6月

1週目


6月1日(水)---------------------------------------

導眠剤を服用したお陰で、灰色猿に殴られたやうに昏睡。10:00ぐらいには起きたが、どろーんとしたアパシー(無感動感)が一日中付きまとう。これはこれで悪くない。なんかラリ

さぁ、休みだ。

女房と散歩がてら買い物に行き、2〜3日分の食糧やらを買い込んで来て昼メシ。ゆんべ椎名さんとこに置いて帰ったバイクを取りに行く。家に行くと椎名さんがタルさうに庭に水を撒いてゐた。マー坊は早くから仕事に行ったらしい。なんとなく次の練習日を決めて、バイクを引き取り本屋巡り。菊池成孔の新書が欲しかったのだが在庫なし。

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女性は往々にして、女性の美しさ、を誤認してゐるやうである。過去何人かの知り合いの女性が、普段とてもチャーミングで美しいのに、彼女ら自身が『イケてゐる』と思ふメイク、あるいはファッションに身を包んだ途端、「えぇ・・・?」と思ふやうな変化を遂げる事が多かった。女性が女性を飾る時、大概の場合『ケバくなり過ぎ』る傾向があるのだ。

ある日、広報の為の撮影があり、当時一緒に演ってゐた女性音楽家が、かなり気合いの入ったメイクをして来た事がある。アップした写真はどれも、本人のイメージを覆すやうな「怖い」ものに仕上がってゐた。ワシは仕方なく、本人に了承の上で、オフの時に何となく撮った写真の方を掲載した。これがファンにはえらく好評だった。本人は非常に複雑だったさうだが、ファッションデザイナーやメイクアーティストのほとんどが男性、てのはさういふことなんぢゃないかね?。

まぁ、さういった女性サイドの感性が端的に現われたのが、数年前の、あのガングロ、ヤマンバ系のファッションなのだらう。彼女らが何を参考にして、ああなってしまったのかは知らんが、ワシは未だかつて、あれを『良い』と思ってゐる(思ってゐた)男、と云ふモノに会った事がない。あれは完全に、ごく一部の女性のリンクの中だけで完結してゐたファッションだった。

ワシは決して「素顔の飾らない君が素敵さ〜」などと先時代的な事を云ふつもりはないのだが、ね。だから女性の皆さん、ちったぁ男の云う事に耳を傾けてみてごらんなせぇ。

2日(木)-----------------------------------------

ヌ〜〜〜〜、眠れない。不眠症の辛さは、経験した人でないと判るまい。『寝れんのなら起きておけばイイぢゃん』とか云ふヒトもゐるが、不眠症は『眠くても眠れない』のだ。結局ほとんど一睡も出来ぬまま東の空が白みはじめ、5:00ぐらいにアテもなく散歩する羽目となった。まぁいつかは寝れるだらう。

昼、以前から気になってゐた、近所のリストランテ「ボワボワ」に行く。オサレな店だ。奥が雑貨屋を兼ねてゐて、上戸彩似の女性店員がゐる。ランチメニュゥが4〜5品。女房がご飯もの、ワシがパスタのセットを注文。仲々美味しかったが、如何せん量が少ないな。まぁ一般のヒトが喰ふ量はこんなモンなんだらうな。

3日(金)------------------------------------------

なんか2日も休んだのに、不眠症のせいで全然そんなかんぢがせぬ。あんなに懈怠な時間を過ごすなら、仕事してた方がマシだったな。といふことで、けふもあまり寝れてはおらぬが、早朝から起き出してヲーキング。ヨガ、ストレッチ運動。そいから此所数日、といふより半年ぐらいしてなかったベースの基礎練習を、思い出したやうにやる。全部やり終えてもまだam10:00。

午後から専門学校。授業終えてジムへ。久しぶりにマシントレーニングを40分。サウナ浴びて、個人レッスンへ。独りだけレッスンした後、ツアー用の「独弾」練習。40分でぴしっと終了。かういふシステマティックな日々を送らぬと、ワシはだうも駄目なやうだ。

夜、北九州のTeiさんから電話。バンドについて相談を受ける。リーダーはどこも大変だね。「それはさうと、お前、夏は来んのか?」といふ話となり、「ぢつはちょっと疲れてかれこれ・・・」とか話してゐたが、否!そんな事を云ふておったのでは「でらしねビト」としてどうなのよ?!と思ひ、7月に1本ブッキングしてもらふ事にした。上手く行けば、また油谷町でイベントだ。


2週目


6月4日(土)-----------------------------------

何時に寝ようが、不眠だらうが、眠からうが、朝7:00に起きる事にする。考えてみりゃ、昔は起きてなきゃイカン時でも寝てしまってゐたな。それはやっぱり、バンド活動でどんなに遅くなっても、昼間の仕事の為に毎朝6:00には起きてたからなのだらう。

残留旧日本兵の話題にて、知人が『小野田少尉の昔の映像が、今のアンタにそっくりだ!』といふ手紙をくれる。今ウチにはTVがないので分からぬ。似てたっけ?。オモロイ話だが、わざわざ手紙を書くほどの事かいな?。

夜、酒を飲みながらQueenの古いアルバムを聴く。うぅむ、やはり凄い。聞きはじめの頃は、単にオモロイから聴いてゐたが、自分で音楽を作るやうになってみると、如何に凄いことを作り出してゐたグループなのかが分かった。今、かうして聞き直してみても、まだ発見があったりする。リフや対旋律の動きなど、ワシの出所はぢつはここだったか、と思わせる所がいっぱいあった。特に、今回CDを作ってみて、スタヂオ版ならではの効果を色々使ったが、そのほとんどはQueenの手法だった。なるほどワシは彼らの影響を受けてゐる。

しかし、素晴らしいグループなのに、何故か「Queenのファンです」と云いにくいのは何故だらう?(笑)。

5日(日)-----------------------------------------

心の清涼剤を求めて、久しぶりに教会へ行く。そしたら、隣に座った人が、猿のやうにそわそわした人で、こちらが落ち着けない。観察してみたら5秒とぢっとしてゐない。レッサーパンダより集中力がないやうだ。ごそごそ動くたんびに何か落とすし、なんやこのおっさんは?。その後、人と会話してゐるのを聴いても、なんか高飛車な喋り方をしてゐる。善い人ではなささうだ。ワシの清らかな時間を返せ。

夜、ナカハラヒサロヲ&Jet pilot のレコ発ライヴを見に行く。「招待券用意しとくから」と云ふてゐたが、会場に行くとそんなものはない。まぁ仕方なく正規の料金払って入る。ビール飲みながら静かに見る。音がデカい。最近特に、エレキギターの音を聴くことすらあまり無いので、正直な所、歪んだギターの音は苦痛に感じる。『あんなベ−スを弾くお前に言われたかねぇよ』とか云われさうだけど・・・。

お客さんはたくさん入ってゐるが、完全に身内ノリの世界。ワンマンだからしょうがないか。にしてもナカハラさん、元気いいね。良いロッケンローバンドである。この後、2週間に渡ってツアーださうな。

帰宅した頃、留守電にナカハラさんのメッセイジ。「チケットを直接渡そうと思ってゐて忘れてた、ごめん。金返すからさ」。愛すべきロッカー、ナカハラヒサロヲである。

6日(月)-----------------------------------------

朝、専門学校。昼上がりで、Bobbyさんの店「うどんのわきた」へ寄る。ちゃんとした客として行くのは初めて。お昼時はさすがに大入満員の戦争状態で、ワシが行っても軽く会釈する程度しかできぬ。バンドマンとしてのBobbyさんは、どちらかと云ふとおちゃらけたおぢさん、と云ふかんぢだが、店主としての脇田氏は、クールなうどん職人であった。カツ丼とうどんのセット。美味い!。

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けふは、梶山シュウプレゼンツ、企画「管」ライヴ。JIVEを舞台に、色んなアーティストとコラボレーションするこの企画も、今回で3回め。けふのゲストは藤井政美桃井准。西洋音楽における管楽器の完成型とも云へるサックスと、恐らくは世界で最も古い管楽器のひとつであるディジュリドゥ。この二つをワシがどうまぜっかえすか、がポイント。まぁ一度リハをやってみた感ぢからして、相当にマニアックなモノになるだらう、とは予想できた。

冒頭に2曲ほどソロを演り、政美とデュオで1曲、桃井くんを入れてトリオで完全な即興を2曲。これで前半終了。

後半は桃井君のソロに続いての、40分ノンストップの即興。桃井くんがPCとディジュでノイズをばら撒き、政美はフリーに吹きまくり、ワシは淡々と唄を交えた曲の断片を演奏する。ホンマは10分置きぐらいに停めやう、とか云ふてゐたが、やってみると停まらなんだ。途中、フと顔を上げると、お客さんの半分ぐらいが居なくなってゐた(笑)。ごめんなさいね。

まぁ演ってる方と、一部のお客さんはとても楽しんだやうだ。内容的にも、仲々のモノができたのではないか、と思ふ。さすが名手藤井政美。好き勝手演ってるやうで、しっかりポイントは押さえてゐた。桃井君はかういふフリーは初めてだったやうで、少々戸惑ってゐたやうだ。ワシもこのテの音楽を演るのは、広島リアルジャズ集団*との付き合いがなくなって以来。政美はよほど面白かったやうで、このトリオでヨーロッパに行こう!などと言い出す。さうだな、誰か呼んでくれんかね?。

しかしかういふ音楽は、結局大衆性とのバランスが問題になって来る。まぁ要するに『一般ウケせぬ』といふヤツだ。今回のお客さんの中には、『耳が痛いやうなギターの音でポップス演られるより、こっちのほうが全然聴き易くて分かりやすい』といふ心ある方も居られたが、ミュージシャンの中にすら、このテの音楽を指して『オナニー』だと公言する人もゐる訳で、ましてや『食事の後に小粋なジャズでもどう?いい店、知ってンだ』とか『ホテルにシケ込む前に、小洒落たジャズバァで気持ちを盛り上げて』とか『けふはジャズ聴きながら君の瞳に乾杯』とか企んでゐる市井のヒトビトが店に来て、こんなの演ってたらそら帰るわな。

それにフリーは、2回めからは純粋な意味でのフリーではなくなる、といふジレンマも持ってゐる。ワシとしては、次は同じ3人で、がっちり作曲したものを演ってみたい。さういふのと即興を併用しながら演れるなら、ヨーロッパツアーも夢ではなからう、と思ふのだが。

まぁいいや。オモロかったんだ。

*広島リアルジャズ集団:広島に存在したフリースタイル音楽団体と、それを発信するカセット(!)レーベル。2001年に解散。ワシはしばらくの間ここで活動してゐた事がある。確かここで3本ぐらい作品を発表してゐるハズ。ホームページはこちら。http://bekkoame.ne.jp/~realjazz

7日(火)--------------------------------------------

朝、1時間散歩。その後ソロ用の新曲作る。昼から専門学校。帰宅せず楽器店レッスンへ。ライヴ翌日の早起き、一日中の移動とレッスン、で疲れたのか、晩飯喰ってビール呑んだら、久しぶりに強烈な睡魔がやって来て、11:00にはダウン。

8日(水)--------------------------------------------

天気が好いので、ほぼ毎日朝の散歩してゐる。10:00にジムへ。けふはアミノサプリ系新商品の試供セールをやってゐて、受付で500ミリのペット入り飲料をもらふ。呑んで、30分かけて1キロ泳ぐ。その後受け付けにて、呑んでトレーニングしてみてどーだったか?とか訊かれ、その場でまた1本もらってがぶがぶ飲みながらインタヴ−に答えてゐたら、『凄い飲みっぷりですね』とさらに1本くれた。これのお陰なのか、けふは結構しっかり泳いだ割に、あまり疲れなんだ。

昼からレッスン。先日のライヴを見に来てくれた楽器店の店員が、『すごい面白かった』と云ふてくれる。さうね、理解出来るか出来ぬかではなく、オモロイかオモロないか、だよな。

帰り、久しぶりにスーパー銭湯に寄る。玄関の真ん前に堂々とデカいヤクザ車が停めてあり、やれやれ、と思ってゐたら、刺青全開バリバリのダンディなおぢさまが何人かゐた。確かかういふところって「刺青お断り」ぢゃなかったんでしたっけー?。ヤクザ断る勇気無いんなら、さういふ事云わなえぇのに。ワシもぢつは数年前から墨を入れたいといふ気になってるんだが、風呂好きなワシとしては、銭湯に行けなくなるのが辛いので、迷ってゐる。

まぁ、既に30後半になってピアスを開ける、といふ暴挙に出てるんだから、ね。

9日(木)---------------------------------------------

レッスンに行くと、当主佐藤さんが、急遽一日空き日となってしまった旨。ので、此所数日休みなしの佐藤さんには早退してお休み頂き、けふ一日スタヂオと教室管理を任されることになった。静かな教室にひとり残る。ミュージシャン駆け出しの頃、かうやってここで一日電話番をさせてもらったものだ。仕事がなく、コネもアテもなく、「この先俺はどうなるのだらう?」と思ひながら、ただただスタヂオ予約の電話を受け続けた、あの日々が懐かしい。

さう云へば、同じ時期、終夜営業のレンタルスタヂオの休憩室などで良く見かけた、バンド活動するでもなく、かと云って店番をしてゐる訳でもなく、ただヒマを持て余し、他に行くアテも無くたむろしてゐた、勉強も仕事もやる気のない若い娘ら。週に何度か街角でティッシュを配るバイトをするだけ、と云ってゐた彼女らは、その後マトモになれたのだらうかね?。

10日(金)--------------------------------------------

きのう、けふと、ジムが休みだと云ふ。市営のジムにでも行くか、とも思ふが、結局やめておく。

専門学校を終えたあと、個人練習でもするベ、と街に出て、スタヂオまで歩いてゐる途中、ギターの岩本さんとばったり。少し立ち話してゐると電話が鳴り、One Love の小柳君から今年も9月の満月祭の出演依頼。電話を切って2秒もせぬうちに、ダンスの麻須美ちゃんにばったり。かういふ日もある。麻須美ちゃん、休みにてブラブラしてる所、と云ふので、当然ながら個人練習を後回しにして、茶に誘ふ。

茶を飲みながら2時間ぐらい話をし、舞台を見に行く、と云ふ麻須美ちゃんと別れ、スタヂオにて個人練習。スタヂオを出ると、空がどんよりと曇り、雨の予感。安売りのワインを買って帰る。アクアパッツァとポモドーロ・パスタで晩飯。じっとりと暑い。そろそろ梅雨入りだ。


3週目


6月11日(土)-----------------------------------

夜、久々に雨が降ったやうだが、朝には上がってゐる。梅雨入りはまだなのかな?。買い物に行って惣菜で昼飯にする。巻鮨1個と細巻きが3〜4個、コロッケにサラダ、ぐらいで腹一杯になる。ぐふー。すっかり小食になってゐるワシ。医学的にも、胃を小さくする事は良いことしかもたらさぬので、良いのだ。

アクターズスクールの後、ねこのづくのリハ。けふはマー坊が出張中につき、椎名さんとふたりで練習。当然、飲みにも行く。このユニットについて、音楽について、人生について、椎名まさ子といふ人について、梶山シュウといふモノについて、色々話した。

12日(日)--------------------------------------

女房をドライヴに連れて行く事を思い立つ。愛車「ぐすたふ」に燃料とオイルをチャーヂし、エアをチェックし、山陰へ向けて出発。中国山地を3時間かけて越え、浜田市に入る。浜田市内に入った途端、何故か街全体が白くけぶってゐる。へ〜、山陰はこんな感じで霧が出るのか、と思ひながら車を進めてゐると、火事だった。焼肉屋さんが派手に燃えてゐる。ケガ人が出てなきゃいいけど・・・・。

神楽の里、石見にて昼食。この日、道の駅に隣接したイベント会場で、神楽団の上演が予定されてゐたが、残念ながらワシが4:00までに広島に帰らぬといかんので、観覧は断念。代わりに神楽のビデヲを買って帰る。それにしても噂以上に、この町の神楽人気のものすごい事よ。土産売場の過半数を神楽グッズが占め、5歳児くらいの子供が神楽ビデヲを親にねだってゐる。上演までまだ2時間もある、と云ふのに、既に客席はある程度人で埋まってゐる。石見では、サッカーをやる男より、神楽をやる男の方がモテるさうな。まぁ、ね。

さて、帰りは高速を使い、1時間ちょっとで広島へ。横川の「横川シネマ」に一合瓶ライヴ、といふ沖縄系イベントを椎名さんと見に行く。詳しい事を何も知らずに行ったイベントだったが、沖縄のミュージシャンやコメディアンが多数出演し、予想以上にすげぇオモロかった。それぞれに強い個性を持った素晴らしいアーティスト達が5〜6組。かなり長丁場(4時間!)のイベントだったが、最後までまったく飽きずに楽しむ事ができた。ウ〜ム、沖縄音楽ってやっぱり強いねぇ。

会場がえらく暑かったので、ビールや泡盛やらを結構飲み、ふたりとも酔っ払ひ、結構ふらふらしながら歩いて帰る。マー坊が居ないのをいい事に、二日続けて椎名さんとデートしてゐる。間男である。(註:勿論、マー坊には了承の上ですよ!!)

13日(月)------------------------------------------

専門学校の後、いつものやうにプールで1キロ泳ぎ、いつものやうに佐貫うどんを飲み、いつものやうにソロの練習をする。その後、パルコに向かって歩いてゐたら、突然、まぁまぁ可愛らしい女性から『あの、すいませんちょっといいですか?私、#$%$#といふ雑誌の者ですが』と声をかけられた。

失礼ですがお歳はいつくですか?
あと4ケ月で40歳です
エッ!?
なにか・・・?
ホンマですか?
免許見せましょか?
いえ、結構ですけど、・・・・40歳・・・・、見えませんよォ
ははは、そらどうも。
じゃぁ、御結婚は・・・・・
まぁこの歳なら、普通してますよね
ですよねぇ・・・・・。20代独身男性へのインタヴ−だったんですけど・・・
どっちもハズレでんな、(てゆーか、あんたそりゃ見当違い過ぎぢゃが
う〜〜〜〜ん、イメージはぴったりの人だったのに・・・・残念ですぅ・・・
40代直前、既婚者へのインタヴーは要りませんか?
ははは・・・・
へへへ・・・

何にせよ、若く見られる事は気分がよろしい。

14日(火)------------------------------------------

先日、石見市で買って帰った神楽のDVDを見てゐる。とても面白い。台詞は、中学生程度の語学力があれば理解出来るし、まぁワンパターンっちゃワンパターンの勧善懲悪物語なのだが、明解で分かりやすい。ポップ、とはかういふコトを云ふのだ。

ウチのmacがDVDを「喉に詰まらせて」しまひ、慌てて修理センターに持ち込むも、2〜3週間はかかる、と云はれて、とりあへず検討します、と云って持ち帰り、結局、ピンセットを使って引っぱり出した。DVD対応機種としては一番古いタイプのウチのmac。DVDに関しては割とトラブルが多いんだな。あんまり無理させるのも可哀相。ちゃんとしたDVDプレーヤーを買ひなさい、と云ふコトか。

15日(水)-----------------------------------------

いつも水泳の後に血圧を測る。元々そんなに高い方ではないが、此所の処づっと上が100を切ってゐる。まぁ高血圧よりは良いか。昔に比べたら随分性格が穏やかになった、と云はれるのは、そのせいだらうか?。

オルカのかをりが、当面の休み、ではなく、本格的にオルカを休業したい旨。ダンナとやってゐる会社が軌道に乗りはじめ、しばらくはそちらに専念する、とのこと。このご時世、仕事が軌道に乗る事は非常に喜ばしい事で、それは汲んでやる他はない。MIとまちゃは呼び掛ければ参加してはくれるだらうが、正直、かをり抜きのオルカはキツい。今のワシは新しいドラマーをイチから鍛えてまでオルカを存続させたい、といふ気もなくなってゐる。ここらで「第五期オルカ、ひとまづの幕」といふ事にしてもいいかもね。

思へば、初代ドラマー末広氏の脱退を皮切りに、思いっきりメンバーの出入りの激しいバンドである。かういふ所だけクリムゾンみたいやな。

16日(木)--------------------------------------------

女房をはじめ、数人に指摘されて、最近「リラックスしてゐる時の姿勢が悪い」と云ふことに気付く。ので、日中意識して背筋と首を真直ぐにして過ごすやうにしてゐると、逆に首が痛くなってしまった。摂生とトレーニングのお陰で「中年太り」は避けられてゐるが、他がコレではアカンでないの。

大阪遠征を来週明けに控え、新幹線のチケットを買う。安くはないな。それからポストカラーを買い込んで、PIEぞうを新たに「彩色」する。闘いのメイク、て訳ぢゃないが、まぁインドやタイで、お祭りの前には自分とこの象にカラフルな彩色を施す、といふアレだな。でもこの楽器、タマにふいに音が出なくなったりするンだぁな。大丈夫かな?。

17日(金)---------------------------------------------

けふは久しぶりに区民プールに泳ぎに行った。ここは50メートル×10コース、水深3メートルの本格的なラッププールで、上級者以外は泳いではイカンことになってゐるので、広いプールに2〜3人、といふ贅沢なスウィミングが楽しめる。仕事の合間に泳いだのだが、水温が低くて、1キロ泳いでも身体が温まらぬ。

日頃は民間のジムで泳いでゐて、かういふ公立の所も、プールのクゥオリティはそれほど違わぬのだが、付随するもの----更衣室やドライルーム、ロッカー、シャワー、洗面台、サービスの綿棒やティッシュ、ドライヤー、石鹸、などに、会費を収めてゐるだけの違いが出て来るのだなぁ。

レッスン後、PIEぞう 独弾 at 大阪の練習。

5弦、6弦、アクティヴパッシヴ、アンプ、云々といふハナシどころか、ワシはこのZo-3で充分なのでは、といふ気がして来る。

この夏の色々は、マジでこいつで乗り切ってみやうかな・・・。


新たな彩色をする前のPIEぞう


4週目


6月18日(土)-----------------------------------

明日大阪へ遠征する、と云ふ事で、気を遣ってリハを休みにしてくれたねこのづく。一日ヒマを持て余してしまった。まぁピュっと行って、ピっとソロを演るだけだからねぇ・・・。

古い書類やらを整理してゐて、インストラクターをやりはじめた頃のレッスンノートが出てきた。月曜日から金曜日までの、全生徒の進み具合と目標、演奏の癖までが克明に記述してある。へ〜、こんな真面目なこともやってたんだな。う〜む、かういふ「熱さ」は今のワシにはないねぇ・・・・。ん〜〜〜〜、考えてしまふな。

19日(日)------------------------------------

大阪遠征。東京以外の地で、初めて行なわれる「Bassment party=地下室の会ライヴ」への参加である。大阪の泉尚也さんが中心となって進められた。当初、泉さんは、関西在住メンバーとワシだけでこぢんまりと演るつもりだったやうだが、賛同者が増えたりして、結局、ツアーを中心に活動してゐるメンバーが大阪に集まった『Bassment party in 大阪』といふ形になった。

昼頃の新幹線で大阪に向かい、地図と路線頭を頼りにけふの会場「Knave」を探す。地下鉄を下りて5分もせぬうちに発見。東京に行くと必ず道に迷うワシだが、大阪は河が流れてゐるので、地理が把握し易いのだ。会場に入ると、主催の泉さん、関東勢のBARAKA、今沢カゲロウ君、Jimmy前田さん、それぞれ知り合いなので、あんまり他所の土地に来た気がせぬ。おかげでワシは、終始リラックスした雰囲気でリハ〜本番とこなせた。本日の出演:関西勢からAKARA、NI-BAC、Frogs+。東京からはBARAKA、今沢カゲロウ、Wet zepplin。広島からワシ。の7組。詳しくは地下室の会ホームページでいづれ詳しく掲載されるであらう。

ワシはサブステージでの参加。PIeぞうとサンプラ−1個、といふ超機動性セットで、月の路/春/星の波間に/らのえてぃあ、の4曲を演奏。まったく問題なかったどころか、他の出演者の多くがZo-3ベースの可能性を再認識した、と云ふておられた。Zo-3ベースの売り上げが伸びたら、それはワシのお陰やで!フェルナンデスはん。

動員に関しては『まったく予測出来ない(泉さん談)』との事だったが、蓋を開けてみると、ほぼ満員。しかもお目当てのミュージシャンを見る為、といふより、ちゃんとBassment party を楽しむ為に来た、といふお客さんばかり。勿論、演奏に不満があろうはずもなく、全ての出演者の渾身のパフォーマンスに、会場も大いに盛り上がった。ファン同士の交流もかなりあったみたいだし、大成功!と云ふていいのではないでせうか?。皆さん、お疲れ様でした。

面白かったのは、ワシの本番が終わった後、楽屋でビールを飲んでゐると、BARAKAの伸さんがワシを呼んだ。行くと、なんか都会的な鋭いかんぢのする男性がゐて、『あぁキミ、凄く面白かったよ』と、云ふて下さる。

『ちょっとあのベース、見せてくんない?』と云はれ、どっかで見たことある人やなぁ、と思いつつPieぞうを渡す。ペイントに笑いながら弾いておられる。『いやぁいい音してたよ。唄と凄くマッチしてた』『ありがとうございます』

折角だから皆で写真を撮ろうよ!と云ふて何枚かスティールを・・・。伸さんやジミーさんがこんなに丁寧な接し方をするこのお人は誰だらう?と思ふ。後で伸さんに、あの方は誰ですか?と訊くと、『何云ってンだよ、シュウ!後藤次利さんじゃないか!』と云はれてギャアァァァ!!。どーりで見たことがあると思ったァァ!!.

失礼な言動を取ってはいなかっただらうか・・・。
右から(敬称略)Jimmy前田、泉尚也、Pieぞうを持つ後藤次利、依知川伸一、事情が読み取れず、キョトンとしてゐるワシ。
20日(月)------------------------------------------

ゆんべは打ち上げからホテルまでの帰り道、Jimmyさん、カゲロウ君とづっとプログレ談義に大盛り上がりであった。

朝、眼を開けると強烈な朝日が眼球を直撃す。と云ふより強力な朝日が顔を直撃して目が覚めたのだ。なんとホテルの部屋が東向きなのである。これはたまらん!。時計を見るとまだ6時!。ゆんべは3:30頃やっと寝たのにや!。カーテンを引いて、改めて寝やうと思ふも、既に脳は覚醒しはじめてゐる。考えてみりゃ、かういふビヂネスホテルって惰眠を貪るやうには作られておらぬのだよな。みんなチャっと起きて仕事に行くのだ。

仕方なく、シャワーを浴びてチェックアウトまでごろごろしてゐる。地下室の会、関東メンバー達の車は既に無く、云ふてゐたやうに朝早い時間に出発したやうだ。ワシはけふはオフ。予定は「広島に帰る」といふ事だけ。大阪見物でもするつもりだったが、チェックアウトして外に出てみても、大阪の街はまだ寝てゐる!。ファストフードの店ぐらいしか開いてへん!。ガイドブックを見てみるも、何処の店も大体am11:30位にならぬと開かぬやうだ。がんばってその時間帯まで歩き回ったりしてみたが、寝不足だし、酒は残ってゐるし、挙句に、サンダルが靴擦れを起こしはじめ、痛くてたまらぬ。

11:00頃、ついに観光をあきらめ、もう帰る事にする。昼の新幹線で広島へ。単発ツアーとは云え、あんまり他所の土地で飲み過ぎるものではないな。夕刻前には広島に居て、女房とラーメンを喰ひに行き、早めに寝る。

21日(火)-------------------------------------------

だうも恐ろしくて、先延ばしにしてゐたのだが、発売開始4ケ月めにして、CD「きねつき」の売り上げ集計を出してみる。昨日の大阪でも、パフォーマンスがウケたほどにはCDの売り上げが伸びなんだ。思ったより全然売れてなかったらどーしやう?とか思ひながら、電卓をハジく。

結果、多少のアバウトさ(お世話になった人にはプレゼントしたりもしてゐるからね)を考慮しても、4ヶ月で125枚が売れた計算となった。ほとんど独りで売り歩いたにしては、まぁまぁの数字とチャウか?。まぁこれからがしんどいんだらうけどね。気長に、果てしなく、さり気なく、売り続けるのだ。解体してしまったが、一応これ「オルカ団名義」となってゐる。この「名義」をどうするかが、ちょっと今後の課題。

22日(水)--------------------------------------------

新聞で「新入社員の8割近くが、自分の事を『勝ち組』だと思ってゐる、といふ調査結果が出た」とある。ふぅん。そもそもこのヒト達は、それほどまでに、何に『負け』たくないのだらうね?。

昔、広島で、ベーシストばっかりが何人か集まってライヴをやる、といふ企画があって(地下室の会ではなく)、なんかそれが決まったときに、まぁ半分は冗談なんだらうけど、「ヤツには負けない」とか「俺が勝つ」とか、出演者の間にさういふ鼻息の荒い応酬が在ったりして、心底うんざりした事がある。ライヴイベントなんかでも、自分の前のバンドが大ウケしたりすると、友達とかに「負けるなよ!」とか云われたりするが、そんな事の勝ち負けが、そんなに大事な事かね?。

でもまぁ、最近のワシは、あまりにもさういふ「勝負事」に無関心(てゆーか嫌疑的)過ぎて、ハナから勝負を降りてしまってゐる、といふ感じがせぬでもない。だからいまいちアカンのかも知れぬな。もっと「やるぞ〜!!」とか云うた方がエエんだらうか?。

いちおうワシも、ねぇ、ウケりゃ楽しいし、相手にされなんだら悲しい。チャーヂバックが少なけりゃ哀しいし、CDがいっぱい売れれば、そら嬉しいに決まってゐる。

23日(木)------------------------------------------

梅雨はどうしたのだらう?。

自分が思ってゐるやうな結果が出ない、といふ事は、とても辛い。他人に対して、自分が「無力だ」と感じたとき、人はどうすればイイのだらう。

24日(金)-------------------------------------------

東京のゲンタさんから電話があり、キキオンのDVD発表が決定的となった、との話。原盤の権利をどうするかで、意見を求められたりもしたが、結局、会社側が管理する事になった。内容は、ほとんど手直しナシのライヴドキュメント。名義としては「キキオン&リズマ・クノムバス」の作品。発売に合わせたライヴを10月後半位に演る、との事。印税や著作権、流通システムの話も出て、へ〜〜〜凄いなぁ、ホンマにワシ、DVDデビュウするんだな、などと思ふ。

DVDデビュウと云へば、ついに我が家にもDVDがやって来た。このたび、永らく壊れてゐたTVを買い替えたのだが(薄型のやつ)、思いきってDVDハードディスクレコーダーとか云ふヤツも買った。ぢつはまだ届いてないのだが、今からわくわく。


4週目


6月25日(土)-----------------------------------

雨、降らず。

ネコノズクのリハ。椎名さんの新曲あり。先日、折角彼女が作った新曲を、無碍にボツってしまひ、しかしこれは音楽家として妥協してはイカンところだし、しかしあんまりボツが続くと椎名さんが落ち込んでもイカンし、かと云ってメンバーである以上忌憚なき意見は云わねばならぬし・・・・とかあったが、今回のは仲々良いではないか。壮大な・・・。

「シュウのをパクっとるやうな気がするんだけど」と云ふが、そんな事もないでせう。

ただ、先日、椎名さんが仕事で他のミュージシャンと仕事をした時、ワシの事も知ってゐるそのミュージシャンが、ネコノズクの音を聴いて『あぁ、やっぱりこのテなんだね』みたいな事を云ったとか。ヌ〜〜〜、ワシとしてはフクザツであるな。

26日(日)---------------------------------------

某タレント系オーディションの審査員になりに行く。1:00〜5:00まで子供達の唄を聴く。

夜、全日本女子バレーのワールドカップ。話題率先のメグ&カナコンビが居らず、ワシ御贔屓の大友愛がチームを引っ張ってゐる。以前までの、アタックが決まったら無邪気に喜び、ミスったらあからさまに表情を曇らせる、あのかんぢが少なくなって、終始、かなり表情が険しい。エースアタッカーといふは、やはりそれほどのものなのだらうな。

この日の試合、世界の覇者ブラヂルに対しフルセットまで持ち込んだ!、と後日メディアは書き囃したが、確かに序盤2セットは連取したけど、後半は3連続で取られちってる訳だからね。誉められる要素はあまりないやうな気もするけど。スポーツは勝敗が全てだ。やはりメディア(フジテレ)の、いかにも三文ドラマ仕立てのヨイショの仕方は、不快以外のなんでもない。

それにやはり、あの、死んだ魚の眼をした邪煮−図のアイドルタレントらがくっついて出てゐて、もうええから、といふかんぢ。真剣に勝負に挑んでゐる、選手や監督に対して、無礼にも程があると思ふのだが。

27日(月)---------------------------------------

専門学校→水泳1キロ→独弾リハーサル→アクターズスクール企画会議→晩酌の買い物。

柔道の田村亮子が懐妊を理由に世界大会を棄権、とか云ふはなし。「引退は?」との問いに、「田村で金、谷で金、そして母でも金、を目指します!」とキッパリ。最近、このヒトの、かういふ迷いの無さといふか、無闇な前向きさみたいなものが、ちょっと癇に触る。人間はもっと迷ったり、もがいたりするものである。

まぁこの人は、ホンマにやってしまふから誰も文句は云えんのだけどね。

28日(火)---------------------------------------

けふはPieぞう1本だけで臨むライヴの2回め。内弟子イノマルの主催するライヴにゲストで出演した。出演はスウェット,M-style,ワシの3組。前二つバンドでイノマルはダブルヘッダー。仕事の都合上、ワシがトリを勤めさせて頂いた。

昼から夜まで普通にレッスン仕事をしてから会場入りし、リハもサウンドチェックもせぬままスタートして、アンコール含めて1時間、唄い切った。これが仲々どうして。ソロとしては、近年一番良い出来だったかな(笑)。本番前にビール1本だけ飲んで、心も身体も完全にリラックスした状態でのライヴだった。半ば内輪だったが、会場にはエロい格好した若い娘さんらがいっぱい来てゐて、MCも割とエッチな事を云ふてしもうた。これはいけませぬね。

本日の演目:月の路/春/こきりこ節(新曲)/らのえてぃあ/此岸之朱/Tes de taz; /家路/Oh Yah/だったかな?。あと2曲ぐらい演ったやうな気もするが。例によってよく憶えてねぇや。最近、録音もしなくなったからなぁ。

会場にはオルカ団の助員、MIとまちゃが来てくれてゐた。『ますます異様なかんぢになっとるね』とまちゃ。一方的にオルカ解体を宣言すると云ふ、事実上の「解雇通達」をしてしまった無責任な上司のライヴに、わざわざ足を運んでくれて感謝の言葉も無い。いづれまた一緒に演れる事を祈ってゐる。

考えてみれば、今後しばらくはソロで演る事になるのだから、これはこれでしっかりビジョンを持ってやんないと駄目だな、と思ふ。曲作りやパフォーマンスもそれ用に想定して行かんとすぐネタ切れになるぞ。日々、修行ですな。

明日は一日オフなので、珍しく若い連中と打ち上げに行く。が、やはりこの若さと云ふか、には、おぢさん着いて行けない。大体お前ら、ライヴ後なんぢゃけぇ、ちったぁ反省会みたいな事せぇや。無軌道に飲み食い大騒ぎしやがって。

29日(水)------------------------------------------

休日に熟考す。

サイパンの地に眠る太平洋戦争犠牲者の追悼に、平成天皇がかの地を訪れた、といふニュゥスが此所数日取り上げられてゐる。ワシは基本的には皇室懐疑派だが、現在の象徴天皇その人は、日の丸国歌斉唱問題に『強制は良くない』とやんわりと釘を差したり、このサイパン訪問も自らの意志で行なったり、と、仲々どうして見どころのあるお人やな、と思ってゐる。

同時に、これくらいの国際常識(良識)を持ち合わせた『天皇』が、政治的介入力を持ってゐたら、今の日本も、少なくとも対外的には、少しはマシになるのかも知れぬのに、と思ふ。

30日(木)---------------------------------------------

少し雨模様だったので、久しぶりに電車で仕事に行く。たまにやると悪くないな。本通りを歩いてゐると、ロケンローラーナカハラヒサロヲ氏とばったり。その場で来週アタマのライヴへのゲスト参加を依頼され、受ける。

私塾ジモミュージックスクールで、中学生の頃から教え、現在21になる青年が、家庭の事情(仕事の都合?)で福岡に引っ越す事になり、退会した。聞けば家族はもうとっくに福岡に移っており、自分ひとり広島に残ってバイトしながら教室に通い続けてゐたらしい。あんまり感情を表に出さぬヤツだったが、技術の飲み込みは早く、此所の生徒では一番の成長株だった。ボソボソと「もっとセンセイに教わりたかったんだけど・・・・」と云ふ。ん!お前がさう思ってくれてゐるだけでワシは満足だよ。

さらば。幾久しく健やかにあれ。


翌月