小満(5月21日をピークに前後15日)

去年もやりましたけど、障害者の人達の作業所が合同で主催するパーテーに、今年はオルカ団で参加してきました。マミさんが病気療養中につき、キーボードに五十嵐進、パーカッションに水木恒夫とヒョウゴさんを迎えての、スペシァルオルカ。

ワシは何故か、朝起きた時声が出ない事が判り(最近これ多いんですわ、なんでやろ?)「これはヤバい」と思ったのですが、どーしょーもなく、仕方ないからやりましたよ、そのまんま。ひどい声でしたが、まぁなんとかなりました。お客さんも楽しんでくれたみたいでよかったよかった。

障害の度合いは様々で、車椅子を自分で動かす事も出来ない人もゐれば、ほとんど健常者と変わらんやうな人まで。「この人は付き添いの人やろな」と思ってたら障害者だったり、まぁだからと言ってどーいう訳でもないんですが。

「ネ、それはギター?」
「いんや、ベースだよ」
「面白い音出るね」
「う〜〜ん、普通はそーぢゃないんだけどね」
「普通って?」
「ん〜〜〜、」

去年もさうだったんですが、今年も逆にこの人達にパワーをもらいました。まぁ何やってもノっちゃう人達なんですが、アンコールまで来てね。楽しかったですね。なんといっても終わったのがPM5:00ってのがいい。ファミレスで打ち上げをしましたよ。お疲れさんでした。助っ人のイガラシ君、ありがとう。これでキミも準構成員だからね。

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月曜日、ひっさびさに映画館に行って「スパイダーマン」を見てきました。

今どき珍しい、ほとんど説教臭いところがない、正しい娯楽映画ですね。ワシは最初に日本で始まったアニメのスパイダーマンを見てる世代なんですが、「なんでクモが人を噛むンや?」とか「なんで噛まれたからってクモになるんや?」とかいふツッコミはさて置いて、オールCGだといふアクションのスピード感はさすがに凄いですな。

で、映画づいちゃって、金曜日にもう一本行っちゃいました「ロード・オブ・ザ・リング」。

こちらもすっげぇCG。礼讃するつもりはないけど、やっぱりCGといふのは映像の革命なんでしょうね。しかしやたら疲れる映画ですな。目まぐるしすぎる。それに長げぇ長げぇ!。正味3時間あって『続く』で終わっちまいやがった!。

ワシが見たいCGはね、『地球空洞説』の内側から見る風景。エドガー・ライス・バロウズの「ペルシダー世界シリーズ」ってのがあって、それは地球の内部は巨大ながらんどうで、そこには地上とは全く違う文明や生命体が存在してゐる、といふ突拍子もない発想のもとに描かれてゐる冒険小説です。これは実はかなり古くから囁かれてゐる学説で、なんとあのハレー彗星の発見者であるエドマンド・ハリーもこの説を唱えてゐるのですよ。

で、まぁ球体の内部な訳ですから、我々が知る「遠くの風景」てのが全く違ったものになりますわな。ワシらが「平地」と呼んでゐるこの世界は、ぢつはでかい球面の外側ですよね。だから普通、遠景といふものはゆるやか〜〜に弧を描きながら向こう側に落ち込んで行きますよね。物体は下の方から見えなくなって、やがては球面の向こうに消えてしまう。だから「水平線」とか「地平線」ってものが存在する。ところが地底世界(ペルシダー)では全ての風景は上向きに反り返りながら拡がって、目線よりも高くなって行くんですね。例えば10キロ先にある海を「見上げる」形になっちゃうんですよ。

見てみたい光景だと思いません?。

これね、ぢつは一度映画化されててね、ワシ、見に行ってるんですよ。1976年に公開された「地底王国」ってやつ。まぁガキのワシ(当時のワシはまだ11歳。小学5年生!)が見てもおっそろしくチャチぃ映画でしたね。円谷プロも笑っちゃうやうな怪物や、明らかにスタヂオに作られたセット!。勿論、そんな壮大な遠景の描写などあるわけもなく、ただ、ヒロインのキャロライン・マンローの異常な露出度の高さに胸をどきどきさせてゐた、といふ事だけを憶えております。

「スターヲーズ」みたいなのもいいけど、この「ペルシダー」こそハリウッドのCG技術で撮ってほしいなぁ。ねぇスピルバーグさん。

5月24日


日曜日にポークスカッシュを見て来ました。

ギターのキンちゃんが加入して、にわかに活気付いた感のあるこのバンドですが、まぁ確かに勢いがありますね。JIVEといふハコも良かったのかね?。自分らがどー思ったか知らんけど、ポークにはライヴハウスより、かういうハコが合うやうな気がしますな。クラブとかでもやってみたらどうかね?。

ここのベースと唄のバリホは昔のワシの生徒です。10年以上前の事ですが、当時大学生だった彼も30歳になるってさ!。へーっ!!。

あんまり云う事を聞かん生徒でしたが、まぁ個性ある立派なアホゥに成長しておりますな。良い事です。

ワシはね、かう云っちゃナンですが、大したレッスンはせんのですよ。生徒と一緒に弾くだけ。どこが悪いとか、かうした方がいいとかもほとんど云いません。「けふは$$$といふ技を教えるぞ!」みたいな事はやりません。「どーしたらいいんですか?」という生徒にも「お前はどーしたいのだ?」と聞くだけです。

技術を伝える事には意味はないんですね。ワシを見て、近くに来て、盗める物なら盗めばいい。でもそれはワシの真似に過ぎない。基本というものにしてもあくまでも「一つの例」に過ぎない。基本が大事だから・・・といふ人には教えてあげられるけど、それ自体には何の意味もないんですね。自分と同じやうな弟子を育てる気は、ワシにはないです。ワシに出来るのは、音楽がいかに素晴しく、また続けてゆく事は容易ではなく、しかしそれでも続けるだけの価値はあり、それを一生かけて探し続ける意味、を問いかける事だけです。

だから「そんなの習いに行かなくても自分で出来らぁ!」と思う人はそれでいいんです。むしろそっちの方がずっといい。

いつまでもワシのところで習ってる、ってのも、嬉しいけどどうかな?と思います。師匠としては、弟子に去られるのは辛いけど、本当にいい音楽に出会いたければ、どんどん旅をするべきだと思いますよ。

ところでバリホ君とキンちゃん。椅子の上に立ち上がって弾くのはイイとして、あれは一応、店の椅子だからね。土足はやめなさい。

5月30日


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