といっぱい来てくれた。広くはない店だが最終的には満員に。しかも全員男性(笑)。出演者も含めてここまで男ばっかり、てライヴは初めてかもしれぬな。心して吟ずる、東京では久しぶりの完全ソロ。

割と良い出来のソロだった。ただ、店内にゐるほぼ全ての人が凄いスモーカーで、喉はもちろん、終いには目もシバシバしてくるやうな煙状。ちょっとキツかったな。まぁそれでも好評のうちに終演。店長にも気に入ってもらへて嬉しい。立ち去る時には満場の拍手に見送られる、といふ。ありがとう江古田倶楽部!。

12日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

雨のち曇。

フタコブリコズ東京2本目。日中はのんびりと読書など。天気が悪いので洗濯が出来ぬなぁ。そこら辺で適当な飯を喰ふ。宮崎ならコレ東京ではアレ、と名物を律儀に求むるリコ達に比ぶれば、やはりワシはあんまり「食」に興味がないのだらうな、と思ふ。こんだけ旅が多いのに、ちょっと勿体ない気はする。

けふの会場はナウいヤングの集う街シブヤだ。ハチ公前を抜け、なんのこっちゃよう分からぬスクランブル交差点を渡り、若者どもの波をかき分け、汗かきながら会場へ。韓国焼き肉店の2階、渋谷ソングラインズ、といふシックなお店。だが楽屋には下の階から、香ばしい焼肉のにほひが上がって来て、そは強烈に食欲を刺激する。か〜〜〜〜!!。

店の雰囲気に合わせて、けふのフタコブ〜は大人しめのラインナップで構成。広島からこっちに出て来てゐる篠笛奏者のことチャンを交えてのリコズだ。ことチャン、何度か会ってゐるが共演は初めて。なんかえらいこと綺麗な娘さんになってゐて驚く。少女、三日会わずば刮目して見よ、だな。相変わらずキレのいい笛!。楽しみだ。

おとなしめ〜と云ふ策略はすぐ崩壊して(笑)、結局アゲアゲりこズ。ことチャンの笛の音やシバちゃんの炸裂ソロに触発されて、またもはしゃぎまくるワシ。小岩に引き続きLoopでDanceも演ってまた爆笑を誘う。は〜またやり過ぎた。暴れた後に落ち込む王蟲のやうな心境。でも楽しかったからいいや。いいよね?。いいと云って。

シバちゃんがこっちに来てゐる人脈を総動員したかんぢで、会場は時ならぬ広島県人同窓会の様相を呈した。色んな懐かしい顔に出会えて楽しい。みんな元気さうだ。良かった良かった。

まだ残ってみんなと話したかったが、終電の時間に合わせて先に退散。それでも1時前。日頃なら寝てる時間だが。井の頭線最終はみちみちの満員。ヌ〜・・・不夜城東京たぁ良く云ったものだ。こんな街に住んでりゃ嫌でもみんな夜型にならぁな。

晩飯喰ふタイミングを逸し、しかしこの時間からラーメンなど喰ふのもナンだし、コンビニで生野菜サラダボウル買って帰ってポン酢かけて喰ふ。


2週目

13日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

雨。

今回のお江戸滞在中、唯一のオフ。新横浜ラーメン博物館に行って来る。ノスタルジックな演出の館内で、ノスタルジィに浸る。あれやこれや、ここで、考えたなぁ。

夜は宿のお礼にワシがりょーこに手料理を振舞う。鮭のバター焼きにオニオンスゥプ、ぢゃがいものサブジ+スパニッシュオムレツは返しに失敗して悲惨なことに。

14日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

晴れ。

久々の青空だ。洗濯して、ジャンパーなども天日に干す。昨日食べ残した鮭をほぐし、ネギとしめぢ、にんぢんを合わせて焼飯を弐人前作る。食材と道具さえありゃあワシは何処でも自炊できる。

けふは北千住のダンデライオン。朋友三輪雅也が企画してくれた「三人会」といふイベント。三輪くん、こないだも一緒だったヤマザキヤマト、に、ワシがそれぞれのソロを演る、といふ。三輪くんは、古くはシェイクス、最近ではNowhereで名を馳せたサウスポーの名ベーシストだが、最近はギター弾き語りのシンガーソングライターとして活躍中。前々から「なんか一緒に演りたいね」と話してたのが実現。たまたま二人ともヤマトくんとの繋がりもあって、これは楽しいだらうな、と。

聞けばなんとここダンデライオン、けふで閉店なのだとか!。それは寂しい。そんな日に他所者がトリを仕切っちゃって良いんですか?といふかんぢだ。

三輪くんの素朴で暖かい唄、ヤマトくんのアゲアゲのパフォーマンスに続いてワシ。常連のお客さんや出演者で客席はいっぱい。本来ならラストステージを飾るべき人達の前で、店のトリを務めさせてもらふことを心して吟ずる。

良いライヴだった。なにか仕掛けるたびに会場から感嘆の声が聞こえるのが楽しかった。ちょいと冗長だったかな?といふ気がせぬでもないが、本編は好評のうちに終了。改めて三輪くん、ヤマトくん、そいからPAオペをやってくれた高橋さん(ギタリスト)をステージに呼び、みんなでセッション。演目は三輪くんの名作「海へ行こう」。三輪くんと出会うきっかけになったテーさんの唄で初セッション、といふ感慨深い。

音も良いし、お店のスタッフも最高。かえすがえすもけふで閉店、といふのが惜しまれる。

15日(月)------------------------------------------------------------------------------------

雨。ん〜天気悪いな今回。

けふはお江戸ツアーのシメ、大先輩ベーシスト八尋洋一さんとのツインベースプロジェクトだ。仕切ってくれたのは、共にメキシコを旅した炎の打楽器奏者くどうげんた。

会場は所縁深き三軒茶屋グレープフルーツムーン。渋谷駅からの田園都市線乗り換えも、もう馴れたもの。会場に着くと八尋さんもう来てくれてゐる。

今回、このプロジェクトを持ちかけ、快諾してもらひ、すぐに音源と譜面を送ったのだが、その後八尋さんからの連絡が途絶え、正直焦ってゐた。だが八尋さんを良く知る知人から『あの人は必ず予習をしてくれる人だから』と聞き、それを信じてけふに至った。そしてリハ(初めての音出し)をしてみて吃驚。八尋さん、曲構成はもちろん、ハモまで作ってくれてゐて、なをかつ歌詞まで憶えてゐる!。

さらに数日前に一緒に仕事をして、直感でこれは絡むと面白い!と思った(八尋さん談)といふギタリスト、関根彰良さんを連れて来てくれた。関根さん、インド音楽に造詣があり、シタールギターなど持って来てくれ、そらぁもう悪いハズがない、といふ・・・。ゲンタさんも含めて全員、ワシのオリジナルに即興的に入ってもらふ形を取るが、リハしながら顔がニヤけっぱなしになるほど、のセッション。それまでの不安は一気に払拭された。

本番は思い思いに演奏を楽しんだ、ベーシスト二人で演りまくった、暴れまくった、といふかんぢ。関根さんのシタールギターも、ゲンタさんのサポートも完璧。八尋さんのハジけっぷりはリコズにおけるワシのそれの比ではなく(笑)、あぁあれで良いのだ、と強く思った。楽しいライヴだった。

終電はあるが、けふは流石にもう構うものか。八尋さんと呑むのだ。対バンステラ・リー・ジョーンズの皆さんも交えて打ち上げ。4:00まで呑んぢまった。八尋さん、オフステージでの人柄も最高。優しく大らかで強い自由なひと八尋洋一アニキ。

うん、良いツアーだったな。

16日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

吉祥寺に帰った頃には、ひがしの空が白み始めてゐた。くもり。

けふは帰る日。日中は宿のお礼に掃除などして過ごす。夕方の新幹線で広島へ。タマにやってしまふ時間の勘違いで、何故か2時間も早く東京駅に行ってしまひ、一旦駅外に出て土産を買ったりす。

23時前頃、広島の我が家に着。1週間ぶりの女房の笑顔に迎えられる。良い旅だった。

17日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

さすがにぐっすり。良く寝た。さぁ仕事だ。昨日、帰りの新幹線の中で『専門学校の年度末試験の採点が未提出』と連絡があり、焦った。けふはその締め切り日。慌てて採点し、学校に直接提出に行く。慌てて駆け込むワシから、セクシーな事務員がクールに引き取ってくれる。

幸いなことに、てゆーか・・・、今あんまり生徒の数が多くないので、旅帰りで即詰め込みレッスン!なんて事にはならぬ。21時までのんびりとレッスン。

18日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

ヲーキング&ストレッチ。花粉が飛び交い始める時期だ。アー。

しーシュ新作レコーディングの進展を見る。ワシが居ない間にしーなさんが録ったテイクを聞き、色々と検案。フと思ひつき、パンディロを録ってみる。まぁまぁ、かな。ジェムベを入れるつもりだったが、パンディロを入れたら必要を感じなくなった。パンディロの達人になると、この楽器ひとつで全くドラムが必要ない程の事をやってのけるのださうだ。ン〜・・・そげな人と一度演ってみたいものだな。

夜はMIやんとデュエッツのリハ。予習はあんまり出来てなかったが、悪くない。

19日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

けふは呉への遠征。ハーなかなか忙しいですなわたしも・・・。

花Clubのライヴでは、いつも店の前あたりにかなりデカデカと顔写真入りのポスタが貼ってあり、その前に車を停めて機材を下ろしたりするのは・・・・。けふもちょうどワシが店の前に車を乗りつけた時、女子高生の群れがゐて

さてけふのライヴだが、りょーじさんの提案で、夜に働く人の為に、と1stステージの開始を18時にしたのだが、これが開演時間になっても誰も来ない(笑)。ありゃりゃ、と思ってゐたらなんとかお客さんが来て、1stは結局、4人の人を相手に演った。これがなかなか結構良い出来で。たっぷり1時間演った。

2ndもこんなかんぢなんかなぁ、と思ってゐたが、今度はどやどやとやって来る。馴染みの顔もあり、結局20時には満員。極端な2ステージとなった。ちょいと選曲に難儀して、中盤がバラけたかんぢになってしまったが、1時間半またまたたっぷり演りました。アンコールも来て、いつものやうにバラードでお応えして終了。のハズが、「こきりこが聴きたい」といふ方がゐて、改めてリクエストに応える。結局2時間くらい演ったな。

さらに片付けを後回しにしてまかない飯を喰ってゐると、常連さんが「遅れて来た」と云ふ事で、エキストラステージをひとつ。近年稀に見る大サービスの日だったな。CDも久々に完売。今年の初呉ライヴはまづまづの成功、と云ふ事で。

ところで、やはりソロの選曲つーのを、しっかり考察し直すべき時に来てゐるな、と。ライヴとなるとどーしても得意な曲、人気のある曲を中心に構成することになり、内容がいつも同じかんぢになってしまふ。お客さんは『それでもイイ』と云ってくれるが、演り手が演り飽きた状態で演る、といふ事は避けねばならぬ。まぁソロを演りはじめて、おーかた10年近くになる。そろそろ新しいことをせねば。


3週目

20日(土)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュ新作、パーカッションの録音。当初は全編にジェムベを入れるつもりでゐたが、たはむれに録ってみたパンディロの素人臭さが意外にも良いので、ジェムベは1曲だけにした。ライヴのやうにセッティングしてもらひ、ライヴのやうに録る。パーカッショニストになったつもりで吠えながら叩き、2テイクでOK。

冬期五輪、女子カーリングが思ひのほか面白くて、見てゐる。ルールが分かってくると益々オモロい。この競技、何処の国の選手にも、2〜3人美形がゐる。英国チームのEve Muirheadってひとなんか、女優みたいだ。19歳ぢゃげな。まぁ日本のチームあをもりのマリリン?なども評判高いが、ワシ個人としては近江谷 杏菜選手が、独りだけ半袖Tシャーツで頑張ってゐて、その二の腕が

夜は女房とつつ井食堂で晩飯。おかずをつまみにして、燗酒を呑む、親父酒(笑)。大将『奥さん、酒強いねぇ』。家に帰って、さらに焼酎のお湯割を。つまみは八尋アニキにもらった富山土産いぶりとっぺ(豆腐の燻製)。コタツで呑んでるうちに撃沈。

21日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

しーシュ新作、ジャケットその他の撮影。カメラマンはワシらのファンであり、今まで数多くの来広ミュージシャンを撮影してゐるチョッケンさん。アマチュアながら「35ミリの魔術師」の異名を取る名カメラマンだ。

馴染みのバァを借りきり、衣装や設定を変えて色々撮影。なんとなーくのワシのアイディアをチョッケンさんが上手く纏めてくれて、割と思惑通りの写真が撮れた。天気が素晴らしく良いので、しーなさんの提案で屋外でのショットも撮る。川辺での35ミリ撮影など、それまでのジャケのアイディアを撤回したくなるほどの素晴らしいショット。いづれ公開します。チョッケンさん、ありがとう!。

この季節でこの天気、風も強い、と来れば、キましたよ花粉症!!。けふも朝のヲーキングから帰った途端くしゃみが止まらんくなり、撮影の間じゅうクシャンクシャンやってゐた。夜には鼻の周りががびがび。アーやれやれ、また嫌なシーズンの到来だ。

22日(月)------------------------------------------------------------------------------------

しーシュレコーディング、仕上げ。最後に残しておいた唄を録る。録り終えた足で印刷会社に出向き、ジャケの打ち合わせ。4月の東京先行レコ発に合わせて、かなり急がせてしまふなぁ。てゆーか間に合うんだろか?。

誰かからの情報でSmashing Guitar tijdensといふ映像を見る。言葉が分からんのでアレだが、ギターを壊す速さか派手さかなんかを競ってゐるやうな・・・。ん〜〜、ワシも相当ザツに楽器を扱う方だが、これは流石に気持ちが良いもんではないなぁ。いかにもアメリカ的な企画のかんぢがするけど、(多分)ドイツ語だなこれ。米国製楽器に対してのアンチかなんか兼ねてンのかね?。アー、さういや壊すのが全部フェンダーだ。

3人目に登場する眼鏡お姉さんの、ローライズからハミ出たポッコリお腹がマニア心をくすぐる。

23日(火)-----------------------------------------------------------------------------------

しーシュ、ミックスダウン。聴き並べてゐるうちに悪い癖が出て、OKを出したはずのテイクが気に入らんくなってしまふ。てゆーかこれ音程ハズれてるぢゃんか。これCDになるのイヤだな。心を残しつつレッスンへ。

中三から高三まで4年間習ってゐた生徒が、けふで退会。「楽しかったス」と云はれるとセンセイ冥利に尽きる。ワシの生徒の中では唯一のピック弾きのプレーヤーだったが、4年でだいぶ上手になった。大学進学で神戸に行くのださう。新生活を不安がる本人に、ワシの同じ時期の話をして、絶対に一度は家を出て独りで暮らすべきだ、そしてそれは絶対「やって良かった」と思ふはずだ、といふ事を伝える。旅せよ。遠く。また逢おう。

夜、レッスン帰りにミックスダウンの様子を伺いに行く。あんまり進んでない。ツイデにやはり、例の音程のハズれてる唄を録り直す。フリーテンポのピアノ伴奏に合わせて唄う難しさよ!。ライヴでなら、なんてことないのにね。

24日(水)-----------------------------------------------------------------------------------

オマール・ソーサの映像を捜してゐて、なにやらものすごい唄声に行き当たった。こは誰や?と思ひ、調べてみたら、そはTim Eriksenといふミュージシャン。アメリカン・ルーツミュージックのアーティストでありマルチプレーヤー、民俗音楽の研究者でもあり、もとはパンクロッカーだって(笑)。とくに驚いたのが、あのAmazing graceの、これ変奏?てぇのかね?。凄いわ、これ。早速CDを注文。国内盤が出てないので3週間待ち。嗚呼。

なんか生徒が激減してて、レッスンが空きだらけだなぁ。楽器を習おうとする人の絶対数が少なくなった、てのもあるが、考えるにやはり同業者が増えた、てのもあるかもな。昔はプレーヤーではあってもレッスンはしてない、て人も多かったが、今は名のあるプレーヤーがみな教室を持ってる。こんな小さな街ぢゃあ淘汰が起こって当然だ。ん〜〜難しい問題だな。

教える、て云やぁあのミカりんが、昔さる高名なドラマーに「私の弟子にならぬか?」と云はれた事があるさうな。してそのお方は『弟子と師匠は親子以上の関係。キミの全てを差し出しなさい』のやうな事を云ったとか。おぃおぃおっさん、それ新興宗教ぢゃん(笑)。

25日(木)-----------------------------------------------------------------------------------

新しいソロのスタイルとして「カヴァー」を積極的に演ってみやう、とリハ。まぁ今までも結構演ってたりはしたんだけど、ね。

ジャズピアノの上原ひろみが、デヴー当時『スタンダードのカヴァーは、もっと自分に『徳』のやうなものを積まぬと嘘になる気がする』のやうな事を云ってた。その言葉通り彼女はオリジナルにこだわり続け、此所数年でようやくスタンダードに着手しはじめてゐる。賛否あらうが、ワシは正しいやり方だと思ふ。

逆に『キミらまづはもっとスタンダード演った方が』と思ふのが、最近のロック、ポップスの若手。なんかしらんちょっとバンドが続きゃあすぐオリジナル作って、しかもそれのクゥオリティが低いのに自分らが気付かず、聴いてる方がツラいだけ、みたいなライヴ、多いぞ最近。分かる人が聴いたら「アー、なんも勉強(コピーとか)してないな」てのがすぐバレる。またそれがウケてる不思議。

26日(金)-----------------------------------------------------------------------------------

雨。バンクーバー五輪、フィギュア見る。キムヨナ流石の滑り。まおチャン無念。鈴木さんも未来チャンも、ロシェットも良かった。皆よく頑張った。ウケないミュージシャンやコメディアンは悲惨だが、スポーツは勝者も敗者も美しい。

MIやんとIn Duet'sの最終リハ。なんかテキトーだが大丈夫かよ。不安は残るが、多分これ以上やっても進展はせぬので、1時間で切り上げた。あとはステージで証明す。ところでこのIn Duet's、今回は割と沢山の人が名乗りを上げて来てくれてゐる。次を誰に演ってもらふか考え中。立候補の中には笛吹きヤスヲもゐて、これなんかオモロいこと出来さうなんだが。

夜、家にゐたら、永遠のロケンローラーキース三宅さんから『ちょいと相談が』との電話があり、出向く。会ってみると、知人がバンドのメンバー(てゆーか参謀)を捜してゐて、『なに屋でもなく、自分の色を出せるヤツ』と云ふ処で、ハタと思い当たったワシを推薦したい、とのこと。ミヤケさんにわざわざさう云ふてもらへるのもさる事ながら、面白さうなので、引き受けるのを前提にいちをう本人の話を聞くことにした。

かういふ「急な外出」て、なんかイイな。

27日(土)------------------------------------------------------------------------------------

親父の83歳(!)のバースデイを祝う会、に出かける。これがなんとイタリアン!。ワシと女房、親父とお袋、アネキと姪っ娘の6人でコース料理喰ふ。この6人の中で唯一こってり牛肉系トマトソースのパスタを選んだのが親父。しかもペロっと平らげよった。家では今でもお袋の倍は喰ふのださうだ。『(誕生会が)もうあと何回できるか分からんから』といふ事でワシらが呼ばれたのだが、こらぁまだまだ出来るんぢゃないか?(笑)。てゆーか、してくれよ、親父。誕生日おめでとう。

親父とだいぶ良いペースでイタリアワインを呑んだが、帰ってからもファンの方に戴いた北海道ワインを呑る。ワシがあと40年生きてあんだけ元気で居れるか?とか考える。

28日(日)------------------------------------------------------------------------------------ 

今年に入って初めて、日曜日が完全フリー。終日のんびり。昼過ぎ、チャリでちょいと大型モールへ。人が多過ぎてすぐ帰る。夕方、暮れて行く壱日を窓の外に見ながら、珈琲など呑るもいとをかし。


3月へ