狐狸の夢売りツアー3月24日〜31日

24日(火)狐狸の夢売りツアー初日:広島JUKE----------------------------------------------------------------

from奈良、ノレンニゥー・デ・オッシとめぐる春の旅。まづは広島から、といふ事で、しーシュでは久々のJUKE。

ノレン〜のふたりとは、去年の春ぶり、か。ネット上でお互いの動静をよく見てゐるので、久々に会う気があまりしない。やぁやぁよく来たね、とか云ひながら、和やかにリハが進む。前回よりもよりがっつりコラボを、といふテーマで、今回はお互いの曲を2曲づつ計4曲を一緒に演る。しかも曲ごとにリードヴォーカルが変わる、といふ「バンド感」。これがなかなか良い。けふが初日で、明日からほぼ壱週間づっと一緒に演る訳なので、最後ら辺には、見事なアンサンブルになるだらう。

お客さんは、ほぼ全員ミュージシャン。ノレン〜のクゥオリティの高さは、まぁ一見すれば分かるハズで、さういふ意味では、たいへん静かなほむらの燃ゆる、熱いライヴだった。

しーシュは、なんつっても一緒に音を出すのが久しぶりで、流石にちょいとビミョ〜な処があった。忙しくてリハの時間も取れぬままけふを迎え、このまま旅に出るのだが、まぁ仕方ないわ。旅の過程で徐々にソリッドになって行くだらう。とりあへずツアー初日、終了。明日からの壱週間が楽しみだ。

25日(水)狐狸の夢売りツアー2日め:岡山MO:GLA-------------------------------------------------------------------

ヤっさんこと喜多寧の車がウチまで迎えに来てくれ、いょいょ本格的な狐狸の旅が始まる。

けふは岡山。これまでウチらが岡山でご縁を頂いたのは、ライヴバァのやうなお店で、今回のMO:GLAのやうなライヴハウスは、ソロ時代も含めて初めての経験。岡山の友人に告知したところ、由緒ある老舗ださうな。ノレン〜の二人からも良い噂しか聞かず、果たしてその通りのハコだった。ステージも広く、音も良く、ホスピタリティも良い。

地元対バンがこれまた面白くて、「カマキリ夫人」といふ男女のベースデュオ(!)の不思議なユルさは、まさにジャストミート!。・・・てゆーか、西日本でワシら以外にベース複数で演る同志がゐるとは思はなんだ。

古い生徒達が見に来てくれてたから・・・といふ訳でもなからうが、けふのワシはえらく上滑りのプレイ。なんかベースが全然操れない。これは結局、このツアーが終わるまで同じで、今回ほど楽器が操りにくい、と思った旅はなかった。ん〜〜〜〜〜・・・。

だが、ノレン〜との4人コラボは、昨日より弐割増の出来に満足。広いステージをぴょんぴょん飛び跳ねながら、楽しく弾き唄った。

打ち上げはMOGLAからの賄いサービス。出演者ファン交えて楽しく呑み喰ひ。ワシは上述のカマキリ夫人のおふたりとづっと喋る。直感で『生徒と先生かな?』と思ったのは大正解で、「良く分かりましたね」と云はれた。

26日(木)狐狸の夢売りツアー3日め:大阪雲集堂-------------------------------------------------------------------

ワシらにとっては4年ぶりの大阪雲集堂。もとそろばん屋、といふ古民家を改装したライヴカフェ。前回は泉尚也さんのご縁で此所に導かれ、会場の「気」にノせられて即興が長くなってしまった、といふ・・・。思へばノレン〜との縁も、泉さんに繋いで頂いたのだ。泉さんの存在なくば、このツアーもあり得なかった、といふ事だ。改めて心から感謝。

ここではノレン〜に准レギュラー「としやん」こと歳森隆史がマンドリンで参加。このとしやんの存在感が、しーシュの中ではかなりポイントが高く、いつもしーなさんと話題にのぼる。けふも絶妙なサポートでノレン〜を支える。向こうもこっちに興味を持ってくれてるやうで、オフステージでは質問のし合いっこなのがオモロかった。

けふは、今ツアー中では一番楽なプレイが出来たが、逆にしーなさんがワシの音に邪魔されて不本意な出来。ん〜〜〜〜〜・・・・。

コラボタイムは、昨日よりさらに三割増くらいの出来。ヤっさんも「唄ってて感動した」といふ位の完成度だった。それぞれの曲を完全に把握し、自分の味を加える余裕も生まれる。けふは特にとしやんがゐるので、ウチの「Dance」にマンドリンが絡んで来る様は、もぅ、ね。

お客さんからも絶賛。ノレンのファンが一気にウチのファンにもなってくれた、といふかんぢの雲集堂であった。

27日(金)狐狸の夢売りツアー4日め:刈谷サンダンス-------------------------------------------------------------------

昨日まではノレン〜による開拓ルート。けふからはウチの開拓ルートをめぐる旅となる。刈谷のライヴ・ハンバーガーカフェ、サンダンス。

ワシらは4回目、今年すでに壱度来てゐるが、ノレンは初めて。ライヴスポットとしてのクゥオリティもだが、此所のハンバーガーのクゥオリティも、さんざん二人に聞かせてゐて、目を輝かせるヤっさんととる子。

あ、さうさう、この「ノレン」てぇのが、お店へのワシの伝え方が悪かったやうで、けふの出演者欄に「しーなとシュウ」と「ノレン」!と印刷されてゐた。すまねぇ・・・。だが、「こっちの方がインパクトあるなぁ、改名しよか?」と返してくれる奈良人のユーモアセンスに感謝。

けふは今回唯一「流れ」のお客さんを相手にする会場。フツーに食事やチャーに来たお客さんを、いかに惹き付けるか、を問われるシビアな投げ銭のライヴだ。ウチはけふに限らず、毎日演目を変えて臨んでゐるのだが、けふはその中でも最大限、シチュエーションに気を使った選曲。これがワシは最悪の出来で、まったく誉められないモノをお見せしてしまった感が満載。どーしちゃったんだらうね?この旅は・・。

だが、コラボの完成度は、昨日よりさらに三割増くらい。もはや4人のバンド、といふ気さえして来る出来だった。賄いのハンバーガー&スペアリヴも、相変わらず美味で、ノレン〜をここに紹介出来たのも嬉しい。

そもそもワシらの旅仲間をここに紹介したのは、Wet Backの仲間でもある今野邦彦で、ワシらはその後を引き継いでゐるに過ぎない。その邦彦はけふも見に来てくれてゐた。本当にありがたい。サンキュー、邦彦。

28日(土)狐狸の夢売りツアー5日め:名古屋りとるびれっじ-------------------------------------------------------------------

刈谷〜名古屋は近いので、早めに移動。せっかくなので、ノレンの二人をワシらお気に入りの名古屋スポット(大須観音)に案内す。オッソ・ブラヂルにて鶏の丸焼きを喰ひ、商店街でステージ衣装を買い(しーなさんととる子は、この日のステージで早速お披露目)、コメ兵で(ヤっさんが)ギターを買いかけたりす。

そしてびれっじへ。ワシらにとって、もはや「ホーム」とも云へる此所も、ノレン〜は初めて。とは云へ、名古屋にも深いつながりがある彼らにはファンも多く、開演時にはお互いのファンで会場が程よく埋まる、といふ理想的な流れとなった。

けふはノレン〜がMCでワシをいじってくれたのが発端となり、ステージングが大変スムースに進行。ジョークもウケ、演奏も素晴らしく、それぞれ今ツアー中ベストのパフォーマンスだったのではないかな?。永らくワシらを聴いてくれてる人からも、「けふはシュウさんカッコ良かったわ」と云ってもらへ、逆に日頃はどんなんや?とか思ひもしたが、まぁ良かった。

勿論コラボもさらに進化。とる子ヴォーカルの壱曲なぞ、『これをこのままレコーディングして世に出したい』と、みな口を揃えるほどの完成度。マジでね・・・。

打ち上げには、ほぼ全てのお客さんが残り、てんでに語り合う、といふ好ましい図式。当たり前のやうに此所や、松阪や、飛騨にゐたりするワシらだが、すべてはこの店から始まったのだ、と改めて思ふと、不思議で仕方ない。ワシを此所に導いたナニカ、に深く感謝。

29日(日)狐狸の夢売りツアー6日め:松阪MAXA------------------------------------------------------------------

さて、4人編成としては最終日。「狐狸の夢売り」といふ発想の拠点となった松阪へ。

ワシらには馴染みのMAXAだが、年末恒例だった「正しいロックンロールの調べ(しーシュで5回出演)」が昨年末でフィナーレ。これからはワシらが自力で此所との接点を持って行かねば、と云ふ思ひも込めて、の本日。昨年同様、ツヨっさんこと中山剛率いるEVISがホスト役で出演。ワシらとも絡み、大いに会場を沸かせてくれた。

ワシらも、ここに来てよぅやくまづまづの演奏。トップバッターを勤めたので、まだ客入り最中だった為、ややバラけたが、後続のEVISとノレン〜に上手く場所を繋げれたので・・・。

けふのコラボは、もぅ百点満点中、二百点の出来。音響も良いMAXAにて、ヤっさんの三味線とギターが、とる子のアコーディヲンが、ワシらの曲にどう絡んでゐるのかが、はっきり認識できる喜び。もはや完全に4人編成のバンド、としてワシらはステージにゐた。レパートリィがあるなら、あと1時間でも演ってゐたいステージだった。

楽しかった4人での旅も、けふで一区切り。ホンマに何かのケミストリィを感じずにはおれぬライヴの連続だった。去年よりさらにがっつりノレン〜に絡み、ますます彼らが好きになった。そんな彼らに「尊敬できる先輩」と呼んでもらへる光栄に、しかし胡座をかかず、これからも精進して行かねばならぬ。

ヤっさん、とる子、としやん、ありがとう。

30日(月)狐狸の夢売りツアー7日め:オフ------------------------------------------------------------------

今ツアー中、唯一にして初めてのオフ日。

色々な手はあったが、2009年に岡山守治とのダブルシュウツアーで立ち寄り、なんとなく気に入った、近江八幡に投宿する事にす。なんかのんびりひっそりした町で、好きなのである。・・・が、疲れが貯まってゐるのだらう、すぐ寝てしもぅた。

31日(火)狐狸の夢売りツアー千秋楽:京都モダンタイムス----------------------------------------------------------------

ノレン〜と別れ、けふはしーシュの二人のみで、ツアー千秋楽。

以前よりその存在を知り、是非壱度体現したい、と思ってゐた「もりべとわかさ(オイワカモリからオイワさんが抜けた編成)」との初邂逅。んで、ゲストがオイワさん、といふ(笑)。

もりべとわかさ、はウチと同じ鍵盤とベースのデュオ。「残念ソング」といふテーマを掲げ、洒落っぽく演ってはゐるが、そのクゥオリティはなかなか侮れず、ファンも多い。絶妙な倦怠感で進むライヴは客席を巻き込み、独特の世界観で会場を包む。ヌ〜〜〜、この後では演りにくいぞ。案の定、やや狙い過ぎたウチらは攻め手に欠け、やや中途半端なライヴを演ってしまった感。

それが証拠に、関目から応援に来てくれたウチらのファンからの反応も薄い。ファンではあっても、この人達の審美眼は厳しく、出来の悪さは見逃さない。

今回、しーシュの出来に関して、不調とまでは云へぬまでも、絶えず違和感、と云ふか責め倦ねる感覚を拭えないままだった。7日もライヴをやれば、少なくとも3日めくらいには、どーにかまとまってくるものだが、今回はそれがなかった。勿論、悪かった訳ではない。そこそこの事は演れたとは思ふ。だが、遂に最後まで「完璧!」と思へるやうなライヴが出来なんだのは、ホンマに悔やまれる。ここん処、調子良く行けてたしーシュだけに、残念である。

もしかして、中期のオルカ団の時のやうに、ワシ独りだけが先走ってしまってゐる?と思ってしまふ。10年目を迎え、もっとキチンと音楽に向き合わないと、それこそノレン〜達のやうな素晴らしい後輩達に顔向けできない。

まぁそのやうに、次への目標を抱けただけ、良かったと云へるのかもしれないが・・・。


所感:改めて自分で読むと、「調子が悪かった」といふ事を発表してゐるやうな文章である。

だが、さう感じたのは事実で、しかもそれが7日間も続いてしまった、といふ事は、職業音楽家としてやはり由々しき事態であり、ここは本当に戒めとして行かねばならない。「長く演ってゐるとこんな事もある」で済ませてしまふ訳にはいかないのだ。

調子が悪い時のプレイこそが、その音楽家の本質、と云ふこともある。しかしワシはそれを否定する。演ってる時に気持ち良くなくて、何が音楽ぞ。

なんにせよ、これから、だ。