3月


1週目

1日(土)--------------------------------------------------------------------

午前中からしーシュのリハ。新曲を中心とした「練習」。

ウチはリハと云ふモノを、なんとなく「壱発勝負」のやうに捉えてゐるフシがあり、例えばリハで曲を演ってて、失敗してもそのまま流したりす。が、それはイカンのではないか?と。リハで失敗して「こんな事もある」なんて云ふとるから本番でも失敗するのであって、上手くいかんかったら上手くいくまで演る、くらいでないとイカンのではないか?と。

けふはさういふリハ---間違えたらもっかい演る----練習、をみっちし3時間した。

2日(日)--------------------------------------------------------------------

こないだ大盛況に終わったカワムラ+しーシュ=ぱんぱかトリオの打ち上げをす。

後々、各方面から頂く感想などによると、会場の位置によってえらい音が悪かったやうで、3人の息がピッタリだっただけに、そこは残念だった、といふ意見が多かった。ん〜〜、それが事実ならこちらとしても残念。当日、動画を録って下さったTさんより、随時編集を終えたVが上がって来てゐる。動画を見る限りではそこまで気にはならぬが、なんかベースの音がブキブキ云ひ過ぎてゐる気がす。舞台上ではコモって聴こえぬやうなかんぢだったのに、会場にはこんなブキブキな音が流れてたのだらうか?。

そんな事を話しながら、あんまり酒に強くないカワちゃんがぐんぐん酔っ払って行き、最後には寝落ちし、そっからまた復活してゆく様が、かなり楽しかった。お疲れでしたね、カワちゃん。また演りませう。

次にこの3人で演るのが北海道は釧路、てのがこれまた最高で、ワシらしーシュにとっては春ツアーの最終日。楽しみだなぁ。

3日(月)----------------------------------------------------------------

しーシュ「事務班」としての仕事に奔走。ツアー用の切符を手配し、各所に連絡を入れ、フライヤを作製す。

楽器に触る時間は少ないが、かういふ裏方の「業務」を粛々とこなすのは、向いてゐる、と思ふ。さういやバスのチケットを買いに行ったセンターに、知人のドラマーに瓜二つの人がゐて、手ェ振って話しかけても別人と気付かなんだ。ありゃ似過ぎでしょーが。ドッペルゲンガーか?。てゆーか、失礼しました(苦笑)。

女房の実家から、大量のじゃがいもが送られて来た。ので、それを使ってピッツァを作る。普通「ポテトピザ」てのぁ生地の上に焼いたり揚げたりした芋を乗せるのだが、ワシは生地そのものを芋で作ってみた。千切りにしたじゃがいもをフライパンに敷き詰め、両面こんがりと焼き固める。其の上に自家製のミートソースを塗り、大量のチーズを乗せ、蓋をしてチーズが溶けたら完成。

たいへん美味い芋ピッツァが出来上がった。やってみ。千切り芋は水に晒さぬのがコツだよぅ。芋のデンプンが焼き固めのポイントとなるのね。

4日(火)--------------------------------------------------------------------

こないだ打ち上げの時に、「ぱんぱかトリオで『流し』をやらぬか?」といふ話しになった。

『流し』!。なんたる甘美な響き。

若者は知らぬだらうが、居酒屋などを廻り、店の雰囲気や酔客のリクエストなどに答えて音楽を提供してチップを稼ぐ、地回りの音楽家の事だ。現在中堅以上で活躍してゐる演歌の大御所(北島三郎、五木ひろし、細川たかし・・etc)は、ほぼ全員これの出身・・・、てゆーか『流し』で鍛えられた経験を持つ。経験を積みながら実益に繋げ、歌い手根性を鍛え上げて行く、ジャズマンの『ハコバン』に匹敵する、歌い手にとって絶好の『大学』でもあったのだ。

「レパートリィは最低でも300曲」とか「どんなリクエストにでも応えられねば駄目」とか、昨今のストリートミュージシャンとは一線を画す、プロとしてのシビアなスキルが要求される「仕事」だったが、音楽が多様化し、カラオケが台頭し、そもそもさういふ「唄のあり方」が難しくなり、プロの『流し』は時代の波間に消えて行った。

が、これに真面目に取り組んでゐるのが、千葉県は柏の朋友成沢ヒデトモ氏で、彼は柏市内の居酒屋何軒かと提携を組み、月イチで『流し』を展開させる、といふ取り組みをしてゐる。

ヒデトモ氏は、確かワシとあんまり歳も変わらぬはずなのだが、なんかものすごい変わった編成のバンドでギター弾いてたり、VJやったり、して本職は大工さんだったりする、ちょいと『目が離せない』かんぢの男。その彼がなんとまたぢつにイキでシブい事をやるなぁ、と感心した、のがその『柏で流し』。ワシも是非一度参加してみたい、と思ってゐるのだが・・・・、如何せん千葉は遠い。

それと同じやうな事を、此所数年若者文化の発展著しい、広島は十日市界隈で、ぱんぱかトリオが演ってみやうではないか、と。

しーなさんは長年のラウンヂ演奏で、そのテの事はお手のもの。ワシも、しーなさんほどではないにせよ、結構イケる。そこにカワちゃんの持つおおらかな社交性が加われば、これまた違った「流し」のスタイルが出来るのではないか?と。

これは楽しい夢想。だが、さうなると完全アンプラグドは必須条件。状態の良いアコベか、コントラバスを・・・。う〜〜〜〜〜ぬ。

5日(水)--------------------------------------------------------------------

専門学校の卒業式に出席。

この学年は1年次になかなか手応えがあり、個人的に結構期待したものだった。だが、何がきっかけか知らぬが急激に熱意が減退し、2年次にはほとんどの生徒が「幽霊」状態。最終的に単位を取得できた者が半数以下、と云ふ残念な学年となってしまった。

学生を2年間でここまで無気力にさせてしまったのは、明らかに講師にも責任の一端がある。自分のインストラクターとしての限界を実感した壱年でもあった。

考へるまでもなく、毎年入学して来る学生は、ほとんど18歳。それに対しワシは毎年年齢を重ねてゐる訳であり、今年度入学してくる学生とは、ついに30才差、となる。最早「世代間の意識のギャップ」を理解するなぞ不可能なことなのだらう。かといってワシには『術利』のみを説き教えれるほどの無神経さ(これは中傷でもなんでもなく、「教育者」として絶対に必要な資質である)はない。そこがワシの「指導者」としての限界ならば、これはもぅ仕方のナイことなのだらう。

そんな彼らを、見送る。

卒業おめでとう。お前達の未来が良きものであるやうに。10年後くらいに改めて逢いたいね。

6日(木)--------------------------------------------------------------------

確定申告に取りかかる。気が狂いかける。しーシュのリハへ。そっからレッスンへ。けふはその後、「おすしとライヴ」の最終リハへ。

有難い事にソールドアウト、ださうで。ありがたい。寿司付き、とは云へ、けっこうなお値段のするセット料金を払って頂く訳なので、こらぁライヴをビっと決めて、金額以上のモノをお届けして、気持ち良く打ち上げをせねばならんね、と。

最近、夜にリハがある時は、リハ後帰宅してから飯を喰はぬやうにしてゐる。でもまぁ腹は減ってゐる。ので、どーするかと云ふと、にんぢんとかキウリとかキャベツの芯とか、さういふ歯ごたえのある野菜をバリバリ喰って「満腹感」を演出す。これならまぁ胃腸への負担も少ない。翌朝の目醒めもスっきり。

こんな事書いてると『シュウさんはベジタリアンか』とか思ふ人も居るやうですが、そんな事ない。いまだにカラアゲとか大好きだし、ソーセージもハンバーグも好き。バイキングでさういふメニューがあったりすると、ばくばく喰ってますよ。

ただまぁ『これから10日間、肉か野菜か、どっちかしか喰ってはならぬ』と云はれたら、野菜の方を取るかもしれんねぇ。

7日(金)--------------------------------------------------------------------

確定申告、完了。なんか今年はえらい計算の仕方が難しかったな。最後頃には『もぅえぇわ!』て気になって、ババっと書き殴ってしもた。お陰でいっぱい間違えて訂正印だらけ。脱税しとる訳でもないし、もぅ知らん。そのままポストにペッと捨てて来て、おしまい。せぃせぃした。

セロくらいの大きさで、電気ベースの弦がそのまま流用出来て、生でも鳴らせる縦ベースとか無いのかな?。今ワシちょいとベースに対する感覚の過渡期(これまでにも何度かあった)らしく、そんな事ばっか考へてゐる。今のワシはベースに「コントラバスぽいタッチとサウンド」を求めてゐるやうだ。試しに、もぅ長い事置き去られてゐた黒いベニヤのセロ(2万円)にベースの弦を張ってみたところ、割と理想の音が出て「おぉ!」と思ふ。

てコトはかういふのを作れば良い、て事か?。てゆーか、これ(セロ)ちゃんと改良してベースとして使えんかね?。

でも結局、過去何度もかういふ自問自答と試行錯誤をくり返し、最終的に「ヴァネッサ壱本で演れる」といふ考へに、今のところ至ってゐる、といふ点も見過ごしてはイカン、と(笑)。


2週目

8日(土)--------------------------------------------------------------------

さかもとや市兵衛お寿司屋ライヴ。

こないだからリハを重ねて来た「市兵衛楽団(仮称)」の、壱回目の本番。今回の成功か失敗かで、次回のライヴが決まる、と云ふ。ある意味重要なライヴだ。なんせお店もライヴを演るなんざ初めての試みで、スタッフ一同てんてこ舞い。ワシらも機材提供を含めて総動員フル稼動。会場設営から給仕の真似事までやる。ワシも居酒屋椎修で鍛えられた技(笑)を発揮。

和装の男女がテキパキと給仕する姿は、お客さんにも好印象を与える様子。大将も、『キミら音楽家にしとくには勿体ないのゥ』と。いヤ・・・あの〜・・・。

で、ライヴ。昼夜に分けた弐回公演で、音量やラインナップなど検証しつつの本番、てかんぢで、なかなか演奏に集中し辛いシチュエーションではあったが、結構なおテマエを披露できたハズである。弐公演とも満場のお客さんはおおウケで、もぅその場で「秋の陣」も決定す、といふ。タイトな内容ながらワシらも楽しめたし、演りたい曲(昭和歌謡)を演ってここまでウケると、まぁ気持ちは良いね。次回も頑張りませうか。

打ち上げ、と云ふか賄い、といふか、は当然、お寿司。

まぁこんな事でもない限り、自前では絶対に喰へぬだらうな、といふかんぢの・・・。そもそも「廻ってない寿司屋」に来たのなんざ、48年で2回目だわ。当然のごとく絶品の代物オンパレードで、寿司とはかういふモノであったか、てなかんぢ。美味い美味い。・・・が、濃い口の日本酒と共にパクついてるうちに、あれ?と思ったら撃沈。てゆーか昏睡に入っており、いつの間にかカウンターで寝てた様子。

その後、起こされて帰ったやうだが、どこをどーやって帰ったのか、あんまり憶えてない。

9日(日)--------------------------------------------------------------------

記憶は抜け落ちてゐるが、二日酔いはなし。女房によるとゆんべは『全く会話にならなんだ』さうだが、まぁ上機嫌だった、といふ。

寿司はどーだった?と訊かれて、徐々に思ひ出してゐる。ネギトロが異常に美味かった、とか、ネギのやうなやつが美味かった、とか。

10日(月)----------------------------------------------------------------

居酒屋椎修、弥生の巻。

3年目に入り、いよいよ真価が問われる居酒屋椎修。けふのところは「小鉢:其之弐」の地元レコ発、と云ふ事もあって、ほどよく満員。けふも料理はよく出たが、進め方も上手くなったのか、そんなに激忙、といふかんぢにもならなんだな。久しぶりに「シュウ麺ボンゴレ風」を出した処、これが仲々の人気で、やはりみんな麺類を食べたがってゐるのだな、と再認識。またメニュー開発します。

ライヴは「驚きの音楽」。これが安請け合いしたは良いが、まーぁ見つからんで困った困った。結局、歌詞に「驚」といふワードがあるのを持って来たり、「驚き」てのを「ワンダー」にしたり・・・して、なんとか(笑)。けふは他にもなんか演りたい曲がいっぱいあって、結局1時間フル演奏+アンコール。良いライヴが出来たんならいいね。

楽しかったのは、お客さん同士に40年ぶりに逢う同級生、といふ方がおり、さういふ再会の場面に一役買えたのなら、たいへん嬉しい。中年も過ぎ、それなりの社会的地位に登った旧友同士が、40年ぶりに再会して交わす会話、のやうな会話、がカウンターで繰り広げられる様を、仕事しながら見れる、と云ふは、かういふ客商売の素晴らしい点でもある。

うむ。「模擬店」とは云へ、居酒屋稼業、悪くないね。

11日(火)--------------------------------------------------------------------

ベースの弾き語りスト、が増えて来たと思ふ。

誰かさんのやうに、別に「ワシが開祖だ」とか云ふつもりもないが、今沢のカゲロウのやうに『物真似すら不可能』な程の高い技術を必要としない、といふスタイルを練り上げて来たのには、自負がないでもない。コツさえ掴めば、ループマシン壱個で、誰でも真似出来るソロ。

このスタイルで演り始めて10年以上。様々な動画が各所にアップされ、ワシのそれを見て始めた、といふ人も少しは居られるだらう。10代の若者がワシのカヴァーを演ってる、といふ噂も聞いてゐる。

それはそれでたいへん光栄だし、嬉しい事だが、当のワシはもはやこのスタイルに飽きてゐる、といふか、新しい形を見つけねばならぬな、と思ってゐる。

まぁ、今のスタイルを考へ、研究し、ライヴで演って、失敗して、また研究して、ライヴ演って、成功して、徐々に確立して、それを高めて・・・、といふ作業にこの10年を費やして来た訳で、飽きたから、といってスグ次のスタイルが確立出来るものでもないのは分かっておる。あと10年かけて次のスタイルに辿り着ければ・・・てなかんぢかね?。

まぁぼちぼち演るか・・・。

12日(水)--------------------------------------------------------------------

この春のながいツアーには、ヴァネッサでなくカラスを持って行かうとしてゐる。このカラス、イマイチ音に芯がない、といふか、普段は良いのだが「ここゾ!」て時に、ちょいと頼り無い所があり、そこをナニカで改善すべく、100年ぶりくらいに「自分の買い物の為」に楽器屋に行く。

色々とアタリを付けてゐた「ブースター」といふ機器から、いくつかセレクトし、試させてもらふ。壱個、金額的にも機能的にも見事に適合するブツがあり、迷わず購入。今やこのテのものタバコの箱よりちーさいのね。

その夜、ツアー前最後のしーシュリハで使ってみた処、これがバッチシ。カラスの弱い点が、これで見事にカヴァー出来るはずである。まづはこの週末からの3連戦。ノレン〜と往く関西〜中部〜近畿ツアーで。これで上手く行けば、その先の東京〜関西〜北海道への旅も、思ひ切ってカラスで乗り切る予定だ。

13日(木)--------------------------------------------------------------------

新曲が出来たのを譜面にす。まだ歌詞が全然浮かんでおらぬのだが、忘れぬうちにメロディだけでも記録しておくね。

それプラスふと思ひ付き、昔に作った曲をしーシュ用にアレンジしてみるか、といふ気になる。たしかこれ壱回だけ人前で演奏した事があるんよな、ソロで・・・。出来た時は自分で感心したんだけど、実際演ってみるとなんかえらいダラダラした曲で、全然えぇ事にならんかった憶えがある(苦笑)。

アレンジ、と云ふか、旧曲のモティーフと手法を流用し、しーシュらしさを出せる新しいメロディに作り換える作業。なかなか上手く行ったのではないかな?。完成すれば、これまた「他にない」かんぢのデュオ曲になる予定。作曲はこの段階がいちばん楽しい。

さて、旅だ。久しぶりの旅だ。


3週目

14日(金)ノレンと往く週末遠征:奈良編----------------------------------------------

ノレンニゥー・デ・オッシと往く関西〜中部〜近畿ツアー。題して『春を迎えに行く旅』。

こないだは彼らの来広公演を我らの定例企画「居酒屋」で迎え撃ったが、けふは彼らの定例企画「奈良にくぎづけ」といふイベントへの参加で、ツアー初日とす。ちょうど去年の今頃、やはり同じイベントにゲストで呼んでもらった。ので、けふは壱年ぶりの奈良はウェンブリィ・クラウン。

地震の影響でダイヤが乱れ(この日深夜、中国四国地方を珍しく強い地震が襲った。広島で震度5弱)、なかなかテンヤワンヤではあったが、我らも旅のプロ。予定時間にはちゃんと奈良に辿り着く。去年の滞在時にさんざ歩き回ったし、まだ壱年しか経ってないし、で会場までの道順もよく憶えてゐる。

会場入りしてやぁやぁ、と挨拶。皆、地震のことを心配してくれよる。早速、サウンドチェックにリハ。お互いの音を聴きながら、あーでもこーでも、と音を作って行く、まさに「セルフ企画」だ。これを29回も続けてゐる彼らの熱意には、毎度感心せずにはおれぬ。

やはりホームで聴く彼らの音は、絶妙にチカラが抜けてゐて、さらに良い。ノレン〜は基本、喜多やすしとる子の二人組なのだが、奈良で演る時に限り(でないのかも知れんが)「としやん」こと歳森隆史がマンドリンで参加する。このとしやんが最高に良い仕事をする、といふ事でワシとしーなさんの意見が一致してゐる。その生態と云ひ佇まいと云ひ、たいへん興味深いパーソンなのだが、それを云ふと『お二人の方が謎ですがな』と返されてしもた(笑)。

ワシらの演奏は、長旅の後にも関わらず良きものに。流れのお客が多く、反応はおとなしめではあったが、そこは気にせずに演りきった。

今回の目玉はノレン&しーシュのコラボ。お互いの曲をふたつづつ演る、といふ事で持ち寄ったのをそれぞれに料理。これも最高に楽しかったなぁ。驚いたのは「苔の記憶」で、これはまぁどっちかてーとアフリカンなノリを想定して作った曲なのだが、ここにガットギター、アコルディヲン、マンドリン、が入ると、なんとも摩訶不思議なトラッドのやうな趣に!。すげー!なんだコレ?。

ちょっとこの編成のままレコーディングしたくなっちまったぃ。てゆーかいつか出す(のか?)リミックス・アルバムのレコーディングには彼ら呼ぼうかな?。

てなかんぢで、初日なかなかの滑り出しであった。打ち上げではワインをカパカパ。

15日(土)ノレンと往く週末遠征:名古屋編----------------------------------------------

ノレン旅二日め。けふは名古屋に17時入り、なので日中はのんびり。ヤスくんに御寺参りに連れてってもろたりした。やはり、色んな所に京都ともまた違った「はんなり」感があって、こらまたよろしぉすなぁ。良いなぁ、奈良・・・。好きだなぁ。

名古屋へはヤスくんの運転する車で。ヤスくん、日頃の落ち着いた佇まいと知的な物腰からはなかなか想像しづらいワイルドな運転をする青年で、どっちかてーと速いのが怖いワシは後部座席で死んでる事にした。

死んでるうちに名古屋に着。名古屋はワシには馴染みの街ではあるが、けふの会場はノレン〜のブッキングで、池下はストレガ。2009年にホーメィの岡山修治とのデュオツアーで来たお店だ。その後、しーなさんが別口でソロで出たり、今は東京在住のしんごとひでこの名古屋最終ライヴを見に来たり、とご縁はづっと続いてゐる。けふ初めてしーシュで出れるのも嬉しい。

先発でしーシュ。しーなさんはアップライト・ピヤノが置いてある店にはだいたいにおいて無敵で、けふもその例に漏れず。ワシがちょいとベースを操り切れなんだな。ふむ・・・、まぁしゃあないわ。後発の、けふは「としやん」抜きのノレン。彼らにとってはストレガも演り慣れた店のやうで、伸び伸び演ってゐる。ストレガはそれほど大きくない店なので、生の三味線の音がすげぇ。

コラボもそんなかんぢで、狭いスペースに収まった4人が、メインを張るごとに前に出たり後ろに廻ったりしながら。昨日よりこなれてさらに「濃ゆい」コラボに。お客さんは多くなかったけど、ことのほかコラボに感動し、ワシらの飲み代を全部払ってくれた御仁が居られた。ありがとうざいます!。

打ち上げは深夜のサービスエリアでノンアルコール。考へたら昼から何も喰っておらず、イキオイ付いてチャーハン&ラーメンセットなんぞ注文してしまふ。

16日(日)ノレンと往く週末遠征:松阪編----------------------------------------------

ノレン旅三日めにして最終日。けふはワシらしーシュのブッキングで松阪はマクサ。

此所を知る誰もが口を揃えて「日本一のライヴハウス」と公言するマクサに、ノレンを紹介できるのも嬉しい。友情出演に、マクサオーナーツヨっさんこと中山剛佐々木光氏永仁。僭越ながらけふはワシらがホストとして、ライヴをすすめるかんぢ。

ヤスくんもとる子ちゃんも、店に入るなり此所が気に入った様子。アメリカなぞもツアーする彼らには、向こうで見たこのテの店がオーヴァーラップするやうで、しきりに感心してゐる。何故か誇らしいワシら(笑)。

けふのワシらはホストとして、例によって全てのバンドに参加。中でもツヨっさん処に参加した2曲はもぅシビれる位の感動だった。ツヨっさんの「エビス」と云へば、ワンマンでもやれば此所をソールドアウトに出来るやうな人気バンド。つねづね一度参加したいと思ってゐたので、けふはホンマに嬉しかったなぁ。良いコラボになったのなら良いが・・・。

さてウチら。どーだったのでせうかねぇ?。そこそこウケてたやうにも思ふが、「ホスト」といふ立場に相応しいほど盛り上げれたか、と自問すれば・・・。落ち込んだりする訳でもないが、ここで演るたんびに、「自分ららしい自分らのあり方」といふのを強く考へずにはおれぬ。まだまだそこには到れてないよな、とも思ふ。毎度勉強させてもらってますマクサ!。

最後はノレン〜とがっつりコラボで幕。三日間のお祭りが終わった。

ヤスくん、とる子ちゃん、お疲れさま。見るたびに感じてゐた彼らの、音楽に対する真摯な姿勢と、力強い推進力を目の当たりにしただけでなく、ちょいとお茶目な一面も垣間見る事が出来た旅だった。三日間一緒に過ごして、ますます彼らを好きになった。彼らの今後の発展を心より応援したい。そしてまたいつか必ず一緒に演りませう。もっと濃密で奔放なコラボが出来ると思ふ。

その日を楽しみにしてゐやう。また逢おう。運転には気を付けてな(笑)。

17日(月)ノレンと往く週末遠征:帰広への道--------------------------------

ノレン〜の二人はゆんべ遅く奈良に帰り、ワシらはツヨっさんちに泊めて頂いた。

心づくしの朝食でそれぞれ三杯づつのご飯を平らげ、広島への帰路につく。ツヨっさんは駅まで送ってくれながら、この企画を継続してやって行こう、と云ってくれた。いよいよワシらもしーシュ単体としてマクサに関れるやうになってきた。こっからが勝負か。この尊敬する先輩方の恩義に報いる為にも、ワシら心して往かねば、ね。

ツヨっさん、本当にありがとうざいました。

けふは18切符フル活用。松阪〜広島までの果てしなき路線をひたすらに南下。紀勢本線〜草津線〜関西線〜山陽本線、と乗り継ぎ、10時間かけて広島へ。幸いづッと座ってられたが、しまいには座ってる事に飽きてしまったりした(笑)。しかしまーこれなら1人あたり¥2500で松阪〜広島間を往ける、のだよ。18切符ってスゴイねぇ。

23時半、我が家に着。

18日(火)--------------------------------------------------------------------

気が昂ったかあまり眠れなんだ。

けふは生徒から休みの連絡が入り、レッスンも休みに。夜からは女房が旅に出るのでワシもそのやうに。旅の間に決まった案件を少しづつ。次の旅はけっこう長く、11日間ライヴ8本、となかなかタイト。ワシらしーシュの旅の特徴、てゆーか、自分らの演目のみを演る、といふ旅はあまりなく、大抵の場合、自分らの演目の他にも演る、といふのが多い。

それはそれでワシら的で良いのだが、ちょっと見誤ってゐるとたいへんな事になる。すなはち『セッション曲をチェックしてない』とか『譜面を忘れて来る』とか云ふ事。さういふ事のないやうに、どの日程にどの曲を演り、どこでなんの譜面が必要か、などをチェックし、揃える。これを「しーシュ業務」と呼ぶ。ワシの「担当部署」てことだ。

夜はそのしーシュの「実務」、すなはちリハ(笑)。あ、かういふのイイな。裏方仕事を「業務」、リハを「実務」、本番を「営業」と「ライヴ」と呼び分け、さすればいかにも「株式会社:椎修」ぽい・・・こともないか?。

19日(水)--------------------------------------------------------------------

「カラス改良計画」其の弐。

ワシは永らくダダリオの95〜040までの「スーパーライトゲージ」といふ弦を使ってきた。ベースにしてはかなり細い方だが、和音の鳴りが良い、てのと、なんつっても弾き易いのが気に入り、ソロのツアーをやり始めてから先、この弦壱種類に絞ってゐる。が、ここん処サウンドの嗜好がちょいと変わって来たやうなので、ここらで10年以上ぶりに弦の太さを変えてみる事にした。

選んだのは同じくダダリオの100〜45のセット。これでも種類としては「ライトゲージ」。だが、元のと比べると、全部の弦がそれぞれ0.05mmづつ太い。コンマ零以下の数値にナニを大袈裟に!と思ふ向きもあらうが、ニンゲン・・・訓練された演奏者の指先は、この違いを歴然と感じ取るのだ。もんのすげぇ弾き難くなった(苦笑)。きっついのなんの・・・。ウッドベースでも弾いてるやうな感覚。

まぁでも当面、仕事は全てこれで演ってみる事にす。

20日(木)--------------------------------------------------------------------

椎名まさ子&執事フライデー月例オリエンタルホテル。

その前にレッスンをしたのだが、隣のスタヂヲから、なかなか小気味良いスゥィングベースが聴こえる。ホぉ、と思ってゐたら、昔の生徒だった。ワシの生徒の中では唯一ジャズに進んだヤツだが、在学中は正直あまりパッとせなんだ。しかしけふの4ビート聴く限りでは、腕を上げたな、てかんぢ。良い良い。電気アップライトを使う変わり者、として少しづつ認知され始めてゐるらしひ。良い良い。皆巣立ってそれぞれに合う路を探せば良いのだ。

それに刺激され訳でもないだらうが、けふのオリエンタルはワシもしーなさんもなかなかの熱演。ライヴを演ったかのやうな清々しさ。良い良い。

けふはさらにその後、PICOのツンちゃんとリハがある。自身の還暦祝ライヴ用スペシァルプロジェクト。ギター×2、ベース、ドラムス、キィボード、ブルースハープをバックに熱唱する(!)ツンちゃん。「パーカッションのツン」として名を馳せるまでは、れっきとしたシンガーだったと聞いてゐる。ワシも初めてその唄声を聴いたよ。ちょいとだけテレくささうに、しかし毅然と歌い上げる姿に感動。本番もしっかりサポートしまっせ。

みなそれぞれの時間を生きてゐる。良い良い。

21日(金)--------------------------------------------------------------------

19回めの結婚記念日。

19年・・・・。赤ん坊が成人まぢかまでになる間だ。毎年、静かに驚くこの事実。ナニカが劇的に変わった訳でもないし、これからもそんなかんぢだらうが、とりあへずおめでとう我ら。元気であらばそれで良い、と思ふ。

今年はフレンチ&ワインなんぞと洒落込む。鴨肉のコンフィ、がたいへん美味だった。最近、ワインで失敗するケェスが多いので、けふは酒量はセーヴした。が、喰ふ量をセーヴ出来ず、喰ひ過ぎで苦しい。


4週目

22日(土)---------------------------------------------------------------------

「吟」のひとりリハに入る。4月に演る営業ではない「吟」のライヴ、の為のも含め。

やはりガットギターの方が遥かに操りやすいなぁ。ぬーむ、まだ全然アーチトップが弾きこなせぬワシ。部屋で練習してるぶんには「お?イケる?」とか思ふのだが、いざステージに立つとまだ全然・・・。はぁ〜〜〜〜〜・・・。

いま、ピッコロベースの弦を取り寄せ中で、これが届いたらヴァイオリンベースに張り、4弦ギター、のやうにして使ってみる予定。どんな音になるのか分からんので、まだ何とも云へぬが・・・。

とまぁ、ひとりで唄う、と云ふスタイルにおいて、色々と試行錯誤してゐる訳です。

こげな事に真面目に取り組めば取り組むほど、世間からは『壱日中ギター弾いて遊んどるおっさん』と見られてしまふ因果な商売(笑)。実際、こんなに仕事がないのに、なんとか喰ってゐるのが不思議だ。

23日(日)--------------------------------------------------------------------

我らがPurcussion house PICOの頭首にして、我らFar east loungeのパーカス奏者、ツンちゃんこと水木恒夫が、この度めでたく還暦を迎える。のを、広島中のミュージシャンが祝うお祭りライヴ、がPICOであった。

ワシは当然、当初から全面参加予定。ツンちゃんからは「ツンちゃんが唄う特別企画バンド」の一員としても指名され、まぁ多分づっと演奏してる事になるんだらうな、と思ひつつ、PICOへ参じる。はじめの頃はごく親しい人脈辺りが、酒を呑み肴をつまみ、といふかんぢだったが、ライヴが始まる夕方くらいから、流石にすごい事になって来た。中に入り切れんお客が廊下にまけ出る始末。ワシは厨房に立ってカクテルなぞ作ってゐたが、ここも人が多く身動き取れぬので、結局自分の出番以外は外で呑んでる、みたいなかんぢになった。

珍しくリハまでして臨んだツンちゃんバンドの本番は、演奏は相当荒かったものの、ツンちゃんの思惑通り進み、なかなか上手く行ったのでは?。ツンちゃんが感涙にむせぶシーンなどもあり、演ってよかったね、と。あとワシらはFar east loungeでも演奏。大盛り上がり。その後もバンドが出るわ出るわ。弾く人もいっぱいゐて、思ったほどベースを充てにされずに済みさう。ツンちゃんからは「しーシュも演れ」と云はれたが、けふのかんぢ見ると、もぅワシらはえぇよ、と戦線からは離脱。色んな人と喋りながら廊下で呑んでる。

結局、のべ80人、来たさうな。

素晴らしい60歳だねツンちゃん。このハレの日に一緒に演奏できた事を、心から誇りに思ふ。もはや広島に無くてはならぬ場所、として認知されてゐるPICOと並び、皆に愛され、これからもますます元気で、えぇタイコを聴かせて下さい。おめでとぉ!。

24日(月)-------------------------------------------------------------------

孤独な営業、オリエンタルホテルにて「吟」。

日中チャリでスタヂヲに行き、2時間ぐらい声出して一旦帰宅。晩飯を喰って夜を待ち、会場入りす。けふは自前のマイクロアンプを持ち込み、ギターはそれで鳴らし、唄もマイクから50cm以上離れてほぼ生声、みたいなかんぢで演ってみた。全ての「音像」が自分から出てゐるやうに・・・。全然イケますね。てゆーか今までで一番演り易かった。次回もこれで行ってみやう。

けふは珍しき友人も数名聴きに来てくれ、上記のやうな理由もあって、たいへん気持ち良く唄う事が出来た。いつまで経っても慣れぬ現場だが、これからも色々試行錯誤し、良きものを演って行かん。

25日(火)--------------------------------------------------------------------

大沢在晶の「雪蛍」といふのを読んでゐる。

これ、づいぶん前に読破してゐるハズなのだが、いくら読み進めてもチーとも記憶が蘇らぬ。ストーリィにまったく憶えがないのだ。オモロない事はなくて、むしろかなりオモロい部類に入るのだが・・・。唯一憶えてゐたのが、脇の脇、みたいな役どころで出て来る「くらら」といふ女性の部分のみ。まぁ新刊読んでる気持ちになれるんでおトクっちゃおトクですな。

これを壱日読みふけるうち、珍しく朝からPCを全く触らぬまま、の日となった。まァこんな日もあらう。

26日(水)---------------------------------------------------------------------

強い雨。残りの人生にむけて、ここらでひとつ『梶山シュウ・氏愚寧茶亜モデル』をオーダーすべきか、またそれはどのやうなモノにすべきか、を壱日中思案す。

夜はFMの収録。けふはよぅ喋った。

27日(木)--------------------------------------------------------------------

ポール・マッカートニィがまた来るんぢゃげな。

へ〜っ!、こないだのが本当に最後の来日かと思ったのだがね。えらく早い再来。こんどは行ってみやうかな、と思ひ日程を調べたが、既に遠征が入っておる日だった。嗚呼残念!・・・ん・・?。

待てよ、この日程は・・・・・。大相撲5月場所の真っ最中ぢゃねーか!。しかも土日から次の日曜まで滞在してライヴは3本!。この、あからさまに「相撲が見たいので」と云はむばかりのスケヂュール!(笑)。前回の来日で福岡場所を観戦し、いたく気に入って懸賞まで出した、と云ふエピソードは聴いてたが・・・。いや〜お茶目やなぁ。そんなにお気に召されましたか、サー?。

夜、ツアーに向けてしーシュ最終リハ。別に新曲発表ツアー、とか云ふのでもなく、既に演り慣れてゐる曲達ばかりなれど、ここでそれをさらに「練って」おく、といふ事に意味があるのだ、と。1時間ほどでビシっとキメて終了。ワシにも久しぶり、しーなさんには初の10日間の旅だ。

28日(金)--------------------------------------------------------------------

旅の準備。

今回、久しぶりに全10日(移動を含めると11日)といふ長旅。しかも最終地に北海道がある、といふ事で、衣類のチョイスに困る。それでなくてもこの時期の旅は、寒いんだか温いんだか、で微妙なのだ。持って来たコートが邪魔にしかならなんだり、途中で防寒具を買わねばならなんだり・・・。スーツケースがぱんぱんになるのだけは避けたいので、何度も入れては出し、をしてパッキングを調整す。

今夜、広島を出発する夜行バスで、まづはお江戸へ。行って来ます。


春ツアー 

4月へ