5月


黄金週間ツアー4/30〜5/9

9日(月)-----------------------------------------------------------------

旅の終わり。

朝は加藤さんに案内してもらひ、あちこちに。こんな山ン中の過疎地にも、ちゃんと喫茶店があって、そこがちゃんと賑わう「憩いの場」になってゐる、と云ふのが、さすがは喫茶店文化の愛知県!といふ思ひ。なんで広島はこれが出来ないのかねぇ・・・。

この和良には、秋にしーシュで来る事になってゐる。その約束を加藤さんと交わし、ワシらは帰りの旅へ。

富安さんに犬山駅まで送ってもらひ、そっから名古屋へ。在来線で帰るべきかどーか、一瞬悩みもしたが、まぁ無駄に疲れる必要もあるまい、と今回は無理せず新幹線で。ワシは今回の旅に、京極夏彦の『嗤う伊右衛門』を帯同してづっと読んでゐたが、広島に着くまでの間に読了す、といふ理想的な。

2週間ぶりの広島だ。

10日(火)-----------------------------------------------------------------

雨の火曜日。早速日常業務。向原までレッスンへ。その後取って返し、五日市へレッスンに。止みかけたやうに見えてまた降り始める、といふかんぢで、一日中 雨。

レッスン帰りに、ホンの一瞬だがしーシュのリハを入れる。ちったぁ演っとかねば、色々ヤバい。今週末からの旅では、馴染みを廻ると云ふこともありて、新曲も多く披露する予定にて・・・。どーしても歌詞が憶えられぬ曲があり、無念なれど歌詞を帯同して行く事にす。

11日(水)-----------------------------------------------------------------

裏方業務色々。郵便局、ホームセンター、百円店、スーパー、などを巡回して用事をこなす。

けふ生徒に『椎名林檎って東京事変より前からゐたんですか?』と問はれ、まぁさうか、といふ思ひとともに、驚く。もぅ彼女のデヴー頃を知らんコらが、音楽をやる、とかいふ時代になってゐるのだねぇ。まぁその間にも、雨後の筍の如く、フォロワーと云ふかもぅ物真似みたいなのまで出て来ては消え、出て来ては消え、おそらく100を超える若き夢達が人知れず散っていったのだ。

問ふたその生徒が好きだと云ふ歌手たちも、あと何年後にまでその名をメヂャーに残せるかどーか、てな処だらう。

こないだの富安さんとの旅中で、『俺らって懲りずに演ってますよねぇ』みたいな事を云ふと、富安さんは『そらぁお前も俺も、音楽を愛してるからだよ』と云った。

さぅ。売れたか、売れなかったか、で人は夢を散らせる訳ではない。売れなかった自分よりも強く音楽を愛してゐれば、夢は散る事などないのだ。

12日(木)-----------------------------------------------------------------

朋友 姫石ミミが企画するイベントのリハに。

ワシも所縁の深い広島中のミュージシャンが集まって・・・といふかんぢ。ベーシストがワシを含めて3人も居る。クライマックスの全員演奏時など、まぁ当然ワシはベース以外の楽器を弾く事になる。てぇ事でギターをば。もぅだいぶ腐ってゐるホーナーのヘッドレスギターを新たに「装飾」し、使えるやうにする。ギターに弾き馴れてみると、これはこれでなかなか使える楽器のやうに思へてきて良い。

かうなって来ると、本格的に「ピッコロ・ベース」に手を出すか?みたいなかんぢになりさうで怖い。大好きなジョセフ・マクレァリィのやうに、マイルス・デイヴィスバンドのベーシストとしてオーディション受けて見たら、御大マイルスに『お前はギターの代わりを演れ』と云はれてピッコロベース、てぇ人生はなかなかに最高だと思ふ。で、結局マイルスのバンドの「最後のギタリスト」として名を馳せた訳だからねぇ・・・。

人生、分からんものであります。


ツアー後からまた旅へ

13日(金)京都嵐山「音や」-----------------------------------------------------------------

再び旅へ

まづは例によって早朝の京都行きのバスに。けふは京都を通過するのではなく、京都でライヴなので、乗り換えを気にせんで良いで楽だ。 7時間のバス旅を長いと思ふかどーかは人それぞれか。 まぁ7時間で京都に着。
けふは京都は京都でも嵐山なので、そっから先の移動の方が長き道のりに思へる。

老舗ライヴレストラン音や。去年のやはり今頃来てゐるので、1年ぶりの来訪。その間ママさんとも親しくなり、また京都の仲間も一層増え、旅の初日にしてはたいへんリラックスしてライヴに臨む。

仲良しチーム「オイワカモリ」との久しぶりの対バン、て事もあり、最初から最後までホンマに楽しく過ごしたライヴデイとなった。

お客さんもいっぱい。

個人的には喉の調子がイマイチで、スカッと気持ち良く歌えた、といふかんぢではなかったのだが、大ラスの全員セッションでは、ピヤノ弾く暴挙に出て、皆の足を薙ぎ払って楽しむ(笑)。 京都で斯様に心地良く馴染めるに至った今を、深い感謝と共にしみぢみ噛みしめる。

皆さん ありがとう

ところでけふのセッション時、オイワカモリのわかぽんがワシの「カラス」を弾いてくれたのだが、してその感想は『つるつる』といふもの(笑)。

14日(土)大阪関目「我らの家」-----------------------------------------------------------------

京都から大阪へ 。

この道中にトラブル発生。大阪に着き、関目我らの家を目指して進軍中、差し掛かった道で通行人と接触したしーなさんが派手に転倒。しかも悪い事に短パンを履いており、麗しの美脚にがっつり生傷が!

とりあえず持ってゐたお茶で患部の汚れを洗い流し、なんとか我らの家へ。女将のミヨさんは看護師でもあり、丁寧な治療をして頂く。
ありがとうざいました

さて、気を取り直してライヴ。

我ら〜定例の夕夜弐回公演。アイドルか演歌歌手か、といふやうな待遇だが、このうえなく有難い事に、弐公演ともソールドアウトださうで、ホンマにここのお客さんには感謝感激である。「通し」で見てくれる方も居られるので、弐回公演と云へども(まぁ流石に「全曲総入れ替え」は無理にせよ)極力ラインナップは変え、より沢山の曲を聴いて頂く事にす。

して、夕公演も夜公演も、満場のお客さんがホンマに楽しんでくれた、良きライヴとなった。

店主ゴンスケさんは云ふ。「普通は演奏聞きながら皆アレコレ注文するんだが、お前らの演奏に関しては皆聴き入って注文せェへんから」。といふ事で、ライヴ中何度も『御注文は?』コールを連発し、お客さんと一緒に乾杯タイムも設ける。さらにけふは、壁に貼ってあるメニュゥを上から下まで全部入れながら即興で壱曲。「フードメニュゥ・ブルーズ」としておおウケ。これの効果かどーか知らんが、この日は完売メニュゥも続出したさうな。

ミュージシャンとお店、双方がしっかりと利益を上げ、お客さんの心もお腹もいっぱいにするライヴ。理想のライヴ形態がここにある。こはまさに「居酒屋椎修」が目指す境地---しーシュが目指す境地なのだ。本当に楽しさうに何度もお礼を云って帰って行くお客さん達に、疲れなんぞいっぺんにフッ飛ぶのである。

いつもありがとうざいます!。今回も 関目最高!。

15日(日)名古屋りとるびれっじ-----------------------------------------------------------------

大阪から名古屋へ。

このルートだと近鉄の「アーバンライナー」といふやつを使えば、乗り換えなし(大阪〜名古屋間は、路線の関係上必ず「大垣」と「米原」で乗り換えになるのだ!)で行ける。しかも金券ショップで安いチケットを買えば、在来線と違わぬ値段!。こは使わぬ手はないだらう。てぇ事でアーバンライナーで名古屋へ。

名古屋は今年3回目の来訪なれど、年始のも、ツイこないだ来たのも、本郷のアルマジロ。びれっじは昨年末ぶり、かな?。けふは対バンをお願いしてゐて、これが、いつもしーシュを聞きに来てくれるお客さんとびれっじの大将女将が組んだ、といふ「超・素人軍団」(笑)。その名も「花ごろも&こむらぐみ」といふ。これがもぅ最高の脱力ぶりで、リハ見てるだけで楽しい。

彼らを対バンに指名したとき、女将ヒロミちゃんが心配したのは、『しーシュのリスナーが全員ステージにあがる事になるし、ライヴ中は店員も居なくなるのだが』といふ事。まぁそれを差し引いても楽しさうだし、そんなバンドはワシらがまづ見たい、とお願いした。なかなかグダグダなんだが、そこそこの実力はあって、ハーモニィなぞ結構聴かせる。ワシらも弐曲に参加させてもらひ、セッションを楽しむ。

お客さんもいっぱい。「どちらのファン」と云ふのでもなく、りとるびれっじのファン、といふ方が多く来られ、お店には馴染みの両バンドを、皆が楽しんでくれた。良いライヴだった。楽しかったねぇ〜。

昨日の関目でもさうだったのだが、割と新曲を多めに含んだラインナップはなかなか好評で、特にやはりウチとしては新境地とも云へる「ナハト」が評判良い。なぜか仲々歌詞が憶えられんで苦戦してゐるのだが、いづれ立派なレパートリィに育ってくれるだらう。

16日(月)オフ-----------------------------------------------------------------

名古屋でオフを取るのは何年ぶりか。無理してライヴを組まず、かういふ「空き日」を作るのも、そろそろ必要なお年ごろなのだ。

折角なので、びれっじの幸至朗さんとヒロミちゃんを誘い、ダブルデートと云ふか・・・まぁ昼間っから呑む訳ですよ。お目当てのブラヂル焼き鳥屋は休み。ので、トルコ料理へ。デカいビールやスパイス肉の焼いたのとか喰ひ、ほどなくして向かいの、今度はイタリアンの店でワインやら生ハムやら・・・。中年過ぎの男女4人がトルコ料理とイタリア料理で昼間ッから飲んだくれ!といふ、まぁたいへん「御褒美」な壱日でした。

ここでたらふく呑んだので、夜は何処にも行かずに、日付けが変わる前には寝る。いいオフだった。

17日(火)刈谷サンダンス-----------------------------------------------------------------

さて、初夏ツアーの最終日は刈谷。ハンバーガーの名店サンダンスである。

ここは所謂通常営業のお店、の中でのライヴであり、お客さんの多くは「流れ」の方々。日頃わりと「どんなかんぢで攻めるか」が悩める傾向ではあるのだが、今回はマスター小林さんのバンド「Showko&Gets」が対バンを引き受けてくれ、いつもより「ライヴ感覚」で演る事が出来た。

さうなってみると、あんまり細かい事は気にしてもしゃぁないわ、とばかりに普段通りのしーシュを。どーやらワシのループ使いに話題が沸騰してゐたやうだが、あえて触れずに最後まで演り通す。サンダンスのライヴでは初めて、「手応え」のやうなモノを感じた。CD全種類を大人買いしてってくれた御家族もゐた。ありがとうざいます。

終演後はGetsの皆さんらと話し込む。旅先の色んなエピソードを、みんな爆笑して聞いてくれた。ツアーのシメとしても最高のライヴだった。

18日(水)-----------------------------------------------------------------

帰る。広島へ。

黄金ツアーからちょいと飛んで続いた「初夏巡業」が、これで終わった。6月は「大丈夫か?」と思ふくらいヒマなので、少しくゆっくりして、作曲やらアレンジやら、読書やらに時間が割けたら良いな、と思ってゐる。

19日(木)-----------------------------------------------------------------

旅の間に溜まってゐたメールへの返信や、様々な雑務をこなし、次のプロジェクトへの準備など。

旅立つ前に尼存に注文してゐた書物が届いてゐる。文庫本だとばかり思ってゐたのが超ハードカヴァーであったりした。

夜は「月刊 椎名」を見にふらんす座へ。

旅帰りすぐになかなか大変だったらうに、と思ひながら見る。相変わらずの脱力ぶりで2時間、演りなさった。けふもほぼ満員の店内。遠くは安芸高宮、大阪、横浜からのお客さんもゐて、やはりしーなさんの安定した人気を思ふ。あんまり準備の時間もなかったらうに、内容もオモロく、流石の相方を見届けた。

さういや先日名古屋で幸至朗さんと呑んだ折、ワシらが行く前日に幸至朗さんがソロライヴを演り、そのお客さんが実質3人だった、と云ふ話しを聞き、やはりこないだ集客に失敗したワシと傷を舐め合ってクダを巻いた(笑)。幸至朗さん、『もぅ演らん』とまで云ってたな。気持ちは分かる。

20日(金)-----------------------------------------------------------------

居酒屋椎修の仕込み。今回、豊橋から来店してくれるファンがゐるらしく、ちょいと特別メニュゥ、と云ふか、あえて定番の料理を壱品プラスす。

パスタを茹でる間に、キウリと玉葱を塩もみし、人参を極細に刻み、卵を茹で、それらを和えてパスタサラダ。豆腐をキチンペーパーに包み、電子レンヂでチンし、鉄亜鈴を乗っけて水切り。これは明日仕上げる。冷凍サバを解凍し、ピンセットでてーねーに骨抜き。スパイスを調合し、サバにまぶしてこれも明日仕上げ。あとはシュウ麺。今回はアサリと大葉でペペロンティーノ風の焼そばだ。

以上の準備を2時間で。合間にギターの弦を張り替えたり、縦ベの練習したり、譜面書いたりす。我ながら効率の良い仕事っぷりだ。

最近、巡業先で『ここでも居酒屋椎修、やらんか?』と云はれる事も多い。しーシュがホンマに店をやってゐる、と思ってゐる人も少なくないやうで、『調理するデュオ』といふイメェヂも定着して来たな、と。それならそれで良いけどね。まぁ料理が趣味で、それがプロ並みに上手い、てミュージシャンは、多分腐るほどゐると思ふけどね。


3週目

21日(土)-----------------------------------------------------------------

居酒屋椎修 皐月の巻。

けふは遠く豊橋から、ワシらの中部地区ファン代表Hちゃんが、早くから「行く」と表明してくれており、『最悪でもひとりはお客さんが』などとタカを括っておった・・・訳ではないのだが、流石に久しぶりの土曜日開催、といふ事もあってか、開店と同時にお客さんが集結。あっと云ふ間に満員になり、「焼き物」担当のワシは、以後厨房に篭りきりで、ひたすら鍋を振るフル・・・。たれが来てくれてゐるのかも分からん状況。

こないだのエージさんとのライヴを見てワシらを知った人達、ネットを見て興味を持たれた人達、常連さん、そして豊橋からHちゃん・・・、皆 居酒屋椎修の主旨を分かってくれてゐる人達で、たくさん飲み喰ひして下さった。シュウ麺(この日はボンゴレ風焼そば)に至っては「美味いので」と、おかわりまで。嬉しいなぁ。

ライヴも心して良きものを。

前回からこの居酒屋でのライヴを、自分達の習練の意味も込めて、カヴァー曲の比率を上げて臨んでゐる。今回、旅帰りスグであんまりちゃんとしたリハの時間も取れなんだのだが、そこはしーシュ。馴染みの人にも初めての人にも、良いライヴを提供できた。遠く訪ねて来てくれたHちゃんにも、ワシらの地元の活動を誇らしく(豊橋から来てくれてお客さん数人、では『しーシュって地元ではこんなモンなの?』と思はれてしまふ!。まぁそんな事も多々あるのだが・・・)紹介できた。

皆さん、ありがとう。

お客さんとお店とミュージシャン、3方の利潤が一致する、といふ意味合いでは、なんとか成立・成功してゐる居酒屋椎修。これもひとえにかういふ企画に賛同してくれるフライングキッズといふお店あってこそ、の企画でもある。本当にありがたい事である。本来ならば「ファン感謝デー」でも開かんとイカンのだ。

22日(日)-----------------------------------------------------------------

これもこないだのエージさんとのライヴを見て、ワシらを気に行ってくれた方々が、ワシらを正式にゲストとして招待したい、といふ旨があり、その現場の下見を兼ねた接待に御相伴あずかる。島根県と広島県の県境あたり「芸北地区」。素晴らしい自然と、そこで暮らしを営んでおられる人達のつながり。こんな素敵な場所に招いて頂ける光栄を真摯に受け止めたい。

まづはお試し、みたいな所からでも、永きに渡るおつき合いを、と云って頂き、望む所です。近々、ここでのライヴが決まるだらう。

ところで、こないだの旅が終わって以降、体調が急速に低下ぎみ。長い旅がひと段落つき、気が弛んだか・・?。去年、この時期に大熱を発する病をやらかしてゐるので、今回も注意が必要か?。やれやれ。弱い身体である。

23日(月)-----------------------------------------------------------------

WADAバンドのリハ。どーやら本格的に風邪らしく、声が出ぇへん。本来ワシはギタリストではなく「コーラス員」。なのにこんな体たらくでは、クビになってしまふ。

今年は熱は出ぬやうだが、咽が腫れて咳がひどい。こないだ名古屋に似たやうな症状の人がゐたな。さては伝染されたか・?。医者に行くと「アレルギィの可能性もある」とのこと。ア"ー、いづれにしても弱い身体である。

24日(火)-----------------------------------------------------------------

出張レッスン@向原。

声が出んので、ヴォイストレーニングといふのに見本が示せれぬ。ここはまァレッスンを受け馴れてゐる生徒さんなので、まだそれでも省エネできるが、けふはその後よりによって「体験レッスン」と云ふモノがふたつも入っており、こはまァ初心者に丁寧に分かりやすく説明せんければならん訳で、「喋らずに済ませる」ことなぞ不可能。結果、よりガラガラ声になってしまひ、その後のしーシュ@オリエンタルホテルでは、コーラスは辞退させてもらふしかなき状態に。

おまけに鼻水まで止まらんやうになり、ただベース弾いてるだけ、でもぼたぼたハナが垂れて来る。こはたいへんミットモない。なんとか3ステージ演り切った。けふみたいに体調が悪い日に限って、なんでこんなに仕事が入るかね?。

しーなさんも日々の疲労が蓄積しており、二人してグロッキーな帰り道。夜半には雨まで降り出しよった。

25日(水)-----------------------------------------------------------------

朝から雨。昨日とうって変わり、けふは仕事もレッスンが壱本だけなので、日中は家にぢッとゐて、デスクワークなぞ。コピー&写譜×4曲。

ラ・ベラに注文した『ダブルボールエンド・システム』の「フラットワウンド弦」が届く。こはナニかと云ふと、ヘッドレス楽器用の、ようは「余りの部分がナイ弦」で、弦の両端にボールエンドが付いておる。この両端をベースのペグ部分の溝と、ボディエンドのチューナー・ブリッヂに引っ掛ければ、あとは引っ張るだけで調弦が完成す、といふ代物。ちなみに普通の弦は、このボールエンドは片っポに壱個しか付いておらず、その付いてない方を糸巻きに巻き付け、捻り上げて調弦す。余りの部分は切るか巻くかするのだが、いづれも邪魔になる。

参考写真:ダブルボールエンド弦

この特殊な弦。かつてブームが隆盛を極めた時代には各社で生産されてゐたが、ヘッドレス楽器そのものが衰退した現在、作ってゐる会社も僅かしか残っておらず、しかもワシの使ふフラットワウンド弦の現行発売は、このラ・ベラ一社のみ。当然そのお値段もエクスペンスィヴで、それでなくとも通常弦の倍は高価なフラットワウンド弦の、さらに倍の値段しやがった。

ワシのヘッドレス「カラス」は、通常弦も張れる、といふのが売りなのだが、その弦をロックするネジの部分は見るからに脆弱であり、こは何回の使用に耐えうるのか?と思ふほど。いづれここが壊れるのは目に見えており、可及的速やかな措置が必要、とエクスペンスィヴを覚悟で買ったのである。まぁモノが良ければ今後はこれを使えば良い。高いとは云へ、年に数回しか弦を換えないワシには、困るほどの出費にはならぬだらう。

26日(木)-----------------------------------------------------------------

久しぶりに街に出てみた。

明日、米国の現職大統領が来る、と云ふので、やや警戒が物々しいのだが、街行く若い娘のみなブサイクなことに驚く。いや、多分みな素材はさう悪くないハズなのだ。なのに、何やあの化粧は?。あの化粧を施した顔が、みな同じでブサイクなのだ。

無駄に長い付けまつげ、過剰に塗り固めたファンデーション、おかめインコのやうな頬紅、郵便ポストみたいな色の口紅・・・。あれぁもうメイクではなく「変相」だな。個性もヘッタクレもなく全部同じ顔。なにも可愛くないし、綺麗でもない。ただ品がないだけ。しかも誰ひとり「自分が似合ってない」ことに気付いてない哀しみ。酷いのになると、高校の制服であのメイクしてるのもゐる。ひどい。こんな事を云ふと「オヤジ」と云はれるンだらうが、云はれてもいい。ワシも声を大にして云ふ。

君らブサイクだぞ、と。

しかし、あのメイクって何処から始まったのか?。なんかモデルがあんのかね?。しかし、ひどい。ブサイクすぎる。

27日(金)-----------------------------------------------------------------

浪速のカーネルサンダース、こと徳田建さんを広島に迎えて送る2デイズの初日。

初日は広島と云へど、ワシらの生活拠点からは遠く離れた福山は神辺ハイダウェイ。奇しくも広島市内は、米国大統領広島襲来による厳戒体制で、道路交通事情が混乱。辻辻に検問が設置され、ウザくてかなわん。コンビニの駐車場などに、行き場をなくしたサラリーマンが、成す術もなく電話に勤しんでゐるのを見て、ホンマにはた迷惑な話しだと思ふ。

ワシとて、もし検問なぞに引っかかれば、音響機材など、『こは何か?』と問はれるのは目に見えてゐる。おまけにベースのケースなど『開けてみせよ』と云はれるのもやんぬるかな。君子、危うきに近寄らず、が得策、と思ひ、なるべく市内中心部から離れたところでしーなさんを拾い、混迷する広島市内をあとに、愛車ぐっちを神辺に走らせる。

そんなかんぢで神辺入りし、ケンさんと合流。こたびケンさんは、12年ぶりの新作を引っさげてのレコ発ツアー。ワシらにもサポートの要請があり、結果ケンさんのステージ全曲をお手伝いさせてもらふ。器用なワシらである。高田エージ、富安秀行、徳田建、ミヨゴン、どんなスタイルにも対応するよろず音楽ユニット、の看板は嘘ではない。

てな訳で、良いライヴだった。ケンさんの人柄らしいまったりと柔らかい雰囲気が、とても良く出てゐたライヴだった。

けふのワシらは、それを狙った訳ではないのだが、8曲中7曲でループ不使用。ウチにしては珍しく、レゲエのリズムを中心とした楽曲が多く、ハイダウェイのトクさんがそこに反応してくれゐたのが嬉しい(マスターのトクさんは、ボブ・マーレィの熱烈なファン)。終演後、『近々、アンタらをバックにちゃんとしたレゲエを演りたい』と云ってくれ、そはもぅ是非!と答える。

けふは「日帰り」。同じ広島とは云へ、高速を使っても1時間以上かかる道程は、まぁ正直しんどい。1時過ぎに自宅に帰り着き、フロの中で歯を磨きながら寝てしまった。

28日(土)-----------------------------------------------------------------

浪速のカーネルサンダース、こと徳田建さんを広島に迎えて送る2デイズの二日め。

けふは広島市内にて、ワシらも初めてのお店「トコナツ屋」さんを使ふ。こないだ富安秀行さんの復帰後のツアーで、共通の友人からここを紹介していただき、そのアットホームなかんぢを気に入り、今回の企画を相談させて頂いた。マスターと奥さん、娘さん3人による心づくしの接待が、本当に好ましいお店である。

初めてのハコ、といふ事で気になってゐた集客であるが、お店や常連さんの口利きのお陰もあって、開演時には満員。ひとまづホッとしながらしーシュで先陣を切る。日頃はどっちかてーと「フォーク系」のお店なのだが、しーシュの唄にも好反応があり、嬉しい。まだ咽が本調子でないので、けふは昨日よりさらに多めの割合でしーなさんに唄ってもらったが、それも良かったやうで・・・。

続くケンさんのステージも出ずっぱりで、演奏を楽しんだ。ケンさんの唄も好評を得てゐたが、なにぶんCDを出したばかりのアーティストは、どーしても喋りが長くなる傾向があり、けふのケンさんもさうだった。これははっきり云って、初めて訪れるハコには不要な部分、と思ふ。いや本来、楽曲の「解説」をMCでしてはイカンのだ。自らを顧みて気を付けたい。

終演後も打ち上げはトコナツ屋で。常連さんがかわるがわるステージに上がって唄うのに、ワシらも混じったりして、ほのぼの楽しんだ。

ケンさんお疲れ様でした。またご一緒しませう。けふのワシらは、ケンさん=ビーチサンダル、しーなさん=つっかけ、ワシ=雪駄、と見事な「素足組」であった。

29日(日)-----------------------------------------------------------------

雨模様の日曜日オフ。

はははーっとばかりに「休む」。女房と買い物に行き、あとは読書&DVD。ちょっとだけギターの練習。

30日(月)-----------------------------------------------------------------

ツアー車でもある「ぐっち」。

これが、前の持ち主とかなりの距離を走ったのち、ワシの処に来てゐる。永く乗るにはそれなりにマメなメンテが肝要、と、半年点検に出しに行く。ヲイルとエレメントの交換。そぃからエンジンのクリーニング。日射し暑く、天気も良いので、少し遠回りしてドライヴしながら帰る。以前住んでたあたりを走ると、まー装いが変わっており、よぅもかうクルクルと様変わりするものよ、と。

そぃからチャリでスタヂヲに行き、「吟」の練習を小壱時間ほど。あまりノれない。ん〜〜〜、ちょいと音楽に対して「低迷期」にあるのかも知れんな・・。練習にも熱が入らんし、なにより創作意欲が沸かん。ライヴを演る間は楽しいが、それ以外で音楽に触れてるのが、ちょいとしんどい。それを思ふと、明日のオリエンタルホテルの「吟」を終えると、しばらく自分名義のライヴがない、と云ふのは、案外良かったのかもしれん。

31日(火)-----------------------------------------------------------------

オリエンタルホテル「吟」。

けふはレッスン会場から車で直接、ではなく、一旦帰宅してメシを喰ひ、チャリで出直す方法を取る。ちょいと帰りに寄ってみたい所があったので・・・。

して「吟」。先週、やはり火曜日のここでしーシュを演り、結構ガラガラだったので、けふもさうかなと思ってゐたが、けふは割と多めにお客さんが。まぁかういふ場所は読めないけどね。数人ワシを見に来てくれた人がゐたが、他はどっちかてーと「聴かない」人々。此所数回、しっかり聴いてくれる所謂「良いお客さん」ばかりだったので、久々に話し声にかき消されるかんぢでの「吟」だった。

ここでのワシは、やはりスタンダードを唄うより、昭和歌謡とか日本語のポップスを唄った方が、お店のスタッフにも評判が良いやうだ。そもそも「なるべく英語の唄を」といふ契約なのだが、まぁお店側が良いと云ふならば良いのだらう。

帰り道、古い知人が新しくオープンしたと云ふバァに寄ってみんとす。しかし店が見つからず、何度か往復してみたが、結局諦めて帰った。

6月へ