週変わりのシュウ

ロゴスと巻貝

4月1日(月)ーーーーーーーーーー

けふ壱日バイトを頑張れば、明日からまた旅だー、と思ひながらバイトを頑張った。

けふはレッスンなし。旅の支度。車での旅が増えたことを鑑み、このたび使いやすさうな、いわゆる「ボストンバッグ」を新調したのだが、なかなかにヨイ。前のバッグより遥かにモノが入るな。

4月2日(火)萩市 藍場川の家ーーーーーーーーー

あいにくの曇天の中、萩市へ向けて出発。
2020年の春に企画されてゐたのがコロナで流れて以来の藍場川の家だ。実際にしーシュで演奏するのはもっとぶりで、たぶん6年ぶりとかになるんぢゃないか?。

女将の室田佳子さん、美魔女ぶりは相変わらずだが、私が個人的に気に入ってゐた女性スタッフは居なくなってゐた。さう、萩市は全国で有数の美人の多い街なのだ。

ここはピヤノ以外の機材がないので、PAは全部こちら持ちでセッティング。もぅすっかり慣れたこの作業。音極めも早くなった。一度ちゃんとしたPA技術を学んだ方がいいかな、と思ひもしたが、少なくともしーシュの音場にかけては、間違いないものを作れるやうになったので、まぁ良しとしておこう。他でこの技術を使う気もないのでね・・。

久しぶりの萩ライヴは満員御礼。ホンマに久しぶりの方にも会えた。全体にだいぶ年齢層の高いお客様だったので、もぅこだわりなく洋邦新旧カヴァーも散りばめ、長めのワン・ステージをお送りした。よぅウケた。

4月3日(水)下関市 T-Gumboーーーーーーーーー

萩から下関へ。
山口県は山陰と山陽、両方に跨る数少ない県で、その大部分がたいへん長閑な田舎である。
曇天が続いてゐるが、そんな風景の中を車で駆け抜けるは気持ち良い。歴代総理を多く輩出してゐるだけあって、道路も素晴らしく整備されており、走りやすい。

その中で、漁港下関はわりと「尖った」イメーヂがある。九州との海峡を挟んだ漁師の街から発展したここは、独特のガラを持ってゐるかんぢ。エッジ・エフェクト、といふのか・・?。

けふの会場T-Gumbo、この頃はしーシュでよりもソロでよくお世話になってゐるイメージ。実際しーシュでここに出演するのは3年ぶりだ。そしてT-Gumboといへば、心優しき熱血漢、モヒカン頭のシンガーソングライターSTRAIDER。彼との共演も何度目になるかな・・?。

けふも長めのワン・ステージで構成。

4月4日(木)北九州市 ストロベリーサワーーーーーーーーーー

けふは初めてのお店。北九州と私、と云へばデルソルなのだが、あいにくけふは空きが取れなんだので、朋友 村岡達也氏と、その相棒ギタリスト 山近誠氏にけふのストロベリーサワーを紹介してもらった。

小さなお店だがグランドピヤノが置いてあり、しーなさんには嬉しからう。音場もよく、ストレスなく演奏に集中できた。事実、けふ共演してくれた村岡氏から『ワシが今まで見た中で最高のしーシュだった』との絶賛をいただいた。

この日ぢつは大変不思議な事が起こった。長い話になるが、かつて村岡氏と私が昔組んでゐたScootersといふユニットがあった。ここに岩本貢と云ふギタリストがおり、彼はそもそも生粋のジャズマン。私個人とはバリバリに前衛的なインプロ・ジャズを演ってゐたが、Scootersではポップスのバックを静かに彩るプレイをしてゐたのだ。

残念ながら今の私より若い歳で星になってしまったのだが、そのギターは数人の友人に形見として分配され、今もどこかで何かを奏でてゐる。村岡氏の持ってゐるのは、まさに彼のギターであり、彼と3人で演ってゐた頃のレパートリーを、我らは今でも演ってゐる。

そんな話をしたあと、しーシュはステージに立った。そのライヴの後半、『伝言』が演奏されてゐる最中、タマタマ演奏を録画してゐた村岡氏のキャメラに、ふぁふぁと光る球が現れたのだ。あとでみんなで何度も確認したが、それは明らかに「オーブ」と呼ばれる現象であった。

私は本来、そのテの事を信じてはおらぬ(否定もせんが)のだが、これは認めざるを得ない。岩本さんが来てゐたのだ、と思ふ。聴いてくれたんなら嬉しい。

4月5日(金)移動ーーーーーーーーー

『しーシュといふなかなか良いバンドがあるらしい』といふ噂だけで、仕事が斡旋される事がタマにある。

嬉しくないことはないが、せめて壱曲弐曲聴いてから誘ってほしい、とは思ふのだ。求められたニッチはどんなものでもこなす自信はあるにはあるが、それが全部「うまい」かどーかは判断を人に委ねるしかないのだ。

それに、我らはなんと言っても、一般的に見ればじゅうぶんに「マニアックな」ユニットだ。
そこんとこヨロシク、と。

4月6日(土)山陽小野田市 WAKAYAMAーーーーーーーーー

3月半ばから飛び飛びに続いてゐた春風ツアーも、これで一区切り。これもまた久しぶりの山陽小野田市コミュニティカフェ わかやま。「角打ち」と称しバァ感覚で酒が飲める販売店は増えたが、この店はそのハシリのやうな場所。父上から酒屋を受け継いだ音楽好きのマスター穐山真一氏はさらに講じて『ライヴもできる酒屋』を作ってしまった!といふね・・。

この街と云へば、失恋ソングの帝王さくぞう。けふも彼にPAとOAを依頼して、久々の共演も果たす。聞けばけふは山口県のライヴスペースのほぼ全てでライヴを行われてゐるらしく、お客さんの取り合いだった、といふ。その中でこんな旅の楽師のライヴに足を運んでくれたファンの方々には、もぅ感謝しかない。

長く続いたツアーに堪えたか、けふはだいぶ喉が荒れてきており、後で写真を見るとだいぶツラさうな顔で歌ってゐたんだな、と。終演後に飲んだビールが喉に沁みたので、まぁさうなんだらう。

そこまでになっても歌った甲斐のあるステージだった。

4月7日(日)ーーーーーーーーーー

広島へ帰る。

なにか、しーシュがまたさらに「化けた」気がする。
コロナを超え、20年と云ふ歳月を経ても、確固とした手応えはないが、なにか掴めかけてゐるやうな気はする。うまく云へぬがそんなかんぢ。

すべてのことごとに感謝。